好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス 交響曲第1番 小澤/ボストン響

2016-06-05 21:08:18 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…小澤
演奏…ボストン響
好み度…4(5点満点)

渋さとか重厚さとか、彫りの深さとか、あるいはたっぷりの思い入れとか、を感じる演奏ではなく、全体的には小澤らしくバランスのとれた、ある意味明るめのさっぱりした演奏のように思う。
ただ、その響きにはさすがと思わせるしっかりした厚みがあり、若々しく明快で歯切れのよい活力と推進力を感じる。
また、終楽章前半のホルンによる主題のソロは雰囲気あるし、まさに凱歌の感のある堂々たるフィナーレ、あるいは瑞々しくも美しい第2楽章など聴かせどころもあって、歯切れよくも美しく厚みのある響きとともになかなかの魅力をもった盤だと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブラームス 交響曲第2番 バルビローリ/バイエルン放送響

2016-06-05 21:04:51 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス 
交響曲第2番 

指揮…バルビローリ
演奏…バイエルン放送響
好み度…4.5(5点満点)

バルビの温かみのある重量感とバイエルンの清清しさがよい形で一緒になった名演と思う。
同じバルビのブラ2でも、ウィーンフィル盤(ウィーンフィル盤はスタジオ録音、バイエルン盤はライブ)と比べると、重量感や骨太感、完成度などは若干ウィーンフィル盤のほうに分があるようにも感じるが、この楽団のもつ透明感ある響きによるのだろうか、バイエルン盤には風に吹かれて遠くを見るような、郷愁に似た、飾らない情感を感じ、素朴な清らかさと、広がるようなスケール感を感じる。
バルビの指揮はウィーンフィル盤のときより、例えば第1楽章の弦と木管による主題の部分や第2楽章などで情感の表現を増していているように思えるし、バイエルン放送響の響きはときに神々しいまでの響きとこの楽団ならではの清らかな情感を感じさせてこの盤ならではの雰囲気を濃く持っている。
終楽章では力強い明るさやホルンの思い切りのよい響きも印象的であり、全体として清清しくもスケール感と情感に満ちた演奏となっている。
フィナーレのトランペットは入り損ねたのかなぁ、個人的にはちょっと残念な感はあるが、同じ指揮者ではありながらVPO盤とはちがった趣の、名演と思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブラームス 交響曲第4番 チェリビダッケ/ミュンヘンフィル

2016-06-05 21:01:58 | ブラームス 交響曲第4番
ブラームス 
交響曲第4番 

指揮…チェリビダッケ
演奏…ミュンヘンフィル
好み度…5(5点満点)

このコンビはここでもやはりこのコンビらしい。
細部まで気を配った乱れぬアンサンブルや、美しい弦と木管、ときに少し意表を突くような鋭い響きの金管。深く美しいブラームスである。
第1楽章はゆっくりしたテンポで、透明感と深みを併せ持った独特の雰囲気を持ち美しい。
繊細な哀愁というか寂寞感のようなものも漂わせているような印象を受ける。
そして叙情楽章である第2楽章はこのコンビでしかできないような宗教的とも感じられる響きが何とも美しい。
チャイ5の第2楽章冒頭、新世界の第2楽章中盤…このコンビは聴きなれたはずの箇所でそれまで感じることがなかった深く厳かな響きを浮かび上がらせる。
騒ぎ過ぎない第3楽章も趣がありこの演奏に合っていて、終楽章も遅めのテンポでたっぷりの、ときに悲壮感にも似た叙情性も漂わせ、繊細で深く密度の濃いものである。
第1、第2楽章でも感じられるが、静寂を意識させることで各楽器の美しさを引き立たせるというか、そんな美しさも感じられる。
ブラームスらしい重量感とか渋さとか云々というより、チェリらしい、情念をも感じさせるような美しさがよく出た、この盤にしかない魅力を湛えた名盤だと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする