tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

田中利典師の「花も終わりになりにけり…」

2024年01月31日 | 田中利典師曰く
今日の「田中利典師曰く」は、「花も終わりになりにけり…」(師のブログ 2015.4.14 付)。この年の3月末、利典師は34年間お務めになった金峯山寺を退職され、京都府綾部市の自坊「林南院」にお戻りになった。今回は、それから2週間の様子をお書きになっている。
※トップ写真は、吉野山の桜(2022.4.7 撮影)

こんなに多忙にされているのに、沖縄へご家族で5日間のご旅行をされていて、これはご立派だ。同年4/3付のブログには、〈1日からは腸炎になり、下痢が続いています〉とあったが、おそらくストレスや生活の変化から急性腸炎を発症されたのだろう。まあ、よく乗り越えられたものだ。

なおタイトルの花の終わりとは、〈今年こそ、蔵王堂の四本桜の苗を移植した、自坊のご神木桜の満開を見られると思っていたのに、九州に行く前に咲きかけて、戻ってきたらすでに散り初め。ちょっと残念な桜です〉(同年4/8付ブログ)という意味である。以下、全文を紹介する。

花も終わりになりにけり…
金峯山寺の宗務総長を離職して、2週間…。3月末から4月初めは怒濤の日々で、壮行会5連チャンをこなして、引っ越しの荷物の山の自坊では、戻ってすぐに、NHKEテレ「こころの時代」(放映は4/26のあさ5時~、5/2のひる13時~)の追加取材が自坊であり、荷物をひもとけないまま、翌日から九州4日、九州から戻って次の日からは沖縄家族旅行5日間。ほんとにあっというまの毎日でした。

そんなばたばたの毎日でしたが、でも、実は自分が思ったほど、周りの離職に対する反応がなくて、拍子抜けしています。ま、当たり前と言えば当たり前なのですが。「釈迦はなくても世は絶えぬ」…などと言いますが、釈迦でもない私ごときは当たり前すぎるわけでねえ。なにをしょってるんだと、友人のやっほさんあたりに突っ込まれる状況です。(^_^;)

まあ、穏やかな毎日とは行かなくて、そろそろホントに引っ越しの荷物をなんとかしないと、どこになにがあるのか、わからなくなってしまうし、5月1日からの「化他行蔵王供千願祈祷」の事務もやらないとねえ。自坊では自分でやらないとなんにもすすまないのですからね。・・・総長病、本山病から、ともかく、はやく脱しないとこれで私は終わってしまいます。

沖縄から帰ると自坊の山桜は終わっていました。私自身がこんな程度で終わってしまわないようにしないとね。
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吉野山の金峯山寺で「仁王門修理現場見学会」、2月25日(日)開催!(2024 Topic)

2024年01月30日 | お知らせ
金峯山寺では、国宝の仁王門を修理中である。その現場で2月25日(日)、見学会(説明会)が開催される。参加費は3,000円、要申し込みで定員は20名。先着順なので、ぜひ今からお申し込みを!同寺のHPによると、
※トップ写真は、同寺のHPから拝借した

国宝仁王門修理現場見学会 参加者募集
金峯山寺仁王門の大修理事業は、建物の解体が完了し、基壇の発掘調査が行われています。建物の解体途中には新たに墨書が発見され、発掘調査では古銭などが発見されるなど、仁王門の歴史解明に近づいています。その仁王門の修理現場見学会を下記のとおり開催いたします。

*開催日時 : 令和6年2月25日(日)13時30分~15時30分
*集合場所 : 金峯山寺蔵王堂前受付所(13時より受け付け開始)
*参加費用 : 3,000円(蔵王堂拝観料・資料代を含む)
*募集定員 : 先着20名
*参加申込み、お問い合わせは、下記まで電話またはファックスでお願いします。
 金峯山寺 寺史研究室
 TEL0746-32-8371  FAX0746-32-4563
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田中利典師の「宝勝院誕生!!」

2024年01月29日 | 田中利典師曰く
今日の「田中利典師曰く」は、「宝勝院誕生!!」(師のブログ 2015.4.1 付)。この前日、利典師は34年間お務めになった金峯山寺を退職され、京都府綾部市の自坊「林南院」にお戻りになった。今回は、その感慨をお書きになっている。以下、全文を紹介する。
※トップ写真は、吉野山の桜(2022.4.7 撮影)

宝勝院誕生!!
今日は4月1日…こんな日に情報を出すと、真実みがないがねえ。昨日、吉野を帰山しました。たくさんの方に別れを惜しんで泣いていただきました。いろいろな思いも交錯して、帰りの車での道中ではちょっとうるうるしました。

ただまあお坊さんを辞めるわけでもありません。少し本山を離れざるを得ないのですが、これは新管長さまの就任時に2年で離職するのは決まっていましたので、淡々と仕事に専念してきましたから、ありがたく全う出来たことの方が自分では嬉しく思います。支えていただいたみなさんのお蔭です。

実は金峯山寺の一山住職というのがあります。明治以前金峯山寺内は100を越える塔頭があった時代もあり、近年はその名跡を復活させて、一山住職に名前だけを与えています。 私は「宝勝院」といいます。 この「宝勝院」も名前だけですが、いつかは建物を復活出来ればと思っています。

その一歩として、今まで住んでいた小さな借家ですが、吉野のお家に、看板を上げてきました。お寺のような機能はまだゼロですが、いつの日か、本当にお寺として復活出来ればと思っています。エイプリルフールに終わらないように頑張ります。
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磯田道史さん、桜井市で講演会「考古学ファンとしてヤマトを語る」2月18(日)開催!(2024 Topic)

2024年01月28日 | お知らせ
歴史学者・磯田道史(いそだ・みちふみ)さんの講演会が、2/18(日)14時から、「桜井市立図書館」(桜井市河西31)で開催される。要申し込み、定員は300人で先着順、参加費は1,000円(当日現金支払)。主催者である「うるわしの桜井をつくる会」のHPによると、

NHK「英雄たちの選択」や多くの著書で知られる歴史学者 磯田道史氏の公開講演会を開催します 

演題 「考古学ファンとしてヤマトを語る」
1 日時 2024年2月18日(日)14:00から16:00 先着 300名
2 場所 桜井市立図書館 0744-44-2600 奈良県桜井市河西31番地
3 参加費 1000円 
4 申込み チラシをダウンロードしてFAXにて、又は下記メールアドレスへ氏名・住所・電話番号をご記入し申し込んでください。後日、参加証を郵送しますので、当日はご持参いただき受付に提示し、参加費のお支払いをお願いいたします。
※申込みメールアドレス jm3bsh@jarl.com
5 問合せ先 090-3652-8104(ひがし)


博学な磯田さんが、どのようにヤマトを語ってくれるのか、興味津々である。ぜひお早めにお申し込みください!



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田中利典師の「さらば吉野!また会う日まで」(退任のご挨拶)

2024年01月27日 | 田中利典師曰く
今日の「田中利典師曰く」は、〈さらば吉野!また会う日まで…「退任のご挨拶」〉(師のブログ 2015.3.31 付)である。この日、利典師は34年間お務めになった金峯山寺を退職され、京都府綾部市の自坊「林南院」にお戻りになった。この年、師は還暦の60歳だった。
※トップ写真は朝日新聞奈良版(2015.3.31 付)

このあとも師は怠ることなく、自坊で50日間の参籠修行などをされている。「これは、60歳のお体には堪(こた)えただろうな」と思いながら拝読したが、それはまた追って紹介する。では、ご退任の日の全文を以下に抜粋する。

さらば吉野!また会う日まで…「退任のご挨拶」
私は3月31日を以て、金峯山修験本宗の宗務総長を辞するところとなりました。足かけ15年の長きにわたる在任中、本当に多くの方々に支えていただきましたこと、心より御礼を申し上げます。

昭和46年、私は五條覚澄法主猊下(げいか)の勧めによって、天台宗の比叡山高校に進み、その後、龍谷大学や叡山学院での学生生活を終えると、昭和56年に五條順教猊下のもと、金峯山寺に入寺をしました。最初に順教猊下にご教示いただいたのは「志の大きな僧侶になりなさい」ということでした。以来、教学主任、教学部長と職責を担い、平成13年には、金峯山寺執行長・本宗宗務総長に就任して、順教猊下の下で、多くのことに関わらせていただきました。

顧みますと、本宗及び寺内においては、台帳管理のOA化や宗門規定集の制定、金峯山時報の改編、宗報「金峯山」の創刊、高祖会大法要や本地堂供養会、観音堂・愛染堂両大祭の新設をはじめ、部長会・役員会の常設、宿直制度の制定、学林制度の改編、一般者向けの体験修行の開始や伝法灌頂式物の整備、蔵王堂再建四百年祭開催、千人結縁灌頂開会、青年僧の会の発足、金峯山寺公式サイトの運営、「国軸山」山号・世界遺産碑建立など、多岐にわたる仕事を担わせていただきました。

また宗外においては、なんといってもユネスコ世界遺産登録をはじめとする修験道ルネッサンス活動、役行者大遠忌修験三本山合同事業や、役行者霊蹟札所会発足、大峯奥駈道連絡協議会発足、紀伊山地三霊場会議設立、修験道大結集平和の祈りの大護摩供開催、「役行者展」・「祈りの道展」・「山の神仏展」と三つの特別展の開催。

弘法大師の道プロジェクト、全日本仏教青年会や神仏霊場会、奈良県宗教者フォーラムでの活動、南都諸寺社や関係官庁、近畿日本鉄道、JR東海など関連団体との提携、修験道広宣のための500余回を越える数々の講演会やシンポジウムの出演、著作の出版などなど、枚挙に暇がないほど、身の丈を越えて、たくさんのことに関わらせていただきました。

もちろん人間ひとりの力で出来ることなどたかが知れているわけで、これも偏に蔵王権現様、役行者様のお導きの思し召しであり、管長猊下のご指導や支えて頂いた多くのみなさまのお力添えのお蔭であると至心に感謝するところであります。

「金峯山寺や修験道をもっと多くの人々に知って頂くためにはどうしたらよいのか?」とアドバイスを求めたとき、何人かの方から「薬師寺の高田好胤さんのようなお坊さんが出るとよい」と言われました。私はついには高田好胤さんのようにはなれませんでしたが、「田中利典」として、私なりに多くのことに関われたのではないかと思っております。

お坊さんの世界では「40、50は洟垂れ小僧」といいます。60歳を迎えて、ようやく一人前になれるというような意味です。奇しくも私は今年還暦の60歳を迎えます。ようやく一人前になれる年齢となり、これからという思いがあります。

今回、総長職を離職するところとなりますが、仁王門大修理をはじめ宗内外とも多くの問題を抱えるいま、新たな形で、金峯山寺やご本尊さまからいただいたご恩をお返しして行かなければならないと思っております。奈良県や地元吉野山への恩返しもさせていただければと思います。

これまでいただきました皆様方からのご支援ご交情に深く感謝し、心よりの御礼を申し上げて、ご挨拶と致します。 合掌
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