徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

羽根の禿(はねのかむろ)と菊之助

2013-02-23 20:15:39 | 音楽芸能
 両家の親父が「人間国宝」という何だか面倒くさそうな婚約会見のニュースを先日見たばかりだったこともあって、昨夜のEテレ「にっぽんの芸能」は尾上菊之助の変化舞踊に注目して観た。正直この人は映画やドラマでは見たことがあるが、肝心の歌舞伎ではほとんど見たことがない。昨夜の演目、歌舞伎舞踊「羽根の禿」と「浮かれ坊主」は永い間途絶えてものを、昭和6年に六世尾上菊五郎が復活させ、人気演目になったと言われる。「羽根の禿」の幼い女児から半裸の乞食坊主を続けて演じる、まさに役者の腕の見せ所である。「羽根の禿」では体を小さく見せるために門松や暖簾や格子などの書割をかなり大きめにするのが伝統のようである。いずれ音羽屋を背負って立つであろう菊之助はさすがに通しで30分ほどを一気に飽きずに見せてくれた。

▼こわらべ(今村明音・小堀ゆりあ)の「羽根の禿」(2012.4.7 熊本城本丸御殿中庭 ~桜の宴~」


♪恋の種 蒔き初めしより 色といふ 言葉はいずれこの里に
(禿 登場)
♪誠こもりし一廓 まるい世界や粋の世に 嘘とは野暮の誤りと 笑ふ禿の しほらしや
♪文がやりたや あの君様へ 取りやちがえて 余の人にやるな 花のかの様の サテ花のかの様の手に渡せ
♪朝のや 六つから 六つから 上衣下衣ひっ重ね 禿は袖の振り初め 突く突く突くには羽根をつく
 一ィ二ゥ三ィ四ォ 五重に七重に 琴は十三十四十五 手はまおく二十一ィ二ゥ三ィ四ォ
 見よなら 見よなら 松をかざして梅の折り枝 それさこれさ それすいた三味の手
♪梅は匂いよ 桜は花よ 梅は匂いよ 桜は花よ いつも眺めは 富士の白雪