日教組に加盟している日本国公立大学高専教職員組合、略して日大協の第21回夏季研究集会が金沢市内で開催され、日ごろお世話になっている金沢大学のI先生からの要請もあり参加する。
今日は講演が3本。
まずは新崎盛暉沖縄大学名誉教授から「沖縄からみる日本の転機」と題した講演。
示唆に富む話がたくさんありとても要約できないが、矛盾の集約点・沖縄からの視点は鋭い。
3人目は石川高教組・糸矢委員長。県内の教育の問題点について、高校再編の動きを中心に報告する。
どちらも独立して報告したい内容だが、今日の研究集会参加で私が最も刺激を受けたのは2人目に登場した千葉大学教授・小澤弘明さんの講演である。演題は「大学の自律と管理をめぐって -法人化10年の新自由主義大学」である。
35年前、私が筑波大学へ入学した当時、産学協働路線が筑波新大学構想の売りの一つであった。一方で大学の自治、学問の自由との関係で大いに議論されていたテーマだった。
それがいつの間にか産学協働路線批判が聞かれなくなり、それどころか当たり前、大学の教授はいまや企業からいかに研究資金を獲得するかで能力が問われ、教授自身が民間企業出身も珍しくもなく、企業との共同研究に取り組む時代となった。
大学の変化の背景には何があるのか。どこからどんな力が働射ているのか。大学関係者はどう受け止めているのか。大学はこれからどこへ向かうのか。
時代の流れで済ますことのできない大きな疑問であり、答えを探して私なりにアンテナを張ってきたつもりだが、なかなか納得できる識者に出会うことがなかった。
今日の小澤さんの講演は、大学変容の歴史的・社会的な背景や経過、問題点を整理したもので、私が知りたかった疑問点の多くを解き明かしてくれた。
かつて、筑波大学は中教審大学と呼ばれ、文部省のモデル大学だった。その背景には科学技術立国論があったが、そこらかさらに知財立国論へと進化し、いまや文科省は大学像を描く主役ではなくなり、構想立案は財界であり経産省の手に移っている。
大学のカリキュラムまで経済界と共同で作る時代を迎えようとしている。
大学の自治、学問の自由をめぐる議論はどうなったのだろうか。ここはまだすっきりしないところだ。かつての議論に照らせば現状は憲法違反のど真ん中としか思えない。
自民党の日本国憲法改正草案をみても第23条「学問の自由は、保障する。」とあるだけである。実態としてかつて叫ばれた学問の自由は崩れ去ったのであえて大きく書き直す必要もないということか。
講演後、珠洲にも関わるもう一つの大学をめぐる新しい動きである「域学連携(地域と大学の連携)」について質問をさせてもらった。
ところで国大協の委員長は、筑波大学の教授である千本秀樹氏。今日は日大協筑波大学支部の方の参加もあり、懇親会では昔話から最新の筑波の話まで聞くことができ、これまた楽しい時間を過ごさせてもらった。
今日は講演が3本。
まずは新崎盛暉沖縄大学名誉教授から「沖縄からみる日本の転機」と題した講演。
示唆に富む話がたくさんありとても要約できないが、矛盾の集約点・沖縄からの視点は鋭い。
3人目は石川高教組・糸矢委員長。県内の教育の問題点について、高校再編の動きを中心に報告する。
どちらも独立して報告したい内容だが、今日の研究集会参加で私が最も刺激を受けたのは2人目に登場した千葉大学教授・小澤弘明さんの講演である。演題は「大学の自律と管理をめぐって -法人化10年の新自由主義大学」である。
35年前、私が筑波大学へ入学した当時、産学協働路線が筑波新大学構想の売りの一つであった。一方で大学の自治、学問の自由との関係で大いに議論されていたテーマだった。
それがいつの間にか産学協働路線批判が聞かれなくなり、それどころか当たり前、大学の教授はいまや企業からいかに研究資金を獲得するかで能力が問われ、教授自身が民間企業出身も珍しくもなく、企業との共同研究に取り組む時代となった。
大学の変化の背景には何があるのか。どこからどんな力が働射ているのか。大学関係者はどう受け止めているのか。大学はこれからどこへ向かうのか。
時代の流れで済ますことのできない大きな疑問であり、答えを探して私なりにアンテナを張ってきたつもりだが、なかなか納得できる識者に出会うことがなかった。
今日の小澤さんの講演は、大学変容の歴史的・社会的な背景や経過、問題点を整理したもので、私が知りたかった疑問点の多くを解き明かしてくれた。
かつて、筑波大学は中教審大学と呼ばれ、文部省のモデル大学だった。その背景には科学技術立国論があったが、そこらかさらに知財立国論へと進化し、いまや文科省は大学像を描く主役ではなくなり、構想立案は財界であり経産省の手に移っている。
大学のカリキュラムまで経済界と共同で作る時代を迎えようとしている。
大学の自治、学問の自由をめぐる議論はどうなったのだろうか。ここはまだすっきりしないところだ。かつての議論に照らせば現状は憲法違反のど真ん中としか思えない。
自民党の日本国憲法改正草案をみても第23条「学問の自由は、保障する。」とあるだけである。実態としてかつて叫ばれた学問の自由は崩れ去ったのであえて大きく書き直す必要もないということか。
講演後、珠洲にも関わるもう一つの大学をめぐる新しい動きである「域学連携(地域と大学の連携)」について質問をさせてもらった。
ところで国大協の委員長は、筑波大学の教授である千本秀樹氏。今日は日大協筑波大学支部の方の参加もあり、懇親会では昔話から最新の筑波の話まで聞くことができ、これまた楽しい時間を過ごさせてもらった。
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