tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

「かえる庵」で年越しそば

2008年12月31日 | グルメガイド
昨日(12/30)でウチの会社は仕事納め。例年この日は有志を募り、退社後、そば屋にくり出すことになっている。文字通りの「三十日(みそか)そば」だ。今年も、そば通の上司・Mさんを筆頭に、総勢12人でそば屋さんに押しかけた。 

今回は「かえる庵」(奈良市三条通・旭水公園前の路地を南に数歩)にお邪魔することにした。何しろここのそばは、戸隠高原の銘品「霧下(きりした)そば」なのだ。お昼過ぎに予約を入れると、ご主人から「今からそばを打っておきます」との有り難いご返事。「挽(ひ)きたて、打ちたて、湯がきたて」の「三たて」そばが味わえるのだ。
※かえる庵(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/816f55082182da1f74b9418ae0607333



まずはご覧の付き出しをサカナに日本酒をいただいた。ご主人に薦めていただいたお酒は、今西清兵衛商店の「鬼斬(おにきり)」だった。以前、同商店の「旬どき・うまいもの自慢会」でいただいたお酒で、ずっしりと重い「メガ辛口」の酒だ。
※旬どき・うまいもの自慢会 奈良~08年夏の集い~(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/fdf18d777ef7ef8f25b319ac3bb0d4b3

あとで知ったのだが、今月2日、今西清兵衛商店とのコラボで「お蕎麦と日本酒を楽しむ会」がここで開かれ、酒米・露葉風(つゆはかぜ)で作った「KIOKE-SAKE」や山田錦100%の「超辛口」など5種類が試飲できたのだそうだ。
※今西清兵衛商店・櫻井さんの「蔵寝坊チョコットBlog」
http://a3haru.exblog.jp/9815952



さて、肝心のそばであるが、知らない間に「(温)もりそば」というメニューができていた。つけめんの「あつもり」と同じで、湯がいた麺を一旦冷水で締めたあと、再び熱湯をくぐらせて温めてある。「これは冬にピッタリだ」と思い、今回はこれを注文した。見た目は冷たいもりそばと、全く見分けがつかない。冒頭の写真は大盛り、すぐ上と下の写真は中盛り(石に盛って出てくる)である。



以前あった温かい「かけそば」も捨てがたいが、ここのおそばは、更科そばを思わす繊細な味なので、こういう食べ方は理にかなっている。「風の森」(御所市・油長酒造)の燗酒なども追加しながら、ハッピーな気持ちで最後の出勤日を締め括った。結局気がつくと、すべてMさんのご馳走になっていた。

Mさん、ご馳走さまでした。「かえる庵」の霧下そばのように、来年も細くて長くて味わいのある暮らしができますように。
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トラットリア・ピアノ

2008年12月30日 | グルメガイド
フジサンケイビジネスアイ(12/26付)の「地方の元気最前線・奈良県」(西日本版)に登場したのは、「トラットリア・ピアノ」(奈良市橋本町)などを運営するシンクロニシティ・コーポレーション社長の稲次知己(いなつぎ・ともみ 37歳)さんだった。インタビュアーはTMオフィス社長の殿村美樹さんだ。
http://www.media-debut.com/column/index.html

このコーナーは《「すぐ真っ暗になる奈良の夜を明るく、楽しくしたい」と、深夜まで営業するイタリアンレストランを次々にオープンしている〝奈良っ子〟がいる》という書き出しで始まる。

《5年前、橿原市の住宅街に深夜11時まで営業する1号店「ピッチェリア・ピアノ」を出店した。その3年後、今度は近鉄奈良駅前の商店街に深夜0時まで営業する2号店「トラットリア・ピアノ」を開店。そして今月5日には、近鉄西大寺駅前に3号店「ラ クッチーナ ピアノ」を開店した。「奈良は夜を楽しくしない限り、ただの田舎です。観光名所は多いけれど、ディナーを楽しめる店や夜に立ち寄る店がないため、せっかく来てくれた観光客も、やむなく大阪や京都に流れていく。だから僕は、深夜まで営業する店を増やすんです」という》。
http://www.syncronicity.co.jp/

これは頼もしい言葉だ。《2号店のある近鉄奈良駅前は、有名な観光名所「猿沢の池」のすぐ近くだが、以前は夜に開いている店など見当たらなかった。「今は多くの外国人観光客にご来店いただいています。観光の後、ゆっくりディナーを楽しめる場所として認知されたのでしょう」》。

「夜に開いている店など見当たらなかった」とは誤解だ、殿村さん。まぁ「今までは少なかった」なら理解できるが。ともあれ、そろそろ新聞記事を離れて料理を紹介する。ディナーではなくランチメニューだが。

2号店「トラットリア・ピアノ」は、奈良市の東向商店街と三条通の交差点角から北に2軒目(南都銀行向かい)。1階と2階に分かれていて、メニューもレジも別々になっている。1階のランチ(950円)は、プレートランチ(サラダ、メイン、パンまたはライス、ドリンク)、ピザランチ(サラダ、ピザ、ドリンク)、パスタランチ(サラダ、パスタ、ドリンク)の3種類。



2階のランチは各1260円のパスタランチ(前菜、パスタ、ドリンク)、ピザランチ(前菜、ピザ、ドリンク)、ピアノランチ(前菜、魚または肉料理、パン、ドリンク)と、2100円のコースランチ(前菜、パスタまたはピザ、魚または肉料理、パン、ドリンク、デザート)の4種類。この日はコースランチを奮発した。上の写真は前菜(5種盛り)だ。ふわふわのミルクが載ったサツマイモのスープが面白い。

http://piano.syncronicity.co.jp/



新聞記事には《好評なのは店内の石窯で焼き上げる「窯焼きナポリピザ」》とあったが、この写真は「今週のピザ」から、おなじみのマルゲリータ(トマトソース、モッツァレラチーズ、バジル)を選んだ。窯焼きの効果か、外はさっくり内側はもっちりと仕上がっている。サイズも十分で、すでにお腹がいっぱいになってきた。



次に冒頭写真のメイン料理(肉料理=鶏肉のソテー)と、焼きたてのパンが出てきた。「これは、食べきれるだろうか」と不安になってきた。隣のテーブルでは、おばさんの1人がパスタランチ、もう1人がピザランチを注文し、分け合って食べていたが、それが正解のようだ。しかしあつあつの鶏肉も下敷きのダイコンもパンも、とても美味しい。これを残すのは癪だ。



結局、鶏肉にかかっていたオリーブ油をからめながら、パンも残さずいただいた。アフタードリンクはエスプレッソを選んだ。イタリアのトップブランド「illyコーヒー」で、さすが本場の味だ。締めはご覧の自家製ドルチェ(デザート)だった。こうして写真を並べてみると、とてもきれいなのが分かる。別に私の写真の腕前が突然上達したのではなく、外見にも気を配ったお店なのである。ちなみに店員さんの応対も気が利いて、感じがいい。ただし料理が出来上がるまでわりと時間がかかるので、お急ぎの方はご注意を。



社長の発言を新聞から拾ってみる。《「夜、美味しいディナーがゆっくり食べられて価格が手頃。これが今の奈良に最も必要なレストランだと確信を持っています」》。2010年には平城遷都1300年祭が始まる。《「これは奈良が真の国際観光都市になるチャンスだと思います。そのためには奈良の夜が明るく楽しくならなければいけない。ちょっと大袈裟ですが、僕の店がそのキッカケになればと思っています」》《「奈良県民が自ら地元で夜を楽しむようにならないと、何も変わりませんよ」》。

特に最後のコメントがいい。地元民は「店が早く閉まる」と言うが、それは当の本人が、夜に地元で飲み食いしないからではないか。地元民が楽しまないところで、観光客が楽しめるはずがないのだ。私も今度は、ディナータイムに訪ねてみることにしたい。
※トラットリア・ピアノ 奈良市橋本町15-1 ℡0742-26-1837
 11:00~23:00(金・土は24:00まで)  
コメント (4)
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「まほろば眺望スポット百選」と「残したくない景観」の募集結果 

2008年12月28日 | 奈良にこだわる
12/25(木)、奈良県・風致景観課(くらし創造部 景観・環境局)は、奈良の「まほろば眺望スポット百選」と「残したくない景観」の募集結果(速報)を発表した。応募総数は677件と、結構反響があった。今後絞り込みを行い施策に反映という。「県政公開ニュース」から要点を拾うと、

1.応募総数 677件
 [テーマ1] おすすめの眺望スポット 565件※(83.5%)
 ※市町村推薦90件を含む
 [テーマ2] 残したくない景観 112件(16.5%)

2.おすすめ眺望スポット【565件の内訳】
   1)見下ろしの眺め…………146件(25.8%)
   2)自然への眺め……………136件(24.1%)
   3)寺社への眺め………………69件(12.2%)
   4)営みへの眺め………………69件(12.2%)
   5)水辺からの眺め……………44件(7.8%)
   6)史跡・名勝への眺め………36件(6.4%)
   7)通りへの眺め………………34件(6.0%)
   8)河川への眺め………………20件(3.5%)
   9)その他(新たな建造物等)…11件(1.9%)

3.残したくない景観について 【112件の内訳】
   1)周辺と不調和な建築物等……45件(40.2%)
   2)管理不十分な公共施設等……26件(23.2%)
   3)派手な屋外広告物……………12件(10.7%)
   4)視界を遮る電線・電柱…………11件(9.8%)
   5)ごみ・落書き等…………………9件(8.0%)
   6)資材や廃棄物等の堆積…………3件(2.7%)
   7)農地や森林の荒廃………………2件(1.8%)
   8)周辺と不調和な宅地造成………2件(1.8%)
   9)その他……………………………2件(1.8%)
※県政公開ニュース
http://www.pref.nara.jp/koho/hodo/h20/index.html
   
結局「おすすめ眺望スポット」は、「見下ろしの眺め」と「自然への眺め」の合計がちょうど5割(282件)を占めた。冒頭の写真は甘樫丘から撮った畝傍山(向かって左)と耳成山の風景だ。奈良新聞(12/28付)には「高取城から大和平野」(=応募作品)の夜景が出ていたが、高取城手前の壺阪寺境内から大和平野を撮ったのが次の写真(07.6.16撮影)だ。やはり奈良らしい風景となれば、こういうところに落ちつくのだろう。



一方の「残したくない景観」は、「周辺と不調和な建築物等」と「管理不十分な公共施設等」の合計が63%(71件)となり、これも予想通りだった。私もこちらに応募した。それは平城宮跡東院庭園からの眺めで、背景にボーリング場の巨大な「ピン」が写り込んでいる(応募作を先にブログで公表する訳にもいかないので、写真の掲載は差し控える)。

残したくない景観の写真は《改善要素の例示として企業・個人等の情報に十分配慮し、可能なもののみ公表する》(県政公開ニュース)となっているので、どう取り扱われるのか分からないが。募集時に《自虐的? 奈良県知事が「悪い景観100選」公募へ》(毎日新聞)と報じられた注目の事案だけに、今から公表を楽しみにしている。
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佛隆寺

2008年12月27日 | 奈良検定
佛隆寺(ぶつりゅうじ)は、宇陀市榛原区の寺である(公式テキストP149 参照)。「奈良っ子」の同寺紹介サイトには、

《室生寺の南門に位置し、850年(嘉祥3)に空海の高弟である堅恵(けんね)が県興継(あがたおきつぐ)を檀主として創建した》。それ以前に、興福寺別当の修円(しゅえん)が住したという説があり、修円の墓とされる十三重石塔も建つ。
http://www.narakko.com/kankou/spot/uda/jiin/buturyuji.html



《重要文化財に指定された石室は「堅恵の廟」と称され、榛原石で築き古墳の石室に似た施設で、平安時代前期の築造とされる。境内に立つモチヅキザクラの巨樹は、ヤマザクラとエドヒガンの雑種で学術上貴重なもの、県下最大最古で奈良県指定天然記念物である。寺宝に空海が唐から持ち帰ったという茶臼をもち、大和茶発祥の地といわれる》とある。
http://ryokan.taishoro.com/2008/11/post_302.html



テキストには《197段の石段は、県下三銘段のひとつ》とあるが、他の二銘段がどこかは書いていない。ネット上を探し回っても出てこないので佛隆寺に電話してお聞きすると、「あとの2つは室生寺奥の院と、多武峰・談山神社の石段です」と教えていただいた。



モチヅキザクラ(P242)と彼岸花(P249)は、テキストの「奈良の花の名所」の章にも名前が出ている。ご覧の写真は、彼岸花を求めてこのお寺を訪ねたときのものである(05.9.25撮影)。



山の上にあるので、バス停からでも結構歩くが、花の季節には多くの参拝客で賑わう。花や茶臼など、奈良検定に出そうなポイントの多い寺なので、この機会にぜひ押さえておいていただきたい。
コメント (3)
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「みりあむ」のカレー

2008年12月26日 | 奈良のカレー
ラーメンは、いろんなお店をひと通り味わったので、次のテーマは「カレー」にしようと思いついた。これまでは、もっぱら「カレーハウスCoCo壱番屋」を利用してきたのだが…。

マーケティングに長(た)けた大手チェーンの味は魅力的だし、どこにでもあるのでとても便利なのだが、地域には、地酒ならぬ「地カレー」の名店がある。美味しい「地カレー屋さん」を発掘して紹介することも、地元にとって意味のあることだと考え、これから気の向くままに食べ歩いた地カレーのお店を紹介することにしたい。

その記念すべき第1弾が、「Cafe' みりあむ」(奈良市高畑840) のカレーライスである。「(奈良女子大附属)中学・高校時代、ここでカレーを食べて美味しかった」というIさんの話を聞いて、訪ねてみた。

場所は市内循環「砕石町(わりいしちょう)」バス停から、少し南に行ったところにある(バス通りの西側)。ご覧の通りの仕舞屋風なので、ノレンがないと見失ないそうだ。入口横の黒板にチョークで「今日のケーキ ガトー オ ショコラ250円 パイナップルケーキ360円」などと書かれている。カレーライス(レーズン・ヨーグルト付)は、普通サイズが800円、大盛りが900円だ(冒頭の写真は大盛り)。
※みりあむを紹介したブログ記事
http://brownscafe.exblog.jp/8642492/



あまり黄色くなく、緑の混じったグレーのカレーだ。まずは一口。香り高いカレースパイスとほのかな酸味が、絶妙のバランスで溶け合っている。しばらくしてから、ジワジワと辛さが回ってくる。カレーはサラサラだが、具の牛肉はトロトロで、とても美味しい。これは大人の味だ。「Iさんは中高生の身で、よくこの美味しさが分かったものだ」と感心した。てっきり安くて大盛りの「中高生御用達のお買い得カレー」だと、確信していたのだが。

周囲を見回すと、近くの奈良教育大の先生と女子学生たちのグループ、常連風の老夫婦、奈良散策途中の若いカップルが、カレーを食べたり、ケーキセット(730円)をつついていたり…。



食べている途中で、マスターの奥さん(フランス人のミリアムさん)が出てこられた。噂通りの美人である。「そうか、Iさんはこの奥さんがお目当てだったのだ!」と思い直した。

カレー屋さんというより、名前通りの「カフェ」なので、学生たちはここでコーヒーを飲みながら議論したり、読書したりするのだろう。私の自宅近くにこういうお店があれば、奈良検定の勉強もはかどりそうだ。

なお、最近できたメニューに「シチューライス」(もやしサラダ付)があり、これはオレンジ色(ホワイトシチューに人参やトマトを煮込んだような色)だそうで、いつかチャレンジしようと思っている。

Iさん、良いお店を紹介していただき、有難うございました。

※Cafe' みりあむ 奈良市高畑町840 電話 0742-23-3428
11:00~20:00(土曜、祝日は~18:00) 日曜休
(カウンター7席、テーブル16席)
http://gourmet.yahoo.co.jp/0005277646/M0029010340/
コメント (14)
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