12/9(火) 明け方前に目覚めた。夢のつづきを反芻しながら、何であんな夢だったかと考えた。今年の初春に急逝した従弟と、亡父に叔父が出てきた。剣道の防具をつけて、あれこれと話をしながら階段を登っていた。従弟は野球部だったので、ユニホーム姿なら分かるが、剣道姿とは?何故亡くなった者が、と思ったが・・・。
前夜帰宅すると、喪中の葉書がこの日も届いていた。が、驚いたのは、故上田雄一さんの奥様、晴子さん逝去の知らせであった。享年六九歳か、その突然の通知が胸のうちにわだかまり、冒頭の夢のような形で現れたのか、と思った。或いは、私を皆が呼んでいるのか。
ここ何日か、故上田雄一さんのことを思い出していた。後1~2年で十三回忌ではなかろうか?その折には、ご無沙汰つづきを詫びに奥様を訪ねようか、そんなことを考えていた矢先であった。春・秋の彼岸には墓参をするようにしていたが、父が亡くなり彼岸に帰省をするようになった。ここ二年、墓参が叶っていなかった。それが、今となっては心残りである。
上田さんは、サラリーマン時代の最後に直属の上司であった。現役で病を得た上田さんが、母校の北大病院に入院されていた時に、現役時代と退職後の二度、お見舞いに伺った。その折と、一周忌の法要で奥様の晴子さんにお目に掛かった。そして野川のご自宅に、お線香をあげに伺ったことがあった。
官僚生活を伺わせない、たおやかで上品な奥様であった。上田さんとは、北大時代の同級生だったそうで、法要の折に学友が「無骨な上田が、晴子さんを射止めたとは、皆が驚いたもんだった」と、若かりし頃を語ったことを思い出す。
年が明けて納骨が済んだ頃合いを計らって、狛江「千手院」に眠る、お二人の墓前に詣でようと思う。
そんなことで早くから目覚め、やることのないオヤジは台所に向かったのである。今日のメニューは、昨夜の内から決めてあった。安・短(食材が安くて、短い時間で出来る意)の、「蓮根の挟み揚げ」「茄子と牛蒡の味噌炒め」「焼き鮭」「卵焼き」である。
揚げ物ついでに薩摩芋の素揚げを少々、味噌炒めに蓮根・ピーマン・茗荷が加わり、前日から晒しっぱなしの「イタドリ」を出汁ジャコ(鰺子)煮、白菜の豚肉挟み煮と、メニューが増えたのはご愛嬌である。
今日は家人と長女の二人分ながら、たっぷりの菜が出来上がってしまった次第。私の弁当は、今日はお休み。代わりに久々のミックスジュースを作った。
弁当箱に詰めている最中、電話が鳴った。郷里の老母からであった。「誕生日だね~、オメデトウ」なんて言いやがった。『ちっとも目出度くはね~が、ありがとう』と返した。こっちが幾つになろうと、親は親である。目出度いこった。
そんなことで、今日が誕生日だと思い出した。「目出度くもなし 一つ老いゆく 師走かな」だな・・・。FACE BOOKから、幾多の友人から義理のオメデトウが届いた・・・。
- 余 話 ―
笑い話にもならぬが、昨夜はサラリーマン時代の後輩と渋谷で会った。
『処で、その後どうなったんだい?』と訊くと。「今月初めに、女房は出ていきました。何にも言わず、連絡先も残さずに、仕事に出てる間に荷物を運び、残った物は冷蔵庫と蒲団一つ。預金通帳とキャッシュカードは置いてあったが、残高ゼロ」とのこと。見事な三行半を喰らった報告であった。
数ヵ月前、離婚話を切り出されて、ついつい離婚届にハンコを押したが、何とかやり直せないかと思っている。との話を聞いてはいたが・・・。「結局、向うの言うとおりにしました。息子たちも女房のみかたなんで・・・」とは、男はつらい!
云う言葉もないんで『割り切って新しいのを見つけろよ。俺の知り合いのオジサンなんか、退職と同時にカミさんから別れると言われて別れたんだが。その後、飲み屋で知り合った年増と宜しくなり、挙句に前立腺を患って逃げられ。その術後、元気を取り戻して、また新しい年増と宜しくやってるぞ』と、励ました?
「とてもそんな気にはなりませんよ」と、元気がない。『時間が解決するよ。年金を半分持って行かれた分は、今のマンションを賃貸にしてそれで補うか、最後は田舎で安く暮らせばいいさ』なんて、役にもたたん知恵を授けた。
今日の昼、これも後輩と昼飯を摂りながら話を聞くこととなっていた。仕事が超繁忙で、体調が思わくないとのことである。話を聞いてやるだけのことであろうが、それで溜まっているものが軽くなってくれたらいいのだが・・・。
二時間弱、話を聞いた末に私が言ったのは、
『自分を中心に考えるな、仕事がどうすれば廻るか、部下の成長のためにどうすればいいのか。その上での組織・チームの在り方を相談したら?』であった。『精神科医なら知り合いがいるから、何時でも紹介するよ・・・。サラリーマンは辞めちゃ駄目だよ、行き先は幾らでも有るんだから』と、付け加えた。
人様のことは、何とでも言えるが・・・。残念ながらノー天気なOYAJIは、後輩のような、そんな経験がない。それって幸せ、それとも不幸か?ノー天気OYAJIには判らん・・・。それよりも、歯医者で歯を弄られて、辛いのだ!