マチンガのノート

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発達障害の時代とラカン派精神分析:上尾真道 牧瀬英幹 編著 その2

2019-08-16 22:52:24 | 日記

本書は、未成立な主体がどのように未成立かを描き、さらにそこから

どのように主体を生成させていくのかを、理論立てて解説していこうという大胆な試みである。

ジュリア・クリステヴァが「恐怖の権力」で主体の生成について描写しようとしたが、

当時はまだ、参照できる症例も理論も少なく、とても解りにくく描かれていた。

本書ではこれまでの様々な研究や臨床での実践を参照して、ラカン派からの

見方で理論立てて論じている。

これまで、自閉症、発達障害がいかなる見方をされて来たかを長い期間を参照して

見渡すのにも丁度いい一冊である。