マチンガのノート

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ニッポンのジレンマ 元日編 の感想

2016-01-02 09:57:19 | 日記
感想を幾つか。

1.科学史家と、政治学者のやり取りで思ったこと。

 科学史家:アジア人で移民予備軍と見なされる高校生としてフランスで
      イスラム教徒と過ごしていた体験で、移民、難民の子供の将来は
      3K労働がメイン。そこに、「イスラム教」という言葉を
      あまり入れてほしくない、という感じの発言。

 政治学者:政治的にはイスラムと西洋の問題、という感じの発言。

科学史家の言いたかったことは、将来3K労働にしか就けそうもない
移民、難民の子供に「イスラム教」という言葉を浴びせ続けると
現状への不満から、そちらに釣られるから配慮すべきではないのか、
と言いたかったのだろう。生活体験の違いから、噛み合わなかったのだろう。

2.IT企業のひとが、一般的な勉強よりプログラミングを教えたほうが
将来の就職、居場所作りに役立つとの発言をしていた。

しかし、プログラミングで教わるのは、ロジックの世界。
ロラン・バルトなどが指摘するように、欧米言語では、ロジックの流れで
物事を明確化していくが、日本語はかなり違う。
俳句を見れば明らか。日本語はロジックでなくて、物事を全体的に捉えている。
ロジックの方に行くと、日本では孤立しやすいのではないのだろうか?

3.人間関係も、データ解析で解っていくのではないのか、との発言が在ったが、
実際に接している相手の雰囲気、印象、輪郭の明瞭さ、不明瞭さは
データでは捉えきれないだろう。身体感覚を無視しては、他者との関係は
わからないと思う。