徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

江戸時代版「女性の品格」

2013-02-13 18:23:35 | 歴史


言聲(ものごし)

女の声高(こわだか)に 物かづおほく
いふ中に はやり詞(ことば)
遊女めきたる たわむれに
人のよしあし
つくり声なとは
心ばえ 見おとり
せらるゝものから
つゝしみたまふべし

≪大意≫
 女性が声高で口数が多く、話の中に、はやり言葉や遊女のような戯言がまじっていたり、他人の陰口やつくり声などは心配りのない下劣な人と思われるからつつしむべきである。

 これは明和2年(1765)に石川豊信によって書かれた女性の教養本「絵本江戸紫」の一部分である。いわば江戸時代版「女性の品格」とでも言ったらいいだろうか。内容は女性の立居振舞や化粧、服装など広範にわたっている。ザ・わらべの舞台などを見に行くと、周囲は年齢高めの女性たちが圧倒的に多いが、演舞中であろうとなかろうとおかまいなしのおしゃべりには閉口する。そんな時、よくこの「絵本江戸紫」のことを思い出し、今も昔も変わらないんだろうなぁと思うのである。