本書の中で東畑氏いわく、今の心理士の仕事の7割はケースワークとのことだが、
もともとかなりの割合でそのような対応が必要だったものが、虐待や貧困やDVなどが
社会的に認知されてきたことにより、心理士の臨床の中でも見えるようになり、必要な対応を取れる様になった、
という面が大きいと思われる。
それまではクライアントがそのような話をしても、心理士自身の身近にないことから、その内容を理解も想像もできず、
相手の置かれている状況自体に関わるということを思いつかなかったケースが多かったのだろう。
そして本人の内面を掘っていくなどのみで、あまり意味のある関わりができないケースが
多かったのだろう。
心理士やケースワーカー、保健師などの多職種で連携することの必要性がよく分かる事柄である。
様々なルポルタージュや社会学的な調査も役にたっているのだろう。