タイトルを見て興味を持ち、購入しました。
【内容】
高学歴なのにも関わらず、社会に出てから仕事が普通に出来ずにいる発達障害の人を取材したものです。
著者自身はLDとADHDと診断され、企業の事務職はやっていけないため退職し、フリーライターをしている方とのことです。
【感想】
ある程度まともな家庭で育ったにも関わらず、生得的な特性でいろいろと普通にやっていけない方を取材したもののようでした。
生育歴にも問題が大きな人も混じっているのかもしれませんが、それについては触れられていませんでした。
育った家庭が機能不全家庭だったりなどの理由で、虐待などにさらされて育ち、自他境界を上手く作れなかったり、
そもそも自己というものを形成出来ず、親などの周囲の言いなりになり、試験に出る内容を暗記させられて大学に入った人も
似たような困難さを抱えていると思いますが、著者はそれなりにちゃんとした家庭に育ち大学に行ったので、
そのような人には関わったことがないのでしょう。
愛着障害や虐待の影響により、上手く自己を形成できずに困難な生活を送っているケースを期待して読んでも、
あまり参考にならないと思いました。
「精神科ガチャ」についても触れられていますが、虐待や貧困が関わるケースだと、さらに理解が
得られないでしょう。
ライターの澤田晃宏さんなどが、最近の官僚は一貫校を出た恵まれた人ばかりと書いているので、
その辺りについては良くなることはしばらく期待出来なさそうです。