作曲家として、またN響アワーなどの司会者として知られる池辺晋一郎氏がクロマティック・ハーモニカのために書き下ろした無伴奏曲「ハーモニカは笑い、そして沸騰する」がこのほど全音楽譜出版社から発売されました。
この「ハーモニカは笑い、そして沸騰する」は、2019年12月13日、東京文化会館小ホールにて開催された全音現代音楽シリーズ26「四人組とその仲間たち2019 Jeux vifs et colores (しなやかな戯れ)」というコンサートの中の1曲として、池辺氏が全音楽譜出版社から作曲を委嘱され、クロマティック・ハーモニカ奏者・和谷泰扶氏により初演されたものです。
演奏所要時間:約7分。
演奏動画が全音楽譜出版社によってアップされております。ハーモニカを少しかじった身としては、いやはや「すごい!」としか言いようがありません。
池辺晋一郎:ハーモニカは笑い、そして沸騰する(2019.12.13.東京文化会館小ホール)
このコンサートは池辺晋一郎氏が中心となって行われてきたもので今回で26回目、全曲新作・世界初演というのですから、非常に珍しいコンサートでもあります。
池辺晋一郎インタビュー「ハーモニカは笑い、そして沸騰する」(全音「四人組コンサート」2019)
しかも全音楽譜出版社はこれらの曲の楽譜を出版してきたというのですから、じつに息の長い地道な事業です。
このコンサート、聴きに行きましたが、どれも難曲、超絶技巧の曲ばかりで、こうした最先端の音楽に慣れていない自分としては、
なんだかよく分からなかった
どう表現したらよいのか言葉が見つからなかった
というのが正直な感想でして、結局ブログに書けず終いだったのです。
日本でハーモニカのために書かれた曲って、本当に少ないと思います。
しかも難解な現代音楽とあって楽譜は売れるのかしらと余計な心配をしてしまいます。
で本日、和谷先生から入手しました。
楽譜を開くと、音の跳躍、上下の起伏、多様な重音奏法..... これを吹こうなんていう気はまったく湧いてきませんが、ボクは初演の場にいた記念の1冊ということに満足しています。
池辺晋一郎がハーモニカの作曲をしたなんて、思いもよらぬことでした。
曲はまさに難曲。
和谷先生の他、吹ける人は何人もいないのではないでしょうか。
ハーモニカを吹く、元気を無くした私に久しぶりの刺激となりました。
最近は、簡単な曲ばかりを、体調が許せば吹くようにしています。
オカリナサイトのピアノの伴奏曲を利用して吹いています。
「小さな木の実」なんか気に入って吹いていますが、リズム音痴の私には、いまだに狂っているような気がします。
この曲を吹ける人、そうそういないでしょう。
でも、アジアに眼を広げると、香港、台湾、マレーシアなどの若手プレーヤーの成長がすごいようですので、いずれこの曲をばりばり吹きこなすのではないかと思っています。
池辺晋一郎さんがハーモニカの
現代音楽を作曲・演奏と聞いて
びっくりしました。
ハーモニカ、注目されるだけの
素晴らしい楽器だということを
再認識しました。
作曲家はいいプレーヤーに出会うと創作意欲が刺激されるようですね。
池辺氏もそのようです。
演奏するに当たって制約の多いクロマティック・ハーモニカ。素晴らしい楽器とおっしゃっていただけてうれしいです。
こんな難しい曲、名手和谷先生だからこそ可能なのだとおもいます。
現代音楽とクロマティック・ハーモニカの金属的な響きは相性がいいですね。
しかし、ハーモニカでクラシックを吹くなんていうとマイナーもマイナーなんですね。
もっと世に知られていいといつも思っているのですが。