北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

大分視察 2日目はまちづくりと再生可能エネルギーがテーマ

2017-10-31 | 珠洲市議会
   

産業建設常任委員会の大分視察2日目はハードスケジュールで、九重町のは八丁原地熱発電所、玖珠町のグランドデザイン事業(役場で説明を聞き、市内各所を回る)、そして日田市のバイオマス発電所と、大分県内を走り回る。

しかし前夜からの宿泊は由布院。
せっかく来たのだあら街並み散策はしたい。
ということで朝食前、とうか夜明け前(由布院の日の出は6時31分)にホテルを出て一時間余り街並み散策。

天気予報は晴れなので、朝日に輝く由布岳もみれるかと期待していたが、由布院盆地は深い霧に覆われ、街並みすら霞んでいる。
昨年の地震被害に遭ったJR由布院駅。
天井のガラスが割れて落下したことが全国ニュースになったため、宿泊客が大きく減少したとのこと。

   

7時45分にホテル発。
盆地を囲む山を上がると霧は晴れ、眼下には雲海。
九重連山の山並みが青空に映える。

ススキの大草原は春先に野焼きを行っている。

   

日本最大規模の九州電力の八丁原地熱発電所(11万Kw)。
国内の地熱発電は九州と東北に大半集中しているが、適地をしっかり調査すればまだまだ拡大は可能。
地元温泉施設との協議が難航する例も多いが、適地の地下構造の仕組みを聞くと、共存は可能。
火山大国日本の究極のクリーンエネルギーだ。
地域に適した持続可能なエネルギー開発はまだまだできる。

   

続いて玖珠町へ。
役場に入ってまず目についたのがこの一階フロア。
明るく、わかりやすく、プライバシーもしっかり守られた窓口が並ぶ。

玖珠町の視察目的はまちづくりのグランドデザイン事業。
あのJR九州の「ななつ星列車」をデザインした水戸岡鋭治氏とまちづくりデザインを事業の委託契約を交わし、まちづくりを進めている。
工業デザイナーの水戸岡氏にまちづくりのグランドデザインを?と驚いたが、具体的にエリアを決めて、デザインのイメージを具体的に提示してもらうという委託内容だ。
ななつ星の印象が強いので、玖珠町の財政面での身の丈に合わない超高級デザインの提示などないのかとも思ったが、そこは町からは事業費の大枠が前もって提示され、担当者はもちろん、デザインする当該地域の住民とも何度も話し合いを重ねている。
なによりデザインを活かすのは住民ということで、水戸岡氏からは住民の主体性、自主性を最大限尊重するスタンスがあったとのこと。

   

昼食をいただいたのは、旧城下町エリアでメルへンの里の整備が進むが、そこに水戸岡氏のデザインが加わり、グレードアップ。
時間がなく、街並みをゆっくり散策できなかったことが残念。

   

かつてのJRの機関庫や機関庫公園も重点エリアの一つ。
案内していただいた河野議長、やけに事業内容に詳しいなぁと思い、ご本人に確認すると、議員になる前から機関庫の保存活用の住民運動に取り組んできたとのこと。
水戸岡氏の提言を真正面から受け止め、活かしていける住民がいる玖珠町はすごいなぁと思っていたら、まさに目の前の議長がその当事者で、住民運動を牽引してきたリーダーだったとは。敬服である。

   

機関庫公園の向こうに見えるのが「天まで届きそうな大クスノキの切株だそうだ。四国まで影が届くほどの大木で、田畑に日が当たらないので、身の丈9百尺もの大男に頼んで、3年3カ月かけて切り倒してもらったとのこと。」
そんな昔話が残る伐株山(きりかぶやま)で、ここの頂上もデザインの重点エリア。

   

まさに切り株のような山で、どうやって登るのかと思うが実は車で頂上までいける。
そしてそこには・・・
まだ事業の途中だそうだが、素敵な空間が広がる。

   

ダイナミックな写真スポットも。

   

平日なのにすごい賑わい!と一同本気で驚いたが、実に上手につくられた案山子だった

   

今日の視察の最後は日田市にある㈱エフオン日田のバイオマス発電施設。
日田市と言えば甲子園でも有名な日田林工高校しか知らなかったが、ウッドコンビナートという、まさに木材関連の多くの企業が集中するエリアの一画にこの施設はある。
発電出力は1万2千Kw。
九州では近年、多くのバイオマス発電施設が建設されている。
その多くは自治体の誘致。
ある意味、誘致合戦が展開されている。
その目的は、もちろん税収増もあるだろうが、なにより大きな目的は林業の振興。

未利用材やリサイクル材、一般木材といった森林資源を活用した「環境にやさしい」発電だ。

とはいえ大規模な施設は森林の再生サイクルと合致するのか疑問。
この施設でも活用する木材も、木材供給会社が大分県内だけでなく九州全域から運んでくるとのこと。
九州地域内のバイオマス発電所の中には計画通りの木材を確保できていない施設がいくつもあるという。
木材の奪い合いで、当然コストも上昇していく。
木材の供給とバランスの取れた規模で普及していかないと、山の乱開発にもつながりかねない。

期待と懸念が入り混じったバイオマス発電、小規模でもっと地域分散型が望ましいのではないかと思うが、採算規模は5000Kw程度以上が必要とのこと。
悩ましい。

大分県内を走り回った一日、視察先以外の町の景観、食事も含め、大いに勉強になる一日だったが、報告も駆け足で


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