マチンガのノート

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市子 監督 戸田彬弘 出演 杉咲花 若葉竜也 森永悠希 感想

2024-03-24 17:14:02 | 日記

社会問題を取り入れたミステリーですが、いろいろと考えさせられる内容でした。

【あらすじ】

アパートで恋人と暮らす市子ですが、プロポーズされた翌日に何も言わずに姿を消します。

恋人は警察に届けますが、該当する氏名の人物自体が存在しないと言われたので、

彼女が何者だったのかを自ら調べ始めます。

市子は親の都合で戸籍がなく、学校には難病である妹の月子として通います。

母親はスナック勤めで、その間は市子が妹の世話をしているのでした。

市子の母親も夫のDVから逃がれたり、借金問題を抱えたり、娘の月子が難病になったりで、

市子の戸籍の事まで手が回らないのでした。

市子を助けようとする高校の同級生などはいますが、それまでの暮らしで色々と表に出せないことを

してきた市子と母親だったので、なにかと困難なのでした。

【感想】

「戸籍のない気の毒な市子」を助けようとする人もいますが、市子と母親は自分たちでいろいろと乗り越えてきていたので、

その事が却って助けられることの障害になりますが、そのようなことは結構あるのかもしれません。

自分のために他人を利用したり使ったりする人のことを「サイコパス」や「ボーダー」などと名付け、

解った様に感じるのは簡単ですが、本人の経験や生育歴などの積み重ねが、そのような行動を選ばせているという

面も大きいのかもしれません。

その辺りに関しては国分功一郎さんの書いた「中動態の世界」という本を思い出しました。

 

 

中動態の世界 | 書籍詳細 | 書籍 | 医学書院

 

 

この映画の中では、小学校の同級生のリッチな家の少女や、高校の同級生である彼氏も、市子の暮らしを見て

去って行くので、家の外の他人に関わったりしても、そのうち去って行くだろうという他者への感覚が

埋め込まれたという見方もできそうに思いました。

外的要因がメインか、先天的要因がメインかは、人によってその組み合わせが違いすぎるので、

比べることはできなさそうに思えます。

この映画では主役が女性でしたが、同じようなことは男性でも起きるのでしょう。

冷酷な犯罪者やテロリストとされる人物に、このような事は結構あるのかもしれません。

 

映画『市子』予告編|主演:杉咲花  


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