ヘタな人生論より徒然草
荻野文子 河出書房新社 2003年
お習字で徒然草を書いているので目に留まりました。
著者は マンドンナともてはやされた古文の予備校講師。
徒然草を一節づつ現代語訳して解説し、現代社会と対比したり
参考にしたり。
人生論というか人生相談のようでした。
*この四つさえあれば本当幸せに生きられる
食う物、着る物、住むところ + 薬
*政治家の意識と目線で私たちの暮らしは決まる
私たちの暮らしは個人でどれほど努力しようとも最終的には
政治の動向に左右される。
世の人が飢えずに寒くないように世を収めてほしいものである
*未熟な初心者こそ一流の人に混じって学べ
未熟なうちから上手な人の中に混じって貶されても笑われても
恥ずかしがらずに平気で押し通して稽古に励む人は天分がなくても
最後は上手と言われる地位に達する。
~賢者の知恵が身に付く大人の古典~がサブタイトル
今年初めに読んだ「あなたを変える枕草子」にも知恵と勇気という言葉が
出て来ました。現代よりも格段に不便な生活であった人びとは
知恵と勇気で乗り切っていたのですね。
現代そのままみたいで、面白く読みました。
特に、政治家のところでは著者が「政治家に最悪のシナリオを想像することができれば
今のような経済危機(バブル崩壊後の惨状)は訪れなかった」と書いていて
今のコロナ感染の状況に当てはまると思いました。
そうだよ!過去に学べば「最悪のことが起こりうる」と想像して準備できるのに。
まったく、何も学んでいないんだね。
肝心の「賢者の知恵」は身についたのでしょうか?
私より、政治家に知恵を付けてほしいよ。