tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

『奈良百寺巡礼』掲載の10ヵ寺紹介!/奈良日日新聞「奈良ものろーぐ」最終回

2019年05月06日 | 奈良ものろーぐ(奈良日日新聞)
週刊奈良日日新聞は、惜しまれながら平成31年4月26日(金)付を最後に休刊となった。私の連載「奈良ものろーぐ」も、この日が最終回(第37回)となった。最終回の見出しは「『古寺巡礼』百周年記念/『奈良百寺巡礼』を発刊」。本書は現在、啓林堂書店全店で新書部門ベストセラー1位、総合2位である(総合1位は『おしりたんてい』!)。本書の出版を記念して、同店では5月4日~6日まで、出版記念イベントが行われた。

本書は奈良県内および京都府南部のお寺(廃寺を含む)115ヵ寺を、すべて見開き2ページで紹介している。基本的には奈良検定テキストに掲載された寺院としたが、執筆者(全42人)が独自に取材した「かくれ寺」的な寺院もある。そのため本書は、今まであまり活字にならなかった小さなお寺に歓迎されている。中身もお寺に見てもらっているので、間違いはない。今回の本欄では、そのようなあまり知られていないお寺を10ヵ寺選んで紹介させていただいた。では全文を紹介する


これら2枚の写真は啓林堂書店奈良店で撮影(5/4)、石田一雄さんと山﨑愛子さん
 
今年は和辻哲郎の名著『古寺巡礼』が発刊されて百周年の年だ。これを記念して奈良まほろばソムリエの会は、42人の書き手による『お寺参りが楽しくなる 奈良百寺巡礼』(本体980円+税)を京阪奈情報教育出版から発刊した(京阪奈新書)。今月18日には県庁で記者発表も行った。

お寺は基本的には『奈良まほろばソムリエ検定 公式テキストブック』(山と渓谷社刊)に掲載の寺院としたが、掲載されていない寺もある。その中から10ヵ寺を選び、以下に紹介する。



表紙イラストは、童話作家・画家のなかじまゆたかさんに描き下ろしていただいた

▽璉珹寺(れんじょうじ 奈良市西紀寺町)
7世紀後半、飛鳥に創建され、その後平城京に移転した紀寺(きでら)の後身とも。ご本尊は光明皇后がモデルともいわれる木造阿弥陀如来立像(県指定文化財)。白く美しい裸形像で、50年に一度、袴(はかま)が取り替えられる。

▽不空院(ふくういん奈良市高畑町)
新薬師寺の東にあり鑑真和上は一時ここに住んでいた。空海も滞在し、興福寺南円堂のもとになる八角円堂を建てたとも。寺の鎮守だった宇賀弁財天女(室町時代の秘仏)が福をもたらすことから「福院」とも呼ばれた。近年「かなで奉納」「地蔵盆夏祭り」などで親しまれる。

▽極楽寺(安堵町東安堵)
納骨堂の木造阿弥陀如来坐像は、もとは原爆ドーム横のお寺に安置されていたもの。それが巡り巡ってこの寺に安置された。毎年8月6日の原爆の日には、ここでも法要が営まれ、犠牲者を追悼し平和を願う。

▽補巌寺(ふがんじ 田原本町味間)

室町時代に能楽を大成した世阿弥が禅を学んだ。門前に「世阿弥参学之地」の碑が立つ。
▽平等寺(桜井市三輪) 大神神社の神宮寺として栄えたが明治初年の廃仏毀釈で廃寺に。昭和52年、住職の托鉢行脚(たくはつあんぎゃ)により再興。関ヶ原の戦いに敗れた島津軍の14人を70日間かくまったことから、今も島津家との縁が続く。

▽音羽山観音寺(桜井市南音羽)
NHK「やまと尼寺 精進日記」に登場。約1kmの参道は、ある崇敬者が父親の満願成就に感謝し、平成3年から20年以上かけて木の根や岩を取り除いて道幅を広げ、石垣を築いて整備。

▽威徳院(明日香村尾曽[おおそ])
本尊の秘仏・毘沙門天像は毎年4月の第2日曜日に開帳。境内の高台には、四国をかたどった「四国八十八ヶ所霊場お砂ふみ道場」がある。

▽阿日寺(香芝市良福寺)
恵心僧都源信の誕生寺とされ「ぽっくり往生の寺」として知られる。源信は15歳のとき宮中で経典の講義をし、いただいた褒美を母親に送る。しかし母からは「仏法を自分の世渡りの道具としてはいけない」と戒められ、のち源信は念仏三昧の道を選んだ。

▽転法輪寺(御所市高天)
金剛山山頂付近に建つ。明治初年の神仏分離令・修験道廃止令で廃れるが昭和25年の役行者一千二百五十年遠忌を機に再興。

▽生蓮寺(しょうれんじ 五條市二見)

平安初期、嵯峨天皇の皇后が安産祈願のため地蔵菩薩を安置したことに始まるという。空海が高野山開創のとき立ち寄り小地蔵を刻み本尊胎内に安置したとも。境内では約120種類の蓮が育つ。


皆さん、これまで本欄37回(3年と1ヵ月)のご愛読、ありがとうございました!

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全国町並み保存連盟、初の「関西ブロック大会」を橿原市今井町で開催!/奈良日日新聞「奈良ものろーぐ」第36回

2019年04月21日 | 奈良ものろーぐ(奈良日日新聞)
2019年4月26日(金)で休刊する「週刊奈良日日新聞」。私の連載も、この日が最後の掲載となる。それはまた後日紹介させていただくとして、今日は先月(3/29付)掲載された「全国町並み保存連盟/今井町で初の関西大会」を紹介する。
※トップ写真は、3月3日(日)に開催された御所まちウォーク(御所御坊・圓照寺)で

全国町並み保存連盟は45年前に結成された全国規模の団体で、橿原市の「今井町を保存する会」など3つの住民団体で結成された。年を追うごとに規模が大きくなり、最近は各地区ごとにブロック大会が開催されている。その「第1回関西ブロック大会」が3月2日(土)、今井町で開催された。翌3日(日)には重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)をめざす御所まちを歩いた。では記事全文を紹介する。


今井町町並み保存会会長・若林稔さんの冒頭ご挨拶

全国町並み保存連盟は、歴史的な集落や町並みにより、歴史を活かしたまちづくりに取り組む団体と、 それら団体を支援する個人によって構成される全国的規模のNPOだ。昭和49年(1974)に「今井町を保存する会」(橿原市)の呼びかけで「有松(ありまつ)まちづくりの会」(名古屋市有松)「妻籠(つまご)を愛する会」(長野県南木曽町) の3つの住民団体が集まって結成された。

その今井町で、今年3月2日~3日、同連盟の「第1回関西ブロック大会」が開催された。テーマは「関西の町並みを考える会~刻(とき)を越え奈良今井町を歩く~」。全国から約70人、地元からは約30人が参加した。



奈良まちづくりセンター理事長・二十軒起夫さんの活動紹介

2日午前は今井町の町歩き、午後は関西各地の団体からの活動報告とシンポジウムがあった。活動報告では、今井町町並み保存会会長の若林稔さんの「活動のおかげで今井小学校は児童数が増えているし、今井町では空き家が減っている」という話に、参加者の皆さんからは驚きの声が上がっていた。ほかにも県内からは奈良まちづくりセンター、今井まちなみネットワーク、五條新町、ごせまちネットワークなどの活動が紹介された。

シンポジウムで私は初めて「重要文化的景観」(文化庁)を知った。文化財保護法には「地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地で我が国民の生活又は生業の理解のため欠くことのできないもの」とある。

重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)はモノ(建物や町並み)が中心だが、こちらは住民の生活、仕事や文化と結びついた景観(棚田や里山など)が対象になる。今年2月時点で64件が認定されていて、奈良県からは「奥飛鳥の文化的景観」(稲渕や栢森など)が選定されている。奈良県の奥深い魅力を発掘し保護するのに使えそうな制度である。



若林さんの活動紹介

3日は午後からNPO法人ごせまちネットワーク・創の楠孝夫さんをメインガイドに御所まちを歩いた。楠さんは2日にも重伝建に向けた取り組みを話されていて、3月16日には「御所まち町並み調査中間報告会」を開催するなど、調査がここまで進んでいることも初めて知った。


3月3日にメインガイドをお務めになったごせまちネットワーク・創の楠孝夫さん

御所まちは奈良検定の「体験学習プログラム」(1級受験時の要件)に入っていて、奈良まほろばソムリエの会が案内し、私も毎年訪ねている。ガイドが変われば目のつけどころが変わる。楠さんのガイドはとても分かりやすくて面白い。これはソムリエの会のガイドにも取り入れることにしたい。



それにしても充実した2日間だった。若林会長は「関西で初の開催であり、連盟に未加盟だが関心のある方にまで参加者の範囲を広げるなど大変苦労したが、昭和49年に連盟を立ち上げた今井町で、再び多くの皆さんの力を結集して関西ブロック大会を終えることができ、本当に嬉しい」と話しておられた。

ひと口に「歴史を活かしたまちづくり」と言っても、活動は地味だし住民の合意をとりつけることも一筋縄ではいかない。皆さん、これからも粘り強い活動を期待しています!


今回は初の関西ブロック大会ということで、部外者である私にまでお声かけいただき、おかげさまで全国の町並み保存運動の様子や、御所まちの取り組みを知ることができた。若林さん、ありがとうございました!

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ラーメン姫 釈京子さんを囲んでラーメン談義/奈良日日新聞「奈良ものろーぐ」第35回

2019年04月07日 | 奈良ものろーぐ(奈良日日新聞)
金曜日(4/5付)の新聞を見て、びっくり仰天した!奈良日日新聞社は奈良新聞社と業務統合し、「週刊奈良日日新聞」は4月26日付を最後に休刊するというのだ。ということは、毎月第4金曜日に連載してきた私の「奈良ものろーぐ」も、4月26日分が最終となる。

いつも「来月は何を書こうか」と考えるのが密かな楽しみだったが、これがなくなるのはとても寂しい。当ブログでの紹介も、今日分を含めてあと3回(2~4月分)ということになる。名残を惜しみながら、今日は2月22日(金)付で掲載された「ラーメン姫 釈京子さん/バイトでラーメンに開眼」を紹介する。

おなじみのラーメンキング・中田昭一さん、ラーメン王子・林岳史さんを交え、4人で侃々諤々(かんかんがくがく)ラーメンを語った。最後に釈さんのベスト10をお聞きしたところ、奇しくも我々3人が選んだベスト30にランクインしたものばかりとなった。つまり今回、「ベスト オブ ベスト」10店が決まったのである。では記事全文を紹介する。


向かって右から中田昭一さん、釈京子さん、林岳史さん

華麺(かめん)ライターKYOKOこと釈(しゃく)京子さん(35)はご存じだろう。葛城市出身で大阪市在住。朝生ワイド「す・またん!&ZIP!」(読売テレビ)の「森ちゃん関西ラーメンファイル」でレポーターを務めるほか、ラジオ、自身のフェイスブックやブログでラーメン情報を発信されている。この日は、ラーメンキング中田昭一さん、ラーメン王子TAR-KUNこと林岳史さんと私が釈さんを囲んでラーメンを熱く語った。

 ラーメンに目覚めたのは、大学に入ったころ。難波のチェーン店・熊五郎でアルバイトをはじめ「ラーメンって、こんなに美味しいんや」と分かりました。熊五郎は半ちゃんラーメン(ラーメンに半分量の炒飯がつく)の発祥地ともいわれています。バイトは4年間、卒業してОLになってからも、美味しいラーメンを食べ歩いてはmixi(ミクシィ)で発信しました。ラーメン歴17年です。

鉄田 でも、スマートでいらっしゃる。

 大学1年生で7㌔肥り、そのままです。もともとかなり痩せ型でしたので。

鉄田 最近のラーメンのトレンドは?

 「こってり豚骨系」と「あっさり中華系」の2つの大きな流れができています。中華系では良い材料を使い洗練された「ハイクオリティ中華系」も登場しました。

中田 鯛の骨などからダシをとった「魚介白湯(パイタン)」も出ましたよね。よくこんなダシがとれるなと感心します。

鉄田 昔と今で、奈良県内のラーメン事情は変わりましたか?

 店がおしゃれになり、女性1人でも入りやすくなりました。駐車場のある店も増えました。富雄に良い店が次々に出店してから、グンとレベルが上がったように感じます。

中田 近鉄奈良駅前から旧国道24号沿いに、美味しいラーメン店が集中していることに気がつきました。奈良市のにぼしこいしから橿原市の麺屋いちびりまで、10店以上の名店が並んでいます。移動には車が必要ですが。この国道の一部は、平城京と藤原京を結んだ古代の官道「下ツ道」とも重なります。「奈良の麺ロード」です。

 県内のラーメン店では今、人手不足が深刻です。低賃金・長時間労働が嫌われているようで、店は営業時間の短縮などに追い込まれています。

鉄田 資金力のある大手チェーン店に、力負けするのですね。

 ぜひ中身で勝ってほしいです。

最後に釈さんに県内ラーメン店のベスト10を選んでいただき、北から順に並べた。すべて中田さん、林さんと私がこれまでに選んだベスト30に入っている。つまり、ここに県内ベスト&ベスト10店が出揃ったのだ。

では北から▽トリカヂイッパイ(生駒市)▽濃とんこつラーメン一望(同)▽ドン.チードル(奈良市)▽ラーメン家みつ葉(同)▽麺屋NOROMA(同)▽らーめん春友流(同)▽ちかみちらーめん(川西町)▽麺食堂88(同)▽麺処と市(橿原市)▽麺屋いちびり(同)。  
 これを参考に、県内の美味しいラーメンを食べ歩いてください。


※ご参考:中田さん、林さんと私が選んだベスト30(奈良日日新聞2018.8.24付)


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「木津の文化財と緑を守る会」の40年/奈良日日新聞「奈良ものろーぐ」第34回

2019年02月18日 | 奈良ものろーぐ(奈良日日新聞)
毎月第4金曜日、週刊奈良日日新聞に「奈良ものろーぐ」というコラムを連載している。先月(1月26日)掲載されたのは「木津の文化財と緑を守る会/地元を学び見守り40年」だった。同会の岩井照芳会長は、地元ではよく知られた郷土史家で、2008年10月には興福寺旧境内を案内していただいた(第1回古社寺を歩こう会)。
※トップ写真は鹿背山(かせやま)城跡から泉津を撮ったもの(後藤啓治さんの撮影)

同会が昨年40周年をお迎えになったことは、新聞報道で知った。早速岩井さんに電話して、設立40周年の記念誌を取り寄せた(送料込み@1,000円)。内容の充実ぶりには驚いた。そこで木津晒(きづさらし)のことを知り、コラムに書いたのである。では全文を紹介する。

木津の文化財と緑を守る会/地元を学び見守り40年
「木津の文化財と緑を守る会」(岩井照芳会長)は昨年(平成30年)、設立40周年をお迎えになった、おめでとうございます。

昭和51年(1976)、奈良時代の官庁跡とみられる「上津(こうづ)遺跡」が木津川沿いの港(泉津)の一角で発見された。この保存運動に立ち上がったが、望みはかなわなかった。「失敗の最大の原因は、歴史の知識が不足していたことだ」との反省から、昭和53年(一九七八)研究部会を立ち上げ、その成果を講演会や町の広報誌に発表してこられた。

岩井会長には平成20(2008)年10月、「興福寺の廃仏毀釈」をテーマに講話と現地見学会をお願いし、約20人の仲間と旧境内地を歩いた。会長の深い知識と丁寧なガイドぶりには感服した。

昨年11月、同会は設立40周年記念誌を発刊された。充実した研究レポートのなかで特に目を引いたのが、「木津晒(きづざらし)」の話だ。奈良晒はよく知られている。「麻の織物で肌ざわりがよく、汗もはじくので、鎌倉期以来、神官や僧尼の衣に好まれてきた。江戸時代初め、清須美源四郎が晒法を改良、徳川家康に誉められ、幕府の保護を受けて販路も拡大した。明暦3年(1657)、奈良町の惣年寄が麻布に検査印を押すことになった」(『奈良まほろばソムリエ検定 公式テキストブック』)。

一方、木津晒の実態はよく分からなかった。今回、岩井会長は古文書『山城判場(はんば)之由緒』などから、木津晒は独立したブランドであり、布に検査印を押す判場が木津にあったことをつきとめたのである。

こんなエピソードも添えられている。「筆者(岩井会長)の近所にお住いのハンジ(屋号)さんと世間話をしているとき、偶然『うちの家は木津の判場で印を押すことを生業としていた』と聞かされびっくりした」。

会長は「今も木津川市の経済・文化圏は奈良で、京都府民は『木津は奈良』と見ている。しかし奈良県民からすると『木津は京都』となり、エアポケットのようになっている。恭仁京(くにきょう)の研究や復元整備が進まないのも、それが一因」。同会は今も活発に研究や講演活動を行うとともに、鹿背山(かせやま)城跡の整備(これまでに約300回)にも取り組んでいる。

事務局長の後藤啓治さんは記念誌に「城整備雑感」として、このように記している。「草を刈る人、倒木を切り、細かく裁断し、置き場を確保するための場所整備等、全員が一心不乱に作業に専念」「2時間程で作業が終わり、改めて周囲を見渡すと、あれほど荒れていた主郭が見事に整備され、見学に来られた人々に感動を与えるようになったのを実感した」「汗を拭きながら、終わった後の達成感は、行った者でないとわからない満足感でいつも満ちております」。

この城跡は今年度、国史跡に指定される予定だ。また同会の尽力により、奈良時代の梅谷瓦窯(がよう)跡が保存された。記念誌(限定100部)は送料込み1,000円で購入できる。同会のサイトまたはお電話で(事務局090-5129-8908)。これからも旺盛な活動を期待しています!


文中にあるように、岩井会長は「木津川市の経済・文化圏は奈良なのに、それが奈良の人に知られていないのが残念」とおっしゃる。私も、浄瑠璃寺や岩船寺(ともに木津川市)は奈良の寺の延長として、普通にガイドしている。今後は、もっと木津川市のことに目を配りたいと思う。岩井会長、またお話を伺いにまいります!

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高岡利光さんとラーメンを熱く語る!(奈良日日新聞「奈良ものろーぐ」第33回)

2019年01月16日 | 奈良ものろーぐ(奈良日日新聞)
週刊奈良日日新聞に毎月第4金曜日に連載している「奈良ものろーぐ」、先月(2018年12月28日)掲載されたのは「高岡利光さんと麺談義/リアルチキンラーメン大会」だった(取材日は12/18)。高岡さんは、ともに名店として知られる「麺屋NOROMA」と「MENYA BIBIRI」を経営されている。
※トップ写真は奥から中田さん、高岡さん、林さん


麺屋NOROMA(1月3日限定)の「スペシャルスタミナラーメン」1,000円、うまい!

高岡さんは昨年(2018年)11月、NOROMAの「鶏そば」で「全日本ラーメン選手権」で見事グランプリを獲得された凄腕である。一緒にラーメンを熱く語ったのは、ラーメンキング・中田昭一さんとラーメン王子・林岳史さん(TAR-KUN)。中田さんはインスタグラム、林さんはブログで、それぞれラーメン情報を発信されている。





年明けの1月3日(木)、高岡さんは麺屋NOROMAで1日限定で「スタミナラーメン」を提供された。この日のメニューはスタミナラーメン800円とスペシャルスタミナラーメン(生卵、餅2枚と野菜ちょい増し)1,000円のみ。写真はスペシャルスタミナラーメンである。ダシのきいたスープに、生卵が絶妙にからむ。辛さはほどほど。こんなおいしいスタミナラーメンは初めていただいた!ではそろそろ、記事全文を紹介する。



年末にちなみ「奈良のラーメンの将来展望を語ろう」と、MENYA BIBIRI(奈良市七条町)に集まっていただいた。メンバーは高岡利光さん(38)、中田昭一さん(51)、林岳史さん(27)と私。

高岡さんはBIBIRIと麺屋NOROMA(奈良市南京終町)を経営する株式会社bibiri company の代表取締役だ。NOROMAの「鶏そば」は本年11月、群馬県伊勢崎市で開かれた「全日本ラーメン選手権」で見事グランプリを獲得された、おめでとうございます!

中田さんは奈良市勤務、林さんは宇陀市勤務のサラリーマン。ともにラーメン通で、私は中田さんをラーメンキング、林さんをラーメン王子と命名した。林さんは南都銀行の観光サイト「ええ古都なら」で毎月2杯、美味しいラーメンを紹介されている。以下、当日の話をかいつまんで紹介する。

中田 ラーメンのスタイルが多様化しています。①普通のラーメン②つけ麺③まぜそば④冷やしラーメン。奈良でもこれから多様化が進むでしょうね。

 県内では新店ラッシュが続いています。お店が増えるのは良いのですが、チェーン店ばかりが増え個性的な小さいお店が淘汰されないか気になります。

中田 仙台のマーボー焼きそばが話題になっています。まかない食がテレビに取り上げられて広まったのですが、奈良でもこのような面白い展開ができないでしょうか。

高岡 私のラーメンの原点は彩華ラーメンです。天理発祥のスタミナ系ラーメンが、関西以外で案外知られていないのが残念です。

 ひるドラや蒙古タンメン中本の激辛ラーメンが流行っています。スタミナ系ラーメンは、再度ブレイクしそうな予感がします。

高岡
 年明けの1月3日、NOROMAで当日限定の「奈良スタミナラーメン」を提供いたします。10時から17時の通し営業です。ラーメンはこの1品だけですが、ぜひお越しください。
 
 いい企画ですね。天理スタミナ系は、奈良のラーメンの第1期を飾る記念碑的なラーメンです。県民の記憶の中に、深く刻み込まれているのではないでしょうか。

鉄田 NHKの朝ドラ「まんぷく」は毎回録画して見ています。チキンラーメン生みの親、安藤百福の話です。おかげでウチではチキンラーメンの消費量がグンと増えました。

中田 家でチキンラーメン味のラーメンを作ってみたら、こんな美味しいラーメンができました(と言ってスマホをかざす)。

高岡 美味しそうですね、リアルチキンラーメン。来年、県内でこれを食べ比べるイベントをやりましょうか、奈良県産の鶏を使って」(全員うなずく)。

バラク・クシュナー著『ラーメンの歴史学』には「極度に画一化された今日の日本の状況にくさびを打ち込み、消費者のマインドに地域ごとの特性を印象づける手段として、ラーメンが使われるようになった」。つまりラーメンは「ご当地グルメ」として、地域のブランド化に貢献しているのだ。県内では天理、富雄、王寺と、地域的にも広がりを見せている。

来年も奈良のラーメンシーンを大いに盛り上げてまいりましょう!


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