アメリカの懐の深さを感じる映画
貧困や育児放棄で居場所が無かったり、行くところがない若者を勧誘して、バンで各地を回って、
雑誌の訪問販売をしている若者のグループの話です。
裕福そうな家の主婦も、胡散臭い販売員が訪ねてきても家に入れて話を聞いてあげたり、
トラックの運転手も、車に乗せて話を聞いて契約してあげたりと、
何かと市井のアメリカ人たちの懐の深さを感じさせる映画でした。
新人の勧誘役のジェイク(シャイア・ラブーフ)が、主人公のスター(サッシャ・レイン)を
バーベキューに招いた年配のカウボーイたちに、銃を突き付けて車を奪ったりしますが、
その人達も、悪い男のせいで若い女性のスターに、前科がつくのを気にかけて、
警察に通報するのも翌日にしていそうでした。
リッチな大国だった期間がそれなりに長く在ったことが影響しているのでしょう。
昔の西部劇のようにすぐに強盗に豹変したり、ロシア映画のように暴力的な方向に行かないのは、
様々なメディアを通して、法の支配が一般の人にも内面化されている点が大きいのでしょう。
最近の米国に関するニュースを見ていると様々な分断と対立があり、武装しているグループも
多いアメリカですが、寛容さと懐の深さがあるので、何とか国としてまとまりを保っているのでしょう。
American Honey | Official Trailer HD | A24