「志賀原発を廃炉に!訴訟」の第32回口頭弁論が本日(2月4日)午後2時から金沢地裁205号法廷で開かれた。
今回の原告意見陳述は全国一般石川地方労組の尾崎彰信さん。
原告団に加わるに至った思い、住民を食い物にしてきた原発マネーの実態、志賀原発の危険性、フクシマに寄せる思いと原発ゼロへの決意、そして最後に「裁判長は『憲法の番人』として、福島第一原発事故で、主権在民、基本的人権と平和は守られた、守られてる、と考えているのでしょうか」と問いかけ、司法の責任を果たすよう求め、陳述を締めくくった。
淡々とした口ぶりながら、自らの思いをしっかり込め、裁判長をしっかり見つめて話す陳述で、裁判長含めた3人の裁判官も手元にある原稿に目を落とすことなく、尾崎さんの方にじっと目を向け聞き入る姿が印象的だった。
続いて、被告北陸電力の弁護団からは1月15日の原子力規制委員会の審査会合の状況を報告した「上申書」に関連して、「原子力規制委員会の審査会合は着実に進展している」とし、引き続き進捗状況を報告していく旨の発言があった。
これに対して原告弁護団からは、裁判所や被告の対応を批判する意見が相次いだ。
「規制の判断はいつ頃出るのか、出る見込みなのか、全く示されていない。工程表も示されていない。いったいいつまで結審を待てというのか。速やかな結審を」
「上申書では『第935回審査会合では・・・今春以降に・・・現地調査を実施し・・・最終判断を行うとの額的方針を示した』と記載されているが、審査会合では『今春以降』など具体的な時期についての言及はなく、正確な記載ではない」
「裁判長は他の裁判では具体的な立証スケジュールを明らかにするよう求め、迅速な訴訟進行に努めているのに、本件では被告が具体的な反証のスケジュールを示さないことをなぜ容認するのか」
残念ながら今回も裁判長は「現時点では(原子力規制委委員会の判断を待つという)方針変更をする必要はないと考える」と従来の方針を繰り返すだけだった。
なぜ本件だけ特別の対応なのか、断層問題の判断には高度の専門性が求められるという言い訳が通用しないことは原告弁護団が繰り返し指摘してきている。
それでも異常な対応が続いている。
その異常さは本日の口頭弁論の最後の最後にさらに鮮明となった。
次回期日を5月31日午後2時からと決め、閉廷しようとした裁判長に対して、原告弁護団は発言を求め、裁判長に質問した。
「次回期日の準備事項は何か?」
「準備事項は特にありません」
この裁判では、原告である私たちはすでに主張立証を終え、結審を求めている。
被告北電に反論があるのならば速やかに反論すべきだし、最低限「いつまで」とか、あるいは「こんなスケジュールで」などと方針くらいは明らかにすべきではないか。
それを踏まえて次回期日を入れるものだ。これが普通の裁判の進行だ。
いつになっても反論のスケジュールすら被告に求めず、ただ期日を入れるだけの裁判長。
これでは司法の責任を放棄した「被告北電にどこまでも優しい裁判長」と言わざるをえない。
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