終わったけれど・・・
最終日の昨日、清々場所に行く前に、久しぶりにニリンソウおじさんの田んぼに行ってみると、田植えが終わっていた。おじさんは田んぼに入ってなにやら苗を植えている。おじさん、すぐそばの土手を指して、
「花が咲いとるや、なんていう花かのう。」と聞いてくる。
こちらから見ると、紫の帯のように見える。なんだろう?興味津々。
指差す方に走ると、それはシャガの群落。
「おじさん、シャガという花だがね。」
「シャガのう、花も名前を覚えると楽しいだろうなあ。」とえらい感慨深げだ。
「おじさん、田植え、終わったんだね。」と言うと、
「いやいや、機械だけじゃあ、らちかん(だめだ)、やり残したところを人の手で植えていかんなんが。」と、どんなところを植えるのか、どうやるのか説明してくれる。
勿論一人で田植えをしたのではないそうで。
旅に行っている息子さんがゴールデンウィークに帰って来て手伝ってくれたそうだ。
「佐渡はのう、田植えを今時にやるよう算段して、苗を作ったりいろいろ作業するんだっちゃ。だからどこのうちでも急がしいっちゃ。サラリーマンの方が休めていいか分らんなあ。」とちょいこぼす。
そういえば、太極拳で一緒の人もゴールデンウィークに旅に出ている息子が田植えを手伝いに帰ってくると言っていた。
「嫁さんに、おかあさんのしつけが悪いから息子が何も協力してくれん、と怒られたが・・」と言いつつ嬉しそうだった。
佐渡では、島外に出ることを「旅に行く」という。また島外から来た人のことを「旅のモン」と言う。農家の長男も今はほとんど旅に出ている。ゴールデンウィークに田植えを手伝いに帰ってきてくれることは、それだけでもありがたいということだろう。
ニリンソウおじさんは、
「俺がだめんなったら、田んぼももう終わりだわさ。」と言うけれど・・・
新幹線の車窓から見る新潟平野も、ほとんど田植えが終わっていた。
そういうわけで、今日は横浜に来ています。