美容院で、担当の女性とおしゃべりをしながら思ったこと。
その人は、インドに住んでいる妹を訪ねて、2月にインドに行ってきたらしいのだ。
「どうだった?」と聞くと
しかめっ面をして、
「空気に色がついていましたよ。黄土色みたいな色で、いきなり喉が痛くなっちゃいました。 その上、サンダルで牛のうんちを踏んじゃって、もう最悪!
ティッシュで拭こうとしたら、『そんなの歩いてるうちに取れるから、立ち止まらないで』と妹に言われて、頭にきました。
ストレスで、ずっと胃が痛くて、日本に帰ってから、とうとう医者に行っちゃいましたよ」
聞けば聞くほど最悪で、やっぱりインド旅行はかなりきつそうだな、と思っていたのですが、一通り話し終えると、彼女はこう言ったのであった。
「でもね、またインドに行きたくなっちゃたんですよ」
「はぁ……、何で?」
「良く分かんないんですけど、汚いし、最悪だし、全然楽しくなかったんですけど、また行きたいなぁって思うんですよ。最近夢にも出てくるようになったんですよ」
「ふ~ん」
「インド行った事ありますか?絶対行った方がいいですよ。ぜひ行ってきてください」
さっきまで散々インドの汚さを語っていた人のセリフとは思えないオチ。言ってる事が180度違うんですけど…、と思ったのですが、なーんか、彼女の言っていることの奥にあるものが分かるような気がしたのです。
汚いんだけど、汚さとは別の、何か違うものを見たんじゃないかな。それはやっぱり人だったり、生活だったり、町の匂いや、人が生きている鼓動。
インドを見ずして、インドを語るべからず。インドかぁ。
ところで彼女が最後に言ったこと。
「旅行って楽しいですね。結婚する前になんでもっと行っておかなかったんだろうって、急に後悔しちゃいました」
ものすごく同感!
旅行の楽しさは、ゴージャスなホテルでリラックスすることじゃなくて(それも嫌いじゃないけど)、私の場合は、見たことのないものを見ること、経験したことのない事を経験すること、ですね。
世界には私の知らないことが山ほど。『世界は広いなぁ』、をいつも感じていたいな。