tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

ひだまりの花

2006年01月30日 | 日々是雑感
車で近くを走っているとき、黄色い花が目の端をかすめた。引き返して降りてみると、菜の花だった。市の施設(西部生涯スポーツセンター 奈良市中町)の花壇に咲いていたのだ。

早咲きの菜の花といえば、滋賀県守山市のカンザキハナナ(寒咲花菜)がよく知られている。ちょうど今ごろ、雪の比良山をバックに、一面の黄色いじゅうたんのようになって咲く。

奈良県下では、明日香村の菜の花がきれいだ。棚田や宮跡に植えられ、毎年4月に開花する。私も以前インターネット新聞『JanJan』に、写真付きの記事を書いたことがある。
http://www.janjan.jp/culture/0404/0404143199/1.php
※「春は菜の花、明日香村」

この日(1/29)は寒さがゆるみ、日中はぽかぽかと陽が射していた。ひだまりの花壇はひと足早く春が来たように、キラキラと黄金色に輝いていた。
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法華寺の侘助

2006年01月29日 | 日々是雑感
法華寺(ほっけじ 奈良市法華寺町)は、平城宮跡の東にある清楚な尼寺だ。藤原不比等の三女で聖武天皇の妻、光明皇后が建立された。

昨年はこの寺の浴室(からふろ)で湯が沸かされて話題を呼んだ。光明皇后が1000人の病者の垢を流すために建てられたスチームサウナ施設だ。1000人目の病者の膿を皇后が口で吸い取ると、その病人が仏さまに変じたという伝説が残る。

ここの東庭園は千坪ほどの広い庭で、約750種の花卉が植えられている。最も多いのが椿で、100本ほどもあるそうだ。この日(1/28)も、赤やピンクの寒椿がひっそりと咲いていた。

侘助(わびすけ)椿は、茶人の笠原侘助が好んだことから名付けられたものだが、今も茶花として愛好されている。
葉が細く、決して全開しない花は、今の世の中にあって貴重な存在のように映る。
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鼎泰豊(ディン タイ フォン)

2006年01月28日 | 日々是雑感
鼎泰豊はニューヨークタイムズ紙で「世界の10大レストラン」にも選ばれた台湾点心の店(本店は台北)。難波・高島屋の7階に大阪店があり、いつも若い女性で賑わっている。

おすすめは小籠包(しょうろんぽう)。中身が透けて見えるほどの薄い生地に、豚肉などの具を包む。食べ方の説明書き通り、酢醤油をつけて細切りショウガを添え、レンゲに載せて口に運ぶと、コクと甘みのあるスープがにじみ出す。まさに「世界一の小籠包」、うわさ通りの味だ(1皿6個で609円)。

他に蒸し餃子、焼売、肉まんなどの点心、炒め物、揚げ物などの小皿料理、炒飯、チャーシュー麺、鶏スープ麺などもある。

この日(1/27)は排骨(パイクー 味付豚ロースの揚げ物 735円)と、写真の乾伴麺セット(1365円)を食べた。一見冷やし中華風の乾伴麺とは、温かい麺に具を載せ醤油味スープをかけたもの。小籠包と卵スープが付いている。

急須ごと無料で供されるジャスミン茶は香り高く、接遇も申し分ない。閉店が20時(オーダーストップは19時30分)と早いので、ご注意を。
※鼎泰豊ホームページ
http://www.geocities.co.jp/Foodpia-Olive/5638/
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名作&風景(1)三島由紀夫『奔馬』と大神神社

2006年01月23日 | ブック・レビュー
日本経済新聞の土曜夕刊に連載されていた「名作のある風景」が、140回目の1月14日付で終了した。名作とその舞台をカラー写真付きで紹介する全8段(1ページの約半分)の大型連載だった。

愛読者としては残念至極だが、ある日突然「だったら、自分で続きを書けばいいのだ」と思いついた。幸いウチの周辺には名作の舞台がたくさんあるし、写真も何とか間に合いそうだ。

で、今日から「名作&風景」シリーズを始めることにする。いわば「勝手に続・名作のある風景 ブログ版」だ。ただし不定期掲載となるので、悪しからず。読まれた方からの「他にこんな所もあるよ」というアドバイスも期待している。

さて初回は、奈良県桜井市の大神(おおみわ)神社を取り上げる。日本最古の神社とされ、「三輪の明神さん」として親しまれている。三島由紀夫の長編小説『奔馬』(『豊饒の海』第2部 新潮文庫)に、この神社が登場する。

同氏のライフワークであった『豊饒の海』(全4部)では、主人公が4回生まれ変わって出てくる。昨秋映画化されて話題を呼んだ、第1部『春の雪』の主人公・松枝清顕(妻夫木聡が演じた侯爵家の嫡子)は、『奔馬』の飯沼勲(右翼政治結社のリーダーで剣道3段)だ。大神神社の滝に打たれているとき、それが判明する。清顕と同じく左腋に3つのほくろがあったのだ。勲は右翼テロに失敗するが、その後、財界の巨頭を暗殺し、割腹自殺をとげる。20歳だった。

大神神社の神域に、三島由紀夫の石碑が建っている。碑には氏の揮毫による「清明」という文字が刻まれている。誌(説明書き)によれば、氏はドナルド・キーン氏とともに1966年(昭和41年)8月、ここを訪れた。その感想は次のとおりだ(誌に刻まれた神社への手紙より)。

「東京の日常はあまりに神から遠い生活でありますから、日本の最も古い神のおそばへ近寄ることは、一種の畏れなしには出来ぬと思ってをりましたが、畏れと共に、すがすがしい浄化を与へられましたことは、洵(まこと)にはかり知れぬ神のお恵みであったと思います」

石碑は、大神神社・祈祷殿から摂社の狭井(さい)神社に至る静かな参道沿いに建つ。石碑の周囲には鬱蒼(うっそう)と樹木が茂り、まさに森厳とした雰囲気が漂う。写真は参道の入口付近である(05年1月3日撮影)。再び氏の手紙を引く。

「大神神社の神域は、ただ清明の一語に尽き、神のおん懐ろに抱かれて過ごした日夜は終生忘れえぬ思ひ出であります」

『奔馬』の刊行は3年後の1969年(昭和44年)。三島氏が割腹自殺をとげたのは、翌70年(45年)11月25日、『天人五衰』(『豊饒の海』第4部)完結の日だった。
※大神神社の公式サイト
http://www.oomiwa.or.jp/
※三島由紀夫文学館のサイト
http://www.vill.yamanakako.yamanashi.jp/bungaku/mishima/
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春が、Ahead!

2006年01月22日 | 日々是雑感
「小さい秋みつけた」という童謡があるが、私は小さい春を見つけた。馬見丘陵公園(奈良県北葛城郡)で、蝋梅(ろうばい)が咲き始めていたのだ。蝋梅は唐梅(とうばい・からうめ)とも呼ばれる中国原産の木で、甘い香りが特徴だ。この日(1/21)は関東圏で大雪が降り、気象庁は「厳しい寒さは2月まで続く」と予報を修正していた。北極振動による「寒気が、再び放出の動きをみせている」そうだ。

シェリー(英国)の「西風の賦」に、「冬来たりなば春遠からじ」という有名な一節(結びの句)がある。原文を引用すると

O, Wind, if Winter comes, can Spring be far behind ?
(おお風よ、もし冬が来るならば、春がまだ遠く遅れているというはずがあろうか?)

なんと、修辞疑問文だったのだ、英文法の授業が懐かしい!末尾の「behind」という前置詞(文法的には副詞)が利いている。和文英訳では、なかなか思いつかない単語だ。よく高速道路などで「Tollgate Ahead」(この先料金所)という看板が出ているが、この「Ahead」と同じ用法である。

この写真、背後の赤い点々は山茱萸(サンシュユ)の実である。秋につけた実が小さな熟柿のようになって残っていたものだ。期せずして、晩秋と早春が1枚に収まったことになる。それにしても、寒い日が続く。本当の春はどこから来るかしら~♪
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