北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

ふたたび採択を許さないために

2016-07-30 | 教育
   

小松市内で開催された教科書問題を考える市民の集いに参加。
いしかわ教育総研と教育の危機を考える会・小松の共催。

多くの教育関係者や歴史学者から数多くの問題点が指摘されている育鵬社の歴史教科書が今春から金沢、小松、加賀の各市内の中学校40校で使用されている(小松、加賀は公民も)。

それは問題だとしても、珠洲には関係なさそうな教科書問題で、なんで私がわざわざ小松まで・・と思われるかもしれない。

実は珠洲など奥能登も教科書問題と無縁ではないのだ。
そもそも県内19市町のうちわずか3市だけと捉えるととんでもない勘違いの始まりとなる。
この3市が採択したことで県内の公立の中学生の過半数、53.1%が育鵬社の教科書を使うことになったのだ。
全国では281の採択区のうち21地区(9県)が採択している中、石川県の状況はかなり異常。

しかも来年は小学校道徳の採択、その翌年は小学校の道徳以外の全教科の採択を控える。
教科書問題、うちは大丈夫と決して楽観できない問題だ。

   

今日はまず小松市が育鵬社を採択した経緯について地元の方から報告を受ける。
調査員作成の資料では育鵬社の評価は低かったが採択委員会で逆転。
教育委員会で採択が決まったが、採択委員会も教育委員会も非公開。
後日明らかになった議事録では、育鵬社採択を主張したのは一人の委員だけ。結局、他の委員が追随した形でなんとも不可解。

続いて教育総研の田村光彰所長(元北陸大学教員)から「反面教師としての『利用』と採択撤回運動に学ぶ」と題して講演を受ける。

田村先生からは育鵬社教科書の具体的な問題点について縷々説明を受け、さらに前回(2011年)育鵬社を採択したが昨年は採択しなかった東京・大田区の区民の取り組みが紹介される。
子育て世代を中心に多くの区民が育鵬社の教科書について学び、校長会やPTA,教育委員会など様々な組織、団体に問題点を伝え、さらに教育委員会の傍聴行動や街頭宣伝、チラシの配布など精力的な取り組みが展開されたとのこと。
島根県益田教科書採択地区も同じく今回は逆転不採択となっている。

採択されたからお仕舞いという話ではない。
なにより子どもたちが日々手にする教科書である。
一方的主張を展開し異なる見解に触れない育鵬社の教科書「を」学ぶのではなく、反面教師として育鵬社の教科書「で」学び、多面的多角的な視点、観点から子どもたちの思考を深めていく現場の教師の力量が問われる。
広く市民の間でも学習を重ね、ふたたび採択させない行動につなげていくことが大切。
もちろん、今回採択されなかった地区の市民も、対岸の火事とせず教科書問題への理解を深めていかなければならない。

会場は当初の参加者予想を大きく上回る満員状態。
小松、加賀の教員、退職教員、保護者、市民の皆さんの関心の高さが伺える。


1 コメント

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森せんせーの意向なんでしょ (AK)
2016-08-01 16:50:38
加賀はアダルトビデオの儲けを元手に多角的経営で脚光浴びる人物を中学の講演会に呼んだり、どうもおかしな地域になってます。いや、昔、「トルコ王」が議員やってた地域だからもともとなのかー(泣)。(議長までやっていたような気がする)
能登が原発なら、加賀は売春ですわ。大阪や名古屋の欲の源&捨て場。
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