徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

天才 美空ひばりと その師 川田晴久

2014-03-31 17:44:43 | 音楽芸能
 あれはたしか昭和27年、僕が小学校に上がったばかりの頃だったと思うが、祖母に手を引かれて熊本市公会堂へ「川田晴久とダイナ・ブラザース」を観に行った。川田晴久というボードビリアンについては祖母からさんざん聞かされていたし、彼のテーマソングともいうべき「地球の上に朝が来る」はラジオでよく聴いていた。しかし、彼が、昭和の大スター美空ひばりに最も影響を与えた人であることを知ったのはずっと後のことである。美空ひばりが川田晴久と出会ったのはまだ11歳の時だそうだが、川田の唄い方を実に上手くコピーしたらしく、それが後々までも歌手美空ひばりの基礎になったという。そんなエピソードをうかがわせる映像が残っている。

♪美空ひばりの「浪曲 紺屋高尾」

 これは松竹映画「とんぼ返り道中(1951)」の一場面だが、当時14歳の美空ひばりが披露しているのは、川田晴久が得意としていた歌謡浪曲の「紺屋高尾」。気持悪いくらいの上手さである。川田本人や堺駿二(堺正章の父)らの顔が見える。

【備 考】
「紺屋高尾」は、古典落語や浪曲の演目で、紺屋(染物屋)のしがない奉公人のもとに吉原一の遊女高尾大夫が年季明けとともに嫁いで来るという、男にとって夢のようなお話。