好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 マタチッチ/チェコフィル

2019-11-16 11:49:44 | ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
ベートーヴェン 
交響曲第3番「英雄」

指揮…マタチッチ 
演奏…チェコフィル
好み度…4.5(5点満点)

歯切れよく透明感ある響きが凛とした美しさと覇気を感じさせる快演でしょう。
活き活きとした快活さの中でとおおらかさをも感じさせ、チェコフィルの響きは素朴だが颯爽とした艶に満ち、小気味よいティンパニは響きに大きさを加えるようであり、チェコフィルの機能美も爽快。
最初の2音から引き込まれ最後までいいけど、特に終楽章がまたいいかな。弦の、艶と透明感のある美しい響きが溌剌と輝くようであり、その響きと重なりは清清しい力感をもって力強く美しい。アンサンブルの輪郭もしっかりしてるし、59年の録音でこの美しさはスプラフォンというレーベルに改めて感心する。弦の響きにはちょっと敬虔めいたものすら感じるようでもある。後半のホルンがゆったり吹かれる箇所も単調に聞こえる演奏もある中、包まれるようないい雰囲気である。
マタチッチのおおらさかとチェコフィルの凛とした美しさがよくマッチしたこの盤にしたかない味わいを持った盤のように思う。
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ブラームス ピアノ協奏曲第2番 ラローチャ/ヨッフム/ベルリンドイツ響

2019-11-16 11:37:44 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第2番

ピアノ…ラローチャ
指揮…ヨッフム 
演奏…ベルリンドイツ響 
好み度…5(5点満点)

ピアノもオケも、重厚でありながら威圧的でなく、ほんのり情緒的であり、また、どちらを聴かせるというのでなく一体となって、ピアノつき交響曲と呼ばれるこの曲のよさををいい意味で感じるようでもある。
ラローチャのピアノはしっかり重みと強さも持ち、弱音部での透き通るような凛としながらも情感漂う高音も美しい。
オケもしっかり金管も鳴りながらゆったりブラームス的な重厚感を漂わせる。
冒頭のホルンも、続いて静かに入るピアノもしんみり沁み込むようで、第1楽章の情も緊張感も漂わせたゆったりした重さ、第2楽章の重みの中にほんのり漂う哀愁感、第3楽章のチェロや弦の甘く渋い美しさとピアノの郷愁を誘うような一音の美しさ、終楽章の闊達とした無邪気感、と各楽章の良さもしっかり聴かせてどの楽章も秀逸というのもありそうでないかもしれない。
ラローチャはジャケットの写真の華奢な印象から力感に欠けるかとも思っていたが全然そんなことはなく重厚さの中に多感な情熱も感じられるようなピアノだし、ヨッフムはギレリス盤といいベロフ盤といいこの盤といい、3盤3様ではあるがどれもいい響きを聴かせて、個人的にこの曲との相性はいい。
名盤として挙げられているのを見かけたことはないが、変化球なしに実直に力が込められ、ゆったりと心地よい深みのあるスケール感も感じさせて、重厚でありながら凛としてどこか癒されるような。これは名盤でしょう。
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ブラームス ピアノ協奏曲第1番 フレイレ/シャイー/ゲヴァントハウス管

2019-11-16 11:28:53 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第1番 

ピアノ…フレイレ
指揮…シャイー
演奏…ゲヴァントハウス管
好み度…4.5(5点満点)

オケは明るい艶を帯びて各楽器の重なりも心地よく厚く響き、ピアノは重い強打が叩かれるタイプではないが、しっかりした重みと強さを持ちながらほのかに明るく、そして優しく温かい情を感じさせる。
そしてオケもピアノも明るく輝くような歌が爽やかに心地よかったりもする。
他の盤と比べると、ちょっとオケの印象が強い盤かもしれない。
どうもこの曲の導入あたりが苦手でだいぶ聴かなかったのだが、その導入も結構気持ちよく聴けて、思えばこの曲をはじめていいな、と感じさせてくれた演奏のように思う。
ほんのり明るくシャイーらしい雑味のない小気味よさも感じさせながらちゃんと厚みもあって、重々しいばかりがブラームスじゃないと感じさせるような、温かく重みのある華を感じさせる1番のように思う。

20191208 好み度他ちょっと改変
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