マチンガのノート

読書、映画の感想など  

居るのはつらいよ 東畑開人 医学書院 感想

2022-04-20 21:51:11 | 日記

本書は著者の「美と深層心理学」の続編としても位置付けられる一冊です。

「美と深層心理学」では、クライアントとともに表面に留まり続けて、

表面と内側、外側を生成していくことについて書かれていましたが、

本書では著者が就職した先のデイケアで、不用意に相手の内面に関わって状態を

悪化させてしまうという事がまず最初に描かれています。

大学の相談室や街の診療所でカウンセリングなどをしている場合、

結構起きることなのでしょう。

様々な相談室やカウンセリングセンターなどに勤務する心理士などとは、

全く違う困難な成育歴を持った人はかなりいるでしょうが、大学院を出て

心理士などになった人には、そのような人のことは想像もできないのでしょう。

入院施設の有る病院に勤務している医師や心理士ならば、不用意に関わられたことにより

不安定になり、入院した人もかなり見ているのでしょう。

ほとんどの医師や心理士にとって想像できる相談内容というと、学校のことや

仕事のことなどでしょうが、そもそも学校どころではない家庭に育った人のことは

想像できないでしょう。

その事を考えると、最初に著者が不用意に関わった事で相手が不安定になるというケースを

持ってきたことは、構成上うまくやっていると思いました。

本書はコミック版も出ているので、気軽に読みたい方はそちらもいいと思います。

コミック・シーモア 居るのはつらいよ


誰がために医師はいる――クスリとヒトの現代論 松本俊彦 みすず書房 感想

2022-04-17 01:03:05 | 日記

本書は著者の中学時代に大きな影響を与えた出来事や、それ以降のことなどが色々と描かれていて、

読み物としてとても面白くなっています。

一般的には何かと快楽を求めて覚醒剤に依存すると思っている人が多いようですが、

実際には多くの場合、興味本位で使用し始め、その後にトラウマ由来のフラッシュバックを

防ぐためや、様々な苦しみをごまかすために使い続ける人が多いとのことです。

覚醒剤よりもアルコールのほうが、人体への害が大きいのですが、

アルコールのほうが長い歴史を持ち、社会的に容認されていることで、

問題となりにくくなっていると言うのが、長年にわたって依存症臨床に

携わってきた著者の考えとのことです。

覚醒剤依存症患者というと、犯罪を犯す傾向が強いという印象を持っていましたが、

実際には犯罪を起こす人は少なく、覚醒剤の購入以外の犯罪行為を起こさずに

使い続けている人のほうがはるかに多いとのことが、意外なところでした。

そのため経済的に豊かで、他に楽しみのある人のほうが、覚醒剤を止めやすいというのが

著者が長年見てきた事とのことです。

覚醒剤への依存に、成育歴由来のトラウマなどの影響が大きいとしているところが、

これまでの覚醒剤依存症への見方との違いでしょう。

そして厳罰化より依存症患者を社会で受け入れて、刑罰よりも治療につなげるほうが、

依存症患者を減らすのに有効とのことです。

その事を著者は、アディクション(依存)よりコネクション(繋がり)を、と表現しています。

漫画やドラマなどの様々な媒体で、ゾンビや廃人のような覚醒剤依存症患者が

取り上げられていますが、実際にはそのような方はほとんど居ないとのことです。

そのような人が多いような偏見が広まった背景には、一時盛んに喧伝された、

「人間やめますか、それとも覚醒剤止めますか」という覚醒剤乱用防止対策ポスターなどの

影響が大きいとのことです。

これまでの覚醒剤依存症などへの見方を大きく変える一冊でした。

 

 

 

 


アンダーズ〈里奈の物語〉#26  山崎紗也夏 原作:鈴木大介 文春オンライン

2022-04-06 23:15:52 | 日記
「ホストは副業、本業は不動産の転売」予想以上に大物だった不良ホストから金を取り戻す方法は“タタキ” | 文春オンライン

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『最貧困女子』『ギャングース(漫画原作)』などの著者、鈴木大介さんの未成年援デリ部隊のリーダー・里奈の生き様を書いた初小説『里奈の物語』を、『シマシマ』『サイレ...

文春オンライン

 

小説版は里奈の成育歴から辿っていく展開でしたが、こちらは家出した後から話が始まる展開なので、

里奈たちのバックグラウンドが分かりにくいのがいまいちでしたが、

原作者が取材で知った様々なことを入れてきているようです。

これまでのノンフィクションでは使わなかった素材はたくさんあるでしょうから、

色々と入れてほしいと思います。

小説やノンフィクションのルポは苦手でも漫画なら読むという方は多いようなので、

原作者にとって、これまでの取材を活かす機会だと思います。

 

アンダーズ〈里奈の物語〉 1 |無料試し読みなら漫画(マンガ)・電子書籍のコミックシーモア

アンダーズ〈里奈の物語〉 1巻|『最貧困女子』『ギャングース(漫画原作)』などの著者、鈴木大介の未成年援デリ部隊のリーダー・里奈の生き様を書いた初小説『里奈の物語...

 

 

 


「紙のお金」の時代は、次に向かいそう。

2022-04-03 09:49:10 | 日記

 

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