tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

壬申の乱1350年 特別展/歴史に憩う橿原市博物館で、来年1月29日(日)まで!(2022 Topic)

2022年11月30日 | お知らせ
今年(2022年)は、「壬申の乱」から1350年目の記念年。そのタイミングで今、歴史に憩う橿原市博物館(橿原市川西町858-1)で、〈令和4年度秋季特別展 壬申の乱1350年「日本爆誕!壬申の役」〉が開催されている。 期間は2023年1月29日(日)まで。なら旅ネット(奈良県観光公式サイト)によると、

今年は、飛鳥時代最大の内戦であった壬申の役(672年)が起こって1350年になります。壬申の役に勝利した大海人皇子は天武天皇となり、それまでの天皇とは全く違く国づくりを目指しました。

天武天皇がおし進めた国づくりは、現在の日本にもつながっています。今回は、飛鳥・藤原地域で見つかった資料の展示をとおして、壬申の役の前後で大きく変わった日本の姿を紹介します。爆誕と呼ぶにふさわしい日本国の成立をご覧ください。

開催期間 2022年11月19日(土) ~ 2023年1月29日(日) 9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜日(1/9は開館、翌1/10は休館)、12/26~1/4
開催場所 歴史に憩う橿原市博物館 2階特別展示室
お問合わせ先 0744-27-9681 (歴史に憩う橿原市博物館)
料金  大人300円、高・大200円、小・中100円(30名以上は団体割引あり)
橿原市内在住又は市内学校に通学する小中学生は、毎週土曜日観覧料無料

講演会
1.「壬申の役と日本の成立」
日時:12月17日(土) 13:30~15:00
講師:杉山真由美氏(橿原市魅力創造部文化財保存活用課主査)
2.「壬申の乱と『懐風藻』」
日時:1月28日(土) 13:30~15:00
講師:土佐朋子氏(佛教大学文学部教授)
【1・2とも】
定員:30名(先着順・講演開始1時間前開場)
会場:シルクの杜教室(3) (橿原市川西町855-1)
※各回とも講演会終了後に学芸員による展示解説あり


皆さん、ぜひ足をお運びください!





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歌舞伎「通し狂言 義経千本桜」鑑賞記/奈良新聞「明風清音」第82回

2022年11月29日 | 明風清音(奈良新聞)
歌舞伎や文楽はよく見に行くが、これまでブログや新聞にその感想などを記したことはない。先月(10/20~21)、東京の国立劇場で歌舞伎「通し狂言 義経千本桜」を見た。素晴らしい舞台で、これには感動した。
※トップ写真は「釣瓶鮓屋の場」、いがみの権太は尾上菊之助。国立劇場のサイトから拝借

ぜひ書き留めておかねばと筆をとり、奈良新聞「明風清音」欄(202211.17付)に寄稿した。以下に全文を紹介する。私の感動がうまく伝わるなら、望外の喜びである。

「義経千本桜」の魅力
市川海老蔵が十三代目市川團十郎を襲名し、襲名披露公演が行われている。「これが歌舞伎界復活・発展のきっかけになれば」と、期待が高まる。私は歌舞伎も文楽(人形浄瑠璃)も好きなので、奈良に関する演目がかかれば、できるだけ見に行くようにしている。

今年10月、東京・三宅坂の国立劇場で、歌舞伎「義経千本桜」の通し上演を見た。この演目は、これまで歌舞伎や文楽で何段か見たことはあるが、通しで見るのは今回が初めてだった。この公演、もとは令和2年3月に上演される予定だったが、コロナ禍のため中止を余儀なくされた(無観客収録の動画を配信した)。それから2年半を待ちに待った。見どころは、尾上菊之助が主役の三役を1人で演じるというところだ。

菊之助はNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(令和3年度下期)で、時代劇のスター・桃山剣之介(モモケン)を演じて好評を博したから、ご存じの方も多いだろう。菊之助人気のせいか、いつもより若い女性客の多さが目についた。

歌舞伎は「千本桜」の二~四段目が3部(A~Cプログラム)に分けられ、1日2部(昼と夜の部)上演されるので、全てを見るには最低でも2日かかる。それにしても菊之助の演技は、期待をはるかに上回る素晴らしいものだった。

Aプロは二段目の「伏見稲荷の場」(舞台は伏見)と「渡海屋・大物浦の場」(尼崎)。渡海屋・大物浦の場で、菊之助は平知盛を演じた。壇ノ浦で死んだはずの知盛が実は生きていて、渡海屋(船問屋)の主人として義経に復讐を挑む。しかし正体を見破られ、最後には深傷を負い、入水する。碇(いかり)を体に結びつけたまま、知盛は背中から海中に身を投じた。「碇知盛」という名場面だ。観客に足の裏まで見せるという、完璧な演技で、思わず「モモケン!」と叫びそうになった。

Bプロは三段目の「下市村椎の木の場」「竹藪小金吾討死の場」「釣瓶鮓屋(つるべすしや)の場」、いずれも舞台は下市だ。鮓屋の場は、これだけで90分を超える大作だ。菊之助が扮するのは、鮓屋の長男いがみの権太。最初は悪党ぶりを見せるが、最後に善心に立ち返って絶命するシーンは、涙を誘う。

Cプロは四段目の「道行初音旅」「河連法眼(かわつらほうげん)館の場」、いずれも舞台は吉野山だ。菊之助は佐藤忠信(義経の家来)、狐(源九郎狐)、狐が化けた忠信(狐忠信)の三役を演じた。本物の忠信と狐忠信の演じ分けが見事だった。初音の鼓の皮にされた親狐を悲しむ源九郎狐の思いは、心を打つ。幕切(ラスト)の狐の宙乗りシーンには、目を見張った。

上記のほか、心に残るシーンは数多い。尾上菊之助の長男・丑之助は,健気な渡海屋の娘(実は幼帝・安徳天皇)を演じた。安徳帝が知盛の負けを知り、平家一門のいる波の下の極楽浄土へ行こうと入水するその寸前に義経の家臣によって救われる場面は、最後までハラハラした。

小金吾討死の場では、小金吾と大勢の捕り手との大がかりな立ち回り(戦闘シーン)が素晴らしい。捕り手のとんぼ(宙返り)、海老反り(海老のように反り返って後ろに倒れる)、ギバ(飛び上がって尻餅をつく)などのワザが見事に決まっていた。道行初音旅では、頼朝側の討手として遣わされ、忠信に逆襲される逸見藤太のコミカルな演技が笑いを誘った。

歌舞伎は能楽、舞楽、文楽とともにユネスコの無形文化遺産に登録されているが、宙乗りのような外連(けれん)の楽しみもある。それが映像ではなく、目の前で熟練の役者によって演じられるのだ。この楽しみは、ぜひ若い人たちにも味わってほしいものだ。(てつだ・のりお=奈良まほろばソムリエの会専務理事)

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ご神体は「陰石」!石床(いわとこ)神社旧社地(平群町)/毎日新聞「やまとの神さま」第25回

2022年11月28日 | やまとの神さま(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまとの神さま」を連載している。先々週(2022.11.17)掲載されたのは〈ご神体の巨岩 旧社地に/石床神社(平群町)〉、執筆されたのは同町在住の喜多村英夫さんだった。

石床神社は、延喜式神名帳の名神大社に列せられる古社である。旧社地には私もお参りしたことがあるが、こんなに大きな岩がご神体で、しかも女性自身を象(かたど)っているということに度肝を抜かれた。

新社地に男性のシンボル様の自然石が祭られていることは、この記事で初めて知った。陰石や陽石は全国各地で祭られているが、同じ神社の旧社地と新社地で双方が祭られているのは珍しいのではないだろうか。では、記事全文を紹介する。

石床神社(平群町)
石床(いわとこ)神社は平安時代の「延喜式」に記載のある平群町内8古社の最初に大社として登場し、859(貞観元)年には従五位上を授けられるなど、平群谷の中でも独自の存在感を示しています。1924(大正13)年に旧社地から北200㍍の消渇(しょうかち)神社境内にご神霊だけが遷座されました。

旧社地は越木塚集落の南、竜田川支流の伊文字(いもじ)川沿い近くです。社殿はなく、朱塗りの鳥居とともにご神体の巨岩(高さ約6㍍、幅十数㍍)が昔のまま、石垣の上に鎮座しています。岩の中央部に亀裂が入り、そこに神が宿るとして御幣が祭られ、その真下の中段に拝石が置かれています。

この巨岩が磐座(いわくら)で、その形態から「陰石」(女性のシンボル)信仰として祭り伝えられてきたものと思われます。この神域は巫女(みこ)が祝詞(のりと)を上げ、神のお告げを下段の広場に集う村人に伝えるところでした。岩壁に神、中段に巫女、下段に氏子という形態は、原始宗教の代表的な祭祀(さいし)形態です。

また、伊文字川の下流には「西宮用水」という灌漑(かんがい)用水があり、弥生時代から水田を潤し続けています。遷座された新しい神社には本殿、拝殿が建てられ、ご神体は陽石(男性のシンボル)様の自然石だそうです。(奈良まほろばソムリエの会会員 喜多村英夫)

(住 所)〈現〉平群町越木塚(こしきづか)734 〈旧〉平群町越木塚783
(祭 神)剣刃石床別命(けんじんいわとこわけのみこと)
(交 通)近鉄竜田川駅から徒歩約25分
(拝 観)境内自由
(駐車場)無


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明日香村ボランティアガイド養成講座の受講生を募集中、12月9日(金)締切!(2022 Topic)

2022年11月26日 | お知らせ
飛鳥観光協会が、ボランテイアガイドを募集している。募集人数は20人程度で、申し込み時点で満70歳以下が条件だ。全9回(うち3回は現地訪問)の充実した講座が受講できる。お申し込みの締め切りは、12月9日(金)まで。同協会のHPによると、

飛鳥観光協会ボランティアガイド養成講座・受講生募集
◇明日香村の歴史や遺跡について勉強しませんか?
◇飛鳥地方の民俗や自然等について心のこもった案内をしてみませんか?

飛鳥観光協会では、観光ボランティアガイドをやってみたい!と思われる方を対象に、「養成講座」を開催します。明日香村に興味を持ち、観光ボランティアガイドとしての活動を希望される方々のお申し込みを、心よりお待ちしております。このPDFファイルから受講資格をご覧頂き、飛鳥観光協会までお電話ください。

<一般社団法人 飛鳥観光協会>
TEL:0744-54-3240
営業時間:8時半~17時(年中無休)
==========================
■申込期間:令和4年11月25日(金)~12月9日(金)
■講座期間:12月16日(金)~令和5年3月10日(金)[全9回]
■年齢:申し込み時点で満70歳以下の方
■受講費用:6000円
※その他、講座の詳細や受講資格についてはこのPDFファイルをご覧ください


たくさんのお申し込みをお待ちしています!
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五條の恵みを凝縮!ミシュラン一つ星「お料理 ひろ岡」(旧五條市役所向かい)

2022年11月25日 | グルメガイド
先週の土曜日(2022.11.19)のランチタイム、会社の先輩だった藤井謙昌(よしまさ)さんご夫妻と一緒に、ひろ岡(五條市本町1-7-1)を訪ねた。藤井さんは御所市在住だが五條高校のご出身なので、五條のことにはとても詳しい。
※トップ写真は倭鴨のロースト。この日の料理は「月替わり10品」8,800円(税込み)


写真向かって左手に旧市役所がある。道をはさんだ右手が専用駐車場





ひろ岡は、旧五條市役所(五條代官所跡)のお向かいにあった。JR五条駅からだと、600mと少し。このたび『ミシュランガイド奈良2022特別版』で、堂々の一つ星を獲得された。おめでとうございます!ミシュランのサイトには、


いきなりのパンチライン!スッポンのスープ


海の幸をふんだんに使った押し寿司、これは手間がかかっている!柿の紅葉に寿司が映える

地元育ちの廣岡信行氏が伝える五條の恵み。献立に朝採れ五條野菜を欠かさず、魚や肉を合わす。お凌ぎの押しずしは名物。春は桜鯛、夏は鮑を柿の葉で包み、奈良と大阪のすし文化を融合させた。


鮮やかな緑色は、オカヒジキという野菜だった


具材は白みる貝にイカ

七月は七夕にちなみ、葛そうめんで天の川を、白星笛鯛を彦星に例えるなど、物語を紡ぐような流れに独自性がある。


大間の本マグロ、なかでも最も美味な背中の部分、卵黄が味を引き立てる


ピンクのツブツブは、フィンガー・ライムという柑橘。鰆(サワラ)は秋でもうまい!


お芋は、大和伝統野菜「味間いも」。トッピングは、うに牧場(岩手県洋野町)のウニの塩辛

「味間(あじま)いも」は、初めていただいた(味間は田原本町にある地名)。とてもホクホクしていて美味しい。ご主人曰く「日本一のサトイモです」。「植えたことがありますが、なかなか、こんなに大きくならないんですよ」と藤井さん。


セコガニ(香箱ガニ)のほぐし身を使っている、これは手間がかかっただろうなぁ

凝りに凝った繊細な料理の数々には驚く。お店のHPには、

スッキリと洗練された店内にて、地元の食材と旬の食材を使った料理と厳選したお酒を楽しんでいただけます。厨房をぐるりと囲んで設計されたカウンター席は、店主の調理風景を間近で見て楽しんでいただける特等席となっております。


八寸。手前は宇和島産モンゴウイカのイクラ醤油がけ、奥は朝獲れの小カブラ

カウンター席の他に、ゆっくりとお過ごしいただけるテーブル席もございますので、お一人様はもちろん、デートや女子会、観光でお越しの方など、様々なシーンでご利用いただけます。


鴨肉は御所市特産「鴨重(かもじゅう)」の倭鴨(やまとがも)。これを2時間かけてロースト


炊いたご飯に肉のカワイ(桜井市)の山形牛の薄切りを載せた。上からもう一度加熱する

事前にご相談があれば、貸切にもお応えいたします。奈良の魅力を知っていただけるおもてなしをご用意して、皆様のお越しを心よりお待ちしております。


ダシで味をつけて炊いたご飯の上に、トンブリというホウキギ(箒木)の実をトッピング


お代りすると、こんどはトロロをかけてくれた!米は、五條産のヒノヒカリ

器にも凝っている。型にはまらないユニークな器が次々に出てきて、飽きさせない。これは「作家もの」の器を使っているな。お店のHPには、

お料理を美しく見せるひろ岡の「器」
現代作家の作品から、時代を生き抜いた骨董の器まで、お料理に合わせて使い分けております。奈良が誇る陶芸家、辻村史朗氏の作品が最高の一品をつくりだします。



やはり出てきた!五條特産の柿がゼリー状になって、トッピングされている


こちらも五條産のラ・フランス

辻村史朗氏の器、鴨重の倭鴨をはじめ、果物は川崎ぶどう園(五條市西吉野町)のものを使うなど、地元産にこだわっているところがいい。「食べログ」などの投稿写真を見ると、料理のバラエティが豊かで、毎月、自由自在に変化させて提供されていることがうかがえる。HPには「月替わり10品」とあったが、10品以上出てきた。これはスゴい店だ。

オーナーシェフの廣岡信行さんは、「外で修業したことがないのです」とおっしゃる。もともとお父さまがここで居酒屋を営んでおり、それを手伝ううちに料理の腕を身につけられたということのようだ。それでこのレベルに到達するとは…。

私は酒好きなので、「次は五條に泊まってでも、夜の部に行きたいな」、そんなことを考えながらお店を後にした。藤井さん、良いお店にお連れいただき、ありがとうございました。皆さん、ここはお薦めです、ぜひお訪ねください!
※食べログは、こちら
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