うちの父方の祖父は、よく解らない人で、アルコールの問題を抱えている人だった。
兄が単純計算を電卓でしているのを聞いて、機械にやらせていることに恨みがましい事を言っていたことがあったことから、
無理やりやらされる以外の所が無かったようだった。そのようなあり方は、常に被害者意識を積み重ねて
行くのみだっただろうから、アルコールの問題とも繋がっていたのだろう。
うちの父親は、その長男だったので、何事も本人の意向を無視してやらされていたのだろう。
そのため自分というものが育たず、学校の勉強も無理やり暗記させられていたようである。
自分というものが無い分、暗記力があったようで、結構いい高校に進学し、その後浪人してから、
大阪外大と防衛大学に合格したのだが、祖父の意向で、防大に進学したとのことだ。
防大では24時間管理で、教官の言うことには服従することが前提だったので、進学後も、
自分で考えたり選んだりする自分というものを、作り損なったのだろう。
その後、防大を卒業してから、士官候補生学校に入った後に中退して、民間企業に就職したのだが、自分というものがないので、
言われたことの意味や文脈を考えずに言いなりになり、行動していたようである。
最初は研究部門にいたのだが、常識がないことで周囲に溶け込めなかったり、非常識な行動をしたことで、
営業部門に異動させられたようである。
病院との接待ゴルフコンペの、準優勝のトロフィーが家にあったことから、接待というものの、
意味も理解してなかったようである。本人も自分というものを尊重されたことがないので、他人を尊重することで、
いい気分になってもらうということが、想像できなかったのだろう。
周囲も使いようがないので、辞めてもらおうと言う意見が出ていただろうが、そうならなかったのは、
納入先や上司に、自衛隊関係者や防大出身者がいたので、そこからの圧力があったのかもしれない。
いかに世代間境界や、自己決定権を尊重することが、本人の内的成長や主体の生成に重要かが
解ることである。