徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

夏井いつき先生のご推奨

2015-01-31 20:46:41 | 文芸
 来年の「漱石生誕150年、来熊120年」に関連して熊日新聞に「熊本の漱石」と題する著名人のコラムが連載されている。今朝はその第4回で、今、テレビで人気の俳人・夏井いつきさんが書いていた。MBS毎日放送の「プレバト!!」の人気企画「俳句の才能査定ランキング」における歯に衣着せぬ辛口批評は、毎回痛快である。中でも僕が特に記憶に残る批評が、「あたかも自分の脳から生まれたような錯覚をしている俳句」というもの。これはたしか元AKBの子の作品をバッサリ切り捨てた時のものだったと思うが、その俳句がどうこうというよりも、最近の芸能界全般に当てはまるような気がした。
 それはさておき、コラムの中で夏井さんは、漱石の俳句でいちばん好きなのは、熊本時代に詠んだ「菫程な小さき人に生まれたし」だという。「こういう独白が作品になりうることと、そのかれんな心根に、衝撃を受けました。澄み切った感性が漱石という人間をぴーんと貫く核だったのかと思うと、猫でも坊っちゃんでもない漱石像が見え、惚れ直しました。」と述べている。
 数ある漱石の俳句の中でも、僕の最も好きな一句でもあるので、夏井さんの言葉になんだか嬉しくなった。