徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

「ややこ・わらべ」芸の伝統を物語る映像

2012-07-25 15:41:46 | 音楽芸能
 明治の中頃から大正そして昭和初期までの40年間にわたり、日本と日本人をこよなく愛し、その姿を撮り続けたバートン・ホームズというアメリカ人の映像作家がいる。彼が遺した映像は日本の民俗史料として大変貴重なものだ。下の映像もその一つで、大正時代のまだ子供と思しき芸妓が大鼓、小鼓、太鼓を、大人の芸妓たちの三味線、箏、笛、胡弓などと一緒に演奏したり舞を披露したりしている。残念ながらサイレント・ムービーなので曲もわからないし、英語のキャプションにも演目や場所などについての記述はない。
 舞はその衣装や所作から推測すると、猿楽、神楽、田楽などに近いように思われる。安土桃山時代に出雲の巫女お国が初めて演じ、歌舞伎の起源になったといわれる「ややこ踊り」もこんな踊りだったのかもしれない。いずれにせよ、今から百年前の大正時代にも古来の民俗芸能がこうして確かに演じられていたのである。
 そして今日も、日本各地で様々な経過をたどった伝統芸能が受け継がれているが、わが熊本の「わらべ」たちもしっかりとその役割を担っている。

 



▼現代のわらべたち
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