徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

不開門(あかずのもん)

2014-03-04 11:50:05 | 歴史
 「春のくまもとお城まつり」のイベントの一つとして、国指定重要文化財「不開門」の特別公開が行われているので先日見に行った。特別公開と言われても「不開門」自体は本丸御殿の行事を見に行く時によく通る馴染みの門だが、櫓内部を一応見ておきたかった。昨年秋に公開された、同じく江戸時代から残る「東十八間櫓」に比べればスケール感もなく、展望が良いというわけでもない。ただ、この門が「あかずのもん」となるに至った城の鬼門に関する様々な言い伝えはさておき、僕が「不開門」側から本丸御殿へ登る時いつも感じるのは、急坂ではあるが、あっけないほどの近さである。本丸御殿の行事が昼の場合は「不開門」がまだ開いているので、ここをくぐって帰ることにしているが、急坂を利用して、本丸からあっという間に降りられる。ここら辺に何か秘密がありそうだ。

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■不開門の話題2題

1.崩壊の危険性


 不開門の北側の城壁の一番下に、違和感を抱かせるコンクリートと赤土が見える。これは昭和初期に城壁下部が膨らんできて崩壊の危険性があったため、当時の軍が応急的に補強工事を行なった所である。田尻熊本市長の時代(昭和61年~平成6年)に改修工事を行なうべく城壁内部等の調査を行なったが、城壁一部だけの改修で崩壊の危険性を防止することは難しいことが判明。迂闊に手を出すと、上の五間櫓や不開門等の重要文化財の倒壊を招く危険性があるため、妙案がないまま今日に至っている。

2.不開門が人波で埋まった日


 普段は閑散として、熊本城入口の中でも最も入場者が少ないと思われる不開門。この不開門が人の波で埋まった日があった。それは昨年の10月26日。天皇皇后両陛下が、第33回全国豊かな海づくり大会ご臨席とご視察のため来熊された時。宿泊先となったホテル日航熊本で行われた歓迎レセプションの合間にバルコニーにお立ちになり、熊本城本丸広場からの提灯奉迎にお応えになった。不開門から登った人波は5、6千人にも達したという。