マチンガのノート

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所有とは何か-ヒト・社会・資本主義の根源 岸政彦 梶谷懐 編著 中公選書

2023-09-05 00:14:08 | 日記

何かと読むことの多い岸政彦さんの編著で、「都市を生きぬくための狡知」の小川さやかさんも

文章を載せているので読んでみました。

第二章で小川さやかさんが、タンザニアのインフォーマル経済について書いていますが、

イギリスからの独立後に様々な大きな社会の変化があり、国も大企業も銀行も当てにならない中で、

タンザニアの人々がいかなる社会や経済の見方をしていて、そこからどのように行動しているかが

分かる内容です。

銀行にあるお金は何も人間関係を産み出さないことから、お金を銀行に預けず様々なものを購入し、

それを知人に貸して商売をさせ、そこから収益を得ることが、多くのタンザニアの都市生活者の

仕事の仕方とのことです。

上手く行けば収入となり、上手く行かなくても人間関係は作っていけるということで、

そのような暮らしをしているとのことです。

先進国の住人のように、銀行へ貯金をすることで将来の安定を得ようというのとは違う生き方ですが、

社会保障などが無いタンザニアでは、人間関係を増やしていくことが将来への保険となるというのは、

これからの日本での生き方にも、参考になると思いました。


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