3/29(木) 昼前、友人のT物産社長・OKAZAKI氏からの電話が「日本橋に来ているが、時間があるようなら桜でも・・・」との、優雅な誘いであった。否応もない、日本橋なら歩いても十数分である。来てもらうことにした。
間もなく姿を見せた氏と、事務所ビルの下で落ち合った。『墨堤でも散歩しようか』と伝え、メトロの駅に向かうことにした。十メートルも歩いたところで、昨日の陽気につづく今日の暑さに閉口した。近場にしようと再提案し「浜町公園」に向かうことにした。ここなら徒歩圏内で、隅田川縁の馴染の公園である。
人形町交差点から甘酒横丁、明治座の脇を行くと浜町公園に至る。浜町公園には桜が十本ほどか、以前に何度か利用したが、近頃は予約が取れないバーベキュウー場がある。
暑いから日陰を歩こうぜと、甘酒横丁の通りを西側の歩道に渡った。少し進んだ横道の先に出ているビルの看板をOKAZAKIさんが見つけた。「松栄堂」とあった。氏の高校時代の友人が社長を務めるお香の老舗「松栄堂」の人形町店であった。折角だからと、店を覗いて行くことにした。
ビルの通用口に「面接会場」の張り紙があった。来春の採用面接をしているようだ。店内に入ると、お香やらしく馴染んだ線香の香りに満ち満ちていた。商品をひとあたり見回すと、匂い袋や香り入りの和紙、香りを楽しむ道具など様々に並んでいた。
京都が本店なので社長は来ていないだろうが念のためにと、氏が様子を訊くと「在店しており、採用面接中です」とのこと。じゃあ名刺を置いていくので伝えて下さいと託した。
浜町公園に向かう途中にある緑道の桜は、花弁を風に舞わせていた。満開から花吹雪へと変わり、緑道に据えた勧進帳の弁慶像に散り注いでいた。
明治座を横目に中央公園に入る。満開の樹の下にブルーのシート引いた花見客が数組。まだ姿のないシートは場所取のためであろう。バーベキュー場の灰皿置き場で一服し、隅田川を行き交う遊覧船を眺めた。どの船も満員のようだ。
草の渡船場は、さぞや混雑していることだろうと、何年か前の花見時期に乗船した時の光景を彷彿した。初夏の陽気の中でなんとも長閑なひと時である。世の中は年度末でバタバタしてるだろうにと、二人して苦笑いである。
ランチを摂ろうというので、古風な店構えの「来福亭」でクラシックなカニ焼き飯(一番安い)を食すことにした。焼き飯が手元に来たところに、氏に着信が。松栄堂の社長からである。店まで来て貰い、一緒にランチとなった。氏から話だけは何度も聞いていたが、初見であった。
京や三百有余年に渡る香ビジネスのことなど聞きながら、ランチとコーヒータイムをご一緒した。京都の桜も満開だそうな・・・・。そんな次第で、昼前から午後に掛けてのひと時を思いがけずに過ごした。
今日の弁当は「チンジャオロース」と「ホタテフライ」が東西の横綱。他には「小松菜と薄揚げの煮浸し」「秋刀魚焼き」「卵焼き」であった。
病院勤務での長女の弁当は、今日と明日だけとなる。東西の横綱を揃えて、楽日前を祝い、明日の千秋楽は「ステーキ」で送り出そうかとバカなOYAJIは思うのである。四月の二週目から、また二つ弁当になるのだが・・・・・。母・娘で、同じ職場に同じ弁当持参と云うのもどうかと思うが・・・ネ。
昨夜、後輩のSHIMAKAWA君と一献交わし、早めの帰宅。東急ストでチンジャオロース用の肉と筍を買い、家路に向かった。家に着く百メートルほど手前で「背中を丸めて前を行くのはニイサンじゃないか・・」の声が、後ろから。慌てて背中を延ばし、知らぬ存ぜぬのふりをする。
横に並んだ自転車には、長女と孫のSORAである。声を聞いただけで直ぐに分ったが、丸まった背を見られたとは不覚!。旦那の両親達と日帰り旅行に行ってきた帰りとか・・・・。お土産を貰ったが、そのうちの一つ「わさび漬け」は、「嫌いだから弁当には入れないで」と言い残して帰った。
昨夜の言葉のお返し、嫌みで、今日の弁当に入れりゃよかったか、残念!。