好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 ミケランジェリ/ジュリーニ/ウィーン響

2019-06-09 09:15:00 | ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」&第4番
ベートーヴェン 
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 

ピアノ…ミケランジェリ
指揮…ジュリーニ
演奏…ウィーン響
好み度…5(5点満点)

ジュリーニの音楽はゆったり柔らかくおおらかであり、ミケランジェリのピアノは何ものにもビクとも動じないように堂々としつつその音色は音の大小にかかわらず重みも繊細さも兼ね備えて美しい。かなりゆっくりめのテンポなので躍動感とか瑞々しさとかはあまり感じないが大きく堂々とした皇帝になっている。
第1楽章から大きくゆったりと第2楽章はピアノも弦も木管も美しく、第3楽章もゆったりめの運びで堂々としたもの。録音も上々のライブ録音。
オケにはウィーンフィルのような名人芸じみた響きはないが、その響きは泰然と古風な気品と風格を感じさせつつ美しくよく響き、ピアノにチェリとの盤のようなほとばしるような勢いとか瑞々しさはないが堂々と美しく、華のあるタイプではないが名盤との評も頷ける堂々風格の1枚のように思う。
チェリとの録音と比べるなら、華やかな圧倒感では断然チェリ盤だが、芳醇な気品というか風格というか、そういったものはこちらが長じているようなところもあり、総合的にはタイプが違うので甲乙はつけがたい。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 イッセルシュテット/ウィーンフィル/ウィーン国立歌劇場合唱団 他

2019-06-09 09:12:06 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…イッセルシュテット
演奏…ウィーンフィル
合唱…ウィーン国立歌劇場合唱団 他
好み度…4.5(5点満点)

あくまでも端正だが、端正というには力強い響きであり、厳格といったほうが合っているかもしれない。
響きにウィーンフィルの気品と艶を感じさせつつも剛毅な骨太感が印象的でもあり、空間的に広がるスケール感というよりは巨岩のような密度と気が感じられるようである。
感動を煽るような演出はないし、比較的明確な音でかっちりまとまっている分、一聴の印象としてどこか重みや熱や情あるいはスケール感や奥行きに欠ける印象も確かに受けなくはないが(これは残響の少ないかっちりした録音も影響しているように思える)、やっぱり美しくも実直な力強さを持った第九なんだと思う。
第3楽章も深刻さはないが素直な明るさを帯びた天上を歩くような美しさがあるし、終楽章の独唱では冒頭のバスはじめしっかり存在感を示しつつ上手いし、この合唱団のいかめしいほどの力強さはこの演奏に合っていて、歓喜の歌はじめ力強く壮大な雰囲気も感じさせ、フィナーレも結構熱っぽく〆ている。
端正にして、美しさ香る実直・剛毅な第九であり、まとまり過ぎて…なんて評も見ないではないが、やっぱりこれは名盤でしょう。
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ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 バーンスタイン/ニューヨークフィル 

2019-06-09 09:03:22 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク 
交響曲第9番「新世界より」 

指揮…バーンスタイン
演奏…ニューヨークフィル
好み度…4(5点満点)

世には名盤の声高いようだが、私の好みではないかな。
思い切りのよいスタイリッシュさと歌う感覚は受けるが、第1楽章は私にはちょっと速すぎ重みと郷愁に欠け、第2楽章は一転かなりゆっくり静かだが、それで何か、というものもそれほど感じられない。また一転第3楽章は嵐のような激しさや疾走感を前面に展開され、それでも終楽章の力感漲る響きはどこか斬新な雰囲気も感じつつさすがとの感も受ける。
思えばドヴォルザークがアメリカで書いた曲であり、アメリカの指揮者とオケによる、アメリカっぽい雰囲気の演奏、といえば腑に落ちるような気もし、颯爽とした近代的な響きと演出がかった歌は、曲の標題が「アメリカ」だったらピッタリかもしれない。
要するに古風な重厚感とか郷愁といった演奏でなく、近代的な新世界なのかと思われ、演出家・バーンスタインの演出は、この曲では私には合わなかった、ということだと思う。
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