tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

時間を食わずにカニを食う「技術」

2007年01月31日 | グルメガイド
以前、がんこ寿司が「カニ食べ放題」をやっていて、看板を目にするたびに「いちど挑戦したいものだ」と思っていた。

で、大阪に出ると「がんこ」の前をソワソワと行き来していたのだが、最近はやっていないようだ。その代わり「北の家族」に「本ズワイ蟹食べ放題」との看板が出ていた。

時間制で、60分2280円、90分2580円、120分2880円、と300円刻みになっている。飲み放題もセットでき、それぞれ1000円、1100円、1200円プラスだという(いずれも税抜き)。

先日「いっちょやったるか」という気分になり、「北の家族 心斎橋店」で60分飲み食べ放題にチャレンジした。2280円+1000円+消費税5%+サービス料10%=3788円也。モトは取らねばなるまい。http://www.kitanokazoku.co.jp/kitanokazoku/menu_w.htm

食べ放題というと、大テーブルの大皿にカニの脚などが山のように載っているシーンを思い浮かべるが、「北の家族」では写真のように小ぶりのカニが丸ごと出てくる。カニの横幅は40㎝ほどだ(レモンと比較してほしい)。

最初は1人につき2杯(2匹)。食べ終わって追加すると1/2匹。それを食べ終わって追加するとまた1/2匹…と制限時間の10分前まで続けられる。

最初はのんびり写真など撮っていた。カメラをカニフォークに持ち替えて食べ始めると、これが意外に時間がかかる。脚の身を取り出し、二杯酢をつけて食べ、味噌を突つき、付け根の身もほじる。合いの手に、飲み放題の酒をちびちび。

獲れたてのカニは身離れがよいので、食べやすい。しかしこのカニは、小さい上に身が殻にこびりついているので、とても食べにくい。カニを食うより時間を食うのだ。

テーブルの上には丁寧に「ご法度6ヶ条」なるものが出ている。曰く

1.食べ放題のみならず、飲み物も注文お願い申す。
1.決して粗末に扱うことなく、天の恵みに感謝し残すべからず。
1.豊漁に感謝するは、本ズワイ蟹食べ放題円満の極意なり。 等々

さて結果は、カニ4匹半、ビール(スーパードライ)中瓶1本、日本酒(大関・銀冠)熱燗2合、ウイスキー(ブラックニッカ)オンザロック1杯。お酒は十分すぎたが、カニはこれだけ食べても全く満腹感がない。カニ缶に換算しても、2缶は食べていないだろう。

結論。カニ食べ放題に必要なのは、カニにかける情熱でも頑丈な胃袋でも旺盛な食欲でもない。小ぶりのカニから素早く身や味噌を取り出して食べる「スキル」「技術」が先決だ。

カニフォークとカニ鋏の使い方をちゃんとマスターして、来冬に再チャレンジしたい。
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痛快・爽快!『数年後に起きていること』

2007年01月29日 | ブック・レビュー
日下公人著『数年後に起きていること』(PHP研究所刊)を読んだ。副題は《日本の「反撃力」が世界を変える》、帯には《経済では独走し、外交では反撃が始まった。日本が拓く新しい時代とは》とある。

この人の著書はいつもそうであるが、読むと元気が出てくる。日本も捨てたもんじゃないと思えてくる。

この本は、1つのテーマを深掘りするのではなく、数年後の世界を展望し、そのとき日本がどういう地位を占めているか、そのために今何をすべきか、ということを分かりやすく書いている。半分ほどは過去の著書にも書いておられるようだが、興味深い講演を「ふんふん、なるほど!」とうなずきながら聞いたような読後感で、悪くはない。
http://www.php.co.jp/bookstore/detail.php?isbn=978-4-569-65658-8

その「なるほど!」を列挙すると
■これからの日本人は「3つの生き方に分かれる」。
…同じように頑張る、普通の人生に戻る、遊ぶ(風流に生きる、趣味に生きる)。日本には一休や良寛のように、風流人の先例がある。

■日本はダントツのトップランナーである。
…「追いつけ、追い越せ」は無用、すでに追い越して世界のトップを走っている。例えば、脱原発、脱イデオロギー、清潔第一、少子高齢化、子供はかわいい、もったいない、中流社会、省エネ、福祉国家、ペット文化 など。

■「質の経済」「美の経済」「風流産業時代」が始まった。
…美・創造・仕上げ・可愛さ・出来映え・心づくし などが強み。

■中級品はアメリカ的成果主義でできる、高級先端商品は日本方式でないとできない。
…UCLAの教授は「トヨタのレクサスは凄い。あれは工業製品ではく芸術品である」と言った。彼らは日本の文化、芸術、感性に惹かれて日本製品を買ってる。

■日本の「民法」も「商法」も間違っている。
…外国人のために作った法律。外国人向けの「商法」(例えば「会社は株主のもの」)を、日本人向けに改正せよ。

■日本人は「安くなれば買う」(価格弾力性)ではない。「文化弾力性」「興味弾力性」を考えよ。

■最も大切なもの(死活的国益)は「日本精神」と「子供の教育」。
…戦前から、日本精神と子供の教育は変わらず、それが復興を支えた。「家族主義」が残っていれば復興できるのだ。

■国際会議は、ポケモンで説明したほうが通じるようになる。
…以心伝心(暗黙知)の素晴らしさは、ピカチュウのおかげでアメリカにも伝わり始めた。ピカチュウは「ピカチュウ」という一言しか言わないが、イントネーションで何を怒っているのか、何を嘆いているのか、ちゃんと伝わる。

■日本精神の5つの特徴
(1)日本語1つで世界がわかる。
(2)1400年の歴史がセンスになっている。
(工業製品も文化製品も、1400年の伝統を受け継いだ芸術品である。)
(3)被侵略がないので全員共有。
(4)共同体の論理も、弱肉強食のグローバルスタンダードも、両方分かる。
(5)上記を生活だけでなく芸術や産業にも応用して、磨きがかかっている。

以上、ざっと私の「なるほど」を並べてみた。日本人の底力には素晴らしいものがあるのだ。胸を張って新しい時代に立ち向かって行こう!

※写真は、大丸百貨店梅田店の新春大売出し。消費者は「興味弾力性」でモノを買う(07.1.2 開店前の午前8時に撮影)。
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地球温暖化という「不都合な真実」

2007年01月28日 | 環境問題
写真は、昨日(1/28)平城宮跡(奈良市佐紀町)の北側にある水上池(みなかみいけ)という約15haの大きなため池で撮ったものだ。小ブナ(ヘラブナの稚魚)が大量に繁殖していると聞いて、訪れてみた。

排水溝の近くでは、ご覧の通り、見ていて気持ち悪くなるほどの群れがいた。浅瀬には、もっと小さいモロコがメダカのように泳いでいた。この池は、日本書紀に出てくる約2千年前の狭城池(さきいけ)だとの説もある。古代人がこれを見たら、腰を抜かして驚くことだろう。

フナの稚魚は例年3~4月頃にちらほら見かけるそうだが、今年の異常発生は暖冬が影響しているようだ。近年は暖冬や冷夏だけでなく超大型台風や竜巻など、世界中で異常な気象現象が続出している。

そんなタイミングで『不都合な真実』(ランダムハウス講談社刊 2940円)が発刊された。著者は、民主党のゴア・前副大統領だ。ゴア氏が89年から千回以上続けてきた講演会の内容がドキュメンタリー映画になり、それが本になった。
※ランダムハウス講談社のサイト。内容がよく分かる。
http://www.randomhouse-kodansha.co.jp/futsugo/index.html

映画は昨年アメリカで大ヒットし、今年の米国アカデミー賞ドキュメンタリー部門の有力候補となっている。本(ムックのような大型本)には図・写真やグラフが多用され、ダイレクトに視覚に訴えかける。雪が激減したアルプスやキリマンジャロ、氷が割れた北極点、海に沈む島、キクイムシに荒らされたカナダの広大な森林…。
※映画版の公式サイト
http://www.futsugou.jp/

驚かされたのは、過去10年の間に出た学術論文で、地球温暖化の原因を疑うものは「ゼロ」なのに、メディアの記事では「53%が懐疑的」というくだり。これにはブッシュ政権の情報操作が関与しているという。

本の帯には、地球温暖化を防ぐために「あなたにも、すぐできる10の事」が書かれている。

1.省エネルギー型の電化製品や電球に交換しましょう。
2.停車中は、エンジンを切り、エコ・ドライブにしましょう。
3.リサイクル製品を積極的に、利用しましょう。
4・タイヤの空気圧をチェックしましょう。(車の燃費基準を上げるため)
5.こまめに蛇口をしめましょう。
6.過剰包装、レジ袋を断りましょう。買物はエコ・バッグを使いましょう。
7.エアコンの設定温度を変えましょう。
8・たくさんの木を植えましょう。1本の木はその生育中に1t以上の二酸化炭素を吸収することが出来ます。
9.環境危機について、もっと学びましょう。そして学んだ知識を行動に移しましょう。
10.映画「不都合な真実」を見て地球の危機について知り、友に勧めましょう。

環境問題に特効薬はない。地球温暖化という大きな問題を解決するには、私たちひとりひとりの日頃の小さな行動の積み上げが欠かせないのである。
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全国ラーメン三昧

2007年01月27日 | グルメガイド
年明けにクロネコヤマトの宅急便が届いたとき、運転手が「全国ラーメン三昧」というチラシ兼注文書を置いていった。

全国の名物ラーメンが、3種類(各2人前)で千円だという。消費税も送料も代引手数料もすべて込みでこの値段で、1人前に直すと、たったの167円だ。

北は札幌の味噌ラーメン、南は鹿児島の塩ラーメンまで、12種類のうちから選べる。井出商店の和歌山ラーメンも、博多長浜ラーメンもある。同じ値段で具材セット(煮豚・味付卵×2)もある。

「これは安い!」と直感した。通販はよく利用するが、ネックになるのが送料であり、手数料(振込・代引など)だ。それらが込みでこの値段が実現するのは、ヤマト運輸の直営だから、ということに尽きる。

家内の許可を得て注文したのは、写真の「函館生ラーメン・塩味」「米沢ラーメン松緒・醤油味」「熊本もっこす亭・とんこつ」の3種類だ。電話すると運転手が注文書を取りに来てくれる。毎週火曜日締切で、翌週金曜日前後の配達だ(代金は配達時に現金払)。

金曜日の昨日(1/26)届いたので、早速今日、食べてみた。まずは「熊本とんこつ」。「とんこつエキス」と「醤油ダレ」が分かれていて、それに「乾燥ニンニク」が付いている。ここに、昨夜の鍋物の残り野菜をたっぷり。結果、本格的なとんこつラーメンが出来上がった。これはウマい。

スーパーに行くと、何種類かは本格的な生ラーメンが出ているし、日清の「行列のできる店のラーメン」なども手に入るが、やはりバラエティに乏しい。そのすき間を「全国ラーメン三昧」が埋めてくれる格好だ。
※「全国ラーメン三昧」利用者のブログ記事
http://blog.livedoor.jp/manpei929/archives/23354101.html

常温保存ができ、賞味期間は1か月以上ある。関西地区だとどこからでも注文できる。ネット注文ではなく、ヤマト運輸・サービスセンター(0120-01-9625)に電話すると運転手が来てくれる。

今回の申し込み期限は2/27だが延長もあり、それは関西ヤマトホームコンビニエンス(0120-406-314)で分かるそうだ。ラーメン好きの方は、いちどお試しあれ。
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ラストエンペラーも愛したチキンラーメン

2007年01月25日 | グルメガイド
産経新聞・1/20付の「阿久悠 書く言う」(毎週土曜日に掲載)の話題は、「チキンラーメン」だった。阿久悠は、カップヌードルのCMソングの作詞も手がけている。

《この即席のラーメンが20世でも有数の発明であると思っていた》初めて食べたとき《「うまい!」と叫んだ記憶はないが、習慣性食品、つまり、クセになると感じたことは事実である》《わざわざ蓋付きの丼まで買ったこともあって、学生時代から独身時代にかけて、ずいぶんと食べた。クセになったのであろう》

ついでに書くと「阿久悠 …」では、挿絵のかわりに写真が使われているが、これがいつもキマっていない。カメラマンは産経の写真報道局の人のようだが、ちゃんと文章を読んでから撮りに行っているのだろうか。

閑話休題。私の場合も、物心のついた頃にチキンラーメンが登場し、カップヌードルが出たのも高校時代だったので、「青春の食卓」に日清の製品は欠かせないものであった。「チキンラーメンは、お湯をかけるのと煮るのと、どちらがウマいか」など、よく友達と言い争ったものである(結論:お湯をかけた方が、ダシがよく出てウマかった)。

それで思い出すのは、ラストエンペラー・愛新覚羅溥儀(あいしんかくら・ふぎ)の好物がチキンラーメンで、息を引き取る直前にも「チキンラーメンが食べたい」と言ったこと。溥儀の弟、溥傑(ふけつ)の夫人である嵯峨浩(さが・ひろ)氏が回想録に書いているそうだ。
※『流転の王妃の昭和史』新潮文庫
http://www.bk1.co.jp/product/840363/?partnerid=99easylink

故安藤百福氏の自宅があった大阪府池田市には、「インスタントラーメン発明記念館」がある。1/5に安藤氏が亡くなった後、来場者数は急増したそうだ。

《青春時代を「チキンラーメン」とともに過ごした中高年から、「カップヌードル」の好きな若者まで、年齢層もさまざま。関係者は「インスタントラーメンがいかに多くの人に愛されているかの証しでは」としている》(産経新聞 07.1.15付)
※インスタントラーメン発明記念館
http://www.nissin-noodles.com/

記念館の近くには、安藤氏を称えて作られたラーメン店「麺翁百福亭(めんおう・ももふくてい)」がある。私は以前、ここで「百福元味」を食べてから記念館に行き、その帰りに「百福新味」を食べた(それぞれ20分ほど並んだ)。「新味の方がウマいな」というのが私の感想だった。
※麺翁百福亭
http://www.momofukutei.com/index.html

チキンラーメンの発明があったから、各メーカーが競って即席麺を発売した。これに応じて専門店のラーメンも進化し発展を続け、現在のラーメンブームに至った。いわば安藤氏は、日本のラーメン産業の恩人なのである。

では、関西が生んだ希代の発明王・安藤氏を偲んで、チキンラーメンを1杯…。
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