tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

大和当帰(ヤマトトウキ)はスグレモノ!

2021年06月30日 | 奈良にこだわる
大和当帰の根は漢方薬として用いられるが(=医薬品の対象)、葉は自由に使える。葉にはパクチー(コリアンダー)のようなセロリのような独特の香り(刺激臭)があり、食べると体が温まってくる。

県が推進する「奈良県漢方プロジェクト」(漢方のメッカ推進プロジェクト)では、大和当帰の魅力向上のため、YouTubeチャンネルを開設した(こちらのサイトから入る)。出演するのは小倉聡さん(中国菜館「桂花」オーナーシェフ)だ。金曜日(2021.6.25)の読売新聞奈良版〈「大和トウキ」発信強化〉によると、

「漢方の聖地」 県PR
県は、根が漢方薬に用いられる大和トウキの魅力発信を強化する。動画投稿サイト「ユーチューブ」にPRのためのチャンネルを開設したり、県内の製薬会社が開発した大和トウキ入りのドリンクの販路を拡大したりすることで、「漢方の聖地」としてのブランド力の向上を目指す。(土谷武嗣)

料理動画◇ドリンク販路拡大
日本書紀には、現在の宇陀市で推古天皇が611年に「薬狩り」をしたという記述が残る。日本の胃腸薬の元祖ともされる漢方薬「 陀羅尼助だらにすけ 」は全国的にも知られ、江戸時代には家庭で使った分だけ料金を後払いする配置薬の仕組みが生まれ、「大和の置き薬」として名をはせた。今でも県内には製薬会社が約50社ある。

ただ、農家の高齢化によって薬草の生産量が減少していたため、県は2012年に、大和トウキなどの栽培や漢方薬の製造、栽培技術の研究などを進めるプロジェクトチームを設立。県農業研究開発センター(桜井市)では薬草の栽培技術、県薬事研究センター(同)では効能、県産業振興総合センター(奈良市)では商品化などの研究を続けている。今年度は事業費として計2800万円を計上した。

これまではイベントなどを通じて県ゆかりの薬草や研究成果などを紹介していたが、新型コロナウイルスの感染拡大でイベントの開催が困難になったことから、県はユーチューブを活用した魅力の発信を企画。今年5月にチャンネル「奈良県漢方プロジェクト」を開設し、食材として利用できる大和トウキの葉を使った料理の動画を公開した。

動画には、大和トウキの天ぷらなどの料理を提供している「中国菜館 桂花」(生駒市)のオーナーシェフ小倉聡さん(62)が出演。「焼き豚入りトウキ葉チャーハン」と「トウキ葉エビマヨ」の調理を実演し、「色は淡い方が軟らかくておいしい」「香りはすがすがしいものがいい」など購入する際のポイントも紹介している。県は今後も、大和トウキの解説動画などの公開を検討しているという。小倉さんは「手軽に料理に使える薬草であることを多くの人に知ってもらうきっかけになるのでは」と期待している。

さらに、県では研究成果を県内の製薬会社に提供し、大和トウキ入りの栄養ドリンクを開発してもらう事業にも力を入れている。19年から、県内の製薬会社3社が4商品をすでに開発、販売している。

金陽製薬(五條市)は、血流改善や冷え性などに効果がある、大和トウキのエキス入りのドリンク2種類を同社のオンラインショップなどで販売。今後も大和トウキを活用した新商品の開発を目指していくといい、北山英樹社長(61)は「薬の多くは中国由来のものが多いが、国産の薬にこだわることで、ブランド力を向上させ、他社との差別化を図ることができる」と語る。

県は感染収束後に、首都圏や近畿圏で商談会や展示販売会などを開催し、販路の拡大を狙う。県の担当者は「漢方の産業化を進めるとともに、様々な方法で奈良の薬草の魅力を発信し、幅広い世代に県が薬草の聖地であることを広めていきたい」と力を込める。

大和トウキ  セリ科の多年草で、奈良原産とされる。乾燥させた根は漢方薬に配合され、冷え性や血行障害などに効果があるとされる。2012年の薬事法改正で、葉が医薬品の対象から除外されたことで、食材としての活用が進む。葉はセロリのような香味があり、料理の香り付けなどで使われている。


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温暖化の責任は全ての国に/佐和隆光氏 京都新聞「天眼」(2021.6.20付)

2021年06月29日 | 環境問題
久しぶりに胸のすくような「正論」を読んだ。エコノミスト(国際高等研究所研究参与)佐和隆光氏 の「温暖化の責任は全ての国に」( 京都新聞「天眼」2021.6.20付)である。いまだに「地球は温暖化していない」という暴論を唱える人がいるなかで、説得力のある論理展開を開陳されている。全文は記事の画像を見ていただくとして、ポイントをピックアップしてみる。

〇地球温暖化と気候変動の進行を推し量る物差しは、大気中CO2濃度(大気中に蓄積された過去の排出量の集計値)である。
〇産業革命以前のCO2濃度は、280ppmに安定していた。しかしその後上昇し始め、2020年には420ppm、産業革命前の1.5倍にまで上昇した。
〇濃度が550ppmを超えると、豪雨・洪水、海水膨張、山岳氷河・極水の溶融による1㍍に及ぶ海面上昇、森林の植生遷移、海水温上昇と海流変化による魚類の生息域の変化など、温暖化・気候変動の影響が人類の生存を脅かすレベルに達するという。
〇現状、大気中のCO2濃度は年間約2ppmずつ上昇している。このままだと50年余りで550ppmに達する。
〇1980年代末までのCO2濃度上昇の責任は先進国が負うべきだし、90年代以降の濃度上昇の責任の過半は非先進国が負うべきではないか。
〇2015年にパリで開催されたCOP21において「産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑制する」こと、そのために各国が「CO2を始めとする温室効果ガス排出の削減目標を策定し、しかるべき国内措置を講じる」ことに全ての参加国が合意した。
〇21世紀の最初の20年間、温暖化と異常気象が地球上の至る所で「見える化」したことが、歴史的合意形成を可能にした最大の理由であろう。
〇遅まきながら、最終バスに間に合ったことを、幸いとしなければなるまい。


国際的合意はできた。これからは「しかるべき国内措置を講じる」段階である。この期に及んで「地球は温暖化していない」論者は、完全アウトである。

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十津川うどん 古道(こみち)の「お肉3兄弟」を制覇!

2021年06月28日 | グルメガイド
以前(2021.5.3)当ブログで「めはりずし by 十津川うどん 古道」として、このお店(磯城郡田原本町味間 315-3)を紹介した。そのときは「めはりずし」と「肉うどん」をいただいたのであるが、よく似たネーミングの「肉ぶっかけ」と「肉汁うどん」が気になっていたので、その後2回、お店を訪ねた。
※トップ写真は「肉汁うどん」税込み750円と単品の「めはりずし」同190円(6/27撮影)




お店の名前、十津川村には熊野古道が走るので「こどう」かと思っていたら「こみち」だった!

このお店のことは2年前、毎日新聞奈良版が「食探訪」のコーナーで紹介していた(所在地は移転前の田原本町阪手になっているが今は味間東の交差点横だ)。そこには、


「肉ぶっかけとめはりずしセット」税込み1,020円と単品「めはりずし」同190円(5/7撮影)

(ご店主の)千葉さんは東京の医療機器メーカーに6年間勤めた後、十津川村へ帰郷。村商工会勤務を経て、1997年ごろには、村内で食品加工会社を創業した。「食品に麺類が必要」と考えた千葉さんは、香川県内のうどん店で基本を学び、「自分がおいしいと思う味を」とだしを研究。2004年に念願の店を橿原市にオープンし、その後、田原本町に移転した。



平日は男性客が多く、土曜、日曜には家族連れが多いという。千葉さんは「化学調味料を使っておらず、客の子供たちが残さず食べるのが自慢です」と話す。村の十津川郷観光大使を務め、県内外のイベントにも出掛け、食品を通して観光PRに力を入れている。


「肉ぶっかけ」うどんは、こんなに豪華だ!

さて私は5月7日(金)には「肉ぶっかけとめはりずしのセット」(870円+150円=以下、値段は全て税込み)と、単品の「めはりずし」190円を注文。それが上記写真の料理である。めはりずしはもちろんだが、肉ぶっかけはこんなに具だくさんで、とても美味しかった。


肉汁うどんのうどん(温)。香川で修業されただけあって、コシが強い(以下、6/27の撮影)

その次は昨日・6月27日(日)にお邪魔した。なんと!メニューには「定番 肉うどん」800円、「一番人気 肉ぶっかけ」870円、「店主一押し 肉汁うどん」750円、とあり、「肉3兄弟」と注釈がついている。おお、ご店主の一押しは「肉汁うどん」だったのだ!三度目の正直、もちろんこの日は「肉汁うどん」を注文した。


肉汁は、こんなに具だくさん!

肉汁(にくじる=つけダレ)は「肉汁だしと十津川産キノコたっぷり」とある。うどんは「温」と「冷」があり、「湯がき汁あります」とも。つまりラーメンの「つけ麺」のようなものなのだ。湯がき汁は、残った肉汁に混ぜて飲む。


うどんを食べたあとお猪口(ちょこ)の「湯がき汁」を注文(無料)、あつあつを残り汁に投入



この日のランチタイムは小雨模様の涼しい日だったので、うどんは「温」を注文、出てきたのが写真の料理である。肉汁には、お肉とシイタケのほか、エノキ、シメジなどがたっぷり、薬味のネギもよく利いている。これはうまい!さすがに「店主一押し」だけのことはある。残ったつけダレ(肉汁)には湯がき汁を全部入れて飲み干そうとしたが、午後からノドが渇いてはいけないので、半分に抑えておいた。


帰りにこんなカードをいただいた。次回「お肉3兄弟」を注文すると50円引きになる


裏面。3兄弟が揃うとまた特典があるのだそうだ。ああ、これが4月から始まっていれば!

めはりずし(190円)も1個つけて、もうお腹は満杯だ。ちなみに最新(6/27現在)のメニューを書いておく(コロナ禍のなかでの暫定メニュー、値段は全て税込み)。なお「セットメニュー」はなくなっていた、残念。

きつねうどん560円/温玉ぶっかけ630円/店主一押し 肉汁うどん750円/定番 肉うどん800円/一番人気 肉ぶっかけ870円/めはりずし190円/ミニちくわ天丼320円/ミニ温玉丼320円

うどんもめはりずしも、とても美味しいお店、皆さんもぜひお訪ねください!なお定休日は月曜日なので、ご注意を!
※食べログは、こちら
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締め切り迫る!餅商一ツ橋 復活プロジェクト/6月30日(水)必着(2021 Topic)

2021年06月27日 | お知らせ

以前、当ブログでも紹介した「餅商一ツ橋 復活プロジェクト」事業プラン、6月30日(水)必着なので、お急ぎいただきたい。詳しくは南都銀行のサイトに出ている。読売新聞奈良版(6/17付)に「五條新町の象徴 復活へ」という行き届いた記事が出ていた。全文を紹介すると、

「餅商一ツ橋」の店舗跡
江戸時代の町並みが残る五條市の新町通りを象徴する町家で、2年半前に閉店した老舗餅屋「餅商一ツ橋」の店舗跡が、起業家らに貸し出されることになった。市を代表する観光スポットとして雑誌やパンフレットで紹介されており、住民が「町のシンボルを復活させたい」と自ら借りて修理。南都銀行の協力で新規出店者を募集している。(中井将一郎)

地域活性 起業家育成の場
店は大正時代の創業。右から読む「餅商一ツ橋」と書かれた幅5メートルの大看板が目印だった。通りの東から数えて一つ目の橋のたもとにあるため「一ツ橋」の屋号になったといい、町家と橋が並ぶ風情が好まれ、写真スポットとして知られてきた。3代目店主が2018年12月まで営業していたが、高齢となり、約100年の歴史に幕を下ろした。貸家で老朽化しており、そのまま空き店舗となった。

「五條を代表する景観なのに、なくなったら台無し。誰も動かないなら自分でやろう」。市内で会社を経営する田中郁子さん(67)は、取り壊しを防ぐため、閉店まもなく自ら借りた。JR五条駅そばで生まれ育った田中さんにとっても、幼い頃から、あん餅やかき氷を食べた思い出の場所だった。活用のめどはなかったが、「風情だけでも残そう」と19年8月から、のれんを掛け、ショーケースには焼き餅やよもぎ餅の食品サンプルを置いて、往時の姿を再現。変わらず写真を撮る観光客の姿が見られるようになった。老朽化が進んでいたため、昨年末から修理工事を進めており、今夏に完了する予定。

5月からは奈良の観光振興やまちおこしに取り組む南都銀行地域事業創造部の協力も得て、活用プロジェクトがとんとん拍子で進んだ。活性化の拠点になるよう、店で飲食や小売り、テイクアウトなどの事業をしたい個人・法人を募集することになった。現在、南都銀行が事業プランを募っており、地域貢献、実現性や独創性、熱意などを勘案して選考する。書類審査、面談を経て、7月下旬に事業者を決め、10月からの開業を目指す。

店は木造平屋27・5平方メートルで、家賃は3万円程度。開業する事業者は、田中さんが経営する不動産管理会社「ワンキュウファイブ」と賃貸借契約を締結。起業家育成の場にしたいとの思いから、2年後に県内で独立して開業できるように促していくという。田中さんは「やる気や発信力のある人に来てもらい、魅力のある商品が売られるようになり、町の魅力が増せばうれしい」と話す。事業プランの応募は6月30日必着。問い合わせは南都銀行地域事業創造部(0742・81・3103)。

<新町通り>2010年、文化庁から重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に「五條新町」として選定された伝統的な町並み。江戸時代初期に城下町として開かれ、現在も吉野川沿いの東西1キロ近くにわたり、160戸の町家が並ぶ。餅商一ツ橋は、通りを東から入ったところに位置している。


田中郁子さんは、株式会社柿の葉すし本舗たなかの元代表取締役社長。現地はJR五条駅からは少し離れているが、思い出のお店だったのだろう。皆さん、奮ってご応募を!

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蛙飛び行事 世界遺産の金峯山寺/毎日新聞「かるたで知るなら」第12回

2021年06月26日 | かるたで知るなら(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は、同会が制作した「奈良まほろばかるた」の各札をもとに毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「かるたで知るなら」を連載している。一昨日(2021.6.24)掲載されたのは「役行者開いた蔵王堂」、執筆者は奈良市にお住まいの奈良まほろばソムリエの会会員の藏本博さんだった。新聞へのご執筆は確かこれが初めて、期待の新人だ。では、全文を紹介する。

〈蛙飛び行事 世界遺産の金峯山寺〉
吉野山では、毎年7月7日に修験道(しゅげんどう)の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)(役小角(えんのおづぬ))が開いた金峯山寺蔵王堂(国宝)で、蛙飛び行事が行われます。蛙飛びは、同寺の行事の「蓮華会(れんげえ)」の中で行われるものです。蓮華会は役小角が産湯を使ったとされる大和高田市奧田の蓮池で摘み取った蓮の花を金峯山の神仏に供える法会です。

当日、弁天池で摘み取られた108本の蓮華は、蔵王堂本尊に供えられ法要が営まれます。この後、着ぐるみの大青ガエルが登場して、蛙飛びが行われるのです。このカエル、元は神仏を侮る高慢な男が、大タカにより断崖の上に置き去られ、身動きできずにいたところを通りかかった金峯山寺の高僧が、法力で男をカエルに変えて蔵王堂に連れ帰り、一山をあげて法会を営んで人間の姿に戻した、という伝承に基づいて執り行われるものです。

翌日、奥駈道(おくがけみち)の神仏に蓮華1本ずつ供えながら金峯山の山上(山上ヶ岳・標高1719㍍)の大峯山寺本尊に蓮華を供えます(蓮華入峰)。7世紀後半、役小角は千日の苦行の末に感得した蔵王権現を桜の木に彫刻し、金峯山の山上・山下に堂を建て、まつったのが蔵王堂の起こりです。

1300年前から伝えられる信仰の形を受け継ぎ「懺悔(さんげ)懺悔、六根清浄(ろっこんしょうじょう)」を唱和し山岳を信仰の拠点であり、日本固有の宗教・修験道の聖地である金峯山は、次世代に引き継がれるべき大切な霊場です。金峯山寺は、2004(平成16)年、ユネスコ世界遺産に登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の一つです。(奈良まほろばソムリエの会 藏本博)

金峯山寺
(住 所)吉野町吉野山2498
(宗 派)金峯山修験本宗
(本 尊)金剛蔵王大権現
(交 通)近鉄吉野駅下車 ロ—プウェイ千本口駅乗車吉野山駅下車 徒歩約10分
(拝 観)本尊は秘仏のため開帳時期は要確認
(駐車場)吉野山駐車場


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