好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス ピアノ協奏曲第2番 伊藤/フルネ/東京都響

2022-01-09 14:08:43 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第2番

ピアノ…伊藤 
指揮…フルネ 
演奏…東京都響 
好み度…4.5(5点満点)

華奢な華美はない。オケもピアノも器用な雰囲気ではないが、不器用なくらいの一音一音踏みしめるような重みの効いた空気感がブラームスらしい。
ピアノもオケも重いけど濁りはなく、ピアノの嫌味のないタメも雰囲気を作っているし、オケの低弦も含めいろんな音が重くがっちり噛み合った充実した響きは印象的。そんな両者が違和感なく融合して、大きさとか派手さは感じないけど、がっちり充実したブラームスである。

チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」 ムーティー/フランス国立管

2022-01-09 13:59:48 | チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」
チャイコフスキー 
交響曲第6番「悲愴」

指揮…ムーティー 
演奏…フランス国立管 
好み度…4.5(5点満点)

美しい中に激しくはないが切ないような情の織り込まれた、これはなかなかの演奏。
ムーティーはもともとガツンとメリハリの効いた響きをつくるタイプではないので、この演奏でも力強さとか緊張感とかは感じないが(あえてガツンとした音は避けているような節もある)、オケの、特に弦のフランス風の艶のある響きがプラスに作用して、ロシア的とかでなく、もっと普遍的で薄っぺらでない美しさに満ちた演奏のように思う。
第1楽章の第2主題も美しいし、展開部のクライマックスも急ぐことなく盛り上げて濃い情を新鮮に嫌味なく感じさせる。第3楽章はもうちょっと勢いがあっても、とも思うが、終楽章およそ3分以降の弦の叙情部は支える低弦も柔らかくよく響いて美しいものと思う。
柔らかく、情も織り込まれた、重なる弦の美しさが印象的な盤である。(20220210部分修正)

マーラー 交響曲第2番「復活」 シャイー/ロイヤルコンセルトヘボウ管/プラハフィル合唱団 他

2022-01-09 13:54:25 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー
交響曲第2番「復活」

指揮…シャイー 
演奏…ロイヤルコンセルトヘボウ管 
合唱…プラハフィル合唱団 他 
好み度…5(5点満点)

コンセルトヘボウの美しい響きと、シャイーのカッコよい音づくり。ドロドロしたマーラーを聴きたければ他の盤を聴いたほうがよいと思うが、厚いが清清しいくらいに濁りのない、緊張感と艶を湛えた美しい復活のように思う。
オケもいいし、クライマックスの合唱の、十分な声量を感じさせながら幾層にもパートが重なるさまは他ではちょっと聴かれないもので、感動的な盛り上がりを聴かせる。静かに謳われる原光は弦も独唱も美しい。
何というか、みんなうまい。そんなうまい人達が、お上手だけでない、美しく感動的な復活を奏で歌い上げている、そんな盤のように思う。