tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

真田丸(50)最終回

2016年12月24日 | 真田丸(NHK大河ドラマ)
前回(12/18)のNHK大河ドラマ「真田丸」は、最終回(第50回)だった。最終回にだけ、漢字2文字のサブタイトルがついていなかった。手に汗を握った「真田丸」も、これで終了した。視聴率をネットで調べてみると、

■「真田丸」視聴率
関東地区/平均16.6%/最高20.1%/初回19.9%/最終回14.7%
関西地区/平均15.9%/最高21.8%/初回20.1%/最終回16.3%
BSプレミアム/期間平均4.7%

■過去3年の平均視聴率
2015年「花燃ゆ」(関東地区12.0% 関西地区13.0%)
2014年「軍師官兵衛」(関東地区15.8% 関西地区18.2%)
2013年「八重の桜」(関東地区14.6% 関西地区13.7%)




昨年の「花燃ゆ」に比べると大幅に改善していてるが、一昨年の「軍師官兵衛」に比べるとさほどの改善とは見えない。「軍師官兵衛」は私も見ていた。主役の岡田准一が好演していたし、舞台が姫路や大坂だったのが関西地区の高視聴率につながったのだろう。

しかし「真田丸」の視聴率はBSプレミアムの4.7%を加えると、関東21.3%、関西20.6%と、いずれも20%を超えるのだ!(過去3年のBSプレミアム視聴率は不詳だが、とても低かったと聞いている)。BSプレミアムの放送は、2時間早く放送されるので「早丸」と呼ばれた。画質もきれいなので、私もほとんどこちらで視聴した。自分的には「真田丸の視聴率は20%!」と総括しておきたい。前置きが長くなったが、いつものようにNHKの公式サイトから「あらすじ」を紹介する。



豊臣と徳川の決戦が始まった。大坂城を出て、野戦に持ち込む幸村だったが、形成は圧倒的に不利。死を覚悟する茶々に、幸村は「望みを捨てなかった者にのみ、道は開ける」と諭す。やがて勝永らの活躍により戦況は一転、豊臣方は徳川軍を次々と撃破する。だが秀頼のもとに、幸村が寝返ったといううわさが広がる…。幸村は、家康ただ1人に狙いを定め、一騎で突き進んでいく!

ラスト近く、幸村がただ一騎で家康と対峙するシーンが印象的だった。史実とは違うのだろうが…。家康は「たとえわしを殺しても、徳川の世が崩れることはない。戦(いくさ)で己(おのれ)の生きた証(あかし)を世に残す時代は終わった」。幸村は「そんなことは分かっている。ただ自分は無念のうちに死んだ父・昌幸のため、愛する梅のため、そして家康に殺された多くの友や仲間たちのために家康を殺さねばならないのだ」と叫ぶ。

幸村が鉄砲の引き金を引こうとした瞬間、遅れてやってきた秀忠の軍によって腕が撃たれ、鉄砲は地面にぽとりと落ちた。絶体絶命となった幸村だが、そこに佐助が現れ爆弾を放ち、幸村らは安居神社に逃れる…。幸村は、安居神社で自害して果てた。



このほか大坂城の台所頭・大角与左衛門(おおすみ・よざえもん)の裏切り、家康からの和議の提案(本心ではない)、大野治長の失策(秀頼の馬印を大坂城に持ち帰った)など、さすがに最終回は見どころが満載だった。

今回も締めは藤丸タダアキさんの「感想」だ。最後の「家康に何度も勝ちながらも勝者になれなかった理由」は、特に興味深い話である。藤丸さんは「次回の井伊直虎を書くか、まだ迷っています」とお書きだ。私はもう書かないので、来年はもっぱら読み手に回らせていただく。藤丸さん、50回の長丁場をありがとうございました!



大坂夏の陣も最終話に入ります。真田丸最終回の感想を書きます。

大角与左衛門が登場します。娘と嫁は戦に巻き込まれて亡くなってからずっと大坂城の落城まで待っていたと。真田丸最終回はこれまでの引っかかっていたものがなくなっていきます。

最終軍議。天王寺に真田と毛利が陣取り、伏兵として明石の騎馬隊が船場に隠れます。幸村は茶々に拝謁して最後の覚悟を伝えます。茶々はやはりトラウマを克服できずに取り乱しました。

諦めない幸村
後藤又兵衛や木村重成の戦死で豊臣方はもはや最後の決戦に託すしかありません。しかし、幸村はあきらめませんでした。ここが真田幸村の評価される一番の点ですね。1%でも可能性があるものはあきらめてはいけない。真田幸村はその1%で華を咲かせました。

決戦に負けた場合の最後の手段。幸村は茶々に決戦に負けた場合には秀頼の正室の千姫を和睦の使者に出すように言います。実際は大野治長が考えた手だといわれています。

家康の汚い手
豊臣方はほぼ全員が討ち死にする覚悟になっています。そんな豊臣方の士気の高さを家康はガス抜きにかかります。大坂城に和議の使者を送り、時間を稼ぎます。相手がまだ生き残れるのかという期待を持った頃合いを見ました。秀頼は天王寺へ出陣しようとしますが、和議の書状を受け取った大蔵卿局に止められます。家康は結局はいつもこうやって汚い手を使います。

天王寺の戦いがはじまる。やがて家康は総攻めを命令します。松平忠直と本多忠政は毛利勝永に攻めかかります。しかし、毛利勝永は用兵の術を心得ている武将でした。あっという間に松平も本多も勝永軍に粉砕されます。毛利勝永軍の攻撃を見て真田幸村も突撃を敢行します。

真田の突撃に家康は驚愕しました。戦乱最後の戦いです。徳川方と豊臣方の士気の違いは事情にあった。徳川方は戦が終われば豊かな生活があり、豊臣方は後がありません。これでは覚悟の問題で1対1では戦いにはなりません。豊臣方の捨て身の突撃に徳川方はびっくりしたように総崩れを起こしました。



大野治長のミス
しかし、大野治長が秀頼の所在を知らせる馬印を持って城に戻ります。それを見た豊臣方は勢いが止まります。秀頼が大坂城に退却したように見えたのですね。大野治長は真田丸では最終回までミスを犯す姿でした。

そしてお城から火の手が上がります。大角与左衛門が台所に火を放ちました。秀頼は最後の戦いに出陣しようとしますが、茶々に止められます。きりは千姫を連れて大坂城を脱出します。

真田丸最終回の短編エピソード
このあたりから真田丸は最終回の短編エピソードに入りました。討ち死にした高梨内記の手の中には昌幸のお位牌がありました。堀田作兵衛も戦死します。最後に「すえ」の名前をいいました。きりは脱出途中に幸村の姿を発見します。きりが幸村を見た最後ですね。

幸村の突撃
幸村は家康の本陣に突入します。家康に父、昌幸やその他の家康に滅ぼされた人のかたきを討つと伝えました。伊達政宗と上杉景勝が同じ場所で幸村の姿を見ていました。二人は本来は仇敵の間柄なので、こんなことはあり得ません。しかし、三谷さんは簡潔に場面を作ったのだろうと思いました。

大坂の陣は終わりました。京にいる寧々を片桐且元が訪ねます。そして終わったことを伝えました。

幸村の最後
最後に幸村の最終の場面。場所は今の安居天満宮ですね。当時はお堂があったようです。幸村は切腹します。幸村は最後に六文銭を手に取りました。

豊臣方の最後。秀頼と茶々は燃えた天守閣を見ながら山里郭で最後の時を待ちます。この場には真田大助の姿がありました。毛利勝永は大坂城を脱出します。しかし、実際は勝永は秀頼と共に自害したといわれています。秀頼や茶々は最後は山里郭の土蔵の中で自害します。

真田信之は京から本多正信と江戸まで旅をします。そして相模玉縄の本多正信の所領の農民の姿を見ます。本多正信は農民は生かさず、殺さずに税を取ると言いました。



信之に届いた六文銭
その信之に大阪から使者が来ました。その使者が持ってきたものは、真田の六文銭でした。真田丸は今回が最終回でした。真田昌幸と幸村は戦争においては何度も家康に大勝しました。しかし、最後に天下を取ったのはやはりその家康でした。ここにはどんな背景があるのか。私の思うことを思うままに書いてみます。

家康に何度も勝ちながらも勝者になれなかった理由
真田は信州の豪族として軍神といわれた武田信玄に仕えます。信玄の戦い方は巧みな用兵戦術にあります。散々、石を投げつけて相手が顔を上げることができない姿を作ったうえで俊足の騎馬隊を投入します。その巧緻な戦いは信玄の時代は可能でした。何故なら、動かす軍勢がせいぜい1万人単位だったからです。

一方、家康は青年期にその1万人の単位を学びます。しかし、家康はその後に信長や秀吉から5・10万の兵隊を動かす世界を学びます。信長や秀吉は戦術よりも戦略を重視しています。できるだけ相手の戦力を削ぐように外交等を進め、洪水のような大軍で攻撃します。そこには戦術はあまり存在しませんでした。



信玄が騎馬隊や鉄砲隊を一つの部隊として考えることに対して、信長は全部隊を鉄砲隊にしてしまいます。信長の長篠の戦はその良い例ですね。信長・秀吉・家康はこのように戦略的な戦い方をして全体を勝利に導きます。一方の信玄時代の用兵戦術を学んだ真田昌幸や幸村はその磨きのかかった戦術で戦います。その緻密な戦い方は徳川軍の個々の部隊を撃破します。

そこに真田と徳川の差があったのではないでしょうか。真田丸最終回は戦略で勝つ家康と戦術で勝つ真田の違いの結果だったと思います。以上、真田丸最終回の感想でした。

これまで真田丸の感想を読み続けてくださいましたみなさま、ありがとうございました。特に、「読んでいます」と声をかけてくださった方には大変励まされました。次回の井伊直虎を書くか、まだ迷っています…。真田丸、全50回分の感想でした。最初の方は感想を書いていませんでしたので、総集編ではまた感想を書こうと思います。
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真田丸(49)前夜

2016年12月18日 | 真田丸(NHK大河ドラマ)
前回(12/11)のNHK大河ドラマ「真田丸」は、「第49回 前夜」だった。NHKの公式サイトからあらすじを拾うと、

幸村からの書状を読んだ信之は、幸村が死を覚悟していると直感し大坂行きを決意する。一方、豊臣方と家康との最終決戦~大坂夏の陣~がいよいよ始まる。幸村は又兵衛や勝永とともに策を立てる。徳川軍をくいとめるのは道明寺。しかし、豊臣方の策はことごとく漏れていた…。ついに幸村は、春を城から出すことに。そして、きりには最後の使命が…。



いよいよ幸村の終わりの始まり、夏の陣の前夜が描かれた。この回で印象に残ったのは、幸村ときりのキスシーンだった。しかしこれは台本にはなく、堺雅人のアドリブだった!オリコンの情報サイトによると、

【真田丸】感動の幸村ときりのキスシーン 堺雅人の発案だった
女優の長澤まさみが16日、NHK総合の『スタジオパークからこんにちは』(月~金 後1:05)にゲスト出演。11日放送された第49回「前夜」で話題を呼んだ主人公・真田幸村(堺雅人)ときり(長澤)のキスシーンについて、「台本には(キスをするとは)書いていなくて、堺雅人さんが提案されたんです」と裏話を披露した。

幸村ときりは幼なじみ。幼い頃からきりは幸村にずっと好意を寄せてきた。男女の関係にはならないまでも、つかず離れず、常に変わらぬ態度で幸村を支えてきた。そして、徳川家康の最終決戦に挑む覚悟を決めた夜、幸村はようやく、きりがかけがえない存在となっていたことに気づく。

長澤によると、当該シーンの撮影の際、「いまままで思いを募らせてきたきりがむくわれるシーン。彼女の大切さに気づいたことをわかりやすく表現するために、口吸い(キス)するのはどうですか?」と堺から提案があったという。

それを受けて、長澤も「やってみたいことがある」と提案。「以前から、『キスされながらしゃべる』という芝居をやってみたいと思っていて、きりは何かを食べていたり、何か別のことをしながら話すことが多かったので、ぴったり合うな、と思いました」。

堺も「いいね」とノリノリで、現場も「やりましょう」と大いに盛り上がったという。長澤は「キスをしながらでもしっかりせりふは聞こえるように。それは、言葉を届けることをすごく大切にされていた堺さんから学んだことの一つでした」と話していた。大河ドラマ『真田丸』は18日が最終回。BSプレミアムでは午後6時から、総合テレビでは午後8時から、55分の拡大版で放送。




うーん、そうだったのだ。キスしながらも、うまくセリフを言うなぁと感心したが、これは長澤まさみの提案だったのだ。幸村はきりに、千姫を送り出し秀忠の陣に届けるという、重要な仕事を託す。「そのあとは沼田に戻れ」ときりは幸村から言われるが「こうなったら城に戻り、茶々に最期までお供する」ときりは言う。「源次郎様のいない世の中にいても、つまらないから」。

幸村はきりをしっかりと抱きしめる。「遅い」ときりは一言。つぶやいたきりの口を塞ぐように、幸村は黙って唇を重ねる。そのままきりはもごもごと言う。「せめて10年前に、あの頃が一番綺麗だったんですから…」。抱き合う2人に有働アナのナレーションが重なる。側室であった、子をなした、そんな諸説ある高梨内記の娘。ひとつだけ確かなのは、信繁に関わった女性の中で最も長く側に居たのは彼女だということ…。幸村をずっと見つめて愛し続けたきりの思いは、残り少ない時の中で、やっと報われたのである。



いよいよ今夜(12/18)は最終回。幸村の壮絶な最期の時が迫る…。では、締めは藤丸タダアキさんのブログから。

信之は幸村に会いに行きます。最後の決戦に臨もうとする幸村を止めようとします。真田丸49話前夜の感想を書きます。大坂夏の陣決戦前夜。戦乱の世はこれで終わります。その決戦の前夜が真田丸49話です。

大坂城では軍議が行われます。大坂五人衆は大阪城南の天王寺で迎え撃つ作戦をあげました。徳川方は京の二条城に集結し始めます。家康はわざと最後の和睦交渉をしましたが、豊臣方に拒絶されます。家康は相手が決死の覚悟を決めないように何度も和睦交渉を行い肩透かしを続けます。

そして開戦。豊臣方は徳川方の浅野(和歌山)と大阪泉佐野で開戦します。この戦いは大野治長・治房の失策で敗戦し、ここで塙団衛門直之が戦死します。次に、本多正信が後藤又兵衛を罠に仕掛けます。徳川に寝返れば恩賞を与えると。



幸村は信之・信伊と会いました。信之は幸村に翻意を促しますが幸村は決死の覚悟を伝えます。幸村は酒を酌み交わしたいと言いましたが、信之は今生の別れではないと断ります。大坂夏の陣最後の前夜です。家康は上杉景勝と酒を酌み交わします。まさに前夜です。

5月5日、徳川軍は河内国分を目指します。幸村は後藤又兵衛にくれぐれも焦らないように忠告します。木村重成は後藤又兵衛に感謝の意をいいました。重成は兜の緒を切って再び脱ぐことがないこと(決死の覚悟)を示します。

後藤又兵衛と木村重成は戦死します。長曾我部盛親も壊滅的打撃を受けて退却します。彼らは善戦し、多くの敵を打ち取りました。しかし兵力に差がありすぎ、結局は孤立して討ち死にしました。



幸村は作戦が筒抜けになっているのを勘付きます。ほかにも内通者がいる…。その内通者とは台所料理番大角与左衛門でした。

伊達政宗は真田に襲い掛かりますがコテンパンにやられます。その伊達政宗に幸村は自分の家族を託しました。やがて伊達の重臣の片倉重長に幸村の娘の梅は嫁ぎました。真田丸49話前夜。伊達政宗の前夜は幸村の家族を引き取る前夜でした。

長澤まさみ扮するきり。最後にきりは最後まで幸村の隣で死ぬと宣言しました。この夜は真田丸最後の大坂夏の陣天王寺口の戦いの前夜です。



高梨内記の娘、きりは幸村に最も長く仕えた女性でした。長澤まさみがきりのキャストに選ばれた理由がなんとなくわかった気がしました。真田丸49話前夜は多くの登場人物の前夜でした。真田丸50話は最終回です。最終回は題名がないそうです。最後の演出が楽しみです。真田丸49話前夜の感想を書きました。
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真田丸(48)引鉄(ひきがね)

2016年12月10日 | 真田丸(NHK大河ドラマ)
前回のNHK大河ドラマ「真田丸」は、「第48回 引鉄(ひきがね)」だった。最終回(第50回)まで、残すところわずかになった。ますますテレビから目が離せない。この回のあらすじをNHKのHPから拾うと、

豊臣と徳川の和睦の後、真田丸は取り壊され、大坂城は堀も埋め立てられてしまった。幸村は起死回生を狙い、家康を罠にかけるよう佐助に命じる。佐助は、もし家康暗殺に成功したら夫婦になって欲しいときりに告げ徳川の陣へ。家康との頭脳戦が展開する中、幸村は不思議な型の拳銃を手に入れる。一方幸村からの書状を読み、その真意を悟った信之は、大坂城へ向かうと言いだす。



今回は大坂夏の陣に向けて、動きの多い回だった。真田丸は壊され、堀まで埋められた。それでも幸村(信繁)は秀頼や後藤又兵衛らに励まされ、新たな策をたてる…。

織田有楽斎は徳川に情報を漏らしているのがばれ、幸村は城を出よと命じる。大野治房(治長の弟)は、大坂城の蔵にある金銀を勝手に牢人に与えてしまう。公平を期すため、秀頼は他の牢人たちにも金銀を与えた。しかしそれが裏目に出た。牢人たちはその金で武器を買い集めたのだ。しかも大野治房は、大坂城の堀を掘り返すことを命じる。激高した徳川家康は、大坂城を攻める決断をする。



この回で、目を引くシーンがあった。幸村が大坂城内で畑仕事を手伝い出すと、農具が何かに当たった。掘り出してみると、土の中にあったのは千利休の印がついた箱。中を開けると、銃身が短い不思議な形の鉄砲が出てきた。火器に詳しい毛利勝永に聞いてみると、これはフリントロック式の「馬上筒」。火縄に点火しなくても撃てる(撃鉄を使う)ので、馬上からでも撃てる銃なのだ。

幸村は、家康の陣まで突入しながら鉄砲を撃ち損じ、家康を倒せなかったといわれる。そのとき使ったのがこの馬上筒だったのだろう。この回のタイトル「引鉄(ひきがね)」は、夏の陣への引き金と、この鉄砲の引き金をかけているのだろう。幸村の戦いぶりに期待が集まる。真田丸もあと2回を残すばかりだ。年末恒例の「総集編」も、見逃せない。では、最後は藤丸タダアキさんの「感想」を紹介して締めておく。



いよいよ大詰め、大坂夏の陣へ向かって進み始めます。真田丸48話引鉄の感想。鉄砲の引鉄は夏の陣への引鉄です。

真田丸や局地的な戦闘では徳川方を圧倒していた冬の陣。しかし徳川家康の謀略で豊臣方は大坂城の堀を失い、もう籠城はできません。しかし幸村は天性の戦略家でかすかな希望も捨てません。次の一戦で負ければ滅亡なので、裏切者は退去するだろう。自分の描いた戦略通り、裏切り者のいない布陣で戦いたいと考えます。

幸村は裏切者の織田有楽斎に罠を仕掛け、有楽斎ははまり大坂城を出ます。幸村は次々と手を打ちます。家康暗殺。しかし佐助が仕留めたのは影武者でした。

続いて、豊臣家は四国に移る用意があると情報を巻きます。それを千姫に伝えます。千姫の側近はすべて徳川の家来です。家康まで情報が伝わるでしょう。これは幸村と秀頼だけの打ち合わせで決めました。無言の場面はこれですね。

幸村は家康と秀忠の陣跡に要害を作り始めます。その要害完成までの時間稼ぎに牢人の再雇用先を探すという口実を作ります。牢人衆の身内が城内を自由に出入りできるようにしました。塙団衛門の妻が今後を心配していました。塙団衛門の妻は、実は羊羹の虎屋の黒川家から来ています。



きりとはるたちが城内に作っていた畑は利休の茶室跡でした。その畑の下から鉄砲‘馬上銃’が出てきました。これは利休が次の商売で考えていたものだと毛利勝永が言います。真田丸48話の引鉄。幸村の引く引鉄を手に入れました。48話の感想。ここまでは戦略通りだった幸村。しかし、事件が起こります。

大野治長の弟治房が配下牢人に城内の蔵を開けました。一部の牢人だけが褒美を手に入れたことで不公平が出ます。そこで秀頼は牢人全員に褒美を与えますが、牢人達はそれで武器を買い求めました。‘豊臣方は再戦へと準備をしている’家康が再戦に向かう口実を作ってしまいました。幸村の思わぬ形でまた戦略が狂いました。

治房は兄の治長の暗殺未遂を起こしたり、治房は大坂城の堀を再び掘り始めます。暗殺未遂はその後の大坂夏の陣の初戦に影響します。



感想からは外れますが、今後の真田丸の流れが気になります。真田丸49話は前夜という題がついています。真田丸48話引鉄は大阪夏の陣に向けた引鉄でした。大坂夏の陣の前夜が第49話ですね。49話が前夜ということは50話で夏の陣を全部やってしまうのか。おそらく51話が真田丸の最終回になるのかなと思います。

道明寺の戦いの‘関東に1人の男子なし’宣言と天王寺の戦いは分けた方がドラマ的には面白いです。真田丸49話前夜では、家康が上洛までの段階まではいくでしょう。真田丸48話引鉄の感想でした。49話も楽しみです。
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真田丸(47)反撃

2016年12月04日 | 真田丸(NHK大河ドラマ)
面白い話がスポニチのサイトに出ていた。《「真田丸」最終回は大河異例の無題!屋敷CP(チーフ・プロデューサー)「皆さんが副題を付けて」》。真田丸の最終回(12/18放送)には、漢字2文字のサブタイトルをつけない、という話だ。同サイトによると、

俳優の堺雅人(43)が主演を務めるNHK大河ドラマ「真田丸」(日曜後8・00)の最終回(12月18日放送)は副題がなく、無題となることが21日、分かった。「真田丸」は第1回「船出」から20日放送の第46回「砲弾」まで、すべて漢字2文字のサブタイトルを貫いてきた。

その“縛り”は元々決まっていたわけではなかったものの、第一次上田合戦を描いた第13回の副題「決戦」を決める頃に、最後まで二字熟語を継続する方針が固まったという。だが、最後の最後で“規定路線”を外れる無題。その異例の選択に込めた思いを制作統括の屋敷陽太郎チーフプロデューサー(CP)はこう語る。

「台本を作り上げる段階では、ある二字熟語を想定していました。しかし、実際に撮影がすべて終わり編集室で試写をした際に、真田信繁(幸村)を演じた堺雅人さんの演技を拝見して、われわれスタッフ全員が、その二字熟語では収まり切らない熱くて深い思いが最終回には詰まっていると強く感じました。ほかの二字熟語も色々と思い浮かべてみましたが、いずれもしっくりきませんでした。そこで、最終回の副題は無題とすることにしました」

これまで「ナレ死」「真田丸どうでしょう」など、インターネット上で視聴者発の楽しみ方が盛り上がってきた「真田丸」。それだけに屋敷CPは1人1人に副題を付けてほしいという思いを抱く。「最終回を観終えられた視聴者の方々が、それぞれどのような感想を抱かれ、それぞれに各自の心の中で副題を付けていただければ、われわれとしてはうれしいです。また、皆さんが付けられた副題を、ツイッター上などで拝見することを楽しみにしたいです」

幸村がいつ討ち死にしたのかは歴史書を読めば分かる。結果は分かっていても、それをどう描くのか。最終回には漢字2字に収められなかったほどの熱く深い思いが、「真田丸」に関わったすべての人間の思いが込められている。




なるほど、これは面白い。幸村がいつ、どこで討ち死にしたのか、ということは周知の事実であるが、その戦いぶりや幸村の思いは漢字2文字に落とせないほど大きい、ということなのだ。なお「ナレ死」とは、死のシーンを映像化せずナレーション(語り)だけで済ますこと。「真田丸どうでしょう」とは、ツイッター上で真田丸の感想を発信しあうことである。さて「第47回 反撃」である。NHKの公式HPからあらすじを拾うと、

茶々は、幸村の反対を押し切り、家康との和睦に傾く。和睦交渉での阿茶局の寛大な態度に、きりは大きな不安を感じる…。結局、大坂城の外堀を埋め、真田丸砦を破却することが決定してしまい、幸村は激しい衝撃を受ける。もはや戦うすべを失った又兵衛や勝永らの、豊臣家への怒りが頂点に達する…。

今回の話のメインは「和睦交渉」だった。豊臣方の交渉役はお初(茶々の妹)と大蔵卿局(大野治長の母、茶々と秀頼の乳母)、徳川方は阿茶局(家康の側室)で、もうこれは完全に徳川方のペースにはめられてしまう。大蔵卿局という人が、本当にこんなに愚かな人だったのかどうかは分からないが、ドラマではとんでもないことを決めてくるのだ。

ここに書くのは癪(しゃく)だな、と思っていたら、藤丸タダアキさんが感想の前にあらすじを書いてくれていたので、今回はすべて彼のブログから引用させていただく。なお大蔵卿局は、大坂夏の陣で敗れ自害した秀頼や茶々に殉じ、子の治長とともに自害して果てた。



真田丸46話砲弾では茶々の侍女が砲弾で亡くなります。講和反対の急先鋒だった茶々の腰が砕けてしまいました。大坂冬の陣は大坂方の完勝に終わったにも関わらず、家康の謀略に嵌められていきます。真田丸47話反撃の感想を書きます。まずはあらすじから。

講和に向けた会議が進みます。メンバーは豊臣秀頼・織田有楽斎・大野治長・その母大蔵卿局・そして真田幸村。茶々や大蔵卿はこれで和睦が成れば永遠に平和になると考えていました。一方の徳川方は始めから一時の方便として騙すつもりでした。徳川方の要求は豊臣方が大坂を離れる・茶々が江戸に人質に来る。豊臣方の要求は牢人の扶持・領地の加増・大阪に居座る。

そして、幸村は茶々の妹お初を全権大使に推薦します。お初は心もとないと考え、大蔵卿局を副使に任命します。一方の徳川方は家康の側室の阿茶局(あちゃのつぼね)を全権大使にします。そして、交渉会談が行われました。

この席で、徳川方は阿茶局は拍子抜けするほどの案を出しました。豊臣の領地はそのまま・茶々も大坂・牢人衆もお咎めなし。厳密には牢人衆はおいおい、領地の加増は無視されました。そして、会談が一息ついたときに、阿茶局が提案を出します。

大蔵卿局は牢人を毛嫌いしていました。講和で平和になるのだからもう牢人はいらないと。阿茶局は提案を出します。牢人が大坂城から退去するために真田丸を壊しましょうと。ついでに総濠も埋めてしまいましょうと。この提案は和睦の条件には載っていませんでした

真田丸を壊された幸村。牢人たちも一様に絶望します。幸村は牢人たちにもう策がないと謝りました。しかし、牢人や秀頼に励まされて翻意します。真田丸47話反撃は以上のようなあらすじでした。自分が読み漁った流れとだいぶ違います…。



真田丸47話の解説と感想を書きます。家康は当初強硬案として豊臣家は房総半島に移封する案を出します。茶々は南海道(和歌山・高知・徳島・愛媛)のうち2か国と主張しました。家康は大坂城に砲弾を撃ち込んだ上で、寛大な講和条件を出します。その家康の狙いは堀を埋めてしまうことでした。講和して堀を埋めて、そして再度攻撃する。これもすべて家康の謀略でした。つまり、家康ははじめから豊臣方を騙すつもりでした。

それに対し、豊臣方はその交渉は茶々や大蔵卿局が担当します。茶々や大蔵卿局は大坂城の事実上のあるじではあります。しかし、百戦錬磨の家康にかなうわけがありませんでした。家康はその間、平和を何度も演出します。名目は秀頼の妻で家康の孫の千姫のためという口実でした。そして、講和会談は穏便に進みます。

そして最後に、家康の側近の本多正純が豊臣方に提案しました。江戸から大坂まで出てきた家康のために戦争の記念が欲しい。その記念は大坂城の堀を埋めてしまって平和の記念にしたい。堀は一番外側の堀を惣堀と呼びます。一方、家康は総堀という意味ですべての堀を差していたそうです。ことさら、平和の雰囲気を演出し、騙しました。

大野治長はその後、家康の本陣で家康に最大限に褒められます。牢人たちを頭ごなしに𠮟りつけ、あっぱれな総大将ぶりだったと。治長はそれに舞い上がって、堀を埋める件をさほどに思いませんでした。これで勝負ありですね。

大坂城は秀吉が苦心して作った大きな堀がお城のかなめでした。それを壊そうとする家康の意図がわからない治長。真田丸47話の感想は家康はなんと陰険に天下統一へ向かったのかと。家康はこれが後世にまで残ることは考えませんでした。タヌキおやじの天下簒奪といまだにいわれています。

徳川方はその堀の破却は徳川方でするといいました。そして外堀を埋めて、内堀までも埋めてしまいました。日本の歴史がこのような騙しの中で動いていたのですね。日本人として、この日本という国の難しさを感じます。さらに言えば、秀頼はほとんどすべての大名にとっての主筋にあたります。寄ってたかって豊臣家を滅ぼし、徳川の世を作りました。

第48話は引鉄(ひきがね)です。堀の無くなった大坂城で再び戦争がはじまります。家康はその口実に牢人の大坂城再入城をあげました。これは真田丸47話反撃で出てきた阿茶局が言った「おいおい」ですね。曖昧にしておいて、あとから難癖をつける。それに対して幸村たちは再戦を決意します。48話も楽しみです。
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真田丸(46)砲弾

2016年11月27日 | 真田丸(NHK大河ドラマ)
前回(11/20)のNHK大河ドラマ「真田丸」は、「第46回 砲弾」だった。家康が大坂城に放ったカルバリン砲の砲弾だ。NHKのサイトからあらすじを拾うと、

幸村が築いた真田丸砦を攻めあぐねる家康は、幸村に10万゛石の領地を約束するなどさまざまな調略に乗り出す。有楽斎らの強い勧めで秀頼は和睦を決意するが、幸村は有楽斎の言動には裏があるとあやしむ。幸村は、意を決して茶々への直談判に挑む。一方、家康の陣にはイギリスから取り寄せた大砲が到着。運命の砲弾が、大坂城に向けて放たれる!

真田丸で味方が散々苦戦した徳川家康は「騒音戦略」を思いつく。イギリス製のカルバリン砲が届くまでの時間稼ぎだ。30万人が3交代で怒鳴るというとんでもない作戦だ。

一方、大坂城の幸村は豊臣秀頼に策を語る。堅固な城に籠もり、相手の兵糧が尽き、寝返る者が出る者を待つという持久戦だ。また幸村は秀頼に「大坂城の主として自分の発言力を意識してほしい」と助言する。

大坂方はやがて、相手が挑発しているだけで攻めては来ないと分かる。塙団右衛門(ばん・だんえもん)直之は野良犬の鳴き真似をして「尻尾を丸めた野良犬どもめ!」と言い、皆の笑いを誘う。この鳴き声が犬にそっくりだ。

幸村は茶々にも話をするが、あまり反応がない。茶々の居室から出ると、幸村は茶々の妹である初(常高院)から呼び止められる。彼女は茶々の抱えた「心の闇」を語る。2度の落城、父母、兄、義父の死を目にしてきた茶々は、大坂城とともに焼け落ちることを望んでいる、姉を救ってほしいと言う。

一方、江戸の真田屋敷では、幸村の兄・信之と平野長泰が大坂へ食料を送る手はずを整えている。平野長泰は「賤ヶ岳七本槍」の1人で、田原本藩の初代藩主。大阪へ向かおうとした信之は、出浦昌相(真田家の家老)に阻まれる。

家康は幸村を調略するため、10万石を提示しようとする。使いは幸村の叔父・真田信尹(のぶただ)だ。大坂城に入った信尹は幸村と酒を酌み交わす。最後に信尹は幸村に家康からの書状を渡すが、「読まんでいい」と申し渡す。幸村は即座に書状を破き燃やし、信尹はそのまま調略失敗を家康に報告する…。

このようにいろんなことがあったが、最後になって、イギリスのカルバリン砲の砲弾が大坂城に打ち込まれ、城内は騒然となる。そして次回の47話は「反撃」。どんな反撃になるか、これは楽しみである。最後はいつものように藤丸タダアキさんのブログで締めておく。

真田丸に攻め寄せ大敗北した徳川方。死傷者は2,000人を超えたといわれています。真田幸村に完封された徳川家康は謀略戦を考えます。真田丸46話砲弾の感想を書きます。

家康が考えた作戦は歓声をあげる・敵将を調略する・砲弾を討つです。徳川方は30万の軍勢を3手に分けて夜に歓声をあげ、豊臣方を眠らせません。次に真田丸で完封された幸村の調略を進めます。家康は幸村の叔父の信伊を呼び、幸村が裏切れば10万石を与えると言います。しかし、家康にはケチで有名でしたので、調略は失敗します。

本多正純が織田有楽斎に講和(仲直り)への工作を指示します。そして有楽斎は講和工作を始め、大野治長の母大蔵卿局も賛成します。有楽と大蔵卿局に促され、秀頼は講和に頷いてしまいます。

この状況で塙団衛門が夜襲を敢行しようとします。塙団衛門は侍大将になりたかった人物です。これは団衛門の当てつけです。団衛門についてはこちらをご覧ください。

この夜襲は成功しますが、講和が破断することはありませんでした。家康の元に、イギリスからカルバリン砲が届きます。そして家康は大坂城内に詳しい片桐且元を呼び出します。家康は且元に茶々の居場所を聞き出し、砲弾を打ち込みます。これは講和反対への脅しでした。

真田丸46話砲弾は講和に反対する茶々への脅しの砲弾でした。真田丸46話砲弾の感想を書きます。実はこの時期、家康は秀頼だけに届くように書状を作っています。書状には真田幸村・長曾我部盛親・毛利勝永が裏切ると書かれていました。しかし、秀頼は当代きっての能筆家で、これは偽物であると断定します。

このように、家康は様々な手を使って講和に向かわせます。かつて秀吉が大坂城の攻略法を諸大名に語ったという逸話があります。講和して堀を埋めて再度攻撃する。

そして、イギリスから購入したカルバリン砲で砲弾を大坂城に打ち込みます。他にも角倉了以が大きな穴を大坂城まで掘り進める工作も大いに宣伝しています。この工作で一番効いたのは46話の題でもある砲弾です。この砲弾は歓声で眠れない茶々の精神を破壊しました。

真田丸46話砲弾は、家康が最も有効にきいた工作が題になっています。砲弾の話は最後の5分ぐらいでした。そして次回47話反撃に持ち込む。三谷さんは間の使い方がうまいですね。真田丸46話砲弾の感想を書きました。真田丸47話は反撃です。方便に過ぎない講和を信じる茶々たちと幸村の戦いでもあります。47話も楽しみです
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