ブラームス
ピアノ協奏曲第1番
ピアノ…マルガリット
指揮…トムソン
演奏…ロンドン響
好み度…4(5点満点)
Chandosレーベルで、録音はこのレーベルらしい残響多めの明るめの響き。演奏が大きく聞こえるようなところはあるので、むしろいいかもしれない。
ピアノは硬質でどこかほんのり明るく若い強気な印象を感じる。
様々な表情が顔を出すというよりはむしろ凛と一本気のイメージであり、結構強く叩いてもいるようにも思うが、女性ピアニストだからかどうか、太い音にはならないので、厚いオケに乗ってどこか涼やかな雰囲気にも聴こえる。
特に上手いとかそういったタイプのピアニストではないように思われ、深みとかこぼれるような美しさといったようなものはこの盤ではあまり感じられない(それでも透き通るような弱音の高音などはこの人の長所なのかもしれない)が、しっかりした意志が感じられるような弾きっぷりは心地よく、終楽章などは他の盤と比べてピアノ主体で、その闊達なエネルギーを感じさせる演奏はこの盤ならではといえるかもしれない。
オケはロンドン響だし、危なげなく、厚く、特に重量感を強調するわけではないが、こぢんまりとせずに大きさを感じさせる好サポートと思う。
重みとか風格とか、そういう演奏でなく、青いと呼んでいいような一本気で、透明感のあるエネルギーというか、そういったピアノの雰囲気が、特にこの曲ではそれもいいんじゃないかと思え(しっかりした大きさと重みのあるオケの響きがあってこそとも思う)、こういう1番もいいな、と思える盤のように思う。
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