マチンガのノート

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美と深層心理学 :東畑開人 京都大学学術出版会

2019-03-26 23:00:52 | 日記

美も醜も、それぞれともに、対象から距離を置いたところからの認識であり、

対象と未分化ならばそこまで明確な認識は生じない。

本書ではクリステヴァの「恐怖の権力」などで触れられている未分化の状態から

考察している。

何かを認識するには、北山修が「共視論」で取り上げている「共に並んで眺める」ことなどで

別の対象を共に感じることにより、言語や象徴の基盤となるものを共有して、

内的基盤を生成することがまず必要なのだが、最近はそのような内的基盤自体が無いために、

語ること自体が困難なケースも多いようである。

 当事者の語りや表現を重視する態度は、土台のない人に飛ぶように促してしまうことが

あるのかもしれない。

「恐怖の権力」ジュリア・クリステヴァ

「共視論」北山修