11/16(水) 家を出て駅に向かうすがら空の青さに気付く。初冬の風が心地よく過ぎていく。それやそうだ、風呂から上がって間もない・・・(風呂は出かける前の朝風呂と決めている)。
拙いblogを始めて丁度三年となるか。その頃にアップした写真を見ると「八丈島」での明日葉ビールや島の地魚の握り寿しがでていた。それは、先週末からのチェジュ島と同じメンバーによる八丈島訪問であった。
さて、今日の弁当は「鶏肉と根菜煮」「豚バラ肉炒め」「卵焼き」である。根菜は昨夜始めて訪れた「土佐の高知」と云う店で買った椎茸・九条ネギにレンコン・人参である。
余談ながら、「土佐の高知」なる出所明らかな店は、10月22日にJR駒込駅から程近い場所にオープンしたばかり。高校の先輩から行ってくれと言われていた。昨夕、偶々巣鴨にて打ち合わせがあったので顔を出せた次第。間口二間ばかりの小さなお店であったが、ご夫妻で商っているそうな。野菜は新鮮で、安かった。
弁当に戻る、豚ばら炒めにはシメジ・タマネギ・長ネギ・人参とウィンナーのオリーブ炒めを添える。豚バラは酒・醤油・生姜で炒める。卵焼きにはチリメンジャコと刻みネギを入れてみた。
こうしてみると毎回同じような物ばかり『変り映えしないね』と言われそうだが、仰るとおり。我ながら面白くない。但し、味付けだけは少しづつ変えている。今日の味は濃い、濃すぎた・・・。自分が弁当を持たないからと、手を抜いている分けでは決してないが。
妙に美味い「椎茸昆布佃煮」の残りを飯の上に載せ、三人前の弁当が完成した。所要時間は40分、ご飯の炊きあがりと同時に出来上がった。
「深夜のラジオ」
この頃ラジオを点けている。TVの番組はどれも似たようなオチャラケばかり、チットも面白くない。CDの春日八郎・ひばり・ちあきなおみ・布施アキラ、も聞き飽きて近頃老人族の人気を得ていると云う「ラジオ深夜便」なる番組にダイヤルを合わせている。
深夜、微かに流れる唄に目覚めた。のか、目覚めて耳に入ったのか。懐かしい「想いでまくら(小坂恭子)」の静かなメロディーと詩が聞こえてきた。妙に落ち着いた気持ちで、聞き入った・・・。この詩が流行ったのは二十代の半ば頃であったか、その頃の或るシーンが甦った。
時刻は三時半であった、そのまま微かな音に聞き入った。四時となり、作家の津村節子さんのインタビュー二日目が始まった。そうか、昨夜もこの一回目を聞いていたんだ。と、思い出した。
残念ながら津村さんの作品は読んでいない。精々銀座の情報誌「銀座百店」で職人さんをインタビューする記事を何年か前に読んでいただけ。しかし、ご主人の「吉村 昭」さんは好きな作家であった。
吉村さんとの思い出、作風について、そして「三陸海岸大津波」に触れるのは必然であった。微かなラジオの音に耳を傍立てる・・・。
吉村昭さんの作品に関心を持ったのは「深海の使者」(文芸春秋)が、月刊誌に連載されてからである。その頃、文芸春秋は愛読書であった。吉村さんの丹念・緻密、徹底した取材から生まれてくる文章には、引き込まれ、面白くて飽きることがない。
偶々だが、氏の「史実を歩く」(文迎春受)という文庫本に、二ヶ月程前に巡り会い読んでいた。その本にも書いている『言い伝え、伝承は貴重だが、鵜呑みにしていけない』と。史実を丹念に探査し、突合し、其処から生まれたものが文章となる。だから飽きない、愉しい。
津村さんが訥々と語る、夫というよりは作家・吉村昭の姿がよかった・・・。
暫くはラジオが続きそうだ、また睡眠不足か?