志賀原発を廃炉に訴訟の第17回口頭弁論が午後1時半から開かれた。
被告・北電からはこの間の私たちの主張に対する反論として第19準備書面、第20準備書面が提出された。
第19準備書面は世論と「社会通念」の動向(第8準備書面)や原発に求められる安全性(第11準備書面)、原子力ムラからの脱却の失敗(第31準備書面)などに対するもの。
再反論の必要がないようなものも多いような・・・
第20準備書面はS-1など敷地内断層に対するもの。有識者会合なんて法的な裏付けのない組織なんだから無視して規制委員会の結論に注目せよといった主張である。
北電は有識者会合が今年度中にまとめる評価書に対してかなりの危機感をもっていることが伺える。
近日中に原告団のホームページにアップされるので、興味のある方、ご一読いただきたい(「裁判資料」から入ってください)。
今日の口頭弁論の主役は七尾市に住む原告・笹川榮子さん。
笹川さんは志賀原発の着工(1988年12月)以前から原発反対グループ「なまこの会」をつくって志賀原発反対運動に積極的に取り組んできた。
珠洲原発の反対運動にも何度となく足を運んでもらっている。
今日は笹川さんが反対運動に立ち上がったきっかけ、志賀町通いに始まり、全国署名を集めたり、県や北電へ足を運んで反対の申し入れをするなど「なまこの会」での活動、そして敷地内断層や臨界事故隠しのなど、志賀原発をなんとしてもとめたいという理由を約13分にわたって訴えた。
ちなみに「なまこの会」のネーミングは笹川さんが七尾の特産品でもあるなまこが大好きだったからとのこと。もちろん、その大好物を志賀原発の放射能から守りたいという思いが込められている。
笹川さん
笹川さんの意見陳述からも、いわゆる専門家ではない1市民が30年も前から訴え続けてきたことがフクシマの事故で現実のものとなったことがわかる。
これまでのように「専門家」の意見を鵜呑みにしていては駄目だという、裁判官に対する警鐘である。
今日は口頭弁論終了後、原告、被告双方の弁護団と裁判所の3者による非公式の協議がおこなわれた。昨年末に裁判所から示された「争点整理メモ」を踏まえ、今後の訴訟の進行について裁判所の認識を聞き、双方の意見を調整する場である。
内容は今後の訴訟の行方を大きく左右するもので、ここに記載できないことは申し訳ないが、いよいよ金沢地裁の審理も煮詰まってきたことだけは間違いない。
敷地内断層の主張をさらに補強していく方針を示す岩淵弁護団長。
次回第18回口頭弁論は3月17日(木)、19回口頭弁論は6月16日(木)時間はいずれも午後1時半からである。
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