ベートーヴェン
交響曲第9番「合唱」
指揮…サヴァリッシュ
演奏…ロイヤルコンセルトヘボウ管
合唱…デュッセルドルフ市楽友協会合唱団 他
好み度…5(5点満点)
特に力強さや激しさは感じない。特に荘厳さや敬虔な雰囲気を感じるわけでもなく、「ここがいい」という聴き所をつくっているわけでもない。特に可もなく不可もない、といった感じなようで、地味といえば地味なんだけど、でも、何かとてもいい。
その響きは、尖らずに厚く美しい調和があり、気品と美しさが、あふれるというよりは滲み出るようで、淡白なようで風格漂う味がある。
その深み漂う厚い美しさと調和をもった響きはベートーヴェンならではであり、コンセルトヘボウならではであり、サヴァリッシュの真摯さならではなのだろうと思う。
料理でいえば、よい素材を、濃いソースをかけることも、派手に盛り付けることもなく、素材の味を引き立てるためにできることを、一流の人達が頑固さを感じさせることすらせずに真剣にしっかりとやった、といったような。
録音もコンセルトヘボウホールの柔らかい残響とか音の分離と融合とかを何を強調することなく、空気感をも程よく捉えて、圧倒感は伴わないが包まれるようスケール感も感じさせて上質と思う。
ソリストたちもうまいし録音的にも突出することなく、合唱は力みのない最後まで衰えない声量と心地よい広がりとちゃんとしたアンサンブルを感じさせて好感度大。
歓喜の歌もおおらかな力感が込められ、ほんのりとした喜びも感じられて好感。
声楽部中盤以降、何となく流れてしまうような演奏も多い中、声量もアンサンブルも少しも聴き応えを減じないところなども見事。
フィナーレは合唱がめいっぱい歌い上げる、という感じはないが引き継ぐ管弦が力強く〆て爽快な満足感を感じさせて〆ている。
冒頭に特に力強さは感じないと書いたが、全体に力感不足を感じることもない。
サヴァリッシュとコンセルトヘボウの組み合わせに、どこまでお行儀のいい演奏かと思いきや、確かに行儀よいのだが、それは充実した内面からにじみでるような風格と美しい深みを湛えての立ち居振る舞いの美しさといえるような行儀よさであり、地味かもしれないが、美しく上質な名盤と思う。
交響曲第9番「合唱」
指揮…サヴァリッシュ
演奏…ロイヤルコンセルトヘボウ管
合唱…デュッセルドルフ市楽友協会合唱団 他
好み度…5(5点満点)
特に力強さや激しさは感じない。特に荘厳さや敬虔な雰囲気を感じるわけでもなく、「ここがいい」という聴き所をつくっているわけでもない。特に可もなく不可もない、といった感じなようで、地味といえば地味なんだけど、でも、何かとてもいい。
その響きは、尖らずに厚く美しい調和があり、気品と美しさが、あふれるというよりは滲み出るようで、淡白なようで風格漂う味がある。
その深み漂う厚い美しさと調和をもった響きはベートーヴェンならではであり、コンセルトヘボウならではであり、サヴァリッシュの真摯さならではなのだろうと思う。
料理でいえば、よい素材を、濃いソースをかけることも、派手に盛り付けることもなく、素材の味を引き立てるためにできることを、一流の人達が頑固さを感じさせることすらせずに真剣にしっかりとやった、といったような。
録音もコンセルトヘボウホールの柔らかい残響とか音の分離と融合とかを何を強調することなく、空気感をも程よく捉えて、圧倒感は伴わないが包まれるようスケール感も感じさせて上質と思う。
ソリストたちもうまいし録音的にも突出することなく、合唱は力みのない最後まで衰えない声量と心地よい広がりとちゃんとしたアンサンブルを感じさせて好感度大。
歓喜の歌もおおらかな力感が込められ、ほんのりとした喜びも感じられて好感。
声楽部中盤以降、何となく流れてしまうような演奏も多い中、声量もアンサンブルも少しも聴き応えを減じないところなども見事。
フィナーレは合唱がめいっぱい歌い上げる、という感じはないが引き継ぐ管弦が力強く〆て爽快な満足感を感じさせて〆ている。
冒頭に特に力強さは感じないと書いたが、全体に力感不足を感じることもない。
サヴァリッシュとコンセルトヘボウの組み合わせに、どこまでお行儀のいい演奏かと思いきや、確かに行儀よいのだが、それは充実した内面からにじみでるような風格と美しい深みを湛えての立ち居振る舞いの美しさといえるような行儀よさであり、地味かもしれないが、美しく上質な名盤と思う。
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