北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

北電答弁書に全面反論 ー富山訴訟第2回口頭弁論-

2019-12-17 | 志賀原発廃炉訴訟

右側の建物が富山地裁


快晴に映える立山連峰を望みながら志賀原発株主差止め訴訟第2回口頭弁論に多くの原告、サポーターらが結集。
傍聴券は今回も抽選。





富山、石川だけでなく福井からも「福井から原発を止める裁判の会」の皆さんが駆けつけました。



今回の原告意見陳述は高岡市の小嵐喜知雄さん。
北電の経営方針の転換を求め、株主として株主総会に出席し発言してきた取り組みを報告し、特に特定重大事故等対策施設(テロ対策施設)の建設についての説明拒否、使用済み核燃料貯蔵プールの飛来物対策の説明拒否、志賀原発の過酷事故による被害と会社への影響についてもはくらかし回答の繰り返しだったことを指摘。株主に不都合な事実を知らせない経営陣を厳しく批判し、裁判での差止めを求めました。
陳述の最後には、被告(北電経営陣)が今回の訴訟を「訴権の濫用」と主張していることに対して、この間の被告の株主総会での不誠実な態度が提訴の動機であるとし、「私は現在83歳ですが、進行性のがんと闘いながら、私の人生をかけて本件訴訟を取り組んでいます。それでもなお被告らが私に対して「訴権の濫用」と言い続けるのであれば、被告らの株主無視、人間性無視を被告自らが裁判所や社会全体に表明することになります」と渾身の決意表明で陳述を締めくくりました。



今回の弁論では、前回第1回口頭弁論で被告代理人から提出した答弁書(訴状に書かれた内容に対する認否を記載したもの。ほぼ全面的に争う姿勢を明らかにしている)に対する原告からの反論と被告に対する質問(求釈明)が提出されました(提出書面は原告団HPの「裁判訴訟(富山)」にアップしてあります)。

これらの書面を巡って、法廷では快晴の青空とは打って変わって原告・被告の双方代理人の間で激しい議論が展開されました。
1点目は今回原告が提出した第三準備書面のパワポを使っての説明についてです。被告代理人がパワポデータの提出が弁論当日だったことを理由に待ったをかけてきたのです。原告代理人は裁判の口頭主義に照らして問題なしと主張しましたが、裁判長は次回期日に実施するとしました。
2つ目は関電の原発マネー不正還流問題を受けて、北電の具体的な状況を問う第1準備書面兼求釈明についてです。被告代理人は「本件訴訟との関連性、必要性は認められない」として「釈明の必要なし」と回答を拒否してきたのです。本件訴訟はこれから先の会社の損害を巡る争い、金品受領は過去の話だから関係なしという理屈ですが、関電の原発マネーの還流は、原発マネーが地元対策にとどまらず、経営陣の私腹にまでリンクし、会社の原発依存体質、再稼働優先方針に影響を与えたと思われます。過去の金品受領は関係なしとは言えるわけがありません。原告代理人は次回期日に向けあらためて書面を提出する方針です。

次回は3月4日(水)午後2時から、次々回は5月25日(月)午後2時からです。

原告団HPの報告も参照ください。


富山新聞(12月17日)
見出し的確。大きく扱ってくれました。


北日本新聞(12月17日)


読売新聞富山版(12月17日)


北國新聞(12月17日) 






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