今夜は小野さんお薦めのアイリッシュ・パブに行くことになった。「よく行くの?」と聞いたら「今日が初めて」との事。小野さんのNZライフはミステリアスだ。
まだ時間は7時前だったが、やっぱり人が歩いていない。小野さん曰く、月曜日だから人が歩いていないらしい。「じゃぁ、何曜日だったら人が歩いているの?」と聞いたら、しばらく考えていて「金曜日」との事。えー、金曜日だけ?
アイリッシュ・パブの入り口前の看板には今週のイベントスケジュールが書いてあった。月曜日は「クイズナイト」になっている。何をするのか良く分からないが入ってみることにした。
外の静けさとは打って変わって、パブの中は人の喧騒と熱気に包まれていた。やっぱりパブはこうでなくっちゃ。いい感じ!カウンターに座って、NZの地ビール「スペイツ(Speight's)」 をオーダーした。巨大なサラダと格闘しながら、「次は何を飲もうかなぁ」なんてほろ酔い気分を味わっていたら、突然音楽が鳴って、ステージで何か始まった。
ステージ上にある机に司会者が2人座り、地味にパソコンを操作し始めた。巨大スクリーンにパワーポイントが映し出され、"ROUND 1" と書かれていた。「あっ、クイズナイトだ。ふーん、こうやってやるのか」と思って眺めていたが、この時はこのクイズが"ROUND 8" まであり、延々2時間近く続くものだとは知らなかった。
"ROUND 1" が終わった頃にようやく回りの状況が飲み込めてきた。どうやらみんなクイズを目当てに来ているらしいという事が分かってきた。ビールを飲みに来たら、「なーんだ、今日はクイズナイトかぁ」、なんていう不埒な客は私と小野さんぐらい。客のほぼ全員がクイズに参加していて、グループで来ている客は、テーブルの真ん中に頭を寄せ合って紙に真剣に回答を書いている。NZ人って真面目なのかなぁ。会社の同僚とつるんで、上司の悪口言って飲んだくれるとかそういうことはしないのだろうか?
クイズの内容もかなりこだわりが感じられるもので、内容も多岐に渡っていた。政治経済から芸能、音楽、スポーツまで、国内外問わず、客の興味を引きそうな面白いクイズが集められていた。音楽や映像もふんだんに取り入れられ、ビジュアル的にも完成度が高かった。一体毎週毎週誰がこのクイズを作るんだろう?こういうクイズを作る会社があるんだろうか?
最初は「メンドクサイなぁ」と思っていたのだが、途中からクイズに引き込まれてきて楽しかった。日本に関するものもあって、すしネタの問題や、次の次のオリンピック候補地で過去に開催経験のある国は⇒東京、なんていう問題もあって、隣の人に答えを教えてあげた。アメリカに詳しい小野さんは、アメリカの昔のテレビドラマのタイトルや、ミュージシャンの名前とかを次々教えてあげて感謝されていた。
クイズが終わると、1位から3位までの発表があって、表彰されたグループはかなり盛り上がっていた。今からみんな飲み直すのかなと思っていたら、みんなさっさと会計を済ませてサーッと帰っていった。やっぱり真面目だ、恐るべしNZ人!
私達も明日のクィーンズタウン行きの早朝フライトに備えて早めにパブを出た。待ち合わせのバス停を確認して、「また明日ね!」と言って小野さんと別れてホテルに戻った。
明日はいよいよクィーンズタウン。待ちに待ったリゾートが始まる!!!
つづく