好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブルックナー 交響曲第5番 シャイー/ロイヤルコンセルトヘボウ管

2022-07-09 17:18:10 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)
ブルックナー 
交響曲第5番

指揮…シャイー 
演奏…ロイヤルコンセルトヘボウ管
好み度…5(5点満点)

美しいブル5。冒頭の弦からして漂う絹のように優しく美しく、厚い金管の響きすら透明感を感じるようですらあり、適度な残響と綺麗な録音とで、特に恣意的なものはなくてこの曲の素の敬虔な美しさが感じられるようである。
弦も重なる金管も、厚いが艶も透明感もあって、まさに教会の少しひんやりした空気とステンドグラスを通した光、石に囲まれた残響豊かな響き、そんな空間を連想させるような美しいブル5のように思う。
この曲はとっつきにくい、という言い方もされることがあるようだが、この演奏ではスッと美しさを感じられるようだし、そのイメージは「重厚な城塞」ではなく「敬虔な教会」である。
フィナーレなどは結構壮大だし、力強くも颯爽としたカッコよさも随所に感じられて、シャイーの明るい活力のある美しい音楽とコンセルトヘボウの厚く美しい響きが曲によく合った、この曲の名盤としてもっと名が挙がっていい盤のように思う。

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マーラー 交響曲第5番 シップウェイ/ロイヤルフィル

2022-07-09 17:13:42 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第5番

指揮…シップウェイ 
演奏…ロイヤルフィル
好み度…5(5点満点)

指揮者もオケも一流として名の通っている感じではない(オケはよく聞くか)けど、大きな響きと流れと起伏を有した、世評でも結構評価高いもののようですね。
美しく静かで儚い夢幻のような弱音部はときに耽美的な美しさを漂わせ、強奏部は圧するように大きく巨大な何かを感じさせるようである。
響きは丁寧だが萎縮することなく、金管や打楽器の咆哮はあっても統制不能に暴れることはない。
ロイヤルフィルの豪快な金管群と厚い華のある響きはマーラーに合っているのかもしれないし、シップウェイがゆったりめのテンポの中レンジを自在に操り儚いような美しさも与えている。
豪快な第3楽章終盤から一転霧の間から漏れる光のように静かにゆっくり柔らかく始まるアダージェットも旋律はゆっくり、静かに歌いきられ何とも美しく、中間部と最終部の弦の圧するような重みすら大きな流れの中で自然で美しい。
思いっきりマーラーを奏し切り、それが一人相撲にならず何の違和感も生じさせずに、上質のマーラーならではの大きさと美しさを感じさせる名盤のように思う
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ブラームス ピアノ協奏曲第1番 ブーフビンダー/アーノンクール/ロイヤルコンセルトヘボウ管

2022-07-09 17:10:37 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…ブーフビンダー 
指揮…アーノンクール 
演奏…ロイヤルコンセルトヘボウ管 
好み度…4.5(5点満点)

かなりゆっくりとしたテンポの印象が残るのは、おそらく第1楽章のテンポによるものだろう。
第1楽章はかなり時間をかけるが間延びの印象は感じさせず、コンセルトヘボウの響きは渋い艶を帯びて重く、ピアノはほんのり甘い憂いを帯びて心地よい重さを感じさせる。
第2楽章も渋めの響きの中でピアノの情を漂わせた雫のような音色も随所で美しく、終楽章のピアノは迫力にも似た力強さも加わって聴き応えあり。
渋い重みとしっかりした厚さに、にじむ美しさを感じさせる特有の雰囲気をまとった、味わいのある盤のように思う。
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