飄(つむじ風)

純粋な理知をブログに注ぐ。

小出裕章×小沢一郎  「福島第一原発を抑え込むために」

2013-06-04 18:00:00 | 小沢 一郎

さすがは、小沢一郎さん!!
そして、小出裕章先生・・・
このまともな認識を失って、
『放射脳』呼ばわりする人々の欺瞞性が、
浮き彫りにされてくる・・・
彼らは、何も考えていないと同じである!!

 

 日本の大多数が、福島原発の事故(事変)が、遙か過去のように忘れているが、厳然と進行中の話である。

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 そして、出口の見えない困難な状況は、今もって同じなのである。なのに、東電に任せきりの無策状態は続いている。政府があって、原発事故(事変)には政府が存在しないのである。

 この中で、小沢一郎しか、政治家は居ない。そう確信に至るのである。哀しい現実がそこにある。はっきり言って、政治家は、政府は、何かを意図して原発を、福島を、東北を、そして、日本を放棄しているようだ。

 そう思わざるを得ない。

 福島原発の真の終熄無くして、日本はない。打って一丸となる気迫が日本政府にはない。その中で、再稼働と、世界売り込みには熱心だが、狂っているとしか言いようがない。

 石油・石炭など化石燃料と原子力エネルギーから脱却して、フリーエネルギーに邁進することは、今、地球の要請である。それを押しとどめようとしているのが、今、エネルギー支配で権力を維持している悪徳利権屋集団であると看破することこそ、このキーワードである。



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小出裕章×小沢一郎  「福島第一原発を抑え込むために」

<書き起こし>
小沢「福島原発の対応をどうしたらいいか。福島だけではなく日本の将来も危ないような事故に政府の対応は甘すぎる。
しかも今や風化しつつある。脱原発はひとつのことだが、福島をどうするかについて伺いたい」


小出「やるべきことは単純。原発が動き、核生成物を作ったそれが事故を起こして外に出た。それでこれ以上出さないように2年も水を入れて冷やしている。
今はそれしかできない。しかも4基も一度に壊れてしまうという人類未経験の事態に直面している。どうしたらいいのか私にもわからない」

「わからないながらも事故当初から自分で思いついたことは発言してきた。提言は実現していない。汚染水は巨大タンカーに移して漏れないようにして、廃液処理装置のある柏崎刈羽に持って行くようにと言った。
柏崎刈羽は当然止まっていて廃液処理装置動くなら処理に余裕があると国会議員に提言した」

「何人かの国会議員に話して、やりますと言った人もいたが、実現しないうちに今や30万トンの汚染水が敷地内のタンクに溜められ、それで足りずに貯水プールを作って、そこから汚染水が漏れるという事態になっている。
もっともっと早くやらなければいけなかったと思う。」

「汚染が地下水に接してしまうと汚染の拡散が防げないので早く原子炉建て屋の付近に遮蔽壁を張り巡らせて炉心の汚染が外に出ないようにと言った。でも政府はいまごろになってこれからやろうと言っている。
しかしそれらはまだ些末なこと。溶け落ちた燃料がどこにあるかをまだ知ることができない」

「放射能本体は原子炉建て屋の内側にある。それがまだ中にあるのか、床を突き抜けてしまっているのか。それを知らなければならない。
いずれなんとかしなければ行けないと言うことは確実だが、それをやることも多分できないと私は思っている。」

「政府は、使用済み燃料プールにある分は少しでも安全な所にどかす。
そのうえで溶け落ちた燃料をつかみ出してそれも少しでも安全な所にうつすと言っているが、
私は使用済み燃料プールのそこにある燃料は必ず移さなければならないと思っている。が、それすら一体何年かかることか。」

「4号機でつかみ出し作業が今年の末から始められるかもしれないが1331体も燃料棒が沈んでいる。それを1体も取り落とすことなくきちんと移せるかというと、それも不安。
1号機にも2号機にも3号機にも使用済み燃料プールがあって、その中にもある。」

「1号機3号機は建屋がぐちゃぐちゃ。プール内にもがれきが。それをつかみ出せるかどうか、私にはわからない。
何年かかるか、私も小沢さんも死んでしまっているかもというような時間がかかる。
それをどけてから溶け落ちた燃料を取り出すことになると思うがたぶんできないと私は思う」

「溶け落ちた燃料が取り出せなければチェルノブイリでやったような石棺を作ることになる。
チェルノブイリはひとつで良かったものが、福島では三つ、悪くすると4つ要る。
チェルノブイリは27年経って石棺はぼろぼろになって作り直している。福島は30年後に3つ、4つ作りなおすことになる。」

「30年後に石棺を作り直す頃には私も小沢さんも確実に死んでいる。
そういう困難な作業を若い人に引き継ぐということ。だから、やるべきことは分かっているがそれは本当に難しい課題。」


小沢「溶けた燃料が1m数十センチの床をあと20センチのところまで溶かしてしまっていると東電が発表していると、ほんの小さく報道されて、それ以後何も報道されていない。
突き抜けてしまったとしてもどの程度の量かもわからない。」


小出「原発の燃料は炉心にある。おおざっぱに言えばひとつの原子炉に100t。
それらは2800°を越えないと溶けない瀬戸物に詰めてある。そのウランを詰めた瀬戸物が溶けてしまった。
100tものセトものが溶け出した。溶けた先にあった鋼鉄製の原子炉圧力容器は1500°で溶けてしまう。」

「福1の沸騰水型原子炉では圧力容器の底から薄い金属の制御棒が突き出している。
2800°が100t落ちてくれば簡単に穴があく。そして放射能を閉じ込める最後の防壁である格納容器に落ちた。
東電はそこに1mの厚さのコンクリートの床張りがあると言う。」

「でも格納容器の床の1m厚のコンクリートだって2800°をこえたものが落ちてくればどんどん壊れる。
東電は1mのうち70cmやられたけどまだあと30cmあると言っている。
その報道を聞いたとき、あなたたちは見てきたのかと(笑)。
建て屋の中はもとより格納容器の中なんて入れない。
「格納容器に近づけないうえに、想定外の出来事だったので、測定器の代えさえない。平常運転に使う測定器がいくつかあったが、それも放射線でやられて次々に壊れるという状況だから、本当に今どうなっているかわからない。
格納容器の床はすでに抜けてしまっているかもしれない。」

「もし、すでに格納容器が破られて溶けた核燃料が地下水に接していれば猛烈な汚染が出てくると思う。
格納容器を放射能を閉じ込める最後の防壁と言ってきたがそれはすでに壊れている。
2年間水を入れ続けてきたのに格納容器の中に水は全然たまらない。みんな漏れている。本当のこと言えば手遅れ」

「放射能を閉じ込める防壁はすでに破られ、水をかければかけるだけ放射能は外へ出てきてそれを止めることもできないのが今の状況。
小沢さんがまだ民主党におられるとき、野田氏が11年暮れに事故の収束宣言を出したが冗談を言うなと思った。」

「収束しているも何も、どうなってるかもわからないでただひたすら水を入れるしかないという事態がいまあって、そのためにたくさんの下請け労働者が被曝しながら今この瞬間も事故に向き合っている。」
「ところが自民党は原発を再稼働させあらたな原子炉も作る、原発を輸出する、それがアベノミクスの主要な柱だと言い出す。もうなんという国かと思う。」


小沢「恐ろしい話だ」
「溶け落ちた燃料は規模は小さくても臨界に達しているということか?」


小出「そうではない。原発はウランを核分裂させた熱で発電しているから熱は核分裂で出るだろうと思うだろう。
でも熱の原因はもうひとつある。」
「一度ウランを燃やすと核分裂生成物という放射性物質が炉心にたまる。放射性物質があればそれで発熱する。
100万kWとされる発電所では、電気になる分が100万kWであって、原子炉の中では300万kW分発熱している。」

「発熱量のわずか1/3だけが電気になる。それが原発。
残りの200万は海に捨ててを海を温めることになるそれでその300万kW分の熱量すべてが核分裂でできているわけではない。
7%分21万kW分は放射能そのものが出した熱。」

「1kWの電熱器が家庭にあるとするとそれが21万個分。それが止めることができずに発熱を続けている。その熱を冷やせなければ簡単に炉心が溶ける。
だから事故が起きたその日に1号機は炉心が溶けた」
「1号機の炉心を溶かした熱は、放射能の熱。放射能だから核種によって急激に減少する。核分裂によってできた核分裂生成物の九割は1日経てばなくなる。
だがそれ以降は寿命の長いものが残っていてなかなか減ってくれない。1年経つとそのまた1/10ぐらいになる」

「1年経てば当初21万kWと言った熱量を発生させた放射能が1/100になる計算。1年後には2100kW相当になる。今では2年経ったからまたその何分の一かに減っている。
それでも何千キロワットの発熱がいまどこかで続いている。」
「だから、今の発熱は臨界によるものではなく、放射性物質がそこにあるがゆえの発熱。
みんな臨界を心配しているし、私も心配ではあるが、多分臨界はないと私は思っている。」


小沢「現在も、将来も?」

小出「確実に断言はできないが、たぶん大丈夫」
「たぶんもう臨界はそこで起きないが、放射能がそこにある限り発熱は避けられないのでそれを冷やし続ける必要がある。」


小沢「石棺を何千度にも絶えられるようにすることは可能?」

小出「チェルノブイリでも、炉心が溶けて下に向かって流れた。その間鉄を溶かしコンクリートを溶かして元々100tだったものが増えてどろどろに溶けて行った。
ただ発熱量そのものは時間とともに減って行くわけだから、どこかでバランスして溶けずにかたまるというところに至る」
「福1でも溶けた炉心がどこかで熱バランスして固まるだろうと思う。そうなれば、石棺を作ることができる。」


小沢「そういう状況になるのが何年後かはわからない?」

小出「今の状況がわからないので、これから1年後2年後にどうなるかもわからない」
「事故があって、これまでこういう経過を経てこうなっているということが分かれば先のことは予想できる。
しかし、今どうなっているかが分からないのでこの先のことはわからない。」


小沢「そうすると、現状のままほっとくしかないということですか。」

小出「今はひたすら水をかけるだけ」
「今できることは水をかけること、それと使用済み核燃料プールに沈んでいる燃料を一刻も早く少しでも安全な場所に移すことが緊急課題。
東電も当然認識して、一番手の付けやすい、一番こわれる危険度の高い4号機からそれをやろうとしている……はずだ」


小沢「しかし、それをきちっと正しく取り出すことは難しいと…」

小出「とても難しいと思う」

小沢「もし、つかみ出しているときに割れたりしたら?」

小出「使用済み核燃料が噴き出してきて核燃料プールでもなんでも汚れてしまう」
「鉛と鋼鉄でできたキャスクに10本20本入れて蓋をしてつり出すということをしないといけないが、1331あるものをキャスクの中に1本1本釣っては降ろしという作業。
途中1体でも落として割れてしまうと放射能が噴き出して汚れてしまうので次の作業が当面できなくなる」
「割れたときに臨界になるということをご心配かと思うが、たぶんそうはならないと思う。
しかし落として割れてしまえば放射能汚染されて作業ができなくなるので4号機だけでも何年かかるかと心配。」


小沢「容器に入れて取り出しても、それをどこに置くかということになる」

小出「東電は4号機の隣にある共用プールにとにかく移そうという計画。でも4号機が終っても1号機から3号機までがある。すると共用燃料プールでは足りなくなる。
共用燃料プール自体すでに満杯状態だからそこに入っている燃料をまず別な所に移すという作業がある。それも大変な作業。」


小沢「そうすると、コストもかかるし、あらゆる意味で大変な作業だろうけど…」

小出「順番としては使用済み燃料プールにあるものを出すというのを先ずやらなければならない。」

小沢「ほっとくとどうなる?」

小出「プールの中にほっておいたら?」
「4号機は定期検査中で原子炉は止まっていた。炉心にあった燃料棒も全て使用済み燃料プールに入っていた。
本来なら事故とは無縁のはずだったのに、なぜか爆発が起きて建て屋が天井まで吹き飛んでしまった」


小沢「水素爆発?」

小出「核爆発だという説もあるが,私は水素爆発だと思っている」
「ただ、4号機の場合、水素爆発にしては変わった爆発だったのは、最上階だけでなくその下も、下の下も爆発で壁が吹き飛んでいる。
それらの階は使用済み燃料プールが埋め込まれているフロアだが、そこの壁が吹き飛んでいて、使用済み核燃料プールが宙づりのような形でいまそこにある。」

「その宙づりのプールに、ふだんなら原子炉の中にあるものからなにから全部そこに入れられていた。
さっきから1331体あると言っているが、その中に広島原発が出した放射性核生成物をセシウム137に換算して1万発を越えるものがある。
それが宙づりのようになったプールの中に、なんとかある」

「その宙づりのプールが大きな余震か何かでひっくり返るともう手の付けようがない。
1号機~3号機から大気中に出た放射性生成物はIAEAに出した報告書では広島原爆の168発分と書いてある。でも4号機の使用済み核燃料プールには1万発分ある。
もし崩れ落ちれば手が付けられなくなる」
「まずは崩れ落ちる前につかみ出す、少しでも安全な所に移すということはどうしてもやらなければならない」


小沢「1号機~3号機の分もある…」

小出「1号機や3号機は大変。
4号機は汚染も少ないから作業員が上まで行ってプールの中を覗き込むこともできたしこれからの作業もなにがしかできる。
1号機や3号機は最上階に行くことすらできない。」
「1号機や3号機はプールの中を見ることさえできないから遠隔操作のカメラなどを使ってどんなになってるか…」


小沢「1号機や3号機も、原子炉だけじゃなくてプールにもあるんでしょ?」

小出「あります。だから、それも少しでも安全な場所につかみ出さなければいけないということは確実に分かっているのだが、行くことができないしどうしていいかわからない」
「1号機3号機は今がれきを少しでもつかみ出そうと作業をしようとしているのだが、現場に行くことができないので遠隔操作でテレビ画面を見ながら重機を動かしている。
遠隔操作だから細かいことはできない。何ヶ月か前、3号機のプールの中から何かを鉄骨をつり上げようとして落としてしまった」


小沢「その中で燃料棒が破損したりしたら、おしまいになっちゃう?」

小出「おしまいというか…、放射能の汚染がさらにひろがるので、」

小沢「処理がますますできなくなる」

小出「そう。」

小沢「なるほど」
「可能性としてそう簡単には核分裂がおきないとすると、巨大な石棺でかこんでしまうのがひとつの方法なのか?」


小出「確実にそうなると私は思う。それしかない。
ただ、それを作る前に、いま使用済み核燃料プールの底に壊れずにあるものはつかみ出して安全なところに移動しないといけない」
「石棺を作る前の作業としてやる使用済み核燃料プールからの使用済み燃料棒の取り出しにしても、10年ではきかないと思う。」


小沢「石棺を作る作業はそれが終ってからじゃないとできないと……」

小出「できません」

小沢「すると、その前に地震でも来て壊れると大変なことになる?」

小出「4号機は本当に心配。東電も、4号機の使用済み燃料プールが宙づりになっていることは事故直後に気づいて、事故直後の放射能の高いときにあえて補強工事をしている。」
「使用済み燃料プールが埋め込まれている階の下の階に行くと燃料プールの底が天井のようにして見える。
東電はそれを下の階から鉄柱を立ててコンクリートで固めたと言っているが、下の階も爆発で強度が危うい。」

「結局格納容器の土台の出っ張りの分厚いコンクリートで支えることができたにすぎない。
使用済み燃料プールの底の半分しか支えられていない状態。
東電は補強工事をしたから震度6にに耐えられると言っているが私は信用できない。
耐震計算の元になる土台の強度すら計算できない状態で行なった計算」

「私は震度6がくれば使用済み核燃料プールが崩れ落ちるのではないかと心配している。
今できることは、とにかく大きな余震が来ないでくれと願うことだけ。でも手をこまねいていることはできないから」


小沢「やる以外ない」

小出「一刻も早くやるしかない。」

小沢「今はそれに手が着いていない?」

小出「東京電力はやっている。キャスクは100tある。それをつり上げるための巨大なクレーンを据え付けるため巨大な建て屋を作るという作業を今やっている。
それができて作業が開始できるようになるのが今年の暮れだと。たぶんそうだろうと思う」
「一日に24時間しかないし、作業員の数も限られている」


小沢「物理的にスピードアップはできないのか」

小出「わからない。東電は今年の暮れじゃないとできないと言っているし、少しでも早めて欲しいとねがっているが、それにしても大変な工事。」
「高さが30メートルもあるような建て屋を作ってそこに100tもの重さの者をつり下げられるクレーンを設置しなければならない。
その工事は大変な作業を猛烈な被曝環境でやらなければならない。
労働者はストップウォッチと被曝計を持って何分間働けるかというような環境で作業している。
急いで欲しいと願うし急いですべきだと思うが、急げと言って急げるものでもない」


小沢「そんなことをしているうちに、燃料プールが破損し、燃料棒が破損すれば、今以上に手が付けられない状態に?」

小出「今までは広島原爆168発分出たものが、4号機には1万発分以上ある」

小沢「そのセシウム137は核分裂しなくても出る?」

小出「セシウム137は、半分に減るまで30年かかる。」

小沢「……。」

小出「すでに福1が運転してウランを核分裂させた結果出たもの。」

小沢「あらたな核分裂がなくても、物質そのもののなかにあるものなのか」

小出「そう」

小沢「一万発分が……。」

小沢「石棺ができても冷却はしなければいけないのか」

小出「石棺ができる状態になっていれば、もう水はいらない。外部からは手を加えない状態になる」

小沢「そのまんま、封じ込める」

小出「完璧に封じ込めて、なにがしかある発熱は建て屋そのものの表面から熱を外へすてる、つまり空冷できる。」
「石棺の外から水を循環させて冷却するということはたぶんできない。」


小沢「する必要がない?」

小出「する必要がないようにした方が得策。表面積の大きな建て屋を作って…」

小沢「ものすごいでかいものじゃないとダメですね」

小出「今ものすごいでかい原子炉建て屋がある。それを覆うようなでかい建て屋になる」
「放射能自体減って行くから、発熱も小さくなる。
巨大な建て屋の巨大な表面積を利用して熱を外に捨てて冷却することは可能だろうし、完璧に閉じ込めることができる。
その方がいい。


小沢「下まではできないですよね、下までぐるっと」

小出「本当は下までやりたいが、下までやろうとすると大変」
「下まで石棺で覆おうとすると、下には汚染水がある。そこでの作業をどうするか」


小沢「土木技術的にはできると聞いたことがある」

小出「私より小沢さんの方が専門家だからよくわかるかもしれない。土木技術上はできるかもしれないが、猛烈な被曝を伴うので現実にできるかどうか疑問」
「チェルノブイリのときには60万人とも80万人とも言われる軍人、退役軍人を集めてきて作業に当たった。
日本でそんなに大量の労働者が集められるかということ自体不安だし、チェルノブイリのころの新聞を見たら真偽は不明だが、チェルノブイリ行きを拒否した兵士が銃殺されたと。」
「ソ連ではそういうことがあったかもしれないが、日本と言う国で原発事故を収束させるだけの作業員をこれから本当に手当できるのか不安だし、海外から労働者を被曝労働に引っ張ってくるということも起るのかなと…」


小沢「事実上無理。」

小出「そうでしょうか」

小沢「国際的には無理。日本人がやる以外にない」

小出「私もそう思うし、そうあるべきだと思うが、これまでの日本政府の動きを見ていると何が起るか不安。」

小沢「放射線の防護服は厚くしてもだめ?」

小出「防護服は、放射性物質を体に付着させたり吸い込んだりしないための防護服。
要するに内部被曝を防ごうというもの。
γ線による外部被曝を防ぐには鉛のスーツというのはあるがほとんど効果はない。人間が着ることのできる鉛など厚さがたかがしれている」
「γ線を防げるような防護服など考えない方がむしろいいと思う。
それより、被曝作業の時間を短縮できるような動きやすい防護服の方がはるかに効果がある。γ線は事実上防げない。


小沢「土木技術で石棺が下までできるとしても被曝を防ぐのは非常に難しい」

小出「そうです」
「今でも下請け作業員が、それも1次2次の下請けじゃなくて9次10次の下請け構造になっている。東電が払った金のほとんどがピンハネされて、下請け労働者には金が行かないという実体だってある。
下請け労働者は生活のために現場に来ている。
今の法体系では被曝労働者は100ミリレムを越えると5年間働けなくなる。もし生活のために被曝労働をした下請け労働者が10日働いて100ミリレムをこえてしまうと、その労働者はもう仕事ができなくなる。生活ができなくなる。」
「被曝量を超えた下請け労働者は、たぶん簡単に首にされる。そうなると生活に困るから労働者自身が自分の被曝量を値切る、正確に申告しないという状況がすでに生じている。」


小沢「ああ、隠して…」

小出「自分で隠す。」
「下請け企業が労働者に隠せと命令して、たとえば線量計に鉛のカバーをつけさせたというようなことももう起っている。
作業員がやめさせられると会社として仕事の受注ができなくなるから。
しかし、それより深刻なのは労働者が自分から被曝を隠さないと生活ができないということ。」

「それにしても大変な被曝作業でどんどん今被曝の量が増えている。作業員も足りなくなるから、これから被曝量隠しもどんどん増えるだろう。
小沢さんを始め、政治の現場にいる人がそれを隠すことがないように、またそういう作業を行う労働者の生活をどう守るかを考えていただきたい。」


小沢「被曝労働者が仕事できなくなる年限を補償してやらなければならない」

小出「そうです。もともとは5年間に100ミリレム、100ミリシーベルトだが、もし10日でおわったら、のこりの4年と355日は仕事ができない」

小沢「なるほど」
「最終的には巨大な石棺であそこの放射能を封鎖する以外ないと。ただ、その前提として使用済み核燃料をより安全な所に移し替えなければならないということ?」


小出「そういう順番なので、使用済み核燃料を取り出すのに10年かかると思っているし、
それから溶け落ちた炉心をどうするかという検討が始まって、東電や国がいうようにそれをつかみ出すということは不可能だと思うので、全部石棺で固める以外ないと思う。」
「その石棺が完成するまで、たぶん私も小沢さんも生きていない、そういう年月がかかる。」


小沢「それでもやらなければならない」

小出「そう」

小沢「何となく、漠然と、大変な危険だと思っていたものが、今日先生のお話を聞いて余計はっきりわかりました。」

小出「ありがとうございます。政治の現場にいる方にちゃんと分かって欲しいと願っているが、安倍さんなんかは全然分かっていないようで、困ったことだと思っています」

小沢「本当に困りましたね。…いやぁ…(ため息) ドイツでの話だが、あれだけの事故を起こした日本人が何考えてるんだと言われる。」

小出「当然そうでしょう」

小沢「よく平気でいるなという感じだった」

小出「当の、事故を起こした国が…」

小沢「それがもう終ったみたいなことを言っている」

小出「事故は収束した。これからまた原子力だ。そうしないと経済が持たないというようなことを平然と言う人たちが国の中枢にいる。」

小沢「恐ろしいことだ」

小出「大変恐ろしいと思う」


小沢「いや、本当にありがとうございました。
僕はいま、しがない野党の立場だが、なんとかして日本の将来、人類の将来の問題なので、
何とかして先生のお話を参考にして実現できるように死ぬまでがんばって行きたい。
よろしくお願いします。」
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 5.31 小出さんとの対談終えてインタビュー小沢氏
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 ※ 小沢氏が聞く方にまわると、意外にインタビュアー能力のあることがわかります。
 経済、外交、防衛、民主制度から原発放射能に至る、多方面にわたる高い識見を培ってきたその源を覗いた気がします。

魂の法則・・・その④ 魂の法則本論 進化の法則

2013-06-04 12:27:09 | 魂の法則

魂の法則・・・
初めがあって、終わりのないもの?!、
永遠の進化を遂げるもの!!
停滞はあるかも知れないが、
その進化に終わりはない・・・!
そのことは、
他ならぬ魂自身が選び取るのだ!!

 

 難しく考えるのは、よそう。とかく、考えることは感じ取るよりも小難しくさせる。魂に死など無いのである。全てが生の連続であって、只、住処(すみか)を変えることでしかない。

 住処という考え方もあるが、服を脱ぐと言う見方も出来よう。あるいは、乗り物を捨てるという見方もある。本質であるところの魂は、変わることがないのである。

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 いずれにしても、その本質がより鮮明になるのが、いわゆる肉体・物質界を抜け出ること、即ち、死であるが、魂は往生するのである。往生とは往きて生きると書いてある。

 多くの聖書の要句が登場するが、それは無理からぬ事だ。スペインは西洋のメッカである。キリスト教の文明圏であるから、その教義は深く根強いだろう。

 一般に、聖書には転生などと言う言葉は無いとされている。そうだろうか? 随所にそれをほのめかす言葉は散りばめられていることを、私は、予てから察知してた。

 しかし、一般にはそれはないとされている。それを主張することは異端とされたのである。キリスト教に特別に深い造詣がある訳ではないが、クリスチャンやカソリックの熱心な方と議論すると、そこが一番の争点になる。

 その世界で、魂の法則は拓かれると言うことは、驚くべき事だ。我々日本人からすれば、確信に至っていないにしても、違和感を持つ話ではないが、想像であるが、そうはいくまい。

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 そこが、意義が大きい。

 真実は一つと言うことなのだ。

 英語では、reincarnation(リーインカネーション=輪廻転生)という言葉があるが、東洋発祥かも知れないし、さもなければ、いわゆるスピリチュアリズム(Spiritualism)に由来するかも知れない。

 翻って、東洋の輪廻転生となると、古色蒼然で、ほとんど迷信色が濃厚となる場合が多い。人間が馬・犬なら未だましな内だが、昆虫や爬虫類に生まれ変わるとなると、容易に同意できる話ではない。

 そうではないのである。

 人間は人間としての魂を持って、永遠の進化を歩むというのであるから、その方が頷ける。又、人間は人間たる進化の過程を遂げた魂なのだと言うことを確認される。

 その事細かな諸相について、法則を理解することは、重要だ。それについて、これから証される。魂の法則、進化の法則、そして、・・・・まあ、それはお楽しみだ!


 

 

 

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題名: 「魂の法則」
スペイン語原題: “LAS LEYES ESPIRITUALES”
著者: Vicent Guillem Primo ヴィセント ギリェム・プリモ
邦訳: 小坂 真理
知的財産権登録番号 V-2095-08 (Valencia, España)
Copyright © 2008 Vicent Guillem Primo
Japanese Translation Copyright © 2013 Mari Kosaka
ホームページ: http://lasleyesespirituales.blogspot.com.es/
日本語サイト:http://tamashiinohousoku.blogspot.com.es
メールアドレス:tamashiinohousoku@gmail.com

 

Photohttp://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.es_ES

 

「魂の法則」 by Vicent Guillem is licensed under aCreative Commons Reconocimiento-NoComercial-SinObraDerivada 3.0 Unported License. Creado a partir de la obra enhttp://lasleyesespirituales.blogspot.com.es/.
本書に修正を加えず営利目的にしない条件で、現在利用可能な全ての媒体によって、本書全体またはその一部の複製を許可するものとする。

 

 

【本文転載開始】



「魂の法則」





第一の法則: 進化の法則

? 魂の目的は、果てしなく永遠に進化し続けること。

? 何において進化するのか?

愛と叡智において。

愛なくして進化はない。愛なくして叡智はない。

愛なくして幸福はない。

? 進化は、各人の意志と努力にかかっている。


霊的世界


*最初に、魂の命は生まれた時に始まるのではないと言われましたよね。

 その通り。

*生まれる以前には何があるのですか。

 死んだ後と同じ、「生」だ。物質界に縛られない生の期間と、赤ん坊に転生して物質界に戻ってくる期間とを、交互に繰り返している。

*それでは、誕生をもって「生」が始まるのではないのですね。


 それはちがう。

*僕たちは皆、今生の前にも別の「生」を生きたのでしょうか。

 そういうことだ。

*それでは、生まれる前はどこにいることになるのですか。

 霊界だよ。

*そして、死んだ後はどうなるのですか。

 魂は肉体を離れて、元いた霊的世界へ帰る。つまり、物質に縛られることなく生き続けるのだ。

 別の表現で要約すれば、霊界から来た魂は、生まれたばかりの赤ん坊として転生して物質界と繋がり、肉体の死を迎えるまで物理的に生きる期間を過ごす。死の瞬間に肉体との絆は切れて、霊界に戻る。

 人がどこから来てどこに行くのかについての秘義は、「天に昇った者はいないが、天から降りてきた者はいる」という簡単だが非常に奥深いくだりによってイエスが公言していた。これは、ヨハネの福音書三章十三節(3, 13)に記載されているが、今までその意味が完全には理解されることはなかった。

*でも、どういう状態でその霊界に戻るのでしょうか。つまり、目覚めた状態なのですか? 自分たちに起きた事を自覚しているのでしょうか、それとも複数の宗教で信じられているように「最後の時」のような事態になるまで昏睡状態でいるのでしょうか。

 昏睡状態どころか、転生している時より霊界にいる時の方が、現実をずっと良く自覚しているのだ。肉体を離脱することで、魂が意識を失ったり、寝ぼけたままの状態になるのだと考えてはいけない。各魂の進化
程度と死の状況によって期間が異なる、一種の混乱期を経るとは言え、魂は霊界で真の生を見い出し、色々な事を自覚するのだ。その中には、何が転生の目的であったのか、ということも含まれる。

 霊界は君たちの世界以上に実体のあるところなので、もちろん、他の存在と一緒に関わる業務もある。実際のところ、君たちの世界というものは、霊界の実像が歪められて投影されたものに過ぎないのだ。

*でも、正確にはどこに行くのですか。

 普通はどの魂も肉体を捨てると、各自の進歩状況に応じた次元の霊界に行くことになる。そしてそれは、生存中にどれだけ「愛の法則」に見合う行為をしたかで決まる。魂の最終目的地は、いつも霊界の故郷に戻ることだ。

 しかし、他の生き物を酷く苦しめる行為をした犯罪者の魂などは、その行いが足かせとなって、下層アストラル界の低い波動レベルに囚われてしまうのだ。

 それとは全く逆に、我欲の大部分に打ち勝つことができ、愛情に満ちた行動をした魂は、上層アストラル界の一番高い波動領域まで昇っていけるのだ。

 この二つの極端な例の間には、無数の中間層が存在しているのだが、どこに行くのかは、それぞれの魂の霊性レベルと、どれだけ「愛の法則」に沿った行いをしたかによる。

*話が分からなくなってきたので、少し待って下さい。「波動レベル」が何を意味するのか説明していただけますか。それが、進化の状態とどう関係があるのですか。

 波動レベルは、魂の進化状態がエネルギー次元に反映されることだ。

 愛がアストラル次元、つまりエネルギー次元で顕れると、波長が高いと言える。従って高振動の波動は、愛の能力が高く、エゴを脱却できた進化した魂のエネルギー体のものだ。

 低周波の波動は、まだ我欲で行動している進歩のみられない魂につきものだ。

 この両者の間に、中間的な進化段階にいる魂たちが存在していて、波動レベルも中ほどなのだ。

どの魂も肉体を離れた後は、それぞれの進化レベルに応じて、自己の波動レベルに相当する次元に移行するのだ。

*全く理解できません。霊界や、波動レベルや、エネルギー次元や、下層・上層アストラル界についてのお話ですが、僕には定義が曖昧すぎて、正確には何を意味するのかも、何を言わんとするのかも分かりません。

 霊界というものがどういうところで、そのようなエネルギーの波動レベルがどこに位置するのか、また、アストラル下層とか上層とかが何を意味するのか教えて下さいますか。

 肉体に制限されて全体を捉えられない者に、霊的世界を詳細に描写するのはとても難しい。それは、生まれつき眼が見えない者に、色とはどういうものかを説明するようなものだ。

 だが、霊界については幾つかの点を、特に宗教上の観念や信念が実際とは異なる歪んだ概念を与えてしまった領域を、できる限り明らかにしてみよう。

 先ず最初に、霊界というものは、霊魂がどこに行ったらいいのかも分からずにさまよい続ける形のない薄ぼけた空っぽな世界ではない、と言っておこう。霊界は実体があり、魂の本当の故郷で、常に存在し今後も存在し続ける触知可能な世界であり、始まりと終わりのある物質界と違って、破壊されることがない。

*そんなに実体のあるものなら、どうして見ることができないのですか。

 君たちに見えないからといって、存在しないことにはならない。肉体を持っている時に君たちが知覚できるのは、物理的感覚で捉えられることに限定されてしまう。

 例えば、君たちは光を、様々な周波数で振動する波動として定義している。だが、君たちが見ることのできる光の範囲は虹の七色に限定され、下限の赤色から上限は紫色までの周波数に限られる。

 しかし見ることはできないが、機器を使えば君たちにも察知可能な、この周波帯以下、あるいは以上の光も、同じように存在している。

 紫色の周波数の上には、紫外線やX線やガンマ線がある。赤色の周波数の下には、赤外線やマイクロ波やラジオやテレビの波長がある。
霊的世界を知覚する場合も似たようなことが起こる。光の波長分析に従えば、霊界は君たちが知覚できない周波域内に存在していて、この領域の中にも高低まちまちの波長があると言える。

*でも存在するのなら、何かによって構成されている筈ですが。僕たちの世界の物質は、色々な度合いや形状にまとまった様々な種類の原子から成り立っていて、それらの原子の組み合わせで物質が生まれ、それによって特定の物理的な性質を持った世界が造られていますよね。霊界の場合には、全ての基となるような素材があるのでしょうか。

 あるよ。「生命の本質」とか「魂の素」とか呼んで構わない。

*どんな性質をしているのですか。

 それを説明するのは複雑だが、理解できるようなヒントをあげよう。
アルベルト・アインシュタインの研究とその後の量子物理学の進展により、物質とはエネルギーが凝縮された形態に過ぎず、原子よりも小さな粒子に分解でき、分解によって、物質の一部が光に変化することが分かった。

 従い、光と物質が、別々の事物に見えるほど大きく異なる性質を持つとは言え、両者の違いは本質的なものではなく、構造と凝縮度合いの違いによるのだ。

 理解し難いなら、水に起こることをイメージするといい。水は構成要素が変わらないにも関わらず、微粒子の動き具合やその振動状態の違いによって、固体(氷)、液体、気体(水蒸気)と、それぞれの状態で大変異なる性質を見せるだろう。微粒子は氷において最も静止しているが、液体の水ではそれほどではなく、水蒸気では更に活性化している。
この例をモデルにすると、物質世界というのは、「生命の本質」が最も凝縮された形態であって、物理学が見い出そうとする諸法則に従った一連の性質は物質世界で顕れるのだと言えるのだ。

 しかし純粋に霊的な世界と物質界との間には、濃度の中間的な階層が存在している。一番希薄なものから最も濃密なものへと、順に、霊界・メンタル界・アストラル(エネルギー)界・物質(物理)界にまとめられ、その各々に特性があり、独自の法則がある。これらの世界はお互いに孤立しているのではなく、完璧な相互関係があるので、濃縮された形態の世界が精妙な形態の世界と無関係に存在することはない。

*それなら、「アストラル界」と「霊界」の定義には違いがあるのですか。時々、両者を同義語として使われているように思えるのですが。

 違いはあるよ。霊界というのは、全てが生まれ出る次元であり破壊されることはないが、アストラル界は、霊界がエネルギー次元に具現化したものだ。つまり、物質界ほどではないにしろ、ここでの「生命の本質」はもうかなり濃縮された形である。アストラル界は変容し、定期的な再生と衰退の過程がある。

 確かに私は「霊界」という言葉を、君たちの世界を指す「物質界」の対比語として、君たちには捉え難い三つの精妙な世界(霊界・メンタル界・アストラル界)をまとめて指すために使用することがある。どの用語を使用するかは、文脈やどの面をどう強調したいかによる。

 私は普通、「霊界」という言葉をより広い意味で使用するが、「アストラル界」は、物質界に近い見えない世界のことなので、より具体的な用語だ。

*少しはイメージできましたが、アストラル界と言う時は、具体的には何を指しているですか。

 どの惑星もエネルギー的に対応するアストラル球体と繋がっている。
これは物理的な惑星の上に覆い被さっていて、大きさはずっと広いもののずっと繊細な性質をしている。物理的な惑星がコーヒーの豆粒ほどの大きさだとしたら、アストラル的惑星の大きさはサッカーボールに相当する。だがエネルギーの性質上、コーヒー豆はサッカーボールの中心となる。物理的な惑星は、アストラル的惑星からエネルギーを貰うことでその構造と機能を維持しているので、アストラル球体をなくしては存在できない。

 このアストラル界には様々なレベル、つまり密度の異なる色々な波動層があるが、物理的な惑星の表面に近い層が最も濃密で、繊細になればなるほど表面からは遠ざかる。

 それぞれの層には、独自の地質的な構造と自然がある。より精妙な層の自然の方が、粗雑な層のものよりも美しく完全だという差はあるが、どれもに谷や山や河があり、動植物もいる。物質界の自然は、アストラルの自然が不完全に投影されたものだと言えるし、物質界に存在するものは全て、それ以前にアストラル界で実験済みなのだ。

*アストラル的惑星には、生命が存在するのですか?

 アストラル球体または惑星は、生命に溢れ、地球と繋がりのある霊魂や転生していない様々な命の故郷なのだ。

 君たちの物質界で生まれる大多数の者の源点であり、死ぬ者たちの目的地だ。先ほど、魂は肉体を離れると霊界に戻ると言ったが、通常は、自分の霊性に応じたエネルギーレベルに見合う、アストラル惑星内の波動レベルのどれかに移行するのだ。

 今、私達はその中の一つにいる。君が今、自分の周りで見ている自然は、この波動レベルに特有なものだ。

*アストラル界に霊魂が住んでいて、それらが地球に生まれ変わるのですね。その世界と住人についてや、死後にアストラル界のどのレベルに行くかが何によって決まるのかについて、もっと知りたいのですが。

 そうだ! それに、アストラル界の上層とか下層とかが、何を意味するのかまだ教えて下さっていないので、早くそれを説明いただけませんか。

 よし! すでに言った通り、アストラル界の波動帯の各々には霊魂が住んでいるので、彼らもまた天然の素材で独自の文明を創ったのだ。
魂が進化していくと、つまり、エゴを解き放って愛情深くなるにつれ、愛に基づいた行為が自己の波動を高め、それによって、新しい進化レベルに見合った振動領域へと上昇していくことができる。

 この波動対応という法則によって、精妙な性質の進化した魂ほど、地上表面から離れた更に繊細な波動領域に住むこととなり、一方、段階的により濃密な層へと降りるにつれて、だんだんと、進歩が少なく性質の重い魂が住む共同体に行くことになる。結果として、精妙な層の方が重たい層よりも、道徳面でも技術面でも進んでおり、文明もより完全なものなのだ。

 独断的な区分に過ぎないが、これらの異なる波動レベルを、振動が高まり密度が薄くなっていく順番に、アストラル下層・中層・上層に分類することができる。

 アストラル上層の霊魂たちは、魂の目的が何であるかを完全に自覚しており、意識的な進化の段階にいる。彼らは、自己の意志と努力の全てを霊的な進歩に向けており、多くの場合に気づいてもらえなくても、進化の劣る他の魂の進歩を手助けすることに注力する。彼らは、基本的にこのことに時間を費やしているのだ。

 下層アストラルには、霊性進化の乏しい霊魂がいるが、彼らは、まだ若い魂だったり、進化の初期段階にいる者や、何度も転生して知的発達は遂げているものの感情を育めなかった者などだ。

 中層アストラルには、中間的な進歩段階の霊魂がいる。地上に転生している魂の大半は、肉体を捨てた後にここに行くことになるのだ。もっともそこに行き着くまでに、生存中の「愛の法則」への違反行為によって、多くの者が一時的に下層アストラルに勾留されて、そこである程度の期間を過ごす必要があるかもしれない。

*お話を聞く限りでは、アストラル下層界は地獄、上層界は天国、そして、中間層は煉獄に匹敵するのではないですか。

 地獄、煉獄、天国などの概念こそ、私が話している霊的な実相が大いに歪められたイメージであり、実体と似ている点はほとんどない。

 実際のところ、アストラル上層に達することができた魂は全て、昔は下層界にいたことがあり、中間層を通ってきたのだ。そして彼らが、上層に到達できたのは、自分自身の努力で、愛における霊的成長を遂げて波動レベルを高め、現在の領域に住むに値するようになったからだ。
そして下層アストラルの全ての霊魂も、充分成長できれば霊性進化の計画通り、いつかはアストラル上層域に住めることになるのだ。従い、牢獄の役目をするように創られた場所など存在しないし、下層界にいることで経験し得る苦しみも、永遠には続かない。

*でもあなたが言う通りなら、「悪者」はアストラル下層部に行くことになり、その場所で苦しむのではないですか。

 そうではあるが、アストラル下層の全ての住人が「悪者」とは限らないし、「苦しむ」訳でもない。

 また、「悪者」という定義も不完全なものだ。知力のみにおいては進歩したが愛に関してはほとんど成長していない、怠惰な魂、と呼んだ方が良かろう。

 先ほど話したが、霊的進化の初期段階にいる原初的な霊魂も、自由意志を持った個別の存在として、アストラル下部に住んでいるのだ。このような未熟な霊魂は、似た波動同士で集まり、同じ層に住んではいても怠惰な魂とは交流がなく、それぞれが別々に離れた地域に住んでいる。原初的な霊魂にとっては、そこが自己のレベルにふさわしい環境なので、アストラル下層にいることを不幸だとは感じていない。

 苦しむのは、怠惰な魂の方だ。なぜなら、愛を与えなかったとは言え、原初的な霊魂よりも敏感に感じ取れるので、愛の欠如に気づくと辛いのだ。彼ら自身と同じように自我の強い者を仲間として暮らすのが、辛いのだ。より良い生を垣間見ており、自由意志を誤用し他者を傷つけたせいで自分が惨めな状態に置かれていることを知っているので、苦悩するのだ。

*あなたが言うことを想像するのは難しいです。

 アストラル下層界にいる原初的な魂と怠惰な魂との感じ方の違いが分かるように、君の世界での例を挙げてみよう。

 密林に置き去りにされた猿人と西洋人との違いを想像してごらん。猿人はジャングルの中に溶け込んで完全に幸せに暮らせるのに、文化的生活の利便性に慣れた西洋人にとっては、密林の中で生きるのは拷問のように酷く辛いことだろう。

*そんなに酷い場所なら、どうして下層アストラルが存在するのですか。

 それは宇宙には、最も原始的なものから最も進化したものに至るまで、全ての存在にふさわしい場所があるからで、君たちと同レベルの惑星では、感情の学習の初歩段階にいる者の故郷が、アストラル下層だからだ。

 また下層界は、「愛の法則」に反した行いをした魂に特別に設けられた場所でもない。それが酷いものなのは、入植者が環境を尊重しなければ天然の土地もゴミ捨て場と化してしまうように、そこにいる者自身の低い霊性から放たれる波動が、息詰まるような居住環境を生み出したからなのだ。

*アストラル下層の霊魂についての話なので興味があるのですが、悪魔やサタンは存在するのですか。

 常に悪に従事する霊魂などいないし、サタンにつきものとされる全能な破壊力を持つ者など、なおさらだ。

 アストラル下部に住む霊魂は、感情面でほとんど進歩していない魂だ。それはもう話したように、彼らが幼い魂だったり、またはある程度古い魂であっても、感情を余り成長させることができなかったからだ。

 アストラル下層にとても知的な魂がいたとしても、その知能を他の魂に害を与えることに使用して、まだ感情を発達させていないのであれば、賢いとは言えない。なぜなら、叡智というのは感情を知ることで生まれるものだからだ。そして、我欲にまみれて幸せを知らない彼らは不幸なのだ。

 我欲を克服して愛を知った他の魂が、叡智と至福に到達したのを直感し、自分にそれらがないのを嫉妬して、肉体に宿った同胞の霊的進歩を力の限り妨害し、愛から溢れ出る至福を他者にも味わわせまいとする。スペインのことわざにもあるように「大勢の人の不幸は愚か者の慰め(他人の不幸は密の味)」となるのだ。

 そのため、組織的に肉体を脱いだ者の成長を妨げて、後継者を得ようとする。だが、肉体を持つ者に及ぼせる力は、肉体を持つ者が影響を甘受しない限り、かなり制限される。

 しかも、彼らの存在できる領域は、低い周波帯に限定されている。高い域に達するには愛さねばならないのだが、それを拒否して、自分自身で低レベルに滞留するのだ。そして「全員がリーダーになりたい」という欲を持っているため、常に縄張り争いに悩まされている。

 しかしこれらの魂は大変不幸なので、遅かれ早かれ、「悪者」でいるのが嫌になって、この状況から抜け出ようとする。すると、このような居心地の悪い領域に隣接した地帯に救助所を設けている、より高い領域の魂たちに救出されるのだ。

*幽体(アストラル体)離脱についての話の時に、肉体に宿った魂は、ひと度肉体から解放されると、ほとんど一瞬にして思考が赴く場所に移動できる、と言われましたよね。

 そうだ。だが、自分自身の振動レベルと同調できる範囲内でだ。

*肉体から離れた魂は、アストラル界の異なる領域を自由に行き来することも可能ですか。

 高次元の魂ほど自由に動き回ることができ、君たちが沼地を歩く時のような不快感はあるものの、下のレベルに降りることができる。

 下層の魂は自己の波動レベルを高めない限り、自分より上のレベルに行くことができない。霊的に進化した時にのみ、そうできるようになるのだ。それゆえ、違うレベル間での魂の交流は、常に、より進歩した者が低い域に降りることで成り立つ。

 アストラル下層の濃密な地域では「アストラル物質」の振動数が大変低く、物資界に酷似しているので、ここに住む魂は、肉体を持った人間のように制約された暮らしをしており、周辺を移動するのが困難なのだ。

 だが、アストラル上層の魂は、自由に移動できる。もっとも、アストラル下層に顕現してそこの住人に認知されるためには、波動調整をしなくてはならず、これは、君たちが煙に充満する部屋の空気を吸わなくてはならない時のように苦痛を伴うものとなる。

*どうしてレベル間の区分があるのですか。

 アストラル界の性質上、元来区分けはされていて、それによって進歩の乏しい魂が愛が司る高い周波領域に介入して、そこの住人に害を及ぼすことを阻止しているのだ。

*でも、これらの波動領域には何らかの接点があるのでしょうか、それともお互いに完全に分離しているのでしょうか。

 これらの区分けは急激なものではなく緩やかなものだ。大気の濃度が地表を離れるにつれて薄くなっていくのと同じように、「アストラル物質」の密度もそうなるのだ。

 アストラル界の様々な共同体は、前に述べたような制限があるものの、お互いに交流し、魂も行き来している。つまり、進歩した者が自由に、自己と同等、またはそれ以下のレベルの間を移動できる一方で、余り進歩していない者は、霊的に進化して波動レベルを高めることによってのみ、上方のレベルに達することが可能だ。

 中間層の共同体は、更に高度な霊的な法則に従って共同体を組織できるように、上層共同体から手助けされて、霊的・技術的なアドバイスを受けている。またその傍ら、中間層の共同体からは、下層界の波動領域を抜け出す準備が整った魂たちの救助隊が出動する。準備が整った魂は、自身が犯した罪を自覚して、後悔して改善したいと思い、その状況から抜け出せるように心から援助を要請したという訳だ。

*救助の任務とは具体的にどういうものですか。

 イメージが掴めるように言えば、進歩した魂の共同体は一種の霊的なNGOのように活動し、困窮状態に苦しむ魂を支援したり救出するために下層に降りる。戦闘員の待ち伏せによる爆撃で負傷した市民や、戦争や飢餓や自然災害などで荒廃してしまった地域から逃れて来た避難民を救出することに似ている。

 このために、アストラル下層と中間層との境界域に、病院・避難所・学校などを造って、低い波動帯から救出されたばかりの魂の面倒を見て、再教育をする。救出された魂はこれらの場所に、自己のリハビリに必要とされる期間だけ留まるのだ。

 そしてひと度回復すると、その多くの者が、下層の苦しむ魂の世話や救出という、自らも恩恵を受けたのと同じ仕事に就いて活躍する。それによって彼らは自分が役に立つのだと感じ、少し幸せな気持ちになれるのだ。なぜならそれは、自分がしてもらったことへの恩返しともなるし、身をもって体験したばかりなので同胞の苦しみが完璧に理解できて、心から助けてあげたいと願っているからだ。

 他者に対する愛の行為は波動を高めるので、こうして自分自身をも助けることとなるのだ。そして、適切な振動レベルを取り戻した後に希望するのであれば、魂の故郷に戻ることができるのだ。【本文転載その④終了→その⑤に続く】