tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

2018年の美味しかった!奈良県ベスト10

2018年12月31日 | グルメガイド
大晦日恒例の「美味しかった!ベスト」、昨年は県外を含めた各地の美味しいものベスト5を紹介したが、今年は奈良県内の10店を紹介する(あと番外として県外1店)。なおラーメン屋さんはたくさんありすぎて、絞れない。県内の美味しいラーメン屋さん情報は、こちらをご参照いただきたい。では、ベスト10を発表!
※トップ写真は旬彩坐 立山のお刺身盛り合わせ


旭亭のひつまぶし

1位 旬彩坐 立山の富山県直送 新鮮魚介料理(奈良市)
2位 活 江戸焼うなぎ旭亭のひつまぶし(宇陀市)
3位 十津川深瀬の鮎あぶり(十津川村)
4位 福寿館橿原店の寿(す)き重(橿原市)
5位 布穀薗のベル・ブランと竜田揚げランチ (生駒郡斑鳩町)
6位 太鼓たこのたこ焼き(北葛城郡河合町)
7位 さぬきうどんのたぬきの肉わかめうどん(葛城市)
8位 満天うどんのまいたけちく天うどん(大和郡山市)
9位 藪庵のカレーうどん(奈良市)
10位 染谷商店のだし巻き玉子(奈良市)
県外篇 Cafe&Grill にしきのステーキとハンバーグ(和歌山県橋本市)


それぞれの中身は当ブログ記事へのリンクを貼ってあるので、そちらをご参照いただきたい。1位の「旬彩坐 立山」は、昨年初めて訪問し、その後、夜の部に2回ほど(ランチタイムも数回)お邪魔した。季節折々の新鮮魚介を提供され、また手間をかけた一品料理を添えられ、同席した全員がうなる美味しさである。日本酒のラインナップもいい。

2位の「旭亭」は、ミシュランガイド掲載店とは知らずにお訪ねした。一色町(愛知県西尾市)から仕入れた新鮮なウナギを絶妙なワザで焼き上げて提供されている。ご主人(森本秀記さん)のサービス精神もすばらしい。


十津川深瀬の私の好物ラインナップ

3位の「十津川深瀬」の商品はあまり広くは出回っていない。近鉄百貨店奈良店の地下や、JR奈良駅構内1階の「奈良のうまいものプラザ」などで見つけていただきたい。ゆべしも柚子ぽんしょうゆも梅じゅーすも美味しいが、私の一押しは鮎あぶりだ。数日かけてあぶった鮎の燻製を真空パックにしたもので、オーブントースターで軽く焼くとあーら不思議、生鮎の炭火焼きの味がよみがえるのだ。私は自宅の冷凍室に常備している。


福寿館の寿き重


布穀薗のベル・ブランと竜田揚げランチ

4位の「寿き重」は、あの福寿館の美味しいすき焼きの味をデパートのランチで手軽に味わえる逸品で、よくランチタイム途中で品切れになるからご注意を。5位「布穀薗(ふこくえん)」のベル・ブランは全粒粉を使ったそうめんで、香ばしくてとても美味しい(乾麺も販売している)。名物・竜田揚げランチとあわせてお召し上がりいただきたい。


太鼓たこ


さぬきうどんのたぬきの肉わかめうどんとかやくごはんのセット


満天うどんカジバノバカヂカラのまいたけちく天うどん

ほか「宇宙一おいしい」(小学生だった長男の声)太鼓たこ、それぞれに工夫を凝らしたうどん、だし巻き玉子屋さんのランチなど、「安くておいしくてボリュームたっぷり!」を絵に描いたような美味しい料理の数々。県外篇の「Cafe&Grill にしき」は橋本市郊外の高台にあり、おしゃれで明るいお店はいつも橋本市民で賑わっている。


藪庵のカレーうどん


Cafe&Grill にしきのステーキランチ

こうして振り返ってみると、いつも「美味しいものを美味しく」いただいている幸せをしみじみと感じる。2019年も、美味しいものを食べて当ブログで紹介してまいります!
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奈良は「自転車競技」強豪県、めざせ 東京五輪出場!/明風清音(第12回)

2018年12月30日 | 明風清音(奈良新聞)
奈良新聞に連載している「明風清音」、11月は「自転車競技で五輪出場」(11/21付)だった。私も最近になって知ったのだが、奈良北高校(生駒市)と榛生昇陽(しんせいしょうよう)高校(宇陀市)は、自転車競技の名門校なのだそうだ。それぞれに部活として「自転車競技部」がある。奈良北高校の公式HPには、
※トップ写真は奈良北高校自転車競技部の公式Twitterから拝借

私たちは自走不息(じそうやまず)の精神をモットーに日々厳しく・激しく・楽しい練習に取り組んでいます。授業のある平日には40~60kmの街道練習、休日には100~150kmの街道練習を行っております。また、競輪場でのバンク練習や校内や校内周辺での体力向上トレーニングや心肺機能強化のための持久走なども行っております。

部員数は少ないですが、その中には全国大会で活躍する選手もたくさん在籍し、部員全員が高い目標を持って日々の練習に取り組んでいます。練習は厳しいですが、走り終えた達成感、登り切った爽快感、勝ったときの嬉しさは他のスポーツよりも充実しています。やる気と根性と体力があれば全国優勝も見えてくるかも!!!?


部訓の「自走不息」とは、つらい場面でも自ら前に出る、という意味だそうだ。また榛生昇陽高校について毎日新聞奈良版(2017.4.11付)は、「全国高校選抜大会 さらに上目指す 榛生昇陽高・自転車競技部、好成績を報告」の見出しで、こんなニュースを報じている。


この写真は、榛生昇陽高校の公式HPから拝借

福岡県久留米市などで3月にあった全国高校選抜自転車競技大会で優秀な成績を収めた県立榛生昇陽高校(宇陀市)自転車競技部の3年生3人が10日、同市役所を訪れ、竹内幹郎市長に報告した。個人種目では3キロ追い抜きで河野翔輝さん(17)が優勝し、他の2人も入賞。学校対抗では3位だった。

河野さんのほか、西原裕太郎さん(17)と二宮敦史さん(17)。個人種目で西原さんが3位、二宮さんが6位だった。竹内市長は「道路など練習環境を整備するので、更に高いステージを目指して」と激励した。

インドであったジュニアのアジア大会(2月)での3位入賞も報告した河野さんは「全国大会はタイムがよくなかった。夏のインターハイでは自己ベストを出して優勝したい」と話した。また、西原さんは「悔しさをバネに練習を重ねて次は優勝を」、二宮さんは「足りないところが分かったので、次につなげたい」と目標を掲げた。

これは頼もしい限りである。これらの高校を卒業した4人のOBが、東京オリンピック出場をめざして、日々トレーニングに励んでいる。では最後に記事全文を紹介する。

自転車競技で五輪出場
「自転車競技」をご存じだろうか。「自転車を用具として行われるスポーツの総称。現在では世界的に広く普及しているが、とくにヨーロッパではサッカーや陸上競技とともに大衆に人気のあるスポーツで、1903年にはじまった『ツール・ド・フランス』(フランス一周ロードレース)などは,毎年フランス国民を熱狂させている」(『世界大百科事典』)。

「オリンピック大会においても正式種目であり、男子は1896年第1回アテネ大会から、女子は1984年第23回ロサンゼルス大会から行われている。1996年よりマウンテンバイクが、2008年よりBMX(バイシクルモトクロス)が、正式種目に加えられた。世界選手権大会も1893年シカゴで第1回が開催されて以来(トラック競技)、二度の世界大戦期を除いて今日まで世界の各都市で毎年行われている」(『日本大百科全書』)。日本では第1回国民体育大会からの正式種目である。

奈良県は自転車競技の強豪県として知られ、県立奈良北高校(生駒市)と県立榛生昇陽(しんせいしょうよう)高校(宇陀市)の生徒やOBたちが活躍し、国体やインターハイで優勝または入賞を果たしている。しかし県内でレースを行う例が少ないので、この事実があまり知られていないのが残念だ。県内での開催例は、トラックレースは県営奈良競輪場でのトレーニングや記録会、ロードレースは毎年6月に宇陀市で行われる近畿高体連ロードレース。

なお「山岳グランフォンドin吉野」(県サイクリング協会と県の共催、奈良新聞社など後援)というイベントが毎年夏に開催されている。「グランフォンド」とは、自転車で長距離を走ること。「紀伊山地の霊場と参詣道」が平成16年(2004)に世界遺産に登録されたことを記念して毎年行われている。タイムを競うレースではなく、完走を目的としたサイクリングイベントであるが、吉野山をスタートし、野迫川村や天川村を経由して宇陀市に至るアップダウンの激しい道は、日本でも屈指の山岳長距離コースなっている。

東京オリンピックが近づいてきた。県出身で五輪出場が期待される自転車競技の選手は▽山本元喜(げんき)平群町出身27歳、奈良北高、鹿屋(かのや)体育大卒▽山本大樹(まさき・元喜の弟)平群町出身22歳、榛生昇陽高、鹿屋体育大卒▽入部正太郎(いりべ・しょうたろう)奈良市出身29歳、榛生昇陽高、早稲田大学卒▽吉田隼人(はやと)田原本町出身29歳、榛生昇陽高、鹿屋体育大卒、の4人である。なお鹿屋体育大は、鹿児島県鹿屋市に本部を置く国立大学だ。

山本兄弟はキナンサイクリングチーム(紀南の熊野地方が本拠)、入部選手はシマノレーシング(堺市が本拠)、吉田選手はNIPPOヴィーニファンティーニ(日本とイタリアが本拠)に所属し、好成績をあげている。

来年5月には「ツアー・オブ・ジャパン」(1日目は堺市、2日目は京田辺市)、5~6月には「ツール・ド・熊野」が新宮市周辺で開催される。いずれもUCI(国際自転車競技連合)公認のレースで、4人の選手も出場する。県民の皆さんにも観戦・応援していただき、その勢いで五輪出場につなげてもらいたいと願う。(てつだ・のりお=奈良まほろばソムリエの会専務理事)


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奈良は「ついでに立ち寄る観光地」のままではいけない!(奈良新聞「明風清音」第11回)

2018年12月29日 | 明風清音(奈良新聞)
奈良新聞「明風清音」欄に寄稿している(4人の執筆者で持ち回り)。私は原則として第3水曜日の担当だが、水曜日が5回ある場合は、第5水曜日にも書かせていただいている。そんな事情で10月31日(水)付で掲載されたのが《脱「ついでの観光地」》だ。
※トップ写真は観光客でにぎわう「おかげ横丁」(伊勢内宮前)。7月15日(日)に撮影

奈良県は宿泊者数も観光客1人あたりの消費額も少なく、滞在時間も短い。しかし日帰り観光客は、結構来てくれている。その理由が分かった。奈良は最終目的地ではなく「ついでに立ち寄る観光地」とみなされているのである。お伊勢参りをして、それに気づいたのだ。観光の仕事に関わっていて今まで気づかなかったとは、うかつだった。

そうなると戦略が変わってくる。宿泊施設を増やすとか、土産物を充実するとか、そんなことではなく「泊っても行きたい最終目的地」とみなされるための観光資源の発掘とそのPRが先決なのである。少し方向性が見えてきた。この切り口で、来年は戦略を立て直すことにしたい。では最後に、記事全文を紹介する。

※12月30日追記 この記事をFacebookにアップしたところ、以下のような貴重なコメントをいただきましたので紹介させていただきます。

1.若林梅香さん
伊勢神宮にも衰退期はありました。近鉄を中心とした奥志摩開発全盛時です。人は奥志摩の海岸美と海産物の食を求めて伊勢方面へはたくさんの人が流れました、けれど、伊勢神宮は寂れていく一方でした。

これを憂えた赤福の先代社長は3億円を寄付しておかげ横丁を確立し、お伊勢さんと「おかげ」という関係を人の心に再度植え付けを始めました 私は伊勢神宮の根本にあるのは1度だけ見に行ったではなく「何度もお参りに行きたい聖地」感を取り戻したからだと思っています。

当時近鉄が奥志摩の大繁盛の陰で伊勢神宮の衰退を調査によって知り、愕然として遷都祭(式年遷宮?)を契機に佐伯氏が大きく関わってお伊勢さん復興に再度力を入れ直されたのを目の当たりにしてきました。信仰の地は何度でも回を重ねるほど有難さを増します。観光地は1度見に行ったらなかなか再度は訪れてはくれません。このあたりのことも視野から外れてしまっている根本を正すことが繁盛のベースにあることを忘れて観光の言葉に浮かれないことが大切かと思います。

2.高田宏さん
世界遺産の春日山原始林、ここ数年海外からの「泊りがけで」のハイキング・サイクリング客が増えています。素晴らしい神社仏閣に加え、南部もふくめたソフトアドベンチャー(ハイキング・サイクリング等) のPRもありかと思います。「日本文化+自然」、海外(特に欧米豪) 向けに日本有数の観光地といえるのではないでしょうか。

3.岩本綾野さん
奈良にはまだ知られていない魅力が沢山あります。ただ、保守的(あまりよそ者に土足で入ってきてもらいたくないという意識、全くわからなくはないのですが)なのと、奈良の県民性なのでしょうが控えめで(それも美徳なのですが)PR不足もあるような。

大阪のような商売気丸出しの派手さはなく、京都のような華やかで格式高過ぎて近寄りがたいこともなく、その中間位で歴史的な社寺仏閣と慈悲深い仏教の教えが息づき、何より大和の国の発祥の地なので、もっとPRできるはず。JR西は万葉まほろば線に新車投入したし、今後もっと力を入れてもらえるよう鉄道会社との連携も必要かと。まだ時間帯によりますが、1時間に1本くらいしか走ってないですもの。畝傍駅はエレベーターもないですし。

その昔、私の亡き祖父が近鉄に勤めていた時に桔梗が丘の開発に携わっていた頃、八木にも近鉄はそのような開発を持ちかけたけれど橿原市に断られたので、近鉄はあまり力を入れなかったと聞いてます。新しい住人が流入することに地域に拒否感があったのでしょう。だから近鉄も、伊勢や鳥羽などに積極的に特急を導入したり、三重県との繋がりを深めた経緯もあります。観光としての視点ではなく、信仰としての聖地に、という視点は若林さんと私も同感です。


脱「ついでの観光地」
本年7月、旧友とお伊勢参りをした。最高気温が35℃を軽く超える猛暑日だったが、神宮の森にさえぎられて境内はさほど暑くは感じられない。参拝者の数は多かったが、境内が広いので混雑感もない。関空が冠水するより前だったが、外国人観光客の姿は、ほとんど見当たらなかった。

驚いたのは参拝者が、境内にある小さなお社(別宮や所管社など)にも、ちゃんと行列を作って厳かにお参りしていたことである。参道の細いところでは1列縦隊で並んでいる。お社に鈴が3つあれば、そこに3人が並び一斉に鈴を鳴らし、かしわ手を打つ。奈良の社寺の光景とは、あまりにも違っていた。

帰りの電車に揺られながら考えた。この違いは何なのだろう。思い当たったのは「遠路はるばる伊勢神宮に来る参拝者は、お参りするのが目的で来る。しかし奈良の社寺へは、大阪や京都に来た『ついで』に立ち寄っているのではないか」。

すると全ての疑問が一挙に氷解した。数学の図形問題で、補助線を1本引くと問題があっというまに解けることがある。ちょうどあんな感じだ。奈良(奈良市も奈良県も)は最終目的地(デスティネーション)になっていないのだ。オプショナルツアー的に「時間があればついでに立ち寄る観光地」と見なされている。だから宿泊客数も滞在時間も1人あたり旅行消費額も、伸び悩んでいるのだ。

首都圏や東海圏で旅行社の窓口を訪ねると、パッケージツアーのパンフレットで「奈良」単独はなく、軒並み「京都・奈良」で、しかも奈良の文字は一回り小さい。「奈良は『小京都』と違うぞ」と言ってやりたくなる。

奈良は「宿泊客数を増やすために宿泊施設を増やす」とか「旅行消費額を増やすために新しい土産物を開発する」という対症療法ではなく「最終目的地として選んでもらうためにはどうすれば良いのか」を考えなければならない。つまり最終目的地たるにふさわしい魅力づくりや演出・PRが必要なのである。それは自治体だけではなく、民間団体も住民も、それぞれの立場で考えなければならない。

南都経済研究所は「週末の旅行先に奈良県を選ばない理由」を大阪、京都、兵庫の3府県民に聞いた(『ナント経済月報』平成30年1月号)。上位に入ったのは(複数回答)「訪れたいと思うような観光地・観光施設が少ない」31%、「過去に訪れたことがある」29%、「観光地として新鮮味がない」26%、「なんとなく(特に理由はない)」18%と、観光地としてのイメージが確立されていないことがわかる。

先日、東京のある旅行社から「都内で奈良に関する講話をしてもらえませんか。ある程度知識を得てから現地を訪ねると、奈良の奥深い魅力がよく伝わると思いますので」、これは有り難いお申し出である。

本年9月28日、南都銀行はJR西日本と「地方創生に関する連携協定」を締結した(本紙9月29日付既報)。JRは万葉まほろば線(桜井線)や和歌山線など、中南和の歴史ロマンあふれる地域を走っているので、新たな観光開発が可能になる。ここは知恵の出しどころだ。奈良は県下各地の魅力を発掘・発信し、脱「ついでの観光地」をめざしましょう!(てつだ・のりお=奈良まほろばソムリエの会専務理事)


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南都銀行経営企画部長(執行役員)の和田悟さん

2018年12月28日 | 奈良にこだわる
一昨日(12/26付)の毎日新聞夕刊(大阪)「インタビュー最前線」に登場したのは、南都銀行執行役員の和田悟さん。和田さんは経営企画部長も兼任している。タイトルは《相続・観光、新分野開く 「壊せ」刷新の決意》だ。印象に残った部分をピックアップして紹介する。
※トップ写真は「林業・木材産業座談会」(2014.6.13)。右端が和田さん(コーディネーター)

来月140周年を迎える南都銀行(奈良市)。超低金利下で地方銀行にとって厳しい収益環境が続く中、今春からは「壊せ、南都。」というキャッチフレーズを掲げ、さまざまな改革や、地域活性化に積極的に取り組んでいる。和田悟執行役員(57)に今後の展望を聞いた。



「壊せ、南都。」に込めた思いは。
◆銀行は保守的といわれますが、今後の成長のためには、固定観念にとらわれない、柔軟な発想が欠かせません。新しく生まれ変わる決意を込めています。遺産相続をテーマに、短編ドラマ「南都家の一族」の動画広告を、今夏から展開。ユーモアを交えたコマーシャルは「壊せ、南都。」同様、従来にないインパクトがあり、反響を呼びました。

奈良は、1世帯あたりの貯蓄額が全国でトップクラスだそうですね。
◆奈良は大阪に働きに行く人が多いため、インターネット支店の開設準備など非対面形式にも力を入れています。140年やってこられたのも、地域の方々の支えがあってこそ。今後も幅広い世代の多様なニーズに合わせ、きめ細かく寄り添っていきたいと考えています。

法人向けには。
◆奈良は歴史が古く、誇るべき多くの宝がありますが、経済の「財」として展開できていないのが実情です。主要な産業である観光にしても、昔から指摘されているように宿泊者が非常に少ないという問題があります。「奈良県観光活性化ファンド」を設けるなど、自治体とも協力しながら、奈良の良い面をもっと花開かせていきたいと思っています。

■人物略歴
わだ・さとる 1961年奈良市生まれ。関西大商学部卒業後、84年に入行。京都支店長、審査部長などを経て2016年に執行役員。今年4月から経営企画部長を兼任。また5月から奈良経済同友会幹事を務める。


「壊せ、南都。」は同行のキャンペーン広告だ。動画広告の「南都家の一族」とともに「南都銀行らしくなくて良い」と反響も上々だ。和田さんは発想が柔軟だし、行動力もある。「創造的破壊」の精神で、これからも同行を牽引してください!

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「川上宣言」に込められた水源地の村の思い

2018年12月27日 | 奈良にこだわる
昨日(12/26)の奈良新聞に、川上村(奈良県吉野郡)の「川上宣言」に関する企画特集記事が掲載されていた。ちなみに川上宣言とは以下の5ヵ条である。

私たち川上は、かけがえのない水がつくられる場に暮らす者として、下流にはいつもきれいな水を流します。/私たち川上は、自然と一体となった産業を育んで山と水を守り、都市にはない豊かな生活を築きます。/私たち川上は、都市や平野部の人たちにも、川上の豊かな自然の価値に触れ合ってもらえるような仕組みづくりに励みます。/私たち川上は、これから育つ子ども達が、自然の生命の躍動にすなおに感動できるような場をつくります。/私たち川上は、川上における自然とのつきあいが、地球環境に対する人類の働きかけの、すばらしい見本になるよう努めます。

これらは今話題のSDGs(エスディージーズ Sustainable Development Goals 持続可能な開発目標)を先取りした、素晴らしい「村是」である。今回の特集記事で、これを起草したのが宮口侗廸(としみち)氏(早稲田大学名誉教授)だということを初めて知った。大滝ダム建設着工にともなう調査事業(平成6年度)の報告書の末尾に掲載されたもので、役場の職員だった坂口泰一氏から依頼を受けたものだったという。宮口氏は今回の記事に、このように書いている。

地理学者である筆者には、都市には都市の価値があり、山村には山村の価値があるはずだという持論があるが、都市経済の急成長は、都市以外の価値が育ちにくく見えにくい世の中を作ってしまった。吉野林業発祥の地として栄えた林業も低迷の時代を迎えていたが、平野部に価値ある水を供給するダムの建設のさなかにあって、なお奥地に清らかな水が生まれる貴重な自然を持つ村が、水源地の村づくりを高らかに宣言しようという発想はまさに自然の価値の再認識の時代にふさわしく、この上なく嬉(うれ)しい相談であった。

内容は、きれいな水を流し、自然を活かした産業を育て、下流の人に自然の価値をおすそ分けし、子供が感動できる仕組みをつくり、最後はグローバルな発想で世界のいい見本にというように、極めて素朴な5か条である。私自身の山村への思いとも重なり、比較的短時間で完成できた。そしてその後川上村が森と水の源流館というビジターセンターを拠点に、さらにいまの総合計画においても、「川上宣言」の実現に向けて着実に歩んでおられることにあらためて敬意を表したい。


川上村のおかげで吉野川・紀の川にきれいな水が流れ、奈良盆地をはじめ大阪府や和歌山県をうるおしている。その根本的な思想が、「川上宣言」にうたわれているのである。まさにグローバルな発想であり、世界のいいお手本になっている。

今、森と水の源流館では、川上宣言や今回の新聞記事に関する感想やエピソードについての原稿(作文、詩歌、写真、絵など)を募集している。詳しくは同館にお問い合わせいただきたい。

川上村の皆さん、皆さんは奈良県の、いや日本の誇りです!

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