飄(つむじ風)

純粋な理知をブログに注ぐ。

100929鈴木宗男・検察を語る!!

2010-09-30 19:54:33 | ブログ

少々長い!!
しかし、必見の生情報、
真実は生情報にしかない!
残念ながら、そういう日本にになってしまった。

 

 

 『緊急シンポジウム【鈴木宗男・検察を語る】』が、9月29日(水)に開かれた。主催したのは、小沢一郎議員を支援する会と言う、草の根運動の会だ。

2

 

 

 そこに収監間際の鈴木宗男議員(元)を呼んで、上記のシンポジウムとなった。ここには、あの三井環大阪高検元調査部長も一参加者で来られて、発言もされている。

1

 

 

 圧巻だ!

 

 

 3時間近い長丁場だが、視聴する価値はある。且つ、面白い。真実を確認する絶好の情報だ。全部一気に視聴するのも大変だろうが、飛ばし飛ばし視聴するだけでも、目が開ける。真相が啓ける。

 

 

 且つ、マインドコントロールを解く、特効薬がここにはある。マインドコントロール? 云わずと知れた、マスゴミのマインドコントロールだ。マインドコントロールが解けると、感動が蘇る。

 

 

 

100929鈴木宗男・検察を語る
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不思議な少年!! その85

2010-09-30 15:42:24 | 物語

イエス会堂で語る。霊の力で一婦人をいやす!! 


 神は霊である。これを否定する者は少ないであろう。そう確信する者は多くはない。只、ぼんやりとした存在を感じているか、信じている者は多い

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記事に無関係>  

 

 人も霊である。霊は魂に宿っている。魂とは霊の宿る社である。それが人間であるなら、人と神は一体である。その霊が一体人間のどこに宿っているのか? これには諸説ある。体の中心、胸、みぞおち、丹田etc.と言われているが、確認の仕様がない。霊は肉体の目では確認出来ない。希に霊の目の開けた人もいるらしいから参考にしたまである


 いずれにしても霊により肉体が支配されていることは、間違いないであろう。そして、それは神の霊と同質であるとしたなら、神と人間は一体であると云うことになる。神と人間の合一は当然のこととして、そのあり方を感得出来ないで居る。それがこれまでの人間だ。


 

 それを伝えるのは、先駆者イエスであると言うことが出来る。神は外にいるのではない。内に居るのである。それは生活において発現するという。極めて分かり易い話ではないか。決して、理解出来ない話ではない。


 イエスは語っている。

 『神は思想で宇宙を造り、云々』。 思想とは念である。思いである。人間も思念を純粋にすれば、同じ事が出来るはずである。


 現在の現象は、全て、人間の思念から生じている。良きにつけ、悪しきにつけ、その原因は人間の思想、思念であると言うことが出来る。神は静かに見守り給う。何故なら、同じ智恵、愛、力を備えて人間を造った。


 神が介在して、何事か為すというのは、間違いだ。既に介在して居るではないか。それは人間が霊であると言うことだ。その事を差し置いて、神を語ると云うことは、自らの存在を知らないからだ。だから、何でも神の所為にする。


キリスト者再び旅路につき、しばしサマリヤの町に留まる、イエス会堂で語る。霊の力で一婦人をいやす。イエスは姿をかくしたが、後ナザレに向う弟子たちと一緒になる。


 キリスト者はガリラヤに向って行ったが、サマリヤの町に達すると、群集は殺到して一行を取りまき、しばしなりとも自分たちの町に留まってほしいと懇願した。


 そこで一同は会堂に行き、イエスはモーセの書を開いて言った、「なんじとなんじの子孫によって世のすべての国民は祝せらるべし。」(創世記一八・一八)


 それからイエスは書を閉じて言った、「この言葉は万軍のエホバによって、われらの父アブラハムに告げられた。そしてイスラエルは全世界の祝福であった。われらはその子孫である。しかしわれらりに命ぜられた大きな業(わざ)の十分の一だもまだ成就されて居ない。

 万軍のエホバは神と人との合一を教えようとしてイスラエルを選び給うた。しかし自分で実際に生活してこれを証明しなければ、決して人に教えることは出来ない。

 われらの神は霊である。智恵、愛、力は彼にやどっている。すべての人々にこのような神聖な性質が芽をふき出している。時が来て花が咲き、証拠が完成し、そして人々は一致和合の事実を知るであろう。

 あなたがた会堂の司(つかさ)たち、あなたがた祭司たちは、万軍のエホバの名誉ある僕(しもべ)である。

 人々はすべて世に処する方法について、あなたがたの指導を期待して居る。模範とは祭司の別名である。それであるから、人々はかくあってほしいと思うように、先ずあなたがならねばならぬ。

 ひとりの人の単純公正な生活は、万人の魂を単純公正にするだろう。」


 人々は一同アーメンと言った。


 それからイエスは会堂を出て、タベの祈濤の時刻に聖林に登った。人々は一同その聖山に麺を向けて祈った。


 そしてイエスは祈った。


 彼が瞑想していると、ひとりの魂の声が助けを求めて彼の魂に語った。見れば、ひとりの婦人が痛く苦しみながら床に伏していた。今や死ぬばかりである。

 彼女は言葉は出せなかったが、イエスが神の人であると聞いて、心の中でその助けを求めたのである。


 イエスは助けてやった。彼は言葉を発しなかったが、閃光のように、大きな力が彼の魂から発して、瀕死の病人のからだを満たした。そして彼女は立りあがり、人々が折っている間に自分の親類と一緒になった。


 親類たちは、どうしていやされたのか、と尋ねたが、彼女は「分かりません。ただわたしの心のなかで、神の人にいやしの力を念じたところ、すぐよくなりました。」


 人々は、「神々は確かに世に来た、人間には思想でいやすカはないから」と言った。


 しかしイエスは言った、「天地間で一番大きな力は思想である。神は思想で宇宙を造り、思想によって、百合や薔薇の花を飾った。わたしがいやしの思想を送って、病気と死のエーテルを変じて、健康と生命のエーテルになしたとて、何の不思議があろう。


 見よ、あなたがたはこれよりもっと大きなことを見るだろう。聖なる思想の力によって、わたしのからだが肉体から霊体に変わるから。あなたがたも同様である。」


 イエスはこう言って見えなくなったが、誰もその行方を見なかった。


 彼自身の弟子たちすらこの変化が分からなかった。自分たちの先生がどこに行ったか知らないで、そこを去った。彼らが歩みながら、この不思議な出来事について語っていると、見よ、イエスは現われて来て、一緒にガリラヤのナザレに行った。


 

【宝瓶宮福音書:栗原 基訳】            

第十四部 イエ スのキリスト奉仕者としての第一年
 


第八十四章 キリスト者再び旅路につき、しばしサマリヤの町に留まる、イエス会堂で語る。霊の力で一婦人をいやす。イエスは姿をかくしたが、後ナザレに向う弟子たちと一緒になる。


1)キリスト者はガリラヤに向って行ったが、サマリヤの町に達すると、群集は殺到して一行を取りまき、しばしなりとも自分たちの町に留まってほしいと懇願した。

2)そこで一同は会堂に行き、イエスはモーセの書を開いて言った、

3)「なんじとなんじの子孫によって世のすべての国民は祝せらるべし。」(創世記一八・一八)

4)それからイエスは書を閉じて言った、「この言葉は万軍のエホバによって、われらの父アブラハムに告げられた。そしてイスラエルは全世界の祝福であった。

5)われらはその子孫である。しかしわれらりに命ぜられた大きな業(わざ)の十分の一だもまだ成就されて居ない。

6)万軍のエホバは神と人との合一を教えようとしてイスラエルを選び給うた。しかし自分で実際に生活してこれを証明しなければ、決して人に教えることは出来ない。

7)われらの神は霊である。智恵、愛、力は彼にやどっている。

8)すべての人々にこのような神聖な性質が芽をふき出している。時が来て花が咲き、証拠が完成し、そして人々は一致和合の事実を知るであろう。

9)あなたがた会堂の司(つかさ)たち、あなたがた祭司たちは、万軍のエホバの名誉ある僕(しもべ)である。

10)人々はすべて世に処する方法について、あなたがたの指導を期待して居る。模範とは祭司の別名である。それであるから、人々はかくあってほしいと思うように、先ずあなたがならねばならぬ。

11)ひとりの人の単純公正な生活は、万人の魂を単純公正にするだろう。」

12)人々は一同アーメンと言った。

13)それからイエスは会堂を出て、タベの祈濤の時刻に聖林に登った。人々は一同その聖山に而を向けて祈った。

14)そしてイエスは祈った。

15)彼が瞑想していると、ひとりの魂の声が助けを求めて彼の魂に語った。

16)見れば、ひとりの婦人が痛く苦しみながら床に伏していた。今や死ぬばかりである。

17)彼女は言葉は出せなかったが、イエスが神の人であると聞いて、心の中でその助けを求めたのである。

18)イエスは助けてやった。彼は言葉を発しなかったが、閃光のように、大きな力が彼の魂から発して、瀕死の病人のからだを満たした。そして彼女は立りあがり、人々が折っている間に自分の親類と一緒になった。

19)親類たちは、どうしていやされたのか、と尋ねたが、彼女は

20)「分かりません。ただわたしの心のなかで、神の人にいやしの力を念じたところ、すぐよくなりました。」

21)人々は、「神々は確かに世に来た、人間には思想でいやすカはないから」と言った。

22)しかしイエスは言った、「天地間で一番大きな力は思想である。

23)神は思想で宇宙を造り、思想によって、百合や薔薇の花を飾った。

24)わたしがいやしの思想を送って、病気と死のエーテルを変じて、健康と生命のエーテルになしたとて、何の不思議があろう。

25)見よ、あなたがたはこれよりもっと大きなことを見るだろう。聖なる思想の力によって、わたしのからだが肉体から霊体に変わるから。あなたがたも同様である。」

26)イエスはこう言って見えなくなったが、誰もその行方を見なかった。

27)彼自身の弟子たちすらこの変化が分からなかった。自分たちの先生がどこに行ったか知らないで、そこを去った。

28)彼らが歩みながら、この不思議な出来事について語っていると、見よ、イエスは現われて来て、一緒にガリラヤのナザレに行った。


【原文:The Aquarian Gospel of Jesus by Levi H. Dowling  

CHAPTER 84

The Christines resume their journey. They tarry a while in the city of Samaria.
Jesus speaks in the synagogue. Heals a woman by mental power.
He disappears, but later joins his disciples as they journey towards Nazareth.

THE Christines turned their faces toward the land of Galilee; but when they reached the city of Samaria, the multitudes pressed hard about them, begging them to tarry in their city for a while.
2) And then they went up to the synagogue, and Jesus opened up the book of Moses, and he read:
3) In thee and in thy seed shall all the nations of the earth be blest.
4) And then he closed the book and said, These words were spoken by the Lord of hosts unto our father Abraham, and Israel has been blessedness to all the world.
5) We are his seed; but not a tithe of the great work that we were called to do has yet been done.
6) The Lord of hosts has set apart the Israelites to teach the unity of God and man; but one can never teach that which he does not demonstrate in life.
7) Our God is Spirit, and in him all wisdom, love and strength abide.
8) In every man these sacred attributes are budding forth, and in due time they will unfold; the demonstration will completed be, and man will comprehend the fact of unity.
9) And you, ruler of the synagogue, and you, these priests, are honoured servants of the Lord of hosts.
10) All men are looking unto you for guidance in the ways of life; example is another name for priest; so what you would that people be, that you must be.
11) A simple godly life may win ten thousand souls to purity and right.
12) And all the people said,
Amen.
13) Then Jesus left the synagogue, and at the hour of evening prayer he went up to the sacred grove, and all the people turned their faces toward their holy mount and prayed.
14) And Jesus prayed.
15) And as he sat in silent mood a voice of soul spoke to his soul imploring help.
16) And Jesus saw a woman on a couch in sore distress; for she was sick nigh unto death.
17) She could not speak, but she had heard that Jesus was a man of God, and in her heart she called on him for help.
18) And Jesus helped; he did not speak; but like a flash of light, a mighty virtue from his soul filled full the body of the dying one, and she arose, and joined her kindred while they prayed.
19) Her kindred were astonished and they said to her,
How were you healed?
And she replied,
20) I do not know; I simply asked the man of God in thought for healing power, and in a moment I was well.
21) The people said,
The gods have surely come to earth; for man has not the power to heal by thought.
22) But Jesus said,
The greatest power in heaven and earth is thought.
23) God made the universe by thought; he paints the lily and the rose with thought.
24) Why think it strange that I should send a healing thought and change the ethers of disease and death to those of health and life?
25) Lo, you shall see far greater things than this, for by the power of holy thought, my body will be changed from carnal flesh to spirit form; and so will yours.
26) When Jesus had thus said he disappeared, and no one saw him go.
27) His own disciples did not comprehend the change; they knew not where their master went, and they went on their way.
28) But as they walked and talked about the strange event, lo, Jesus came and walked with them to Nazareth of Galilee.
【続 く】

 


鈴木宗男さんも本当なら無罪だ!!

2010-09-29 20:58:01 | ブログ

今般の大阪地検特捜部の証拠捏造事件は、
奇しくも、多くの目覚めを誘う!!
悪も極まれば、善を為すの類である.....。
結果論だが、そうでもなければ
マインドコントロールは解けることはなかったであろう!

 

 

 それを見事に表現した文章がある。またしてもヨッシーさんに教えて頂いた。
以下に転載する。傾聴に値する。

0006

 

 

 頑迷な捏造捜査の牙城も、これで大きく損壊した。自業自得だ。

 

 

 『検察は、真実を追究する場でなく、検察の作ったストーリーに準えて、如何に事件をでっち上げるか。』と言う、ある検察官のうそぶきが、まさに天下に馬脚を晒した格好だ。そして、それは違法な検察リークで世論をマインドコントロールしながら、念入りに仕上げていく。

 

 荷担するのは、紛れもなく、マスゴミだ。

 

 今回は、あまりに杜撰(ずさん)であった。知恵が回りかねた。自信過剰であった。それよりも、検察官の中にも良心の呵責で、嫌気が射す人間もいたと言うことだ。

 

 その内部告白がなければ、思うつぼであっただろう。これはまさに氷山の一角であると言うことに多くの者が気づいた。

 

 斯くの如く、気づいた。

 

 【転載開始】
私は騙されていた。ムネオを返せ!
http://www.asyura2.com/10/senkyo96/msg/311.html
投稿者 巨悪は検察にあり 日時 2010 年 9 月 28 日 13:55:38:
8wEVMR18S.Dgw

   

私は騙されていた。
検察は正義の味方だと思い込んでいた。
夢を見ていたようなものだ。
検事が証拠を改ざんしていた。
それを組織ぐるみで隠蔽していたとは!
そういえば公金を検察が横領していたという噂はどうなったんだ。
内部告発した検事に濡れ衣をきせて投獄したそうじゃないか。
検察は人の罪をけっして許してはならない。
当然、自らの犯罪もけっして許されない。
検事はまず盗んだ金を返せ。
それまで検察庁の業務を停止しろ!
私は騙されていた。
マスコミは公明正大だと思い込んでいた。
とんでもない、嘘の塊だった。
小沢一郎氏、鈴木宗男氏、その他多数!
彼らを中傷誹謗しまくった記事は、すべてでたらめ、嘘の塊だった!
私は、当初ネットを見ると、マスコミのことを、マスゴミと書いてあるのに強い違和感を持っていた。
こういう言葉遣いしか出来ない連中はろくなものではないと思っていた。
違っていた、彼らが正しかった。
痴漢の常習犯だと思っていた植草一秀氏が正しかった。
植草一秀氏に申し訳なかった。
マスゴミと呼ぶのが言葉の正しい使い方だった。

ちなみに、
読売新聞は、ゴミ売新聞、
朝日新聞は、浅卑新聞、
産経新聞は、惨刑新聞、
と表記するのが正しいそうだ。

先日、日経新聞(あいにく日経新聞の正しい表記法を知らない)を呼んでいたら、コラムにこんなことが書いてあった。
彼らの強い味方であり、貴重な情報源であった主任検事が逮捕されてしまったことが、彼らには、よほど残念だったのであろう。
しかし、公明正大な振りをしている彼らは、さすがにこれを正直に残念だとは書けないため、彼らはこう書いた
『この事件でほくそ笑んでいるのは、すねに傷もつあの人この人である』
日経をよく読んで、よく洗脳された読者は、『あの人この人』が、誰を指すのかすぐわかるのだろう。
私も、『あの人この人』とは、小沢一郎氏や、鈴木宗男氏を指すのだと思ったから、まだ洗脳が抜け切れていないのかもしれない。
私は騙されていた。
民主党のマニュフェストが実現されるものと思い込んでいた。
高速は無料になるし、子ども手当は全額支給されると信じて、民主党に投票した。
騙された。
票が欲しいための、明白な嘘だった。
『有言実行内閣』
と呼ぶのだそうな。
はじめについた嘘はすっかり忘れて、これからは嘘をつきませんと仰っている。
財源がない。これも嘘だ。
先日、激論クロスファイアーで、国民一人当たりのGDPが、
2000年の3位から、2008年の23位へと、
急速に落ちたのはなぜかと、各党の議員が集まって、不毛で、かつ難解な、さも賢そうな議論を戦わしていたが、
この間、そして今も、敗戦国日本の政府は、戦勝国アメリカの傀儡でしかないという視点がない。
アメリカにしてみれば、本店が苦しくなったから、調子がいい支店から利益を還流させただけのことである。
各党の議員たちは、こうしたアメリカと日本の関係を、本当に知らないのだろうか?
尖閣諸島での船長釈放に関しても、政府は堂々と見え透いた嘘を付いている。
地検が高検にお伺いをたて、高検が最高検にお伺いをたて、最高検が、そこで政治的判断をした?
主任検事逮捕で、倒産寸前の最高検にそんなことを検討している余裕は全くあるまい。
地検の判断に、政府の意向が反映されているのは、誰が見ても明らかなのに、
『検察当局の判断を尊重する』
と言い張る。嘘もつき続けると癖になるのだろうか。
でも、このことで、これまで『国策捜査はない』と言い張っていた嘘もばれた。
検察は、特に特捜は、アメリカ傀儡政権の意向を伺って行動する忠実な犬であることが明らかとなった。
私は騙されていた。
一番悔やまれるのは、騙されて、鈴木宗男氏を悪党だと思い込んでいたことである。
フォーク歌手の変なやつが、収賄政治家の味方をしていると思っていた。
有罪判決が出たあとにもかかわらず、愚かな北海道道民は、地元利益誘導型の政治家を選びやがったと思っていた。
私は間違っていた。松山千春が正しかった。北海道道民が正しかった。
身近に接し、鈴木氏をよく知っている松山千春は、北海道道民は、そして鈴木氏の家族は、
検察にも、裁判所にも、マスコミにも騙されなかった。
鈴木宗男氏に申し訳なかった。
松山千春氏に申し訳なかった。
北海道道民に申し訳なかった。
鈴木氏の家族に申し訳なかった。
しかし、もう私は、騙されない。
鈴木氏こそ、家族を愛し、北海道を愛し、日本を愛し、世界を愛す、真の政治家だった。
鈴木宗男氏は、収賄の有罪判決が出たあとに、北海道道民によって国会議員に選ばれている。
北海道道民は、判決が間違いであると決しているのだ。
それを、ペーパーテストが得意なだけの、非人間的集団に過ぎない司法官僚が否定していいのか。
厳しい大自然と共に生きる北海道道民の民意を否定していいのか。
鈴木氏の被選挙権を5年間奪うということは、鈴木氏に投票したいと願っている、鈴木氏を愛し、尊敬し、信頼する、北海道道民の選挙権を同時に奪うことになる。
日本は、国民に主権があるのではないのか。北海道道民に主権はないとでも言うのか!
鈴木氏の収監をけっして許さない。 【転載終了】


 しかし、宗男議員の下獄は止まらない。英明な君主なら、それを恩赦するだろうが、手続きの民主主義はそれを許さない。

 

 

 民主主義を標榜するなら、一人ひとりが、目覚めなければならない。最悪は、世の木鐸であるジャーナリズムの罪だ。この罪は大きい。一つのジャーナリズムが、万人を盲にする。そして、有為の人材を機能不全にする。



【転載開始】「冤罪救助請負人」 緊急対談

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「村木さんの事件は例外じゃない。鈴木宗男さんも本当なら無罪だ」

人呼んで冤罪救助請負人―。村木厚子元厚生労働省局長の無罪を勝ち取った弘中惇一郎弁護士(64)と、足利事件で菅家利和氏の冤罪を晴らした佐藤博史弁護 士(61)は、これまで検察権力と戦い無罪を勝ち取ってきた。新党大地の鈴木宗男前衆院議員の事件ではタッグを組んだ2人が特捜捜査を告発する。

佐藤 元厚生労働省局長の村木厚子さん(54=現・内閣府政策統括官)の事件の無罪判決は画期的でした。これまで、事件への関与を認める供 述調書を取られてしまうと、裁判で覆すのは非常に難しかった。しかし、今回、裁判所は「いくら具体的で迫真性のある調書でも、客観的証拠と符合しなければ ダメだ」と大阪地検特捜部のつくった供述調書を証拠としてほとんど採用しませんでした。その結果、控訴断念にまで追い込んだ。

弘中 まさか、捜査を主導する主任検事が証拠まで改ざんしているとは思いませんでしたが…。出廷した関係者全員が、捜査段階で作成された調 書を翻したことに加え、「意に反した調書を取られて悔しかった」と被疑者ノートに詳細に書きとめていたり、抗議の内容証明を送っていたり、客観的な証拠が あったことも大きかったですね。

佐藤 しかし、これで検察特捜部のあり方がクローズアップされ、鈴木宗男さん(62)の事件にも光があたるかと思ったら、村木さんの判決の3日前、最高裁は上告を棄却しました。私は何か国家の意思というものを感じましたね。

弘中 ええ。村木さんの事件も宗男さんの事件も構図としては同じですからね。まず、検察は関係者を呼びつけて長時間にわたって取り調べる。 しかも、話を聞くわけではなく、検事が自分の考えたストーリーに基づいた調書を突きつけて、「こうだったはずだ」、だから、「これにサインしろ」とやる。

佐藤 宗男さんの事件でも、わいろを渡したとされた製材会社幹部は、検事に「会社をつぶしたくなければ検察に協力しろ」と脅されて、意に沿わない調書に署名させられている。

弘中 客観的証拠を無視してつくられた事件、という点でも一緒ですよね。村木さんの事件で、検察は当初、障害者自立支援法をスムーズに成立 させたいがために、大物議員である民主党の石井一参院議員の口利きを受けた、というストーリーを描いていました。しかし、後に、その当時は障害者自立支援 法なんて影も形もなく、口利きを受け入れる動機にはなり得ないことが判明した。ところが、不思議なことに、09年6月7、8日の2日間に、村木さんの上司 や厚労省関係者が一斉に「障害者自立支援法案を通すために議員案件を受けた」という趣旨の調書を取られているんです。事実ではない供述を複数の人が一斉に 話すなんてあり得ない。確実に主任検事が「こういう調書を取れ」と号令をかけたんです。

佐藤 私が手がけた別の東京地検の事件でも同じことがありましたよ。検察の常套(じょうとう)手段なのでしょう。ある特捜部経験者がこんなことをリポートに書いています。特捜部の捜査というのは「鵜飼(うか)い」であると。特捜部の調べの信用性というのは、まったく先入観や情報を持たない検事が鵜のように集めてきた証拠や供述を、鵜匠(うしょう)にあたる主任検事がパズルのように当てはめていく。パズルが一枚の絵になったときに「真相」として報告するのだと。個々の検事は冒頭陳述を聞いて、初めて事件の全体像を知るのだというのです。

弘中 ある意味、それは真実に迫る方法ではありますよね。しかし、村木さんの事件では、その鵜匠自らが、関係者の調書をコピーして検事全員に読ませたり、絵に合うように証拠(フロッピーディスク)を改ざんしたりしていた。

佐藤 主任検事は、中立的な判断を求められる一方で、逮捕した被疑者を必ず、起訴・有罪にしなければならない、という重責を負わされているからでしょう。特捜部には組織としてブレーキをかける役割の人間がいないのです。

弘中 ええ。この事件も前田(恒彦検事)さんが単独でやったこととは思えません。

佐藤 ただ、なぜ村木さんの事件は無罪判決が出て、宗男さんの事件はダメだったのかを考えると、やはり、村木さんの裁判は弘中先生が捜査段階から接見を続け、アドバイスされたことが大きいのではないでしょうか。

弘中 東京から大阪まで20日間、接見に通いましたからね。やはり捜査弁護、一審弁護でしっかりした戦いができるかどうかが重要だと思いま すね。身柄を拘束されるというのは異常な状態ですから、目の前に保釈をぶら下げられたり、検事に「否認を続けると刑が重くなる」と脅されたりすると、本人 だけで戦うのは困難なんです。

メディアと特捜 性格が似ている


佐藤 その意味で宗男さんの一審についた弁護士は、いわゆる「ヤメ検」だったのですが、腰砕け状態でしたね。検事に呼ばれて「ガサ(家宅捜査)かけるぞ」などと脅され、公判でも検察に遠慮した弁護に終わってしまった。

弘中 事件関係者との信頼関係も大切ですよね。宗男さんの場合は、一審の段階で贈賄側とされた製材会社関係者との信頼関係が崩壊していて、法廷で明確な証言をしてくれなかった。また、残念なのが、非常に重要な証人の一人は亡くなり、もう一人は過酷な取り調べで脳梗塞(こうそく)を起こし、話せなくなってしまったことです。

佐藤 05年に公判前整理手続きが導入されたことで、「証拠開示」が行われるようになったことも大きいですよね。昔は、検察は調書をたくさ んつくって、都合のいい調書だけを出してきていましたが、今は出廷する証人の調書はすべて出さなければならなくなった。身柄を取られている人は、すべて取 り調べ時間も記録される。以前より、捜査のプロセスがよくわかるようになりました。

弘中 確かに、宗男さんの事件のときは取り調べ状況もわかりづらかった。

佐藤 特捜部をここまで肥大化させたのはメディアの責任も大きいでしょう。宗男さんの事件も、新聞やテレビは「宗男は極悪人だ」という印象 を与えるような記事を書き立てました。ですが、当時、宗男さんがかかわったと、メディアが書いた数十にものぼる罪はどれ一つ立件されなかった。

弘中 メディアと特捜部は似ているんですよ。自分たちを正義だと思っていて、真相というものがあると信じ込んでいる。だから、被疑者は極悪 であるというストーリーを描いてしまう。都合の良い部分は膨らませ、悪い部分は使わない、わかりやすい話にしてしまうのです。そうした性格が似ているもの だから、検察からリークを受けると喜んで書いてしまう。

佐藤 ロッキード事件でも、作家の立花隆さんは、検察と一体になって田中角栄をたたき、ジャーナリストとして名をあげましたし。

弘中 そのメディアの報道を世論が後押ししたというのも大きいでしょう。特捜部が狙うのは国会議員という権力者である宗男さんをはじめ、ライブドア事件の堀江貴文さんやロス疑惑の三浦和義さんなど、お金持ちだったり、女性にモテたり、という庶民の嫉妬(しっと)心をあおる人だから。

佐藤 その意味でも、村木さんは特異でしたね。地方大学出身で、手がけてきた仕事は労働問題や障害者雇用でしょう。庶民が味方しやすかった。

弘中 主任弁護人として、私が今回、もっとも問題だと思ったのは、事情聴取の段階で、検察は村木さんの無罪を知っていたにもかかわらず、控訴を取り下げなかった。その勇気がなかった点です。

佐藤 まだ、検察は無謬(むびゅう)だという幻想にとりつかれているんでしょう。村木さんの事件が明らかにしたのは、特捜部の捜査のあり方が間違っているという事実です。これを機に、宗男さんの事件や特捜部のあり方についても見直す必要があると思います。

(10月8日発売週刊朝日24~25頁)
【転載終了】

大坪前部長、佐賀前副部長を犯人隠避罪で逮捕、勾留、起訴へ!!

2010-09-29 16:43:23 | 植草一秀

今回は、転載記事が多いが、悪しからず!!
拡散が目的である!
矮小化してはならぬ検察事件!!


 三井環さん頑張っている。30日というと明日までだ。心ある方は、協賛願う。勿論、投稿者も共同申立人に加わる。本名で加わる。

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 検察暴走を止めなければ、明日の自由な日本はない。


 真実もない。


 闇しか残らない!!


 単純な論理だ。


 今がチャンス! 起つべき時に起つ!! 乞う!


【転載開始】三井さん熱烈呼びかけ!あなたも検察処罰求める三井申立書の申し立て人に! 9/30正午までに氏名連絡う!
http://www.asyura2.com/10/senkyo96/msg/383.html
投稿者 ヒゲ-戸田 日時 2010 年 9 月 29 日 08:32:41:
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 今こそ腐敗検察を殲滅する大チャンス! 三井さんが燃えてます。
 昨日、三井さんから戸田に電話があって、「10/1に検察官適格審査会に対して
村木さん冤罪に関与した検察官に厳罰を求める『申立書』を出すので、それへの
共同の申立人を戸田さんからも募って欲しい」との事でした。
 ネット掲示板に自分の事務所の住所・電話・FAXだけでなく、携帯電話番号も
全部公開してくれ、との凄い決意でした。

 告発状全文を下に紹介しますので、必ず通読して下さい。(かなり長文)
 賛同人募集の要点を述べます。
  ■共同申立人になる申し込みにあたっては、氏名と職業・肩書きの通知のみでよい。
    ・「職業・肩書き」に関しては、「会社員、公務員、無職、学生、自営業、団体役員」等々、簡単な記述でよい。
    ・住所や電話については不要。
  ■申込は、三井事務所メール info@syowakikaku.com まで。
  ■事務処理上の必要上、提出前日の9/30(木)の正午までに必着とする。
    出来るだけ早く申し込みを願う。

  ※申立人の数が多いほど効果がある。数百人、千人規模での申立人を!【転載終了】※最下段に審査申立書必見!!




【転載開始】主任検事、意図的な改ざん認める供述

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主任検事、意図的な改ざん認める供述

 大阪地検特捜部の検事が証拠を改ざんしたとされる事件です。証拠隠滅の疑いで逮捕された主任検事が最高検の取り調べに対し、証拠を「わざと書き換 えた」と意図的な改ざんを認めたうえで、当時の特捜部長らにも「わざと改ざんしたことを報告した」と供述していることが関係者への取材で新たに分かりまし た。

 この事件は大阪地検特捜部の主任検事、前田恒彦容疑者(43)が証拠として押収した、フロッピーディスクのデータを改ざんしたとして、証拠隠滅の疑いで逮捕されたものです。

 前田容疑者は当初、最高検察庁の取り調べに対し、故意に改ざんしたことを否認していましたが、一転して「データをわざと書き換えた」と意図的な改ざんを認める供述を始めたことが関係者への取材で新たに分かりました。


 さらに、関係者によりますと前田容疑者は取り調べに対し、「わざと書き換えたことは上にも報告した」と故意に改ざんしたことを、当時の特捜部長と副部長に伝えたことも供述しているということです。


 最高検では28日、当時の特捜部長と副部長に続いて、大阪地検トップの小林敬検事正と当時のナンバー2、玉井英章・次席検事からも事情を聴いていて、上層部がどこまで問題を把握し、隠蔽する意図はなかったかどうか、調べる方針です。(29日12:03)【転載終了】


       

【転載開始】前特捜部長ら逮捕へ 犯人隠避容疑、最高検

      
      
       

                  

 大坪弘道・前大阪地検特捜部長

               
                 
      

               

 大阪地検特捜部の押収資料改ざん事件で、大坪弘道前特捜部長(現京都地検次席検事)と佐賀元明前副部長(現神戸 地検特別刑事部長)が、逮捕された主任検事前田恒彦容疑者(43)が故意にフロッピーディスク(FD)を改ざんしたと認識していたことを示す複数の証言 を、最高検が地検関係者から得ていたことが28日、検察関係者への取材で分かった。

               

 2人がその後、地検上層部に故意の改ざんを隠ぺいして報告していたとの証言もあり、最高検は週内に最終協議、2人を犯人隠避容疑で逮捕するとみられる。

               

 検察関係者によると、佐賀前副部長は1月30日、副部長室に集まった前田容疑者の同僚検事4人から、同容疑者が故意にFDを改ざんしていたと聞かされた。

               

 その後、佐賀前副部長は東京地検特捜部に応援に行っていた同容疑者に電話をかけ、故意の改ざんであったことを知らされたとみられ、「FDにまで触らせてしまうとは苦労掛けたな」と発言。同僚検事4人のうち2人がその場でやりとりを聞いていた。

               

 最高検は、大坪前部長や佐賀前副部長が地検上層部にFDの改ざんが故意であることを意図的に伝えなかった疑いがあり、刑事責任を問えるとして検討を進めている。

             

2010/09/28 14:07   【共同通信】【転載終了】

 

【転載開始】2010年9月29日 (水)

Photo

最高検による証拠改ざん巨大組織犯罪隠滅を許すな

大阪地検特捜部の主任検事の前田恒彦容疑者が押収した証拠を改ざんした疑いで逮捕された事件について、大阪地検特捜部大坪弘道前部長と佐賀元明前副部長の逮捕をめぐって、検察当局が不正な犯罪もみ消しを画策している。
 
 9月28日のNHKニュース9は、北朝鮮情勢の報道に20分もの時間を割きながら、検察ぐるみの巨大犯罪についての報道をほとんど行わなかった。
 
 NHKは検察当局と連携して犯罪もみ消し工作に動いているが、 報道機関として極めて悪質な行動である。これまでの報道においても、裏付けの取れていない、検察ぐるみの犯罪であることを否定する、恐らく検察当局が創作 したストーリーをそのまま報道し、検察ぐるみの犯罪であることを立証する決定的証拠について、これまでほとんど報道していない。
 
 検察当局の犯罪を摘発すべきことは当然だが、NHKの偏向した報道姿勢を国会で厳しく追及する必要がある。NHKの体質に抜本的にメスを入れるべき時機が到来している。
 
 検察当局が組織ぐるみで前代未聞の重大犯罪を実行した決定的証拠がすでに明らかにされている。大阪地検特捜部主任検事前田恒彦容疑者の同僚検事で、公判部に所属する検事が、前田容疑者から証拠改ざんの事実を聞き、大坪弘道前特捜部長および佐賀元明前特捜副部長に証拠改ざんの事実を公表するべきだと直訴したことが明らかにされている。
 
 大坪弘道前部長と佐賀元明前副部長は、前田容疑者が証拠を改ざんした事実を知りながら、検察上層部にその事実を報告しなかったことが明らかである。


 Photo 検察当局は、大坪前部長および佐賀前副部長を犯人隠避罪で逮捕、勾留、起訴すると、大阪地検特捜部ぐるみの巨大犯罪の図式になり、特捜解体論が噴出し、当 然のことながら、検事総長以下、最高検次席検事、大阪地検検事正を含む検察幹部の一斉辞任を迫られることが確実であるため、この期に及んで、なお、巨大犯 罪をもみ消す可能性を探っている。
 
 NHKはこの不正な検察当局の姿勢に協力しているのである。
 
 すでに共同通信は、今週末に大坪前部長と佐賀前副部長の逮捕見通しを報じているが、これまでに明らかになっている証拠の構造からすれば当然の帰結である。すでに証拠が明らかになっているのであるから、速やかに両氏の逮捕に踏み切らなければ、国民の検察不信が一層拡大することは間違いない。
 
 それとも検察は、前特捜部長と前特捜副部長の逮捕による国民生活や日中関係への影響を考慮して、処分保留で逮捕を見送るとでも言うのだろうか。
 
 今回の事件は天地を揺るがすような巨大犯罪である。検察による不正の発覚自体はまさに氷山の一角であるが、その巨大犯罪が明るみに出たことの意味は極めて重い。
 
 検察は巨悪に対しては厳しく対応するのが当然である。検察当局は問題もみ消しを画策したが、現役検事のなかに、堂々と正論を述べる者が存在したことによって、今回の巨大犯罪がもみ消されずに済むのである。
 
 検察当局は、もうじたばたするのをやめて、直ちに大坪前部長と佐賀前副部長の逮捕に踏み切るべきである。厳正な対応を取らなければ主権者国民が黙っていない。【転載終了】


審査申立書転載】★三井さん作成の<10/1検察官適格審査会・審査申立書>の全文(読みやすいよう戸田が一部改行)
     ↓↓↓
                           平成22年10月1日
検察官適格審査会 御中
            審 査 申 立 書

 本年9月10日、郵便不正をめぐる厚生労働省村木厚子元局長の事件で無罪判決が言い渡され、同月21日に確定しました。
 本件につきまして、私たち審査申立人は、検察庁法第23条に基づき、審査対象者名簿記載の検察官について、職権によってその適格に関して審査に付し、その官を免ずるよう申し立てます。

一 審査申立人
   三井環(元大阪高検公安部長)
                  電話 03-3844-8722  Fax/ 03-5827-3132
                  携帯電話 080-3772-0932
                  e-mail;info@syowakikaku.com
   他は別紙審査申立人一覧表記載のとおり

二 被審査検察官名簿
(いずれも村木厚子厚生労働省局長逮捕・起訴当時の者、懲戒免職処分対象者)
最高検察庁 
 ・伊藤鉄男次長検事
 ・鈴木和弘刑事部長(現東京地検検事正)
   当時の桶渡利秋検事総長は退官しているので本件対象とはならない。
大阪高等検察庁
   当時の中尾功巧検事長は退官しているので本件対象とはならない。
 ・太田茂次席検事(現京都地検検事正)
 ・齊藤雄彦刑事部長(現釧路地検検事正)
大阪地方検察庁
 ・小林敬検事正
 ・玉井英章次席検事
 ・大坪弘道特捜部長(現京都地検次席検事)
 ・前田恒彦主任検事
 ・國井広樹特捜部検事

三 申し立ての理由

 検察庁法第4条は「検察官は、刑事について、公訴を行い、裁判所に法の正当な適用を請求し、且つ、裁判の執行を監督し、又、裁判所の権限に属するその他の事項についても職務上必要と認めるときは、裁判所に、通知を求め、又は意見を述べ、又、公益の代表者として他の法令がその権限に属させた事務を行う」と規定する。
 本規定は、検察官は不偏不党、公平無私の立場から真実を究明し、事案の真相を解明することを職務とすると解されている。
 そして、検察官は職務の遂行に関して「その意思に反して、その官を失い、職務を停止され、又は俸給を減額されることはない。但し、懲戒処分による場合は、この限りでない」(同法第25条)と身分が保障され、被疑者・関係者に対する捜索、証拠の差し押さえ、逮捕、勾留、接見禁止処分、起訴などが認められて
いる(刑事訴訟法第47条ほか)。
 これらは検察官が公平な捜査を行ない、真相を解明することを期待して定められたものである。

 しかし、障害者団体「凛の会」の郵便不正に関連して昨年逮捕された厚生労働省の村木厚子元局長の事件
(以下「村木事件」とする)においては、検察は「虚構のストーリー」を作り上げて特権を濫用したばかりか、その虚構が明らかになって村木元局長の無罪が確定したにもかかわらず、検察官として責任を取ろうとしていない。
 審査申立人は、貴会の手続きにより、事件に関与した検察官に対する厳正な処分を求める。

四 村木事件の詳細

 村木事件における逮捕及び起訴に関係した検察内部の動きは以下のとおりと承知している。

① 事前協議と処分協議の流れ
 検察の内規では、高級官僚を逮捕、起訴する場合には事前に上級庁と協議することになっている。
 事前協議とは、村木元局長を逮捕するか否かの検察内部の協議であり、処分協議とは、元局長を起訴するかどうかの検察内部の協議のことである。

<大 阪 地 検> <大 阪 高 検>   <最 高 検>
小林敬検事正   ① 中尾巧検事長      ② 樋渡利秋検事総長
玉井英章次席検事 → 太田茂次席検事    → 伊藤鉄男次席検事
大坪弘道特捜部長 齊藤雄彦刑事部長 鈴木和宏刑事部長
前田恒彦主任検事 ← 他刑事部検事全員 ← 他刑事部検事
他特捜部検事   ④ 前田恒彦主任検事 ③

                  大坪弘道特捜部長  

 上のとおり大阪地検・小林検事正室において、玉井次席検事、大坪特捜部長、前田主任検事及び本件捜査に関与した他の特捜検事らが出席し、事前協議を行なう。
 初めに前田主任検事が事前協議資料(過去の捜査資料と証拠物)に基づき、それまでの捜査の経過を説明する。村木を逮捕できるか否か、あらゆる角度から協議され、この協議では「逮捕すべし」との結論に達する。
 この結論を踏まえ、小林検事正の名で大阪高検の中尾検事長宛てに「逮捕すべし」との意見を付して事前
協議資料を送付する(図①)。
 これを受けて大阪高検では、齊藤刑事部長室に刑事部の全検事と地検の前田主任検事、大坪特捜部長が集まり、地検と同様の協議を行なう。
 まず前田主任検事が事前協議資料を持参して説明し、地検と同様にあらゆる角度から協議がなされる。
 やはり同様に「逮捕すべし」との結論に達する。
 協議の出席者全員がそのまま中尾検事長室に行き、太田次席検事も出席して同様の事前協議をする。
 同じく「逮捕すべし」との結論に達し、それを踏まえて中尾検事長名で樋渡総長宛てに「逮捕すべし」との意見を付して事前協議資料を送付する(図②)。

 最高検では、樋渡総長室に伊藤次席検事、鈴木刑事部長、その他刑事部の検事が出席し、送付された事前
協議資料などに基づいて処分協議を行なう。その結果、「逮捕すべし」との意見に達し、それを踏まえて樋
渡総長名で中尾検事長宛てに「逮捕すべし」との意見を付して捜査指揮がなされる(図③)。
 これを受けた中尾検事長が同人名で小林検事正宛てに「逮捕すべし」との捜査指揮がなされ(図④)、これを受けた大阪地検では前田主任検事が逮捕状請求書を作成し、同人名で大阪地裁に請求して発布され、村木元局長は逮捕されたのである。

 このように、「検察官一体の原則」により、村木元局長の逮捕に当たっては大阪地検、大阪高検、最高検がそれぞれ事前協議を行ない、最終的には樋渡総長から逮捕の指示がなされたのである。
 被審査検察官は、いずれもこの事前協議及び処分協議に関与した中心的検察官である。これだけの協議を重ねながら、捜査はきわめてずさんであった。無辜の人間を長期拘束した責任は重い。貴会により処分をなされなければならない。

 処分に当たっては、その軽重が問題となる。「検察官一体の原則」を踏まえれば、検事総長が最も重い処分を受けるべきだと断じざるを得ない。なお、大阪地検で捜査を統括したのは、大坪特捜部長、大阪高検で捜査を統括したのは太田次席検事であるので、その両名の責任は重い。
 一部メディアは、逮捕起訴した大阪地検の小林検事正以下の検察官の厳正処分について報じていたが、それは「検察官一体の原則」を正しく認識していない見解である。主任検事が失態を演じても、主任検事のみを処分することは「検察官一体の原則」からできないシステムになっている。
それゆえに、過去の冤罪事件において検察官の責任が問われ、処分されたことは一度もない。

② 虚偽の証明書作成の流れ

 村木元局長らが虚偽の証明書を作成したとされる検察の虚構のストーリーは、以下のとおりである。

凛の会元会員河野克史(一審有罪、被告控訴) ①石井一民主党副代表に対して口利きの指示を依頼
    ↓①
石井副代表元私設秘書で凛の会創設者の倉沢邦夫
 被告(一審一部無罪、検察控訴)          

②倉沢邦夫元秘書が石井副代表に口利きを依頼
    ↓②
石井副代表               

③石井議員が架空の証明書発行を電話で指示
    ↓③
厚生労働省・塩田幸雄元部長        

④塩田元部長、村木元局長に証明書発行を指示
    ↓④↑⑦
村木厚子元局長(一審無罪確定)       

⑤村木元局長、上村元係長に証明書発行を指示。
「ちょっと大変な案件だけどよろしくお願いします」
    ↓⑤↑⑥
上村勉元係長(公判中)             

⑥上村元係長が虚偽の証明書を村木元局長に手渡し、
                        

⑦村木元局長が塩田元部長に手渡す

 本件は、石井副代表による「議員案件」の事案であることを前提として捜査が進められた。かりに議員案件でなければ、検察の上のストーリーは完全に崩壊する。
 これは、倉沢元秘書から押収した手帳に「04年2月25日に石井副代表と会っていた」かのようなメモがあったからである。ところが、前田主任検事らは事前協議までにこのメモの裏付けを取っていなかった。
事前協議においても、議員案件であるのか否かの裏付け捜査の指揮がなされることはなく、結局、村木元局長逮捕までに裏付けは取られていない。

 議員案件を前提として口利きの依頼や虚偽の証明書発行などの流れが作られ、保釈や逮捕をちらつかせな
がら倉沢元秘書、塩田元本部長、上村元係長に虚偽の供述をさせ、内容虚偽の検面調書が作成された。
 特に被審査申立人である國井広樹特捜部検事は、上村元係長の取り調べを担当し、保釈させないと脅迫し
て、村木元局長から指示があったと内容虚偽の検面調書を作成した。
 これは、虚偽公文書作成、同行使罪に該当する犯罪である。
 その大前提である議員案件の裏付けという重大な捜査の基本がなされていなかった。
 なぜ村木元局長の逮捕までに裏付け捜査をしなかったのかきわめて不可解である。いずれにしても検察側の重大な過失である。
 この点だけでも、事前協議に関与した検察官は懲戒免職処分に値する。
 村木元局長逮捕の前に石井副代表の議員案件でないことが明らかになっておれば、村木元局長の逮捕はなかったのだ。

 後に明らかになったことだが、倉沢元秘書と石井副代表が会って口利きについて話したとされる「04年2月25日」は、石井副代表は千葉県内でゴルフをしており、倉沢元秘書と会うことは物理的に不可能であ
った。
 昨年9月10日には弁護人と検察官が出席して大阪地裁で公判準備手続きが行なわれているが、その翌日である11日頃に前田主任検事が石井副代表の事情聴取を行なっている。
 この際、石井議員は自ら手帳を示したが、前田主任検事はぺらぺらとめくってみただけで、それ以上の事情聴取はしなかった。前田主任検事は当日の石井副代表の行動を確認し、ゴルフの件など詳しく事情聴取して検面調書を作成すべきであった。これが検察官としての本来の仕事である。
 だが、前田主任検事は、この段階で石井副代表のアリバイが成立してしまうと議員案件でないことが確定し、上記のストーリーが崩壊するため、あえて検面調書を作成しなかったと思われる。

 前田主任検事は、その結果を大坪特捜部張、玉井次席検事、小林検事正に報告したものとみられ、小林検事正は上級庁である大阪高検に、大阪高検は最高検にそれぞれ報告したものと思われる。
 事前協議と処分協議に関与した検察官は、昨年9月11日頃に本件が議員案件ではないことを認識してい
たものと思われる。議員案件でなければ検察のストーリーは雪崩式に崩壊することはその段階で認識できたのである。
 だが、検察内部でこの事実には緘口令が敷かれたのか、メディアに漏れることもなかった。
 まさに「検察一体」となって証拠隠しをしたのである。

 そして、検察は本年1月27日の村木元局長の初公判においても虚構のストーリーに沿った冒頭陳述を行なっている。
 前年9月の事情聴取で議員案件でないことは明らかになっていたにも関わらず、その証拠を隠し、自作
のストーリーを守るべく暴走を続けたのである。
 なお、3月4日の公判に出廷した石井副代表は、その証言は手帳で確認しながら「04年2月25日には千葉県内のゴルフ場にいた」旨を証言、ゴルフ場でのプレイの記録やスコアなどで裏付けられた。
以上のように、石井副代表による議員案件でないことは明らかだったにもかかわらず、村木元局長逮捕の前に適正な捜査をしなかった検察の責任はきわめて重いと言わざるを得ない。

③ 改竄された証拠

 事前協議において、上村元係長から押収したフロッピーディスク(FD)が証拠として十分に検討されなかった点についても述べたい。
 このFDは裁判では証拠提出されていないが、重要な問題を含んでいた。偽造された証明書の原稿は、このFDに入力されていたが、データの最終更新日時が改竄されていたことが本年9月21日に明らかになったのである。
 FDは上村元係長の自宅から押収されたもので、データの最終的な更新日時は昨年5月26日の押収時点では「04年6月1日午前1時20分」となっていたが、約1ヶ月半後の7月13日に「04年6月8日午後9時10分56秒」と改竄されていた。この3日後の16日にディスクは元係長に返却されている。
 データの更新日時が6月8日だった場合には、村木元局長が虚偽の証明書の作成を指示したという「虚構のストーリー」に合致する。前田主任検事はストーリーに沿った改竄を行なったのである。

 前田主任検事は、改竄が明らかになった9月21日のうちに逮捕されるという異例の事態になった。
 これは前田主任検事一人に責任を押し付けようとする検察の組織的な隠蔽工作であり、断じて看過することはできない。
 前田主任検事については証拠隠滅(刑法第104条)で本年9月22日付け大林宏検事総長宛、三井環名義で刑事告発した。

五 検察による虚構のストーリーの完全崩壊

① 厚労省・塩田幸雄元本部長らの証人尋問

 本年2月8日に行われた証人尋問で、塩田元本部長は議員案件であることとニセ証明書発行を村木元局長に指示したことを否定し、検察の捜査は「壮大な虚構ではないかと思った」とまで証言した。
 その後は上村元係長の証人尋問も行なわれているが、元係長は単独でニセの証明書を作成したことを証言、村木元局長の指示など検察のストーリーを完全否定した。
 さらに取り調べ中につけていた「被疑者ノート」を提出、裁判所はこれを重視した。このノートには虚偽の証言を引き出そうと保釈をちらつかせる検事の言葉などが克明に記載され、また村木元局長の指示がなかったことも記載されていた。
 さらに取り調べを担当した検察官6名の証人尋問も実施された。
 すでに検察のストーリーが崩壊したにもかかわらず、検察官はあくまでもストーリーを維持するために検面調書の特信性の証言をさせた。
 驚くべきことに、検察官らは6名とも取り調べの際に作成するメモを廃棄したとウソの証言している。
 検察官の取り調べのメモについては、最高裁が判例で「捜査上の公文書」と認定し、最高検も「適正な管理」を全国の高検、地検に通達している。本件メモには村木元局長に有利なことも書かれていたはずだが、こうしたメモは判決が確定するまで保管するのが検察官の義務である。

 この検察官6名については偽証罪(同第169条)が成立すると思われるので、本年9月22日付けで大林宏検事総長宛てに三井環名義で刑事告発をした。
 なお、本年5月26日、大阪地裁は上村元係長の供述調書15通の証拠採用を却下した。その理由は上村元係長の「被疑者ノート」の内容と同様であった。裁判所は検察側が虚偽の供述をさせていたことを認定したのだ。これにより村木元局長の無罪が事実上確定した。

② 論告求刑

 既にメディアも既に村木元局長の事実上無罪を報じていたにもかかわらず、検察は6月3日の論告求刑公判で懲役1年6月を求刑した。
 上村元係長の検面調書は証拠採用されなかったのであるから、村木元局長の共謀を認定する証拠は存在しない。
 本来であれば、検察官として取るべき対応は論告求刑を放棄するか、無罪の論告を行なうかのいずれかしかない。ところが、検察側は最後まで暴走をやめなかったのである。
 なお、村木元局長の公判経過については、公判の都度、小林検事正名義で中尾検事長、樋渡検事総長、千葉法務大臣宛てに書面で公判における立証内容、反証、次回期日予定等が報告されている。これを三長官報告という。
 したがって、事前協議及び処分協議に関与した検察官は、大阪地裁の公判経過については充分認識していた。
 然るに、上級庁からの公判対策等についてのチェック機能はまったく果たされていない。特に、6名の検察官がメモを廃棄したとの証言についても、その前後に何らの対応もされていない。

③ 無罪判決

 9月10日、当然ながら大阪地裁は村木元局長に無罪判決を言い渡した。同月21日に検察は控訴を断念、めずらしくメディアも検察の捜査批判を展開した。
「暴走した特捜部」「裏付け捜査不足」「幹部のチェック不全」「検察の構図を全否定」「特捜捜査の見直し迫る」「密室での取り調べに批判」「特捜捜査による冤罪」「検察捜査の徹底検証を」「完敗 検察に衝撃」「構図優先 裏付けずさん」などと大々的に報じたのである。
 だが、検察が控訴を断念したのは「勇気ある決断」ではない。虚構のストーリーはあくまで虚構でしかなく、控訴審で勝てる見込みがないからである。
 村木元局長は164日間も勾留され、4回目の保釈請求でようやく保釈された。既にその頃は石井副代表の議員案件であることも崩れ去っていたのだが、検察は保釈に反対したのである。
 このような不正義があろうか。

 村木元局長は逮捕された昨年6月14日から今回の判決まで一年半近くも裁判闘争を続けざるを得なかった。精神的、肉体的苦痛に加えて経済的な負担も大きかっただろう。元局長とその周囲の人間は検察の虚構とメンツに振り回され続けたのである。
 この事件は、検察の前代未聞の不祥事といっても過言ではなく、検察全体の信用を失墜させた事件である、
と評することができるであろう。関与した検察官については、懲戒免職以外にないと思料される。

 貴会の機能と存在については、十分機能していないとの批判もあるが、今回は法務大臣も積極的に関与した検察官の処分を検討すべきではないか。
 勇断をもって厳正な処分勧告を行ない、ぜひ存在感を示してほしい。
 また、柳田稔法務大臣も関与した検察官の処分を検討すべきではなかったか。

六 まとめ

 被疑者や関係者の虚偽の供述で捏造された典型的な冤罪事件であることは一審判決で明らかとなった。
 本件捜査についての検察官の重大な落ち度は、①議員案件であるか否かを裏付け捜査しなかった、②FD
を十分検討しなかった、③石井副代表の事情聴取で議員案件でないことは明らかであったのにその証拠を隠
蔽した、④公判において6名の取り調べ担当検事が取り調べメモを廃棄したと証言したこと、⑤虚構のス
トーリーであることが明らかとなった後もなりふりかまわず公判が遂行されたこと、⑥論告求刑公判でも本
来であれば論告を放棄するか無罪論告すべきであるのに、懲役刑を求刑したこと、などが事前協議と処分協
議に関与した全検察官全員の重大な落ち度として認定されなければならない。

七 改革案

 現行の制度を見直し、検察審査会と同様の民意を反映する制度にすべきである。検察審査会は、検察官の処分に対してそれが適正であるか否かを審査するのみであって、本件村木元局長の事案については審査の対象外である。
 検察官による不当逮捕、勾留、起訴などについても審査できる制度を作るべきである。と言うのは、最近の検察の暴走が批判されているが、その暴走をチェックする制度が日本には存在しないからである。
 選挙権を有する国民が委員となって、逮捕起訴の不当、冤罪事件を審査する、菅直人政権は政治主導で法案の成立を期することを切に望みたい。
                                 以上。【転載終了】


元パイロットが語る、SR-71ブラックバード操縦のスリル!!

2010-09-28 19:07:11 | 123

SR-71ブラックバード、即ち、F-19である
世界最速最高々度偵察機の
元パイロットの実録談
これは
面白い!!


 既に退役していると聞くが、いつでも再起動出来る状況とも言われている。いずれにしても、殆ど20世紀の怪物飛行機には違いない。その実像は余り知られていない。しかし、日航機123便関連で、123氏から教えて頂いた。

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 これは、どうこう、あれこれの理屈は要らないから、読んでほしい。とにかく面白い。


 米国空軍が、勿論、軍産複合体がそれを作った訳ではあるが、それを見ると驚くべき開発執念というか、ある意味、世界に冠たる軍事技術の粋がそこに見受けられる。


 そして、通算4000発の地対空ミサイルをくぐり抜けてきたという内部告白は、一見静かな国際情勢の中で、実戦が4000回実在したことも意味している。仮に偵察行動とその迎撃事件であったにせよ、実弾の飛び交うHot Warである。


 こういう事は、殆ど、ニュースにもならないし、公表されることもない。偵察と言うのは、隠密行動である。偵察する方もされる方も、認めたくない行動だからである。冷戦と言うこともあろうが、その部分では冷戦でなく、実戦である。それが4000回は繰り広げられたと云うことだ。


 その中で、日航機123便事件もその中の単なる一つであったに違いない。誰も知らないのは当然である。そして、驚くべき事にその無敵の怪物飛行機が御巣鷹の尾根に墜落したのである。他にも多数の事故はあるが、この件は空軍記録にあるのみで、公開資料には伏されている。


 これは更に驚くべき事である。これは事実であろうと確信する。御巣鷹参拝に米軍人が訪れるのはその所以であろう。


 とにかく、臨場感溢れる、『元パイロットが語る、SR-71ブラックバード操縦のスリル』を愉しんで頂きたい。これも人類のゲームと考えれば、腹は立たない。



【転載開始】元パイロットが語る、SR-71ブラックバード操縦のスリル

 

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SR-71ブラックバード。チタン合金の機体、Pratt&Whitney社のJ58-P4エンジン、発祥の話をいくら並べたところで実録に勝るものはないでしょう。今回ご紹介するのは、極めて危険な任務でブラックバードを操縦したパイロット自らが語る回顧録です。-JD

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1986年4月、ベルリンのディスコ爆破テロで米兵が死亡。これを受け、レーガン大統領はリビアの軍人ムアンマル・カダフィのテロリストキャンプ爆撃命令を下した。

僕に与えられた任務は、リビア上空を飛んで米軍F-111が加えた被害状況を写真に記録すること。カダフィは領土境界線「line of death(死のライン)」をシドラ湾に張り、そのラインから侵入してくる者は容赦なく撃ち落とすと宣言していた。そして、4月15日朝、僕はそのラインを時速2125マイル(3420km)で越えた。

操縦していたのは「SR-71」偵察機、世界最速のジェットだ。後席には本機のRSO(偵察システム士官)であるウォルター・ワトソン少佐が同乗した。リビア領空に入り、荒涼たる砂漠の景色を眼下に眺めながら最終ターンが迫ってきたその時、ウォルターが言った。ミサイル発射シグナルだ―。

直ちにスピードを上げる。兵器(おそらく最大時速マッハ5の地対空ミサイルSA-2とSA-4の可能性が濃い)がこちらの高度に達するまでにかかる時間を頭の中で計算しながら。

試算ではロケット推進ミサイルに追いつかれる前にターンを切って予定通りのコースでいけそうだ。偵察機のパフォーマンスにふたりの命を預けた。
 

 

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ジリジリと長い数秒が過ぎ、ターンを切って地中海方角に向け全速力あげる。「少し緩めた方がいいんじゃないか」とウォルターに言われて初めて、自分がまだ フルスロットルで直進していることに気づいた。見ると1.6秒で1マイル進む速度で進んでいる。我々の制限速度マッハ3.2を軽く超えちまってる。あんな超速飛行は後にも先にもあの時だけだ。シチリアの真南でスロットルを引いてアイドルにしたが、それでも勢い余ってジブラルタル要塞で待機していた空中給油機の先まで飛んでしまった。

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昨年12月、我々はライト兄弟初飛行100周年を盛大に祝った。この100年の間にはボーイング707、F-86ジェット戦闘機(セイバー)、P- 51マスタングなど重要な飛行機が沢山作られ、この空を飛んできた。しかし、冷戦勝利に重大な貢献を果たした史上最速の航空機と言えばSR-71、愛称ブ ラックバードの右に並ぶものはない。この仲間内で「sled(そり)」と呼んでいる機体の操縦桿を握った空軍パイロットは史上93人しかいない

妙な話、その機体を僕は一度、棄てたことがある。玩具だけどね。僕がSR-71に初めて遭遇したのは10歳の時、独レベル(Revell)社のプラ モデルセットに入ってる黒い成型プラスティックのだった。長い機体パーツは意外と組み立てが厄介で、出来上がったものはそれほど脅威を感じさせない風貌 だった。接着剤が継ぎ目からはみ出て、黒プラスティックが変色してしまってる。自分が集めてた戦闘機のコレクションに並べるとなんとも無様で、ポイしてし まったのだ。

それから29年後。僕はビール空軍基地格納庫で正真正銘のSR-71を眼の前に感無量で立ち尽くしていた。世界 最速ジェットの任務に志願し、我が国で最も名高いこの機体の最初の実地説明会を受けていたのだ。それまで13年、空軍戦闘パイロットを務めたが、これだけ 存在感のある機体には一度もお目にかかったことがない。それは全長107フィート(32.6m)の大きな機体でありながら、無様とは縁遠いものだった。

皮肉なことに昔組み立てたプラモみたいに、この飛行機からもポタポタ何かが漏れていた。継ぎ目から燃料がしみ出 し、格納庫の床に雫を垂らしているのだ。マッハ3で飛ぶと、飛行機はひどい高温に晒され、翼の前縁は華氏1100度(摂氏593度)に達し、機体の幅が数 インチ広がる可能性もある。そのためパッカリ亀裂が開くのを防ぐため、飛行機の接合部には伸縮目地が組み込まれている。また、境界部にはゴム糊のような シーラント(封止剤)が塗ってあるのだが、亜音速(音速以下)ではここから燃料が漏れる、というわけだ。

 

起源

SR-71生みの親はケリー・ジョンソンという高名なロッキード社デザイナーである。あのP-38、F-104スターファイター、そしてU-2を作 り出した人だ。1960年ゲーリー・パワーズが操縦するU-2が旧ソビエトに撃墜されたのを受け、時のジョンソン大統領は、U2偵察機より3マイル (4.8km)高い高度を、5倍のスピードで飛び、尚且つ地上車のナンバープレートまで撮影可能な飛行機の開発に着手した。

だが問題は熱で、時速2000マイル(3219km)で飛ぶとなると、機体表面には異常な高熱が生じてしまう。そこでロッキードのエンジニアたちは SR-71の90%以上をチタン合金で組みあげ、計40機を1機1機手作りできる専用の工具・製造工程を作成。さらには高度8万5000フィート (25.9km)以上で使える特殊な耐熱燃料、オイル、油圧フルード(油圧駆動液)まで開発しなければならなかった。

 

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1962年、初のブラックバード飛行に成功。1966年、僕が高校を卒業したのと同じ日に、空軍はSR-71を実地任務で飛ばし始めた。このプログラムに 僕が参加したのは1983年のことだ。優秀な履歴と司令官からの推薦を携えて、1週間がかりの面接をクリアし、続く4年間パートナーを組むウォルターに引 き合わされた。彼は僕の後方4フィート(1.2m)に乗って、カメラ、ラジオ、電子ジャミング機器を担当する。捕まったらあんたがスパイ、こっちはただの お抱え運転手~と冗談を言ったら、黙って舳先を前に向けて飛べ、と言われた。

1年の訓練後、カリフォルニアのビール空軍基地を飛び立ち、沖縄の嘉手納空軍基地、英ミルデンホール空軍基地に配属された。訓練ミッションの時は、 州都サクラメント近郊(ビール)を発ち、ネバダで給油し、モンタナで加速し、コロラドで高マッハまでスピードを上げ、ニューメキシコ上空で右に旋回、ロサ ンゼルス盆地を高速で翔け抜け、西海岸をダーッと北上しシアトルで右に旋回してビールに戻る、というのがお決まりのコースだった。これで飛行時間はトータ ルで、2時間40分。

 

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ある日アリゾナ上空で、全航空機を飛び交う無線通信を上空からモニタリングしていたら、こんなことがあった。まず最初にセスナのパイロットが航空交通管制 官(ATC)に対地速度をチェックするよう頼んだ。「90ノットです」とATCが答える。すかさずツイン・ボナンザ(双発レシプロビジネス機)が同じリク エストを出す。「対地で120」という答え。するとなんと驚いたことに、海軍F-18戦闘機までもが対地速度チェックしてくれ、と無線に割り込んできたの だ。

彼の狙いは手に取るように分かった。無論、対地速度計なんてコックピットに備え付けのがあるので、それを見れば済む話だ。要するに彼は自分より小さ い虫けら潰して喜んでる下々のみなさんに本物の高速がどんなものか見せてやろうとしている...。「Dusty 52、対地は620です」、ATCは答えた。

こうなりゃこっちもやらないわけにはいかない。後ろの席でウォルターがマイクのボタンを押す音が聞こえた。カチッ。ウォルターはなんともシレっとし た声で上空8万1000フィートからの対地速度を確認するよう頼んだ。ギョッとしたのは管制塔だ。どう見たって管制圏外ではないか。管制官は冷静なプロの 声でこう答えた。「Aspen 20、対地1982ノットです」。それっきり無線の声はシンと静まり、結局その周波数の交信は海岸に着くまで1件もなかった。


永遠の感動

ブラックバードは常に我々に新しい顔を見せる。1機1機に固有のパーソナリティーが備わっているのだ。だから自 分たちが乗ってるのが国宝級のものだと知るのに時間はかからなかった。離陸に向け、護岸から地上走行していると、みんなの注目の的だ。飛行場のフェンス付 近には車がどっと集まってきた。みんなSR-71の威容を自分の目と耳で感じたいのだ。このプログラムに参加して、この飛行機を愛さない人など、いるもん か。信頼を得るごとに彼女(SR-71)はゆっくりと、自分の秘密を打ち明けてくれた。

それは月のない晩だった。いつも通り訓練任務で太平洋上空を飛びながら、ふと「コックピットの中の照明を落としたら高度8万4000フィートから見る空の眺めはどんな風だろう?」 と知りたくなった僕は、直線コースで帰路を急ぐ途中、照明を全部ゆっくり落としてみたことがある。ギラギラした光を消すと夜空が顔を現す...数秒でまた 電気をつけてしまった。こんなことしてるのがジェットに知れたら、なんか罰が当たるんじゃないかと怖くなったのだ。しかし臆する気持ちは、夜空を見たい欲 望には勝てない。僕は照明をまたおもむろに暗くした。

するとなんと窓の外に明るい光が見えるではないか。夜目に慣れると、その眩いものの正体は、きらきら空を渡る天の川だった。いつもは闇の空間が存在するだけの空に、今はきらめく星々の塊が所狭しと広がっている。その空のカンバスを数秒置きに流れ星が縫っていく。瞬きながら。それはまるで、音のない花火のディスプレイだった。

こんなことしてる場合じゃないぞ、計器に目を戻さなくちゃな...それは分かっていたので、しぶしぶ機内に注意を戻した。そしたら驚いたことに、照 明は切ったままなのにコックピットの計器が全部見えるのだ。星の光に照らされて。鏡の中には、僕の金色の宇宙服が空の輝きに白熱灯のように照らされて不気 味に光っていた。最後にもう一度だけ窓の外を盗み見る。

こんな超スピードでも、天空を前にするとまるで静止画だ。もっと偉大な力の輝きに囲まれる我々は、なんと小さいんだろう。そう思った瞬間、僕は機内でやるどんな任務よりも遥かに意味あるものの一部になった気がした。

ウォルト(相棒)の無線の鋭い声でハッと我に返り、やりかけのタスクに意識が戻る。僕は高度を下げる準備体制に入った。

 

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SR-71は運用費の嵩む飛行機だ。一番コストがかかるのはタンカー・サポート。1990年、空軍は予算削減の必要に迫られ、SR-71を退役させた。ブラックバードは侵略飛行で延べ4000発のミサイルから逃げ、敵の弾を浴びても掠り傷ひとつ負わなかった

最後のフライトでブラックバードは、スミソニアン国立航空宇宙博物館目指して、ロサンゼルスからワシントンまでの距離を64分、平均時速2145マイル(3452km)の高速で飛び、4つのスピード新記録を更新した。

SR-71は大統領6人の目として働き、四半世紀もの間、アメリカを衛った。他の国ではあまり知られてない顔だが、北ベトナム、赤の中国(共産 党)、北朝鮮、中東、アフリカ、キューバ、ニカラグア、イラン、イラク、フォークランド諸島の上空を飛び、週1の頻度で旧ソビエトの全潜水艦と全移動ミサ イル基地、全兵士の動きに目を光らせた。これが冷戦勝利の鍵を握る要因となった

僕はそんな飛行機を約500時間飛ばせたことを誇りに思う。彼女(SR-71)のことは知り尽くしていた。彼女は他のどんな飛行機にも決して妥協し ない。後ろにソニックブームを轟かせながら敵の裏庭を誇らしげに翔け抜けていく、誰はばかることなく。すべての敵ミサイル、ミグ戦闘機を一機残らず振り 切って、我々をいつも無事祖国まで連れ帰ってくれた。有人飛行開始から100年、これほどの名機はほかにない。

 

リビア海岸へのアプローチ

リビア沖にみるみる接近する。...と、ウォルトがまた聞いてきた。「なあ、時間内に目的の速度・高度までいけると思う?」―これで3度目だ。 YES、と答える。心配な気持ちはよく分かる。彼はデータを扱う人間だ。それがエンジニアの仕事だし、そんな彼で僕も喜ばしい。でも、僕は両手を操縦桿と スロットルに置いているのだ。サラブレッドの鼓動は手にとるように分かる。彼女は持ち前のパワーと完成度で走っていた。僕は彼女に語り掛けもする。するとこのジェットは百戦錬磨の武人のように目標エリアを感じ取り、自ら準備を整えるかのようだった。

2日ぶりに吸入扉を完全に閉じる。あらゆる振動がピタッと止む。耳が轟音に慣れてるせいか、ジェットの音がやけに静かに聞こえる。それにつれマッハ 数がやや上がる。ジェットは自信たっぷりの滑らかな安定した姿勢で飛んだ。このスピードに入ると、よくこうなるんだよね。残り5マイル(8km)のところ で目標の高度と速度に達した。ターゲット領域に入る。このジェットにまさかこんなバイタリティーが眠っているとは知らなかったのだろう。ウォルトが言っ た。「すげー」。左手でスロットル2つを前に倒しながら、心の中で思った。―エンジニアの学校で教えないことが、この世の中にはまだ沢山あるんだよ

左の窓の外に、リビアが見えた。まるで巨大な砂箱だ。なんの変哲もない茶色の大地が地平線まで広がっている。動きらしい動きを示すものは一切な い。...と、ウォルトが言った。電子信号がビンビン入ってるぜ、友好的類いのものじゃない。 機体のパフォーマンスは今や完璧だ。これだけ調子が上がる のはもう何週間も見てない。彼女には自分がどこにいるかわかっているみたいだ。リビア領空深く侵入していくにつれ、彼女は高マッハで飛びたがった。ベンガ ジの街にソーニックブームの足跡を残しながら、僕は身じろぎもせず座っていた。両手はスロットルとピッチコントロールに動かさず固定し、両目はゲージに釘 付けだ。

 

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ただひとつ、マッハ計だけが動いている。100分の1の目盛りが着々と上がっていく。その安定したリズムは、復活してペースをあげる長距離ランナーのよう だ。このジェット機は、まさにこういうパフォーマンスのため作られたもの。吸入扉閉めたぐらいでショーをあきらめる彼女ではなかった。機関車40基のパ ワーで、我々は静かなアフリカの空を突っ切り、さらに南方の殺風景な風景をまたいでいった。

 

ミサイル発射

ウォルトは引き続き、DEFパネルに出る数々の反応から新しい動きを逐次伝えてきた。ミサイル追跡シグナルが入った―。不毛地帯の敵地に1マイル進 むたび、2秒置きに、ジワジワと不快感が襲ってくる。やれやれ、DEFパネルが前の席についてなくて良かった。今そんなもの見えたらライトの点滅も見える ことだし、集中の妨げになるだけだろう。コックピットは「静か」だ。ジェットは喉をゴロゴロ鳴らし、自分の中に眠る強さに今初めて気づいたかのように、それを愉しみながら、ゆっくりと、速度を上げていく。

スパイク(可動エンジン衝角)は艦尾いっぱい。ナセル(エンジン室)に26インチ(66cm)も食い込んでいる。全吸入扉を完全に閉じてマッハ 3.24。J-58エンジンはもはやラムジェットに近い状態で秒あたり10万立方フィートの空気をがぶ飲みしている。轟音を上げる高速機となった我々は、 敵の裏庭に分け入っていく。このまま眼下のミサイル・レーダーをスピードで振り切れますように...。祈るような気持ちだった。もうすぐターンだ。いい ぞ。旋回すれば、発射後のミサイルはこの機体に命中が難しくなる。

ウォルトがせがむので、スピードを押し上げる。が、ジェットは1拍も脈が乱れない。上下動もなし。カメラを支える土台は岩のように磐石だ。 ウォルトがミサイル発射のシグナルを受信した。次の言葉を待たずに、左手は本能的にスロットルをさらに前に倒していた。両目は温度計から離さない。このジェットは人が止めてやらないと、自分が壊れてしまうところまで喜んでスピードを上げるのがわかっていたから。温度は比較的低かった。これまで遭遇した高温を考えると、これには一瞬驚いたが、よく考えてみると驚くことでもない。マッハ3.31の時は、さすがのウォルトもしばし無言だった。

 

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手袋をはめた指で、機体のピッチを制御する自動操縦パネルのちっちゃなシルバーのつまみを動かす。スイスの時計職人、外科医、「dinosaurs」(飛 ばすだけじゃなく飛行機を「感じる」ことができる昔のパイロット)のように神経を研ぎ澄まして、16分の1インチと8分の1インチの間に合わせる。これ は、僕が望む毎分500フィート(152.4m)の上昇が確保できるポジションだ。ジェットは6分の1度、鼻先を上げ、これから加速につれ、僕が彼女を上 に押し上げるつもりなことを理解した。マッハは加速する一方だが、飛行ルートのこのパートではスロットル緩める気には全くなれなかった。

ミサイル発射のシグナルがまたきた。―ウォルトの鋭い声がコックピットの静寂を破った。その重苦しい声の調子から、他のシグナルよりもっと確率の高 い脅威と見てるのが、読み取れた。数秒後、「押し上げろ」と言うので、両方のスロットルを止まるところまで思いっきり押した。続く数秒間は全力疾走だ。彼 女が飛びたいだけ飛ばしてやった。最終ターンに接近。このスピードであのターンまで行けたら、どんなミサイルだって振り切れる、それはふたりとも分かって いた。だが、ターンはまだ先だ。僕はウォルトが、もしかして旋回して軌道をひとまず外れろと言ってくるんじゃないかと頭で考えてみた。

が、一言も交わさなくても、ウォルターも同じ考えでいるのは、気配で分かった。やはりここはプログラム通りの軌道を維持した方がいい―。 不安を振 り切るため窓の外を見た。自分めがけて飛んでくるミサイルを肉眼で捉えることができるかも...と思いながら。まったくこんな時だってのに人の心には突拍 子もない考えが去来するものだ。僕の脳裏には北ベトナム飛行任務中に攻撃を受けた元SR-71パイロットたちの言葉が蘇っていた。コックピットから何度か 誤爆ミサイルの爆発を見た彼らは、こう言ってたっけ。「それは爆発と言うよりまるで爆縮だった」。 爆発ミサイルからジェットが逃げる際のスピードがあまりに速いため、そう見えるのだ。

外は果てしなく広がる鉄のようなブルースカイと、遥か眼下に赤茶けた大地の大判が1枚見えるだけ。コックピットから目を離したのは時間にして数秒 だったが、最後に計器の目盛りをチェックしてからもう何分も経ったような錯覚を覚えた。機内に注意を戻し、まずマイル計を見る。ターン開始まで残りあと何 マイルだろう? 次にマッハ計。3.45を超えている...自己最高記録更新だ。まだマッハは伸びている。飛行は信じられないほど滑らかだ。

 

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僕は、ジェットとの間の信頼を確かめ合った気がした。我々が必要とあれば、彼女はなんの躊躇いもなくそのスピードを出す。空気吸入口も全く問題ない。生き るも死ぬも結局このジェットにかかっている。彼女にはそれが分かっているみたいだった。外気の冷たい気温で、彼女の中にあるスピリットが目を覚ます。それ は高みを追求する男たちが何年もの歳月をかけ、丹精込めて彼女の中に築いてきたものだ。スパイクと吸入扉をこれ以上なくきつくしめ、ミサイルがこちらの高度に追いつく時間と戦った

 

愛しのブラックバード

このジェットはレースとなると負け知らずだ。高度8万フィート(24.4km)に達たので速度はマッハ3.5に緩んだ。我々はまるで空飛ぶ弾丸だ。ただし弾丸より速い弾丸である。ターンに辿り着いて鼻先をこの国(もう充分見た)の反対側に向けたところで、やっと少し緊張がほぐれた。キーーンとトリポリを通過し、スピードをさらに上げ、敵をもうひと殴りするかのように、Sled(愛称)はさよならのソーニックブームを撒き散らした。

そして数秒後。我々の眼前には地中海のブルーが果てしなく広がっているだけになった。僕はまだ左手を前いっぱいに倒してアフターバーナーを最大に上げ、ロケットみたいな飛行を続けていた。

TDIには我々が経験したこともないマッハ数が出ている。ここまで来ると、さすがに怖い。DEFパネルが静かになった、とウォルトが言うので、そろそろスピード落としていい頃だろうと判断、スロットルをバーナーの最小域に落とした。が、ジェットは速度を落としたがらない。普通はこれだけ大きくスロットルを動かせば、マッハ数にすぐ反映されるのだが、高マッハのまましばらく飛んだ。まるで自分が好きで堪らないという風に。誇り高きSledは、我々が危険から遠く離れてようやく、速度を落とした

I loved that jet.

―Brian Shul少佐が書いた手に汗握るSR-71ブラックバード操縦体験実録『Sled Driver』は2年前に絶版となりましたが、少佐はじめSR-71伝説のパイロットたちのサイン入り限定3500部が現在入手可能です。お申し込みはこちら。残りわずかです、お早めに!

詳しいお話と写真は「vfp62.com」でご覧になれます。フロリダ州セシル・フィールド空軍基地(NZC)のVFP-62(第62軽写真偵察飛行隊)に所属した士官および下士官兵の功績を今に伝えるサイトです。

Brian Shul(原文/satomi)【転載終了】