北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

今日は宝立小中学校研究発表へ

2014-11-25 | 教育


今日は宝立小中学校の研究発表会。
宝立小中は県内初の施設一体型小中一貫校で、スタートから3年目を迎えた。
私も3年続けて研究発表を参観させてもらっている。
1年目は自信満々の市教委に対して現場は手探り状態、小中の教員の一体化にも腐心している様子が感じ取れた
2年目は小中の連携が進み、教科指導の充実の踏み込んだ年。

そして3年目の今年。
小中一貫の教育課程を進化させた年と校長先生は表現した。
今回の公開授業は5限目、6限目、合計12学級の授業が対象だった。
数が多いので一つひとつをゆっくり見ることはできないが、どの授業も、とにかく見ていておもしろい。
どんな展開になっていくのか、私のような授業の素人に期待を抱かせる構成だ。
子どもらも結構集中している。
小中の全校で99人という規模によるところも大きいだろうし、グループ学習を多く組み込んでいることもあるだろうけど、1人ひとりの発言機会が多い。
片隅で「お客さん」的になっている子はいない。

少しだけ紹介。



体育の授業は先週の三崎中のバレーボールに続き2度目だけど、武道が必修になり柔道の授業を見たのは今日が初めて。
畳っぽいマットにも初めて乗ってみる。



あ~、この授業は一緒に受けたいなと思ったのは5年生の図画工作。
いろんな技法を用いて自分の表現したい絵を描いていく。
教えるのは中学の美術専科の先生。
私らの頃は小学校どころか中学校でもこんなことは習わなかった。



時兼先生の中3の理科。
時兼先生の授業は3年続けて参観させてもらう。
今日の授業は昨年同様、「化学変化と電池」。
難しそうな単元だが、燃料電池のモーターカーによるFIグランプリをめざして実験、観察を繰り返す子どもらの姿、探究心は横で見ていてもぐいぐい引き込まれる。


朝日新聞(11月1日)

さて、試行錯誤から着実に歩き出した感のある宝立小中学校だが、全体会で指摘されたのは、宝立に限ったことではないが、施設一体型小中一貫教育の第一段階の実践を本格的に検証する段階に入ったということ。

特に小学英語については、教科化も睨んでもことだと思うが、いままで検証が弱かったという指摘も。
担任の先生やALTは頑張っているが、そもそも小学英語導入の目的と必要性が私にはいまだに納得できていない。

いずれにしても、中教審が小中一貫を制度化する方針を示したことで、宝立小中一貫はさらに注目されることになる。
今日の研究発表にも、北海道や千葉県、白山市や志賀町からの視察者もおられたとのこと。

全体会の最後、校長先生は「新しい教育文化が生まれつつある」と語った。
3年目の手応えを感じるからこその表現だと思うが、全体を通じて「学力向上」という言葉があまりにも多過ぎたのが一番の気がかり。
都市部の新自由主義的な教育とは違った文脈の中、地域に根差した教育を9年間じっくりと展開できることが「過疎地型」小中一貫の最大の意義。
今後の取り組みをさらに注目していきたい。


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