tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

2015年 そば決算!

2015年12月31日 | 日々是雑感
いよいよ今日は大晦日。夜は紅白歌合戦を見ながら、年越しそばをいただく。考えてみれば、今年もたくさんの美味しいそばを食べた。県内にとどまらず信州など旅先で、新そばなどをいただいたのだ。年末にあたり、印象に残ったお店を日付順に紹介する。
※トップ写真は、「飛騨ざるそば 蕎麦正 なかや」(飛騨市古川町)の新そば

1月25日(日)は東京「室町 紅葉川」(東京都中央区日本橋室町1-2-4 三越SDビル 1F)。さすが三越も近い日本橋室町という土地柄か、上品なお客さんが多い。お店のHPには、



毎日、店頭の石臼で挽き立ての粉で香り高いそばを目指して、打っています。そばの実が芽を出すために必要な胚芽の部分もしっかりと挽き込んでおります。そばの香りは、その生命力を伝えるセンサーの一つとして多くのそば好きを創り出していると思います。

「江戸わずらい」というのをご存知でしょうか?白米食が普及した江戸で、「脚気」が江戸地域の特殊病だったそうです。ビタミンB1を豊富に含むそばがそれ故に江戸で大流行した理由の一つではないかと言われています。



紅葉川は、現代の、血液ドロドロ、心臓キュンキュン、血管ボキボキの「全身の脚気」をそばを鎧に豆類を盾に青菜を槍に御客様と共に戦い抜く覚悟です。多くの人とこれからの「長寿」を創造できる紅葉川の暖簾を揚げることが出来ることに深く感謝します。

次は11月24日(火)まで飛ぶ。遅いランチに「京都高台寺 天風 斑鳩店」(奈良県生駒郡斑鳩町龍田西7-3-4)にお邪魔した。もとはうどん屋だったように思うが、いつの間にかそば屋になっていた。飛び込みで入りメニューを開くと「生そば食べ放題 まんぷく蕎麦セット」1,274円(税込み)が目に飛び込んできた。ご飯がついているので、そんなには食べられないと思ったが、これを注文した。ぐるなびには、



「打ちたて」「茹でたて」「締めたて」の本格蕎麦処。胡麻の香り溢れる胡麻切り蕎麦をお楽しみください!昼はお得なランチ、夜は旨い肴とお酒をゆっくりお楽しみいただける本格蕎麦居酒屋です。自慢の『胡麻切り蕎麦』はもちろん、定食や御膳メニューも豊富にご用意。特に『犬鳴豚』など、近畿地区の地元ブランドも積極的に採り入れたお料理が大変好評をいただいております。歓送迎会、二次会など各種ご宴会も承り中。お得な飲み放題コースもご用意しています。ぜひご利用ください!



結構なボリュームだったが、せっかくの食べ放題なので、そばは2枚追加した。そば1枚=約180gと見た(店員さんによると1枚=約250g)。540g(=180g×3枚)のそばと天ぷら、せいろご飯をいただいたことになる。私の場合は1食に300~500gほど食べるが、540gのそばと天ぷらとご飯は、明らかにカロリーオーバーである、反省。なお当ブログの人気記事「そばの適量」も、あわせてお読みいただきたい。

11月28日(土)は「飛騨ざるそば 蕎麦正(そばしょう)なかや」(岐阜県飛騨市古川町三之町1-16)。このお店は2回目だ(初回は、こちら)。今回はちょうど新そばの季節に間に合ったので、香り高いそばをお腹一杯いただいた。。飛騨市の観光サイトには、



飛騨荘川産のあらびき粉を奥飛騨原水を使って打った本格手打ち蕎麦。蕎麦本来の甘みと香りをお楽しみ頂くため、一口目はアンデス岩塩で、二口目は飛騨数河産本わさびでお試しください。また当店の「つゆ」には、辛味大根を添えると格別です。





12月25日(金)は長野駅ビルの「食楽彩々 そば処 みよ田」(長野市南千歳1丁目22番地6 MIDORI長野3F)。以前訪ねたときとは場所が変わりメニューが増え、コンセプトも「通のそば屋」から「ファミリー向け」に変えたようだ。ここは日穀製粉株式会社のアンテナショップである。ざるそば(大)と天丼(小)で、腹ごしらえした。食べログには、





【長野駅ビル3階の好立地】信州蕎麦や信州牛、信州名物が堪能できる店。
自社製麺のこだわりの蕎麦は県内外にファン多数。

長野駅ビル内にある日穀製粉直営そば店。良質の蕎麦の実を丹念に自社製粉・自社製麺したこだわりそば「セイロ」680円や、長野の旬の野菜を使った「季節の天麩羅」780円、がっつり信州の味を堪能したいときは、そばと信州プレミアム牛がセットになった「信州プレミアム牛の味噌すき焼き御膳」1,320円など、どんな食欲にもお応えできるメニューをご用意しております。また、「信州の地酒」500円/杯も豊富にご用意しておりますので、「野沢菜漬」300円や「やきみそ」380円を肴に一杯いかがでしょうか? カウンターはもちろんお座敷席もございます。こだわりの料理と共にゆったりおくつろぎのひと時をお過ごしください。



翌12月26日(土)は朝食に信州・上田駅ビル1階のカウンター店「ちくま・そば処」(長野県上田市天神1)を訪ねた。ここの麺は40円プラスで「特上」になる。これは町なかのそば屋に匹敵する美味しいそばだった。さすがに本場は違う。



12月26日(土)のランチは上田駅から北東約500mの「刀屋(かたなや)」。故池波正太郎お気に入りの店だ。じゃらんネットによると、



コシのある二八そばに、やや辛めのつゆがぴったり合う。そばの盛りは大・中・小と選べるが並みでも一般の大盛ほどのボリュームだ。また、味噌ベースになめこ・削り節を入れ、だし汁で割ったものでそばを頂く、『真田そば』が人気。冬限定の青い大根おろしが付く、『おろしそば』も美味だ。太めのしっかりしたコシ食べ応え満点のそば。



というわけで、今年もたくさんのそばをいただいた。引き続き来年も、せいぜい美味しいそばを食べ、当ブログで紹介させていただきます!
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小学5年生が奈良の映画作り。河瀬直美監督が指導!

2015年12月30日 | 奈良にこだわる
昨日(12/29)の毎日新聞朝刊に、こんな話が出ていた。河瀬直美監督が指導して、小学生が奈良を取材して3分間の映像を作るという。撮影日は1/12(火)。iPadを使い、2人1組で撮影。その後、iPadのアプリで編集し、1月末までに映像を完成させるのだ。記事全文を紹介すると、
※写真は、毎日新聞のサイトから拝借

奈良の「お宝」発見し映像に
「なら国際映画祭」のワークショップ 同志社国際学院初等部が挑戦

同志社国際学院初等部(京都府木津川市)の5年生が、奈良の街を歩いて映像制作するユニークなワークショップに取り組んでいます。指導するのは、映画監督の河瀬直美さんが理事長を務めるNPO法人「なら国際映画祭実行委員会」(奈良市)。河瀬さんは「たくさんの知らなかったことに気付き、その時の気持ちを映像や写真に込めてね」と話しています。【三野雅弘】

街歩き、身の回り探究
2010年、河瀬さんの呼びかけで始まった「なら国際映画祭」。2年に1度、国内外の若手監督を迎え、奈良を舞台にした映画製作などに取り組んでいます。子どもたちとの映像制作ワークショップもその一環。「国際的に活躍できる人材の育成を」と、11年から、奈良県内の小学校などと取り組んできました。

ワークショップ6回目にあたる今回、同志社国際学院初等部とは初のタイアップです。川畑加珠子副校長が河瀬さんと旧知だったことからこの話が実現しました。初等部では国際的な教育プログラム「国際バカロレア」を導入しており、自分の知識や体験を生かしながら身の回りのことを深く理解するための「探究」の授業として取り組んでいます。

参加するのは初等部5年生の60人です。舞台は近鉄奈良駅周辺の商店街やお寺など「奈良ならでは」の風景で、自分が興味を持ったことや「好きだな」と思ったことを、カメラを動かさず、大きく撮影し、3分程度の映像に編集するのがテーマ。「奈良駅周辺は映画祭の開催会場の近くで、世界遺産の宝庫です。墨とか奈良漬けなど奈良の文化もいっぱい。そういうものを見つける機会になれば」と河瀬さん。



ワークショップは12月2日にスタート。初日の授業で河瀬さんが講師となって撮影の狙いや方法を“伝授”。その後、子どもたちは7日に近鉄奈良駅周辺へロケハン(下見)に臨みました。奈良伝統文化を調べる「伝統組」と、お寺などで自然を調べる「ネーチャー組」の2班に分かれました。

「伝統組」は、駅南の商店街や昔ながらの街並みがある「奈良町」で、奈良漬け、筆、硯(すずり)などを売る店や能面教室、私設の「奈良町資料館」を回り、多くの人から話を聞きました。川口愛貴君(10)は「お面の話やお守り『身代わり申(さる)』の作り方を初めて知った」とうれしそう。奥田百々香さん(10)は「昔から受け継がれている伝統を撮ってみたい」と話していました。「ネーチャー組」は、興福寺や東大寺周辺でシカなどを見て回りました。

後日、学校で撮りたいことを話し合い、撮影を想定した絵コンテなどを作成しました。iPadを使った撮影本番は来年1月12日。2人1組になって撮影し、河瀬さんも同行します。その後、iPadのアプリで編集して1月末までに映像を完成させます。子どもたちが作る30本の映像にどんなメッセージが込められるのでしょうか。今から楽しみです。9月に開かれる「なら国際映画祭」でも上映する予定です。

◆「深い」を絵で表すと? 河瀬さん「自分の気持ち、画面に込めて」
河瀬直美さんが初日(12月2日)に同志社国際学院初等部5年生に行った授業を“再現”しました。

「映画だけじゃなく、全てのものにはメッセージがあります。よくメッセージが深いとか言うよね。じゃあ深いということを絵にすると?」河瀬さんはまず、そう問題提起。子どもたちは口々に「詳しいこと」「メッセージがいっぱい詰まっている感じ」「一つの円からだんだん広がっていく感じ」と発言しました。河瀬さんは「私、絵を描くのがへたくそなんだけど」と言いながら、前のホワイトボードに絵を描いていきます。地面を深く掘ったような絵、多くのボールが詰まっている箱の絵、円が何重にも重なった同心円の絵の三つが描かれました。

「でもね」と河瀬さん。「これを他人が見たら何だと思うかな」と同心円を示しました。「弓矢の的!」「木の年輪!」「タマネギを切ったもの!」「バウムクーヘン!」「水滴の波紋!」と子どもたち。残念ながら「深い」という答えはありませんでした。イメージやメッセージを映像で表すということがいかに難しいかを再認識しました。

では、どうすればいいのでしょうか。「例えばギョーザがおいしそうとか食べたいとかいう気持ちを映像で伝えるには?」と河瀬さん。子どもたちは「お箸を横に置く」「ギョーザをだんだん近づける」「割って中身を見せる」などと答え、より効果的で具体的な撮り方を考えました。食べる人の目線で撮るということを学んだようでした。

最後に河瀬さんは、自分が若い時の体験を話しました。「18歳の時、私は初めて8ミリフィルムのカメラで撮影し編集する体験をして、世界はものすごく楽しいということに気づいたんです。花に止まったトンボとか。知らないままでいるということは世界に存在していないということと同じ。私はカメラを持つことで『次はどんなことがあるんだろう』というワクワク感を持つようになりました」

そして全員にこう訴えました。「時間は絶対止められないけれど、私にとって映画はそれを再現できるタイムマシンなの。みんなも、自分の気持ちという目に見えないものを映像の中に閉じ込めてください」

講師は河瀬直美監督
1969年奈良市生まれ。89年大阪写真専門学校(現ビジュアルアーツ専門学校)卒。97年に劇場映画デビュー作「萌の朱雀」でカンヌ国際映画祭カメラドール(新人監督賞)を史上最年少で受賞。2007年、「殯(もがり)の森」で同祭のグランプリを受賞した。NPO法人「なら国際映画祭実行委員会」理事長。小5男児の母親でもある。


小学生がどのような視点で奈良を撮るのか、これは楽しみだ。小学生の遠足とか、小中学生の修学旅行を企画する際の参考になるかも知れない。9月の「なら国際映画祭」でも上映するそうなので、これはいちど拝見したいものである。皆さん、ぜひご注目を!
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鮨處(すしどころ)WASABI は、品位と粋が光る奈良のお寿司屋さん!

2015年12月29日 | グルメガイド
昨夜(12/28)、「鮨處(すしどころ)WASABI」(奈良市林小路町)にお邪魔した。このお店は、奈良新聞(12/15付)「東奔西走」欄に紹介されていた。

鮨處(すしどころ)WASABI を移転オープンした
足立 真美さん(43)

生駒市で12年間、すし店を営んだ。すし職人としてステップアップを図ろうと、近鉄奈良駅近くの奈良市林小路町に店を移したすし職人の父が大好きで、幼いころから店を手伝っていた。自然な流れで20歳から父の店で働き始め、技や気構えを学んだ。



落ち着いた店構え


ライトを消すとこんな感じ


店の奥。向かって右がVIPルーム(個室)、左がトイレ


VIPルームには、吉野杉の赤身を使ったテーブルと椅子。いい香りがする

30歳のときに力を付けようと独立。生駒市東生駒に店を出した。経営は楽ではなかったが、「お客さんに恵まれた」と振り返る。しかし、尊敬できるすし職人との新たな出会いにより、「カジュアルな店から寿司で勝負できる店にしたい」と、新天地での再出発を決めた。

店主のあだち真緒(足立真美)さんと店員さん(店主の従姉妹)。彼女が「楽」の字を描いた





天井


壁の絵。実は店主の父君がバラン(葉蘭)を切り貼りして作られた作品!

提供するすしは、父に教わった「品(ひん)と粋(いき)」を大切にする。店内は県産木材をふんだんに使い、「お客さんに愛される居心地のいい店」を目指している。午前11時~午後2時、午後4~午後9時営業。ランチコース3500円~、お決まり4800円~(税別)。(あだち・なおみ=奈良市藤ノ木台1)







お店に入ると、まず目に飛び込むのは大きなカウンター。滋賀県産欅(けやき)の1枚板だ。奥の個室(VIPルーム)を始め、内装やまな板には吉野杉や檜(ひのき)をふんだんに使っている。女性店主のお店らしい「和モダン」で上品な造りである。






アルバイトの店員さんは女子大生

素材はよく吟味された新鮮なものばかり。日本酒(冷酒)は、山形県酒田市の「楯野川」純米大吟醸が出てきた。やや甘口・フルーティで、とても美味しい。大通り(やすらぎの道)から路地に入っているので、とても静かで「隠れ家」的な雰囲気が漂う。




安曇野のWASABI

場所は、やすらぎの道と三条通の交差点角にある「奈良市観光センター」の北の路地を西に入ったところ(0742-24-3900)。ぜひ、お訪ねください!

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ぼくらの祖国(青山繁晴著)で、感涙にむせぶ

2015年12月28日 | ブック・レビュー

《きみは祖国を知っているか。あなたは祖国を知っていますか。ぼくは知らなかった。なぜか。日本の学校では、教えないからだ。日本の大人も、語らないからだ》。こんな文章で青山繁晴著『ぼくらの祖国』(扶桑社新書)は始まる。私が『ぼくらの祖国』を手に取ったのは、田中利典師(元金峯山寺総長)が推薦されていたからだ。引用を続ける。

《ぼくが祖国を知ったのは、大学を卒業して社会人になり、仕事で世界の現場を歩くようになってからだ。世界のどの学校でも「祖国」を真っ先に教えることを知った》《なのになぜ、日本の学校では教わらないのか。なぜ、日本の大人たちは祖国を語らないのか。それは戦争に負けたからだという》。

《政府は祖国じゃない。政府は祖国とは違う。政府はどんどん変わる。ぼくたちは、政府を支持したり支持しなかったりできる。つまり、政府は変わるのじゃなくて、ぼくらが変えられる。しかし祖国は変わらない。母なる存在だからだ。それもぼくたちが、たとえば意見の違いでどれほど議論し、対立し、揉(も)みあっても、だれにとっても同じ母がいる。それが祖国だ》《ところが、戦争に負けたあとの日本では、この政府と祖国の違いが分からなくなった。語られなくなった》。

 ぼくらの祖国 (扶桑社新書)
 青山繁晴
 扶桑社

「祖国」は英語で「motherland」または「fatherland」。いくら国民同士が兄弟げんかしても、根っこは同じなのだ。本書は序章のあと5つの章があり、そこで北朝鮮の拉致問題、東日本大震災、硫黄島(いおうとう)、日本の資源問題(メタン・ハイドレードなど)が論じられている。

青山繁晴氏のことはかつての「たかじんNOマネー」(テレビ大阪)や「FNNスーパーニュースアンカー」(関西テレビ)で見て知っていた。とりわけ「ニュースアンカー」は、2013年、年上の友人から「tetsudaさんも一旦定年になって平日に家に居ることも多くなるから、この番組の水曜版は見た方がいいよ。青山繁晴がすごく良いことを言うから」と教えてもらい、以来、青山氏が降板する今年(2015年)の3月まで、録画して毎週見ていた。そこでは、本書に書かれている様々な問題に青山氏が文字通り体当たりで取材し、熱く語っていた。

利典師はどんな言葉で本書を推薦されていたか。師のブログ「山人のあるがままに」から抜粋すると、

北海道からの帰りの飛行機で、青山繁晴さんの『ぼくらの祖国』(扶桑社新書)を読破した。読みながら、涙が出て仕方なかった。周囲の席に座った人に、気持ち悪がられるのではないかと心配するほど、泣きながら、読んだのである。

被災直後の東北、福島第一原発事故現場、東電の社員、吉田所長、南三陸の遠藤未希さん・三浦毅さん、沖縄本島白梅の塔のお話などなど…。とりわけ硫黄島の英霊たちの遺骨の件では涙があふれて仕方がなかった。青山さんも文中で書いているが、私も同様に、戦後70年を経て、硫黄島のことなどほとんど知らないまま、忘れ去って、生きて来た。いや、そのことをとても恥じる思いで一杯になった。

昨日から、朝の勤行のあと、南に向かって、冷たいお水をお供えし、硫黄島をはじめ、南方戦線で祖国のために命を亡くした英霊達に、感謝の念を捧げ、慰霊のお祈りを始めている。

『ぼくらの祖国』(扶桑社新書)は日本人なら絶対に読むべきである。いや、中学生の必読書に指定して、読ますべきとさえ思う。「祖国」という概念を教えてこなかった戦後日本の教育だからこそ、この本を通じて、目を覚ましてほしいと思う。

実は私が「祖国」に目が覚めたのは、チベットのラサの地に立ったときだった。ポタラ宮を訪れ、「祖国」を亡くした民族の悲哀をいやと言うほど味わった。自分の国を亡くした民族は、かくも悲惨な道を歩むのだと、漢族に土足で蹂躙されているダライラマ法王宮の現状に立ち尽くしたのであった。

遺骨収集の活動に、過去、それほど心が動かなかったが、それを本当に恥じている。戦後教育の災禍を身を以て、実感した『ぼくらの祖国』であった。是非、まだ読んでない方は、手にして欲しい。


楽天の「みんなのレビュー」にはこんな書評が出ていて、胸を打たれた。

64歳の主婦です。これまで太平洋戦争は、無駄な戦いであって、戦死なさった方は犬死であり、気の毒な犠牲者で可哀そうという気持ちしか持っていませんでした。私の亡父は、南方で負傷して九死に一生を得て帰還して、その後結婚し、私が生まれたのです。私はお父さん子でした。

その父は60歳で逝去しましたが、父が生きている間に、私は父が戦地で闘ったことに敬意を払うことを、一度もしないままであったことに気がつきました。兵士のすべてが様々な葛藤を超えて、祖国のために闘ったというのに、それを尊敬することを、学校教育が阻んでいたのです。今、私は父に伝えたい。お父さん、私はね、闘ったお父さんを、心から尊敬していますと。そしてあなたがたのお陰で、今の日本があるのですと。


とにかく一度、虚心坦懐に本書をお読みいただきたい。お求めやすい新書である。私は続編の『ぼくらの真実』も、すでにネットで注文した。

年末に、本当に良い本に出会えた。利典師、有難うございました!
コメント (6)
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ポケットに奈良(PDF)で、あなたも奈良通に!

2015年12月27日 | 奈良にこだわる
南都銀行が提供する奈良の観光サイト「ええ古都なら」では、毎月1回「勝手に奈良検定」というコーナーで、奈良検定(奈良まほろばソムリエ検定)合格に役立つクイズを出題している(レベルは奈良通1級程度)。2006年4月からの連載なので、まもなく10年になる。

そこで、これまでに出題された問題から良問をピックアップして冊子(約120ページ)の形式にまとめたのが『ポケットに奈良』である。「ええ古都なら」にPDFでアップロードしているので、どなたでも無料でダウンロードすることができる。基本は4択ではなく1問1答で、例えば

Q3.奈良県庁から北に歩いて約15分。「佐保路門(さほじもん)」「景清門(かげきよもん)」とも呼ばれた天平時代の東大寺の門といえば、さて何でしょう。

Q141.修験道の行者が真言を唱えながら薬草を煮詰めてつくった真っ黒な薬。まるで人名のような胃腸薬は何という名前でしょう。


このように、クイズを解いていくうち、知らず知らず奈良県全域に関する知識が身についていく仕組みである。ぜひ、ダウンロードしてお読みください!
(先ほどの正解は、転害門と陀羅尼助。)


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